DSPを用いた高電界誘電特性解析システムの開発

DSPを用いた高電界誘電特性
解析システムの開発
岐阜工業高等専門学校
電子システム工学専攻
所研究室
進藤久典
目的
電気絶縁材料の誘電特性を、絶縁材料の片
側表面に電極系を接触させるだけで測定可
能な、DSPを用いた高電界誘電特性解析シ
ステムの構築を目指す
DSP(Digital Signal Processor)の特徴
・ハードウェア乗算器を備えているため、FFTな
どの演算の処理速度がCPUより速い
・内部にプログラム用、データ用のメモリを別々
に持っているため高速に処理できる
・並列処理や割り込み処理のプログラミングが
容易
試料
6mm
60mm
50mm
HTVシリコーンゴムがいしの笠部分
HTVシリコーンゴムがいし用材料の板状試料
くし形電極
主電極
高電圧電極
30mm
電極幅・電極間隔 : 2mm
厚さ : 3mm
ステンレス製
くし形電極端部の電解解析結果
実験の手順
全測定系の伝達関数の評価
↓
ブリッジの同調
↓
交流損失電流応答の測定
↓
測定結果の解析
GAIN [dB]
140
130
120
110
0
100
200
300
400
周波数 [Hz]
500
全測定系の伝達関数の周波数特性
600
2
噴霧
[V]
-2 印加電圧波形
2
[V]
-2 損失電流波形
2連ランプ波印加時の取り込み波形
0.16
Ixr
⊿Ixc
電流 [μA]
0.12
0.08
0.04
0
0
10
20
30
-0.04
印加電圧のステップ数
2連ランプ波印加時の解析結果
40
0.4
Ixr
⊿Ixc
電流 [μA]
0.3
0.2
0.1
0
0
10
20
30
40
-0.1
印加電圧のステップ数
5連ランプ波印加時の解析結果
50
まとめ
DSPを用いた測定システムは、印加電圧
波形の出力と検出信号のアベレージング測
定およびそのFFT波形解析を同時に行うこ
とが可能である
高分子がいし上への蒸留水噴霧実験につ
いて、噴霧することにより電流が増加し、電
界依存性にヒステリシスや時間依存性を有
することなどが確かめられた
今後の課題
蒸留水を噴霧する実験に関して、試料上の
水滴の形状変化と、その時の誘電特性の対応
について検討することが望まれる
2
[V]
-2 印加電圧波形
2
[V]
-2 損失電流波形
一定電圧印加時の取り込み波形
Ixr
⊿Ixc
噴霧
0.5
電流[μA]
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
10
20
印加電圧のステップ数
一定電圧印加時の解析結果
一定電圧印加時の解析結果
30
HTV-SIR
 r Cover
Cover
H くし形電極
M
M
Cair
Cair
絶縁体
 r Cunder
H くし形電極
 r Cunder
HTV-SIR
(a) 電極上に試料がある場合
(b) 電極の下に試料がある場合
くし形電極系の等価回路
Ixc
Ixc
Ixr
(1)電極上の試料の
有無による方法
Ixr
(2)試料をのせない時の
同調状態を基準とする方法