コラッツ予想の変形について 白柳研究室 5510100 峯岸 広大 目的 • コラッツ予想の規則性について興味を持った。 本研究では、Maple 14 を用いて、コラッツ予想 の変形に関する計算機実験を行い、新たな規則 性を発見する。 • そして、本来のコラッツ予想と比較し、解決の 糸口を探る。 コラッツ予想 • コラッツ予想とは、任意の自然数Nに対して、 それが偶数の場合は2で割り、奇数の場合は3 倍して1を加えるという操作を繰り返していく と、必ず有限回で1に到達するであろうという 予想である。 計算機実験 • 数式処理システムMaple 14を用いて、 コラッツ予想の変形を計算機実験する。 • できるだけ多くの組み合わせの結果を取り、そ こから規則性を見つける。 研究背景 • 一昨年度、昨年度、今年度もコラッツ予想の研 究をしているが、コラッツ予想の変形として組 み合わせをある程度固定し、周期サイクルや計 算過程などについて研究した。本研究ではコ ラッツ予想の変形について、1やある値に収束 するような組み合わせのデータをできる限り集 めて統計し、そこから規則性を見つける。その 規則性から解決の糸口を探る。 コラッツ予想の変形 • 本来のコラッツ予想 ( 2 ,3 ,1 ,n ) • コラッツ予想の変形 • 2以外の数を置き換える。 • [ n が 3~101 の奇数]とする。 {2,3,(3,5,7,9,11),n} {2,3,(-1~-11),n} {2,5,(1~11),n} {2,5,(-1~-11),n} {2,7,(1~11),n} {2,7,(-1~-11),n} {2,9,(1~11),n} {2,9,(-1~-11),n} 47パターン 実験結果1 • コラッツの変形の組み合わせを 計算機実験した結果 ①すべて同じ数に収束するパターン ( 2, 3, 3, n) すべて3に収束した。 ( 2, 3, 9, n) すべて9に収束した。 実験結果2 • ②複数の特定された値に収束するパターン (2,3,5,n) 1 (4) ,5 (10) ,19 (29) ,23 (7) 4種類 (2,3,7,n) 1 (35),5 (8) ,7 (7) 3種類 (2,3,11,n) 1 (7) ,11 (5) ,13 (38) 3種類 (2,3,-1,n) 1 (19),5 (14) ,17 (17) 3種類 (2,3,-3,n) 3 (19),15 (17) ,51 (14) 3種類 (2,3,-5,n) 1 (40),5 (4),25 (5),85 (1) 4種類 (2,3,-7,n) 1 (43),7(3) ,35(4) 3種類 実験結果3 N 収束した数 (2,3,7,n)の実験結果 1に収束 35 5に収束 8 7に収束 7 3 9 13 15 17 19 23 25 29 31 33 37 39 41 43 45 47 53 55 57 59 65 67 69 71 75 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 81 83 85 87 89 93 97 99 101 N 5 11 27 51 61 73 79 95 N 7 21 35 49 63 77 91 1 1 1 1 1 1 1 1 1 収束した数 5 5 5 5 5 5 5 5 収束した数 7 7 7 7 7 7 7 N (2,3,-7,n)の実験結果 1に収束 43 7に収束 3 35に収束 4 3 5 9 11 13 15 17 19 23 25 27 29 31 33 37 39 41 43 45 47 51 53 55 57 59 61 収束した数 1 65 1 1 67 1 1 69 1 1 71 1 1 73 1 1 75 1 1 79 1 1 81 1 1 83 1 1 85 1 1 87 1 1 89 1 1 93 1 1 95 1 1 97 1 1 99 1 1 101 1 1 N 収束した数 1 7 7 1 21 7 1 77 7 1 N 収束した数 1 35 35 1 49 35 1 63 35 1 91 35 実験結果4 • ③発散したパターン • (2,5,1~11) • (2,7,1~11) • (2,9,1~11) (2,5,-1~-11) (2,7,-1~-11) (2,9,-1~-11) • 発散する組み合わせが多く出てきてしまった。 まとめ • 本研究により、奇数の場合3倍したあとの計算は加 算よりも減算の方が収束する場合が多いことがわ かった。3,5,7,9倍の中では3倍の場合が一番多く収 束した。1,3,5,7,9,11 の加算の中でも、値が小さいほ うが収束しやすいということが分かった。 • また、すべて同じ値に収束する組み合わせや、特定 の値(数種類)に収束する組み合わせ、発散した場合 でも同じ数を通って発散することなど、 いくつか興味深い結果が出た。 今後の課題 • 同じ値に収束した(2,3,3,n)と(2,3,9,n)の組み合 わせに対し、より多くの数まで実験し計算過程 も調べることにより、構造を明らかにしたい。 • 3をかける場合、加算、減算どちらも7のとき に最も多く1に収束したので、7に絞ってより 多い種類の組み合わせを試してみると、より多 くの収束する組み合わせが見つかるかもしれな い。
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