冬期道路条件下での排水性舗装と SMA 舗装の有効性に関する室内試験 高橋尚人 *1、徳永ロベルト *1、田中俊輔 *1、田湯文将 *2、武市靖 *3 1.研究の目的 排水性舗装は、車両後方の水はねの低減、ハイドロプ TEST1: 試験舗装に散水し、氷膜を作成した後に試験輪 レーニング現象のリスク低下、路面反射の改善、交通騒 を繰り返し走行させ、通過輪数による氷膜厚さ 音の低減などを目的として利用されてきた。しかし、寒 とすべり摩擦係数(μ)を計測 冷な気象条件下では、長所・短所の両方が報告されてい TEST2: 試験舗装に散水して作成した氷膜に凍結防止 る。たとえば、 剤を散布した後に試験輪を繰り返し走行させ、 長所: 通過輪数による氷膜厚さとμを計測 ① 舗装面からの排水により、ブラックアイスの発生や 凍った水たまりの発生を減らす 1),2)。 氷膜厚は簡易デジタル膜厚計((株)シロ産業、 ② 除雪後に排水性舗装上の雪氷が、氷点下でも密粒度 3) 舗装に比較してすぐに消える 。 M352-01177G)(図-2)で計測した。 試験舗装の諸元を表-1、試験条件を表-2 に示す。 ③ 排水性舗装は、冬期道路状況で従来の舗装表面と同 等かそれ以上のすべり抵抗値を示す 1),4)。 短所: ① 排水性舗装の表面温度は早く低下し、より早い、頻 繁な路面凍結をもたらす 5),6)。 ② 空隙をふさがないよう、冬期道路管理ですべり止め 材の使用を推奨しない 1),7)。 ③ 排水性舗装の表面は除雪車のブレードに対して弱 いので、除雪を慎重に行う必要がある 8),9)。 ④ 凍結防止剤が空隙から排出されるため、密粒度舗装 より多くの散布量を必要とする 10) 図-1 室内走行試験装置 図-2 簡易デジタル膜厚計 このように、排水性舗装の冬期道路環境下での有効性 については明確な結論が得られていない 11),12)。 また、SMA 舗装の冬期道路での有効性については、排 水性舗装より研究事例が少なく 13) 、SMA 舗装の冬期道路 での有効性は排水性舗装と同様に不明である。 本研究は、排水性舗装と SMA 舗装の冬期道路環境下で の有効性の検証を目的として、室内実験を実施した。 2.研究の手法 試験は、北海道学園大学の室内走行試験装置(図-1) を用いて行った。本装置は室温を制御可能であり、試験 輪を往復走行させることで道路交通を模擬することがで 表-1 きる。また、試験輪は任意のスリップ率に設定でき、試 験輪をフルロック(100%スリップ)で定速走行させるこ とですべり摩擦係数(μ)を計測することができる。 本研究では、装置の走行レーンに密粒度舗装 (Dense-Graded Asphalt: DGA)、SMA 舗装(SMA)、排水 MPD (mm) 現場透水係数 (ml/15sec.) すべり摩擦 係数(μ) 乾燥路面 湿潤路面 試験舗装の諸元 密粒度舗装 SMA舗装 排水性舗装 (DGA) (SMA) (PA) 0.71 1.42 1.98 0 0 1,300 0.82 0.83 0.82 0.62 0.63 0.62 性舗装(Porous Asphalt: PA)を設置し、以下の試験を 行った。 *1 独立行政法人土木研究所 寒地土木研究所 *2 大成ロテック(株)(研究当時 北海学園大学) *3 北海学園大学 DGA は試験温度にかかわらず 100%に近い値を示し、 表-2 試験条件 散布した水のほぼ全てが凍結したことを意味する。SMA DGA, SMA, PA -3℃、 -5℃、-8℃ 舗装種類 試験温度 散水量 は、1l 散水の場合、-3℃では約 70%、-8℃では 95%の水 が凍結した。全般に、SMA の率が DGA に比べて低い(散 1 l/m2, 2 l/m2 注:水温1℃ 水量に比べて発生する氷量が少ない)のは、SMA の粗な 2 散水量1回 0.5l/m 2 塩ナト 20 g/m * 氷膜厚 (mm) すべり摩擦係数( μ ) 0, 100, 1000, 2000 輪通過後 * TEST 2 のみ実施 凍結防止剤 測定項目 計測 表面が、散布された水の一部をとらえたからと考えられ る。 PA は 、 SMA に 比 べ て さ ら に 低 い 値 を 示 し た 。 こ れ は 、 PA の 粗 で 透 水 性 の あ る 表 面 が 、 舗 装 表 面 上 の水分量を減らしたからと考えられる。 3.試験結果 ま た 、SMA、PA と も に 温 度 が 低 く な る に つ れ 、値 (1)発 生 す る 氷 膜 厚 が高くなる傾向にある。低温下では水が速やかに 図 -3 に 、 散 水 量 に 対 す る 氷 量 の 比 を 示 す 。 た と 2 え ば 、1.0l/m の 水 を 散 水 し 、全 て が 氷 膜 に な っ た 場 合 、 氷 量 と 散 水 量 の 比 は 100% に な る 。 120 -3 ℃ -5 ℃ 全 般 に 、 PA は 、 舗 装 表 面 で 氷 膜 を 形 成 す る 水 分 量 を 減 ら す こ と に つ い て 、DGA よ り 高 い 効 果 が あ り 、 SMA は PA と DGA の 中 間 的 な 特 徴 を 示 し た 。 -8 ℃ 100 氷量 / 散水量 (%) 凍結するためと考えられる。 (2)氷 膜 厚 ・ す べ り 摩 擦 係 数 の 変 化 80 ① TEST1( 凍 結 防 止 剤 散 布 な し の 場 合 ) の 結 果 60 図-4 に、TEST1(凍結防止剤散布なしの場合)の氷膜 40 厚の変化を示す。 20 0 DGA SMA PA DGA 1.0 l/m2散水 PA 散水量に対する氷量の比率 氷膜厚 (mm) (a) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 0 g/m2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 DGA 0 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 1000 通過輪数 1500 SMA 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 500 1000 通過輪数 DGA (d) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 0 g/m2 PA 1500 SMA 0 500 1000 通過輪数 (f) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 0 g/m2 図-4 2000 DGA 0 500 0 500 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2000 PA 1500 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2000 氷膜厚 (mm) 氷膜厚 (mm) 500 DGA 0 (e) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 0 g/m2 (b) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 0 g/m2 PA 氷膜厚 (mm) 氷膜厚 (mm) (c) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 0 g/m2 SMA 氷膜厚 (mm) 図-3 SMA 2.0 l/m2散水 DGA 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 DGA 0 氷膜厚の変化(凍結防止剤散布なし) 500 SMA 1000 通過輪数 PA 1500 SMA 1000 通過輪数 PA 1500 SMA 1000 通過輪数 2000 2000 PA 1500 2000 PA の氷膜厚は試験条件にかかわらず最も薄く、ついで、 ②TEST2(凍結防止剤散布ありの場合)の結果 SMA、DGA となった。また、初期の氷膜厚は舗装種によっ 図-6 に、試験舗装上に生じた氷膜に凍結防止剤を散布 て異なるが、氷膜厚の変化には大きな違いが見られなか した場合の通過輪数による氷膜厚の変化を示す。凍結防 ったのは、散水によって生じた氷膜が舗装のテクスチャ 止剤の効果には温度依存性があるため、温度が低下する を覆ったためと考えられる。 につれて氷膜厚の変化が小さくなるが、PA の氷膜厚が最 次に、図-5 に発生した氷膜のμの変化を示す。散水量 2 1 l/m では、試験温度-3℃で、2000 輪通過後の PA と SMA も薄く、ついで SMA、DGA となった。 図 -7 に 、 凍 結 防 止 剤 を 散 布 し た 氷 膜 の 、 通 過 輪 2 の氷膜のμが上昇した。散水量 2 l/m では、試験温度-3℃、 数 に よ る す べ り 摩 擦 係 数 の 変 化 を 示 す 。 TEST 1 の 2000 輪通過後の PA の氷膜のμの上昇が確認された。し 結 果 ( 図 -5) と 対 照 的 に 、 凍 結 防 止 剤 を 散 布 す る かし、それ以外の試験条件では、試験温度、散水量、通 こ と で μ は 著 し く 変 化 す る 。 た と え ば 、 -3℃ 、 散 過輪数にかかわらず、μが 0.2 以下の低い値のままだっ 水 量 1l/m 2 の 場 合 、各 舗 装 の μ は 0.6 に 達 し た 。試 た。 験 舗 装 の 湿 潤 時 の μ が 0.6 程 度 な の で 、 氷 膜 が 解 μが向上した時の氷膜厚は、いずれも 0.4mm 程度より 消 し 、雪 氷 で 覆 わ れ て い な い( 露 出 状 態 に な っ た ) ことを意味する。 薄い場合であった。 しかし、温度低下と散水量増加ともにμの変化 は 小 さ く な り 、-8℃ 、2l/m 2 散 水 で は 、μ は 低 い 値 の ま ま 推 移 し た 。 -8℃ で も 氷 膜 厚 は 通 過 輪 数 の 増 に伴って薄くなっていることから、氷膜厚がある 値より薄くならないとμが上昇しないと考えられ る。 (a) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 0 g/m2 1.0 DGA SMA (b) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 0 g/m2 PA 0.6 0.4 0 1.0 500 DGA 1000 通過輪数 1500 0.4 SMA 0 (d) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 0 g/m2 PA 1.0 0.6 0.4 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 2000 PA 0.8 すべり摩擦係数 すべり摩擦係数 0.6 2000 0.8 0.6 0.4 0.2 0.2 0.0 0.0 0 1.0 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 0 2000 (f) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 0 g/m2 PA 1.0 0.6 0.4 0.2 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 2000 PA 0.8 すべり摩擦係数 0.8 すべり摩擦係数 PA 0.0 0.0 (e) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 0 g/m2 SMA 0.2 0.2 (c) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 0 g/m2 DGA 0.8 すべり摩擦係数 すべり摩擦係数 0.8 1.0 0.6 0.4 0.2 0.0 0 500 図-5 1000 通過輪数 1500 2000 0.0 0 すべり摩擦係数の変化(凍結防止剤散布なし) 500 1000 通過輪数 1500 2000 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 DGA 0 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 1000 通過輪数 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 SMA 500 1000 通過輪数 DGA 0 500 1000 通過輪数 1.0 DGA 1500 (f) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 20 g/m2 1500 SMA (b) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 20 g/m2 PA 1.0 1000 通過輪数 PA 1500 SMA 1000 通過輪数 PA 1500 SMA 1000 通過輪数 2000 2000 PA 1500 2000 0.4 DGA SMA PA 0.8 すべり摩擦係数 すべり摩擦係数 500 SMA 氷膜厚の変化(凍結防止剤散布あり) 0.6 0.6 0.4 0.2 0.0 0 1.0 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 2000 0 (d) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 20 g/m2 PA 1.0 0.6 0.4 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 2000 PA 0.8 すべり摩擦係数 0.8 すべり摩擦係数 500 DGA 0 0.0 0.2 0.6 0.4 0.2 0.0 0.0 0 1.0 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 2000 0 (f) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 20 g/m2 PA 1.0 0.6 0.4 0.2 500 DGA 1000 通過輪数 1500 SMA 2000 PA 0.8 すべり摩擦係数 0.8 すべり摩擦係数 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2000 500 DGA 0 0.2 (e) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 20 g/m2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2000 PA DGA 0 (d) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 20 g/m2 0.8 (c) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 20 g/m2 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 2000 PA SMA 図-6 (a) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 20 g/m2 1500 氷膜厚 (mm) 氷膜厚 (mm) 500 DGA 0 (e) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 20 g/m2 (b) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 2 l/m2 散布量: 20 g/m2 PA 氷膜厚 (mm) 氷膜厚 (mm) (c) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 20 g/m2 SMA 氷膜厚 (mm) 氷膜厚 (mm) (a) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 1 l/m2 散布量: 20 g/m2 0.6 0.4 0.2 0.0 0.0 0 500 図-7 1000 通過輪数 1500 2000 0 すべり摩擦係数の変化(凍結防止剤散布あり) 500 1000 通過輪数 1500 2000 DR ILT 値 の 計 算 結 果 を 図 -8 に 示 す 。左 側 が 1l/m 2 (3)凍 結 防 止 剤 の 有 効 性 の 検 証 次に、凍結防止剤散布の有効性を検証する。凍 散 水 、 右 側 が 2l/m 2 散 水 の 結 果 を 示 す 。 図 -8 に 示 結防止剤の有効性は、どのくらい多くの氷を溶か す よ う に 、 DR ILT 値 は 温 度 の 低 下 と と も に 減 少 し 、 す か に よ っ て 評 価 で き る の で 、TEST1( 凍 結 防 止 剤 融氷剤の温度依存性のある効果が明確である。一 散 布 な し )と TEST2( 凍 結 防 止 剤 散 布 あ り )の 氷 膜 般 に 、 PA の DR ILT 値 は 最 も 大 き く 、 SMA は DGA と 厚の変化の差を比較する。 PA の 中 間 で あ る 。 舗装種類によって、散水後に発生する氷膜厚さ し か し 、試 験 温 度 -3℃・散 水 量 1l /m 2 (図 -8 (a))、 が違うため、これを考慮するため氷膜厚減少率の 試 験 温 度 -3℃ ・ 散 水 量 2l/m 2 (図 -8 (b))、 そ し て 差 ( DR ILT ) を 導 入 し た 。 n 輪 通 過 時 の 氷 膜 厚 減 少 試 験 温 度 -5℃・散 水 量 1l/m 2 (図 -8 (c))で は 、2000 率 の 差 ( DR ILT, n ) は 式 (1)で 表 す こ と が で き る 。 輪 通 過 後 の PA の DR ILT 値 は 急 減 し 、 SMA の DR ILT 値より小さくなった。 , ,0 ⁄ , ,0 ,0 , ⁄ ,0 (1) 無 散 布 の 場 合 で も 、1000 輪 通 過 後 の 路 面 に は 20g の融氷剤が溶かせるより少ない氷しか残っていな こ こ で 、 T w,0 = 散 布 路 面 の 初 期 氷 膜 厚 ( mm) 、 かったからと考えられる。言い換えると、これら T w, n = 散 布 路 面 の n 輪 通 過 後 の 氷 膜 厚( mm)、T wo,0 の試験条件では、より少ない凍結防止剤散布量で = 無 散 布 路 面 の 初 期 氷 膜 厚 ( mm) 、 T wo, 0 = 無 散 布 PA 上 に 生 じ た 氷 膜 を 溶 か す こ と が で き た と 考 え ら 路 面 の n 輪 通 過 後 の 氷 膜 厚 ( mm) 。 れる。 1.0 DGA SMA (b) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 2 l/m2 PA 0.8 0.6 0.6 SMA PA 0.4 0.2 0.2 0.0 0.0 0 1.0 500 1000 1500 Number通過輪数 of wheel passes DGA SMA 2000 0 (d) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 2 l/m2 PA 1.0 0.8 0.6 0.6 500 1000 1500 Number通過輪数 of wheel passes DGA SMA 2000 PA DRILT DRILT 0.8 0.4 0.4 0.2 0.2 0.0 0.0 0 1.0 500 1000 1500 Number通過輪数 of wheel passes DGA SMA 0 2000 (f) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 2 l/m2 PA 1.0 0.8 0.8 0.6 0.6 500 1000 1500 Number通過輪数 of wheel passes DGA SMA 2000 PA DRILT DRILT (e) 試験温度: -8 ℃ 散水量: 1 l/m2 DGA DRILT 0.4 (c) 試験温度: -5 ℃ 散水量: 1 l/m2 1.0 0.8 DRILT (a) 試験温度: -3 ℃ 散水量: 1 l/m2 0.4 0.4 0.2 0.2 0.0 0 500 1000 1500 Number通過輪数 of wheel passes 図-8 2000 氷膜厚減少率の変化 0.0 0 1500 500 1000 Number通過輪数 of wheel passes 2000 (4)氷 膜 厚 と μ の 関 係 参考文献 本試験で得られたデータを用い、氷膜厚とμの 1) Isenring, T. et al. I. Experiences with Porous Asphalt in 関 係 性 を 検 証 す る 。 図 -9 に 、 横 軸 を 氷 膜 厚 、 縦 軸 Switzerland. Transportation Research Record 1265, をμとした散布図を示す。 TRB, pp. 41–53, 1990. 1.0 2) DGA DGA DGA SMA SMAPA Porous Pavement with Underground Recharge Beds, 0.8 すべり摩擦係数 Cahill Associates. Stormwater Management Systems: 1993. 0.6 3) Houle, K. M. Winter Performance Assessment of Permeable Pavements, THESIS Submitted to the 0.4 University of New Hampshire in Partial Fulfillment of 0.2 the Requirements for the Degree of Master of Science 0.0 0.0 0.5 図-9 1.0 氷膜厚 (mm) 1.5 in Civil Engineering, 2008. 2.0 4) 氷膜厚とすべり摩擦係数の関係 Applications μ は 氷 膜 厚 ( D ) を 用 い て 式 ( 2) で 近 似 で き 、 μ と D の 間 に は 、 高 い 相 関 関 係 ( R 2 = 0.9031) が 4 0.7912 3 5) 1.7043 2 1.5759 6) 0.6478 7) Pavements, Gibbs, D. et al. Quiet Pavement Systems in Europe, として重回帰分析を行い、当てはまりの良い回帰 Alvarez, A.E. et al. Synthesis of Current Practice on Friction Courses, FHWA TX-06/0-5262-1, 2006. 8) Putman, B. J. Evaluation of Open-Graded Friction Courses: Construction, Maintenance, and Performance, モ デ ル を 構 築 し た ( 決 定 係 数 0.837) 0.017 2 0.100 3 0.648 4 0.012 5 0.202 Root, R. E. Investigation of the Use of Open-Graded the Design, Construction, and Maintenance of Porous 温度、散水量、凍結防止剤、通過輪数を独立変数 1 Graded Friction Courses in Wisconsin, WHRP 09-01, 2009. (2) 氷 膜 厚 を 従 属 変 数 、 MPD、 現 場 透 水 係 数 、 試 験 0.385 Open FHWA-PL-05-011, 2005. (5)重 回 帰 分 析 の 実 施 0.278 on FHWA-OR-RD-06-12, 2006. あることが確認された。 0.1337 Martinez, F.C. and Poecker, R.A. Evaluation of Deicer FHWA-SC-12-04, 2012. 6 (3) こ こ で 、 D = 氷 膜 厚 ( mm) 、 x 1 = MPD( mm) 、 x 2 9) Moore, L.M. et al. Construction, and Maintenance Guidelines for Porous Asphalt Pavements, = 現 場 透 水 係 数( ml/15sec)、x 3 = 気 温( ℃ )、x 4 Transportation Research Record No. 1778. TRB, pp. = 散 水 量( l/m 2 )、x 5 = 凍 結 防 止 剤( g/m 2 )、x 5 = 91–99, 2001. 通 過 輪 数 ( 1000 輪 ) 。 10) Yildirim, Y. et al. M. Winter Maintenance Issues Associated 4.まとめ 本試験の結果をまとめると、以下のとおり。 1) PA は 、発 生 す る 氷 膜 厚 の 抑 制・減 少 に 有 効 で 、 SMA は DGA と PA の 中 間 的 な 性 質 を も つ 。 2) 凍 結 防 止 剤 を 散 布 し た 場 合 、 PA の 氷 膜 厚 減 少 率 が 最 も 大 き く 、 つ い で SMA、 DGA と な っ た 。 3) PA と SMA の DGA に 対 す る 優 位 性 は 、 温 度 低 下 と水分量の増に伴って減少する。 4) 氷 膜 厚 は MPD、現 場 透 水 係 数 、試 験 温 度 、散 水 量、凍結防止剤および通過輪数から予測可能 であり、氷膜厚とμには高い相関関係がある。 with New Generation Open-Graded Friction Courses, FHWA/TX-07/0-4834-1, 2006. 11) Padmos, C. Over Ten Years Experience with Porous Road Surfaces, Ninth International Conference on Asphalt Pavements, International Society of Asphalt Pavements, 2002. 12) Fay, L. and Akin, M. Snow and Ice Control on Porous and Permeable Pavements: Literature Review and State of the Practice, TRB 93rd Annual Meeting Paper #14-2839, 2014. 13) Jahren, C. et al. Thin Maintenance Surfaces: Phase Two Report with Guidelines for Winter Maintenance on 本研究で試験した条件は限られているが、一定 Thin Maintenance Surfaces, Iowa Department of のサービス水準を保つために必要な凍結防止剤散 Transportation and Iowa Highway Research Board, 布量を、舗装種類、気象条件および交通量から決 Project TR-435, 2003. 定できる可能性がある。
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