景気と国際金融 第1章国際金融 -二つの側面- 製作:Morozumi.T 06/08/2000 ◇要旨 「経常収支はフローによる時間的選好によっ て決定される」 フローの側面=供給サイド→貿易パターン決定 =需要サイド→経常収支決定 ストックの側面=資産選択(取引)決定 ■フローの側面 ◆供給サイド ①生産技術高く、国際市場競争勝った場合 ↓ 日本の労働市場に限界がある為、世界需要を 満たせない ↓ 儲かる産業に資本、雇用集中。儲からない分野 は必然的に縮小または消滅 (国内他産業との競争に負けた為であり、円高 が原因ではない) ②生産技術低く、国際市場競争に負けた場合 ↓ 他国が作らない製品に特化して輸出 (他国に技術力で負けた訳ではない) ③生産技術があまりにも劣って、国際競争に負けた場合 ↓ 貿易赤字なり得ない ↓ 国内で消費 以上①から③のケースにより、品質や価格競争力は、 貿易パターンに影響する。 ↓ その結果、日本全体としての貿易黒字・赤字とは直接 結びつかない。 (「合成の誤謬」=個々の企業、産業レベルと経済全体 の話を混同) ◆需要サイド 将来の生活重視→経常収支黒字→債権国 現在の生活重視→経常収支赤字→債務国 経常収支黒字・赤字は時間的選好によって決定される ■ストックの側面 人々は収益率、流動性、安定性、比較しながら 現状よりも有利な資産を選択していく。 ↓ しかし、取引の際には必ず等価交換が生じるため 各国内の資産量は不変のまま、資産の構成が変化 したに過ぎない。 *ストックの側面における時間軸の設定 HML株価の推移 14000 12000 価格 c1 10000 8000 c0 4000 2000 HML 6000 0 0 5 10 15 時間 T0 20 T1 25 国民所得Y(GNP等)の概念 ある一定期間に渡って、その国の経済で生み出される 全ての財貨・サービスの総価値ないし、それに見合っ て受け取られる総所得額。 有形資産→土地、建物等 ストック 無形資産→現金、短期長期債券、 株式等の金融資産 よって、金融資産の将来的損益は経常収支へ 含まれない。
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