高精度DEMを用いた伊豆半島 の段丘地形の特徴・分布 小山研究室 30916002 4年 石崎 淳 研究目的 2004年にユネスコ支援の下世界ジオパークネットワークが発足。 伊豆半島でも2011年3月、伊豆地域等が協力して「伊豆半島ジオパーク推 進協議会」が設立された。 しかし、伊豆の持つジオパーク資産の整理や分析は十分されていない。い。 そこで、伊豆半島の地形を調べ、研究する。 特に、伊豆半島に限定的に知られている河岸段丘、海 岸段丘、山間部に存在する平坦地などの分布や特徴を 調べ、その実態を把握するとともに、それらの成立過 程の考察を行う。 ジオパークとは ジオパーク(geopark)とは地質学(geology)と公園(park)を組み 合わせた造語で、科学的・文化的に貴重な地質遺産を含む自然公園のこ とである。 ・地域の地史や地質現象を示す地質遺産を保全 ・地球科学や環境問題の教育・普及活動 ・観光資源として地域の活性化 ・地質災害に対する理解や防災への取り組み <日本地質学会HPより> 伊豆ジオパーク構想の歩み 年 月 2009年 7月 内容 県知事がジオパーク構想の推進を県議会で明言 10月 県知事と県東部11市10町の市町長との懇談会が開催され、伊 豆半島のジオパーク構想についての意見交換 2011年 9月 「伊豆半島ジオパーク構想地域研究会」が、西伊豆町でスター ト。 以後12月までに伊豆の各地で計8回開催 1月 ・伊豆半島サミットが開かれる ・ジオパーク構想指針書の完成と公表 3月 ・2012年4月に「日本ジオパークネットワーク」への加盟を目 標とした11年度の事業計画を承認 ・28日ジオパーク推進協議会の設立、伊東市への事務局設 置 11月 ・伊豆半島のジオパーク構想の公式ロゴマークが決定 2012年 5月 ・日本ジオパークネットワークへの加盟申請書を提出 伊豆半島の成り立ち 伊豆半島は本州で唯一、フィリピン海プレートの上にのっていて、火山活動を繰 り返しながら本州に衝突しできた。 (1)2000~1000万年前 (2)1000~200万年前 (3)200~100万年前 (4)100~60万年前 (5)60万年前 (6)60~20万年前 本州から数百km南で深い海底での噴火活動 本州に近付き、浅い海底での火山活動 本州への衝突開始と陸域の出現 衝突の進行と陸上大型火山の出現 伊豆の半島化 陸上での噴火による天城山や達磨山の形成 ほぼ現在の姿になる。 伊豆半島は世界のどこにも同種の 例を見ない、地球上の特異点とも 言える場所である。 <伊豆半島ジオパーク構想HPより> 伊豆半島の成り立ち <伊豆半島ジオパーク構想指南書より> 河岸段丘、海岸段丘 ◎河岸段丘(河成段丘) 河川の中・下流域に流路に沿って発達する階段状の地形である。平坦な部分(段 丘面)と傾斜が急な崖(段丘崖)が交互に現れる。 ◎海岸段丘 海岸線に発達した階段状の地形。隆起地帯に発達した地形であり、海水準変 動と地盤隆起の組み合わせにより形成される。 図:河岸段丘 出典:津南町HP 図:海岸段丘のできかた 出典:NHK高校講座 河岸段丘のでき方 1.山の谷間には雨や土砂が流れ込み、やがて平らな面ができます。 2.雨や山から染み出た水は集まって川となり、平らな面を深く掘り 下げていきます(川の侵食作用)。 3.そこへ地殻変動などにより、上流の地域が隆起すると、川の勾配 は急になり、流れも速くなります。 4.川が乱流したエリアは周りの土地より一段低く なります。川の影響のなかったところはそのま まの高さで残り、その結果、段丘となります。 <大和紀伊のみちくさトリビアより> 研究方法 操作手順 ・伊豆半島の赤色立体地図を入手する ・赤色立体地図から河岸段丘、海岸段丘を抽出し、 GoogleEarth上のポリゴン座標を用いてマッピン グする ・地質図データとともにGIS上で重ね、河岸段丘、 海岸段丘の分布を分析する GIS GIS(Geographic Information System(s))とは地理情報システムのこ ああ と。地理的位置を手がかりに、視覚的に表示し地理情報を参照できるよ うに表示・検索機能を持ったシステムである。 <GIS活用例> GISには施設管理、土地評価、都市計画支援、など 出典:国土交通省 出典:国土交通省 赤色立体地図 赤色立体地図とは、急斜面ほどより赤くなるように、尾根や独立峰ほど明るく、 谷や窪地ほど暗くなるように調製した疑似カラー画像である。 ・等高線図では表現できない線と線の間の情報の可視化 ・これまで見ることのできなかった土地の姿を見ることができる 赤色立体地図 航空写真 色彩投影図 投影図 新しい地形表現方法 で1枚の画像で地形 を立体的に表現する ことが可能である。 (アジア航測株式会社のHPより) ポリゴン図形を用いたマッピング 伊豆半島中央に流れる狩野川の中流、修善寺東小付近の図を使用 なお伊豆の赤色立体地図は国土交通省沼津河川国道事務局の提供による 500m GoogleEarth 上の航空写真 500m 航空写真に赤色立 体地図をのせる 500m 赤色立体地図の上に ポリゴンをのせる 河岸段丘の特徴① 現在、抽出したのは伊豆中央に 流れる狩野川の河岸段丘 下流 特徴① 河岸段丘は下流、 上流では発達し ない。 中流に発達して いる。 中流 上流 5000m 河岸段丘の特徴② 特徴② きれいな段差は 少なく入り組ん だ段差が多い。 段差が入り組んでいる。 河川からきれいに三段の 構造になっている 300m 河岸段丘の特徴② 200m 特徴② きれいな段差は少なく、入り 組んだ段差多い。 ・Aの部分では一段目、Bの 部分は三段目になっている。 ・Cの部分では二段目、Dの 部分は四段目になっている。 A C 同じ層でも河川を登ってい くうちに標高が高くなり段 差が変わることがある。 D B 今後の課題 ・抽出した河岸段丘を段差、高さごとに色分けし、分析する。 ・狩野川以外の河川でも河岸段丘を抽出し、河川ごと比較、 分析する。 ・海岸段丘の抽出を行う。 ・土砂移動にともなってできた山間部の平坦地の抽出を行う ・河岸段丘、海岸段丘、平坦地それぞれの成立過程を考察する。
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