分散遺伝的アルゴリズムにおける 最適な交叉率および突然変異率 三木光範 廣安知之 同志社大学工学部 ○大向一輝 金子美華 intelligent systems design laboratory, Doshisha University 同志社大学大学院 I S D L 1 発表の概要 研究背景 実験 最適な交叉率 最適な突然変異率 結論 I S D L 2 分散GAとは 単一母集団GA SGA DGA 分散GA ・母集団を分割 ・一定世代ごとに移住 分散GAは単一母集団GAと比較して,良好な解を 速く求めることが可能である I S D L 3 最適な交叉率と突然変異率 SGA 交叉率 突然変異率 DeJong DeJong (1975) 0.6 Grefenstette (1986) 0.95 Bäck 0.75~0.95 (1996) (1975) 0.001 Grefenstette (1986) 0.01 Schaffer (1989) 0.005~0.01 Bäck (1996) 1/L (Lは染色体長) 分散GAにおける最適な交叉率および突然変異率に 関する研究は少ない I S D L 4 実験 - 対象問題 Rastrigin関数(10次元) n f Rastrigin 10n ( x 10cos(2xi ) i 1 2 i 変数間の 依存関係なし Schwefel関数(10次元) n x fSc hwefe l x i2 sin i 1 i 変数間の 依存関係なし Griewank関数(10次元) n xi xi2 1 cos i i 1 4000 i 1 n f Griewank 変数間の 依存関係あり これらの関数の最大化 (大域的最適解 0) I S D L 5 実験 - パラメータ設定 交叉率 0.0 突然変異率 0/L 個体数 サブ母集団数 0.1 180 0.3 0.01/L 0.1/L 450 1 (SGA) 0.6 1.0 1/L 10/L 900 1620 9 (DGA) 移住率 0.3 ルーレット選択 エリート保存 移住間隔 5 グレイコード 終了世代 1000 最高の適合度を得ることのできる交叉率 および突然変異率の設定を調べた I S D L 6 解の探索能力 最高の適合度 分散GAでは単一母集団GAと比べて,良好な解を 得ることができる I S D L 7 最適な交叉率 例:Schwefel関数・総個体数1620 SGA 世代によって最適な交叉率が異なる DGA 全ての世代で 1.0 が良好 I S D L 8 最適な交叉率 最高の適合度が得られた交叉率 SGA 対象問題によって傾向が異なる DGA 対象問題・個体数に関わらず 1.0 が良好 I S D L 9 移住と交叉による解の探索 分散GAでは,母集団を分割することで全体として多様性を保持している 交叉率が高いほど,解の探索能力は高くなる I S D L 10 移住と交叉による解の探索 SGA 高い交叉率は良好な解を破壊する可能性がある DGA サブ母集団内での多様性が低い 部分的なスキーマを形成すればよい 分散GAでは高い交叉率を与えても問題はない 以上の理由により,分散GAにおける最適な交叉率は 1.0 であるといえる I S D L 11 最適な突然変異率 DGA 総個体数と突然変異率の関係(Rastrigin関数) 交叉率1.0 20*9 早期収束を防ぐ働きを持つ 180*9 解を破壊し,適合度の上昇を遅らせる I S D L 12 最適な突然変異率 最高の適合度が得られた突然変異率 SGA 対象問題によって傾向が多少異なる DGA 個体数が増えるに従い突然変異率は減少 I S D L 13 結論 分散GAにおける最適な交叉率 対象問題・個体数に関わらず 1.0 が良い パラメータ設定の困難さが軽減できる 分散GAにおける最適な突然変異率 個体数に少ない場合には 1 / L が良く, 個体数が増えるに従い減少させる I S D L 補足資料 - 最適な突然変異率 突然変異率の減少傾向は対象問題によって異なる 母集団の分割数との関係は薄い I S D L 補足資料 - 最適な突然変異率 Griewank関数のような「完全に解けない」問題であっても 突然変異率は個体数に応じて減少する I S D L 11 移住と交叉による解の探索 あるサブ母集団内における 新しい個体と交叉率との関係(理論値) 交叉率1.0のとき 1世代で42% 5世代で約100%の 新しい個体が 生み出される この理由により,分散GAでは交叉率は 1.0 と 設定するのが良いと考えられる I S D L 3 交叉と突然変異の性質 交 叉 個体間での情報交換 初期個体に含まれるビットを 適切に組み合わせる 突然変異 多様性の保持 交叉のみでは生成できない 個体を生み出す I S D L
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