世界ソブリンバブル衝撃のシナリオ 第8章国債バブル

世界ソブリンバブル衝撃のシナリオ
第8章国債バブル崩壊のシナリオ
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菊池貴宏
あまり意味がない埋蔵金
• 特別会計の積立金等は174.2兆円
(22年度決算処理後)。
この約8割は国民年金などの保険事業に関するもので、
将来の年金支払い等のために積み立てているものである。
• ・国民年金など保険事業(将来の保険支払等への
備え)…138.5兆円
• ・外国為替資金特別会計(為替・金利の変動等に
よる損失への対応)…20.6兆円
→1円の円高で約1兆円の為替評価損
・国債整理基金特別会計…13.7兆円
・財政投融資特別会計…1.2兆円→0.1兆円
→特例的な一般会計への繰り入れにより全額使用
特別会計の剰余金
• 22年度においては11.2兆円(国債整理基
金特別会計を除く)
• 国債整理基金では国債発行ができなくな
るなどの不測の事態の場合にも活用可能
な、将来の国債償還のため30.7兆円
とり崩すことができない
本来市場が注目すべきは、特別会計を含め、
政府が保有する資産の換金の可能性である。
財務省によると…
金融資産…約500兆円
・社会保障基金…約200兆円
・外貨準備…約100兆円
・出資金等…約200兆円
非金融資産…500兆円弱
・土地、森林…約130兆円
・建物、道路などの固定資産
…約360兆円
これら資産を売却しようとすると…
・外貨準備を換金=為替介入
埋蔵金・多額の資産保有
→円高に振れる
国債バブル膨張
・非金融資産売却
日本財政問題楽観視
→資産デフレ(物価下落)長期化
いずれにせよ、政府資産売却は容易
ではない。
外国人は国債を購入するか
国債暴落は突然やってくる
短い運用のタイムスパン
国債投資をしなかったことによる機会費用
財政破綻リスク
→国債は一気に売却され、暴落
もし中央銀行がリスク資産を買い入れたら
1.各国の中央銀行が国債購
入を減らす
2.保有資産を国債からリス
ク資産に振り向ける
利払い費と公債残高
政府が望む「デフレの存続」
デフレを回避し、名目成長率を引き上げ
る。
リフレ策には、不確実性・ギャンブル
性存在。
公債の利払い費
→23年度、約10兆円
大幅な利払い費増は何としても避ける!
新興市場への資金移動
• 長期金利低下し、内外金利格差
拡大・マネーの拡大が為替安
→新たな預金流失
• 日米で発生する国債バブルの裏
側で、金融緩和・量的緩和→新
興国のインフレをどんどん高め
る性質
アジア諸国の為替相場
先進国と新興国の金利水準格差拡大
→国債資金移動によって先進国の国債バブ
ル崩壊
1.新興国が為替切り上げと利上げを断行
近年、新興国
は利下げ
2.海外資金の受け皿市場必要
• 資本市場・国債市場は小さく先
進国の受け皿は準備できていな
い
オーストラリア国債市場
• 2010年6月現在の国債残高は423
億豪ドル(GDPの3%程度)
国債バブル崩壊のシナリオ困難
• 政府の負債GDP比率が、民間企業と家計
の資産を超えるとき
• 民間金融資産はGDP比460%ほど、名目
GDP成長率がマイナス1%の場合で
2024~25年
• あと、15年弱で国債バブルは崩壊するリ
スクがある