配車問題 最大積載量が異なるトラックをそれぞれ何台ず つか持っている配送センターから、 n個の配送先へ荷物を配送する場合、 総距離を最小にするためには、どのような路線 をとったらよいか。 巡回問題の一種 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 考え方 配送先a 配送先b β α センター γ 配送先a α β センター (1図) (1図)の場合の距離 : 2α+2β (2図)の場合の距離 : α+β+γ (1図)と(2図)の差 2015/10/1 配送先b : α+β-γ = Sab Sabの値だけ輸送距離が増減する。 ©ATSUTO NISHIO (2図) 考え方 配送先a 配送先b α β α センター (1図:往復配送) γ 配送先a α+β-γ=Sab 配送先b β センター (2図:巡回配送) Sab間の値だけ輸送距離が増減する。 すなわち Sab > 0 ならば 減 (巡回配送にする) Sab = 0 ならば 不変 Sab < 0 ならば 増 (往復配送にする) 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 考え方 配送先a 配送先b 配送先a センター 配送先b α β α γ (1図) β センター (2図) 配送先aから配送先bへ行くのに、 節約できる距離を SETUYA(a,b)とすると、 配送先aから配送先bへ行くときの距離の節約分は、 SETUYA(a,b)= (センターとaの距離)+(センターとbの距離)-(aとbの距離) 2015/10/1 = α ©ATSUTO+NISHIO β - γ 問題(例11・1) - 配送先 表1:配送先 配送先 センターからの距離 1 2 3 4 5 6 13 8 16 12 12 12 需要量 100 150 200 130 250 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 7 14 8 15 90 120 290 問題(例11・1) - 配送先相互間の距離 表2 : 配送先相互間の距離(γ) 1 2 3 4 5 6 7 8 1 0 2 7 0 3 11 10 0 4 25 20 15 0 5 27 20 28 11 0 6 25 20 28 24 25 0 7 27 23 30 28 27 7 0 2015/10/18 18 14 21 20 17 ©ATSUTO NISHIO17 11 0 問題(例11・1) - トラックの制限 表3 : 利用可能トラックの制限 300kg積 - 10,000 台 400kg積 - 3台 500kg積 - 1台 これらの条件のもとで、 総配送距離の最も短くて済む配車計画を考える 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 考え方 SETUYA(a,b)= (センターとaの距離)+(センターとbの距離)-(aとbの距離) この式から節約表を作成する。 (負の値は節約不可能 ⇒ 往復配送のまま) 1 2 3 4 5 6 7 8 16+12-15 1 0 2 14 0 3 18 14 0 4 0 0 13 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 19 2015/10/18 0 -1 0 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 0 8 0 手順ⅰ センターから全ての配送先に1台ずつの トラックで配送するときの総距離は、 2×(13+8+16+12+12+12+14+5) =184 で、 必要なトラックの台数は、 300kg積-8台。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅰ(ルート) (150) (100) 300 2 6 1 13 (200) (90) 300 8 12 16 3 300 14 C 7 300 (120) 300 12 5 12 300 4 (130) 2015/10/1 300 5 300 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅰ→手順ⅱ SETUYA(a,b)= (センターとaの距離)+(センターとbの距離)-(aとbの距離) 正の値のルートは節約可能(巡回配送にする)。負の値のルートはそのまま。 1 2 3 4 5 6 7 1 0 2 14 0 3 18 14 0 4 0 0 13 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 19 2015/10/18 0 -1 0 8 節約高最大 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 0 8 0 手順ⅱ 節約高の最大のものを節約表から探すと、 SETUYA(6,7)=19 したがって、 C-6-7-C を1台のトラックで配送することにすると、 6の需要:90、7の需要:120で、 合計210kgとなるので、 300kg積のトラックを使用する。 これ以外の配送先は、1台ずつのトラックで配送することにすると、 総配送距離は、184-19=165kmとなり、 トラックの台数は300kg積7台となる。 SETUYA(6,7)は調べたので、SETUYA(6,7)=0 とする。 これ以上節約できない 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅱ(ルート) (150) (100) (90) 2 6 1 13 8 12 (7) 300 (200) 16 3 14 C 12 12 7 (120) 5 4 (130) 2015/10/1 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅱ(節約表) 総配送距離 : 184-19=165 使用トラック : 300kg-7台 (残り500-1台 400-3台) 1 2 3 4 5 6 7 8 1 0 2 14 0 3 18 14 0 4 0 0 13 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 8 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅲ 同様に、節約表より、その次に節約高最大のものを探すと、 SETUYA(1,3)=18 したがって、C-1-3-Cを1台のトラックで配送せればよい。 1の需要:100、3の需要:200で、 合計300kgとなるので、 300kg積のトラックを使用する。 総配送距離は、165-18=147kmとなり、 トラックの台数は300kg積6台に減る。 SETUYA(1,3)は調べたので、SETUYA(1,3)=0 とする。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅲ(ルート) (150) (100) (90) 2 6 1 (11) (200) 13 8 300 (7) 300 16 3 12 (120) 14 C 12 12 7 5 4 (130) 2015/10/1 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅲ(節約表) 総配送距離 : 165-18=147 使用トラック : 300kg-6台 (残り500-1台 400-3台) 1 2 3 4 5 6 7 8 1 0 2 14 0 3 0 14 0 4 0 0 13 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 8 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅳ 同様に、節約表より、その次に節約高最大のものを探すと、 SETUYA(1,2)=14 (同じ値が2つ以上あるときは、出発地番号が早いほう) C-1-3-Cが決定されているので、それとドッキングさせ、 C-3-1-2-C を1台のトラックで配送すればよい。 1の需要:100、2の需要:150、3の需要:200で、 合計450kgと なるので、500kg積のトラックを使用する。 総配送距離は、147-14=133kmとなり、 トラックの台数は500kg積1台、300kg積4台となる。 SETUYA(1,2)は調べたので、SETUYA(1,2)=0 とする。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅳ(ルート) (150) (100) (90) 2 6 1 (11) (200) 13 8 500 (7) 300 16 3 12 (120) 14 C 12 12 7 5 4 (130) 2015/10/1 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅳ(節約表) 総配送距離 : 147-14=133 使用トラック : 300kg-4台 500kg-1台 1 2 3 4 5 (残り500-0台 400-3台) 6 7 8 1 0 2 0 0 3 0 14 0 4 0 0 13 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 8 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅴ SETUYA(2,3)=14が最大であるが、このルートは既 に決定済なので、SETUYA(2,3)=0 とする。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅴ(節約表) 総配送距離 : 147-14=133 使用トラック : 300kg-4台 500kg-1台 1 2 3 4 5 (残り500-0台 400-3台) 6 7 8 1 0 2 0 0 3 0 0 0 4 0 0 13 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 8 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅵ 残ったものについて、 SETUYA(3,4)=13 が最大である。 3は前に決定した C-3-1-2-C に組み込まれているので、 それにリンクさせ、C-4-3-1-2-C を1台のトラックで 配送することを考えると、 4の需要:130、3の需要:200、1の需要:100、2の需要:150 の 合計580kgとなり、使用可能なトラックはない。 したがって、 このルートは採用不可能だから、SETUYA(3,4)=0 とする。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅵ(ルート) (150) (100) (90) 2 6 1 500 (11) 8 12 (7) 300 (200) 16 3 C × (120) 14 12 12 7 5 4 (130) 2015/10/1 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅵ(節約表) 総配送距離 : 147-14=133 使用トラック : 300kg-4台 500kg-1台 1 2 3 4 5 (残り500-0台 400-3台) 6 7 8 1 0 2 0 0 3 0 0 0 4 0 0 0 0 5 -2 0 0 13 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 8 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅶ 残ったものについて、 SETUYA(4,5)=13 が最大である。 C-4-5-C を400kg積で配送する。 その結果、 総配送距離は、133-13=120km となる。 SETUYA(4,5)=0 とする。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅶ(ルート) (150) (100) (7) (90) 2 6 1 (11) (200) 500 8 12 12 (130) 2015/10/1 (120) 14 C 4 (7) 300 16 3 12 7 5 400 (11) 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅶ(節約表) 総配送距離 : 133-13=120 使用トラック : 300kg-2台 400kg-1台 500kg-1台(残り500-0、400-2台) 1 2 3 4 5 6 7 8 1 0 2 0 0 3 0 0 0 4 0 0 0 0 5 -2 0 0 0 0 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 8 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅷ 残ったものについて、 SETUYA(7,8)=8 が最大である。 C-8-7-6-C を500kg積で配送すればよいが、 500kg積トラックは1台で、既に手順ⅳで使用している ので、このルートは採用不可能。 したがって、SETUYA(7,8)=0 とする。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅷ(ルート) (150) (100) (7) (90) 2 6 1 (11) (200) 8 500 (7) 300 16 3 12 (120) 14 C 7 × 12 12 4 (130) 2015/10/1 5 400 (11) 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 手順ⅷ(節約表) 総配送距離 : 133-13=120 使用トラック : 300kg-2台 400kg-1台 500kg-1台(残り500-0台 400-2台) 1 2 3 4 5 6 7 8 1 0 2 0 0 3 0 0 0 4 0 0 0 0 5 -2 0 0 0 0 6 0 0 0 0 -1 0 7 0 -1 0 -2 -1 0 0 2015/10/18 0 -1 0 0 0 -3 0 ©ATSUTO NISHIO 0 手順ⅸ 残ったものについて、節約表をみると、正の値がない。 これで、手順終了。 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO 手順ⅸ(ルート) (150) (100) (7) (90) 2 6 1 (11) (200) 8 500 12 12 (130) 2015/10/1 (120) 14 C 4 (7) 300 16 3 12 5 7 300 400 (11) 5 (250) ©ATSUTO NISHIO 8 (290) 結果の検討 ◎ 8カ所のセンター全てに往復配送する場合。 総配送距離:184km 使用トラック:300kg積-8台 ◎ 最短経路の場合。 総配送距離:120km 使用トラック:500kg積-1台 400kg積-1台 300kg積-2台 2015/10/1 ©ATSUTO NISHIO
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