薬品分析学3 演習 HPLCの構成要素を順番に並べなさい。 ポンプ 記録計 溶媒(移動相液体)の瓶 カラム ポンプ 圧力計 試料導入部(インジェクター) 検出器 記録計 検出器 試料導入部(インジェクター) 溶媒(移動相液体)の瓶 カラム 圧力計 光学分割 (鏡像異性体の分離) 鏡像異性体 (対掌体): エナンチオマー (enantiomer) 旋光度以外の物性が同じ 通常のカラムで分離不能 ジアステレオマー&エナンチオマー 不斉中心が2つ以上ある化合物 立体異性体 エナンチオマー (enantiomer) ジアステレオマー (diastereomer) 3-クロロ-2-ブタノール (Fischer 投影式) S R CH3 H * OH H * Cl CH3 CH3 H * OH H * Cl CH3 ジアステレオマー&エナンチオマー ジアステレオマー (diastereomer) 不斉中心が2つ以上ある化合物にしかジアステレオマーは 存在しない 不斉中心が2つ以上ある化合物の異性体 エナンチオマー (enantiomer) の関係 S R CH3 H * OH HO H * Cl Cl CH3 対称面 エナンチオマー以外の関係 CH3 * H R * H S CH3 ジアステレオマー (diastereomer) の関係 ジアステレオマー&エナンチオマー 3-クロロ-2-ブタノール (Fischer 投影式) CH3 H * OH H * Cl CH3 CH3 HO * H R H * Cl R CH3 CH3 S H * OH S Cl * H CH3 CH3 HO * H R Cl * H S CH3 S R エナンチオマー (enantiomer) の関係 ジアステレオマー (diastereomer) の関係 ジアステレオマー 別化合物 通常クロマトグラフィー で分別可能 クロマトグラフィーによる光学分割 キラル固定相法 キラル化合物(分離対象) R R R S R R R R R R キラル化合物(固定相) R R R R キラル移動相法 R S R R R R S R R R S R S R R R S R R R R 固定相 R R 固定相 R キラル化合物(移動相) S R S R S R R クロマトグラフィーによる光学分割 ジアステレオマー法 R S R R R R R R R R 固定相 R 固定相 R 固定相 R S R S R S R S キラル化合物 S R 共有結合形成 化学反応 + R R R S R 別化合物 ジアステレオマー(diastereomer)の関係 通常クロマトグラフィー で分別可能 ジアステレオマー:例 グルコース 環状構造 マンノース HO HO H O H OH H OH OH H O * * * * HO O H H OH OH OH OH H H H O H OH O H OH OH H H OH H H H * OH HO * H HO * H H * OH CH2OH α:146 ℃ / β:150 ℃ 132~133℃ α:167 ℃ / β:143-145 ℃ 0.69 0.59 0.63 甘味度(vsショ糖) ジアステレオマー の関係 OH H OH OH CH2OH ジアステレオマー 別化合物 H O HO * H HO * H H * OH H * OH CH2OH H HO H H Fischer 投影式 融点 H OH H 還元型構造 ガラクトース 通常クロマトグラフィー で分別可能 クロマトグラフィーによる光学分割 キラル固定相法 R R R R R R R R R R R R 右足には右足用の靴 キラル移動相法 R R 別物 S R ジアステレオマー(diastereomer) 的な関係 通常クロマトグラフィー で分別可能 キラル固定相法・キラル移動相法に用いられるキラル化合物 教科書 P183 図3-35 演習 HPLCの構成要素を順番に並べなさい。 ポンプ 記録計 溶媒(移動相液体)の瓶 カラム 圧力計 検出器 試料導入部(インジェクター) 宿題(締切: 6/11(木),田中の部屋の前のカゴ) 以下の物質から「原理的にキラル固定相になるもの」と「原 理的にキラル移動相になるもの」をそれぞれ選びなさい。 ベンゼン グルコース アルブミン オクタデシルシリル基 ポリエチレングリコール シクロヘキサン ろ紙 プロリン 宿題(締切: 6/11(木),田中の部屋の前のカゴ) 以下の物質から「原理的にキラル固定相になるもの」と「原 理的にキラル移動相になるもの」をそれぞれ選びなさい。 ベンゼン グルコース アルブミン オクタデシルシリル基 ポリエチレングリコール シクロヘキサン ろ紙 プロリン キラル固定相になるもの: グルコース アルブミン ろ紙 プロリン 不斉(キラル)中心を有した化合物 キラル移動相になるもの: グルコース アルブミン プロリン 不斉(キラル)中心を有した化合物、かつ、溶媒に溶解する物質 電気泳動 電気泳動装置(ポリアクリルアミドゲル) パワーサプライ(電源装置) 出典 Wikipedia「ポリアクリルアミド電気泳動」 出典 http://www.tech-jam.com/campaign/budget/bio_10.phtml ポリアクリルアミドゲル ポリアクリルアミドゲル 出典: http://www-mls.tsurumi.yokohama-cu.ac.jp /stbiol/protocols/SDS_PAGE.pdf ポリアクリルアミドゲル化学構造 電気泳動(アガロースゲル) 電気泳動装置(アガロースゲル) パワーサプライ(電源装置) 出典: 教科書P218 図3-56 注意: 教科書の図3-56(b) の図はアガロースゲル電気泳動槽の図 アガロースゲル アガロースゲル アガロース: 寒天の主成分 上記単位構造が連なっ た多糖類(ポリサッカラ イド) 出典: http://munetoshi.blog50.fc2.com/ blog-date-200805.html 見ての通り寒天だ! ポリアクリルアミドゲル/アガロースゲル アガロースゲル ポリアクリルアミドゲル ポリマー(長鎖化合物)がからまって固まったもの 電荷が同じなら − ゲルの網目を抜けでる速さ >> 分子ふるい効果 分子量の小さな分子が早く 泳動される ゲルろ過と逆 + 分子量が同じなら電荷の大 きな分子が早く泳動される 電気泳動速度 移動速度 v: 移動速度; μ: 移動度; V: 電圧; L: 電極間距離; E: 電場強度 移動度 Q: 化合物電荷; π: 3.14•••; η: 溶媒粘度; r: 化合物半径 化合物半径 r ↑ 移動度 μ ↓ (μ ∝ 1/r) 化合物が大きくなると、泳動速度が遅くなる 化合物電荷 Q ↑ 溶媒粘度 η ↑ 移動度 μ ↑ (μ ∝ Q) 移動度 μ ↓ (μ ∝ 1/η) ポリアクリルアミドゲル/アガロースゲル: 応用 アガロースゲル ポリアクリルアミドゲル 核酸の鎖長決定 (プラスミド等) 核酸の鎖長決定 蛋白質の分子量決定 蛋白質の等電点決定 − − 核酸−蛋白質の結合定数決定 疎水性コア − + − 蛋白質の構造形成原理 ポリアクリルアミドゲル: SDS-PAGE SDS-PAGE 負電荷 − SDS: sodium dodecyl sulfate (界面活性剤) = 別名:ラウリル硫酸ナトリウム = 蛋白質の変性剤 PAGE: PolyAcrylamide Gel Electrophoresis (ポリアクリルアミドゲル電気泳動) − − − −− − − − − 蛋白質側鎖 − 長鎖脂肪鎖 (疎水性) 蛋白質主鎖 蛋白質の構造を崩す 鎖長に応じた泳動度 分子量に依存した長さ(大きさ) 蛋白質の分子量決定 キャピラリー電気泳動 装置概略 キャピラリー: フューズドシリカ(溶融石英)をポリイミドでコート 電源: 高圧電源 (10k〜30kV, 250 μA 以下) 検出器: 紫外吸光度(UV)検出器、フォトダイオードアレイ検出器 資料注入: 落差法(サイホン)、吸引法、加圧法、(電気)泳動法 キャピラリー電気泳動:分類 キャピラリーゾーン電気泳動 支持体:なし(電解質溶液) 泳動の駆動力:電気浸透流(電荷(+,N,−)に関わらず陰極側へ) 泳動速度:陽イオン > 中性物質 > 陰イオン Si O Si O Si O− OH O− + + 電気浸透流 電気二重層 壁近傍の陽イオンの流れが駆動力 − 電気浸透流の元 泳動界面が平ら 高分離能のクロマトグラフィー(電気泳動) キャピラリー電気泳動:分類 キャピラリーゲル電気泳動 支持体:あり(ポリアクリルアミド、アガロース等) 泳動の駆動力:静電引力 泳動速度:分子ふるい効果(大きな分子が遅い) キャピラリー中のゲル電気泳動 キャピラリー電気泳動:分類 ミセル動電クロマトグラフィー 泳動液:イオン性ミセル添加電解溶液 泳動の駆動力:電気浸透流(ミセルの泳動は遅い) 泳動速度:ミセル相と水相との分配平衡 ミセル相に取込まれやすい化合物の泳動が遅れる キャピラリー電気泳動:応用 DNA塩基配列解析(シーケンシング) キャピラリーゲル電気泳動 どちらか不明 キャピラリーゾーン電気泳動 生命科学(ゲノム配列解析)を飛躍的に進めた装置 演習 化合物(a)〜(c)のうち、四角で囲んだ化合物と「キラル固定相法」 「キラル移動相法」等の光学分割が必要な化合物と、通常カラム で分離可能な化合物を(a)〜(c)の記号で答えなさい。 CH3 S H * OH R H * Cl CH3 (a) CH3 R HO * H R H * Cl CH3 光学分割が必要な化合物: 通常カラムで分離可能な化合物: (b) CH3 S H * OH S Cl * H CH3 (c) CH3 R HO * H S Cl * H CH3 宿題(締切: 6/18(木),田中の部屋の前のカゴ) 分子(a)〜(c)の、電気泳動での移動速度の順番を答えなさい。 (a) 電荷価数: -5, 半径: 9 nmの球 (b) 電荷価数: -1, 半径: 3 nmの球 (c) 電荷価数: -2, 半径: 60×10-10 mの球 分子(d)〜(f)の、電気泳動での移動速度の順番を答えなさい。 ただし球状蛋白質の密度は全て同じで、蛋白質は完全な球体 であるものとする。 (d) 電荷価数: -5, 分子量: 9000の球状蛋白質 (e) 電荷価数: -4, 分子量: 12000の球状蛋白質 (f) 電荷価数: -6, 分子量: 15000の球状蛋白質 宿題(締切: 6/18(木),田中の部屋の前のカゴ) 分子(a)〜(c)の、電気泳動での移動速度の順番を答えなさい。 e: 電子1個の電荷 (a) 電荷価数: −5, 半径: 9 nmの球 -19 (C) -1.602×10 (5e) 5e = = 移動度 6πη×9 54πη クーロン (b) 電荷価数: −1, 半径: 3 nmの球 (1×e) e 3e = = = 移動度 6πη×3 18πη 54πη (c) 電荷価数: −2, 半径: 60×10-10 mの球 60×10-10 m = 6×10-9 m = 6 nm (2e) e 3e = = = 移動度 6πη×6 18πη 54πη 答 (a) > (b) ≈ (c) 宿題(締切: 6/18(木),田中の部屋の前のカゴ) 分子(d)〜(f)の、電気泳動での移動速度の順番を答えなさい。 ただし球状蛋白質の密度は全て同じで、蛋白質は完全な球体 であるものとする。 単位(C) 移動度 単位(m) (d) 電荷価数: -5, 分子量: 9000の球状蛋白質 単位(g/mol = g•mol-1) 分子1 molの質量 分子量 ≠ 半径 ( r に分子量を代入してはダメ!) ただし、分子量と半径 r には一定の関係がある(関数関係) 分子量 → 半径 の変換が肝! 蛋白質1個の質量 = 分子量/アボガドロ数 (NA) = 9000/NA (g) 移動度 単位(C) 単位(m) (d) 電荷価数: -5, 分子量: 9000の球状蛋白質 単位(g/mol = g•mol-1) 分子1 molの質量 分子量 ≠ 半径 ( r に分子量を代入してはダメ!) ただし、分子量と半径 r には一定の関係がある(関数関係) 分子量 → 半径 の変換が肝! 蛋白質1個の質量 = 分子量/アボガドロ数 (NA) = 9000/NA (g) 蛋白質1個の体積 =蛋白質1個の質量/密度 (a (g/m3)) = {9000/NA (g)}/a (g/m3) 9000 = (m3) NA•a 4πr3 蛋白質1個の体積 = (m3) (球の体積の公式) 3 移動度 単位(C) 単位(m) (d) 電荷価数: -5, 分子量: 9000の球状蛋白質 単位(g/mol = g•mol-1) 分子1 molの質量 3 4πr 9000 = 蛋白質1個の体積 (m3) = NA•a 3 4πr3 (球の体積の公式) 9000 = 3 NA•a 27000 3×9000 3 = r = 4πNA•a 4πNA•a r= √ 3 √ 3 27000 1 = 30 4πNA•a 4πNA•a (d) 電荷価数: -5, 分子量: 9000の球状蛋白質 r= √ 3 √ 3 27000 1 = 30 4πNA•a 4πNA•a (m) (e) 電荷価数: -4, 分子量: 12000の球状蛋白質 √ √ √ √ √ √ 3 3×分子量 = 4πNA•a √ 3 36 36000 r= = 10 4πNA•a 4πNA•a (m) (f) 電荷価数: -6, 分子量: 15000の球状蛋白質 r= 3 3×分子量 = 4πNA•a 3 3 3×12000 = 4πNA•a 3×15000 = 4πNA•a 3 3 √ 3 45 45000 = 10 4πNA•a 4πNA•a (m) (d) 電荷価数: -5, 分子量: 9000の球状蛋白質 Q 1 5e Q = = μ(d) = r 6πη 6πη 6πηr e = 6πη √ 3 √ 3 e 4πNA•a = 27000 6πη √ 3 πNA•a 54 (e) 電荷価数: -4, 分子量: 12000の球状蛋白質 Q 1 4e = μ(e) = r 6πη 6πη √ 3 e 4πNA•a = 36000 6πη √ 3 πNA•a 140.6 (f) 電荷価数: -6, 分子量: 15000の球状蛋白質 Q 1 6e = μ(f) = r 6πη 6πη 答: (f) > (d) > (e) √ 3 e 4πNA•a = 45000 6πη √ 3 πNA•a 52.08 53×4πNA•a 27000 分離分析:まとめ DNA塩基配列解析(シーケンシング) キャピラリーゲル電気泳動 どちらか不明 キャピラリーゾーン電気泳動 生命科学(ゲノム配列解析)を飛躍的に進めた装置
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