道路交通騒音対策としての低騒音舗装の特性と効果の経年変化 名古屋市環境科学調査センター 樋田 昌良 道路交通騒音について タイヤ道路騒音の発生源 道路交通騒音時間波形例 タイヤトレッドパタ-ンのエアポンピング音 及びパタ-ン加振音のパタ-ンノイズ 接地摩擦振動音、路面空隙によるエアポンピング音、 路面凹凸による加振音等 舗装について 低騒音舗装について 低騒音舗装とは 道 路 舗 装 の 例 通常舗装(アスファルトやコンクリートによる舗装)に比べて、材料の粒が 粗いといった特徴があり、タイヤと路面の接触によって発生した空気が、粒 と粒の間に逃げやすくなるため、音が小さくなる。また、道路が音を吸収す るので、車体と路面の間での反射も少なくなる。 コンクリ-ト舗装(CO) 低騒音舗装(DA) 密粒舗装(DGA) 低騒音舗装の特性 タイヤ近傍音・時間変化測定例 排水性舗装材料の吸音率測定事例 ・低騒音(排水性)舗装(DA)はコンクリ-ト舗装(CO)や密粒舗装 (DGA)に比べ600~800Hz付近に高い吸音率を示している。 ・タイヤ近傍音は低騒音(排水性)舗装(DA)から密粒舗装(DGA) に移行すると1000Hz以上の周波数成分が高い音となっている。 スペクトラムの時間変化 コンクリ-ト舗装(Co) DGA DA 密粒舗装(DGA) 110 排水性舗装(DA) ( 1 ) 1 0.9 マイクロホン 0.8 dBA 500 2K 4K 1 2 1K 100 伊 コンクリ-ト舗装(CO) 吸音率 0.7 密粒舗装(DGA) dB 90 0.6 0.5 0.4 80 0.3 0.2 70 0.1 0 3 SEC (測定点は官民境界) 経年変化調査地点デ-タ 80 < 3 > DA03 LAeq (dB) 70 施 工 後 三 年 施 工 後 五 年 施 工 後 七 年 ・800~1000Hz以上の周波数帯域で効果がみられる。 30 20 Hz O.A 施 工 後 一 年 40 8kHz 60 50 3.15kHz 65 継続測定地点 ・低騒音舗装は施工前(通常舗装(コンクリ-ト(CO)) に比べ交通量が比較的多いと考えられる昼間では約 5dBの騒音低減効果がみられ,その効果 は施工直後から7年で約3dBを維持している。 CO:コンクリ-ト舗装 DA:低騒音舗装 DA00:施工直後 DA03:施工後3年 DA04:施工後4年・・・ 1.25kHz 70 < 5 > DA05 200Hz LAeq ( dB ) 60 < 4 > DA04 80Hz 75 < 2 > DA00 31.5Hz 低騒音舗装施工前後のLAeq(昼間値) 施 工 直 後 騒音周波数スペクトル < 1 > CO 500Hz 低騒音舗装の効果の経年変化 施 工 前 6 周波数 ( Hz ) 低騒音舗装(DA) 経年変化調査地点 5 R1FKN 2000 1800 1600 1400 1200 1000 800 600 400 200 0 0 4 まとめ ( 低 騒 音 舗 装 の 特 性 と 騒 音 低 減 効 果 の 経 年 変 化 に つ い て ) ・低騒音舗装はコンクリ-ト舗装や密粒舗装に比べ600~800Hz付近に高い吸音率を示している。 ・タイヤ近傍、官民境界共に 800~1000Hz以上の周波数帯域で低騒音舗装による騒音低減効果がみ られる。 ・低騒音舗装の騒音低減効果はコンクリ-ト舗装に比べ低騒音舗装施工後約5dBの低減効果がみられ、 その効果は施工後7年で約3dBを維持している。
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