市区町村別年齢別登録人口 データの最近の公表状況 山田 茂(国士舘大学) 日本人口学会 2015年6月7日 1 目次 1 改正住基台帳法と登録人口データ 2 静態人口データ 1)国・都県による提供 2)市区町村による提供 3 動態人口データ 4 むすび 2 考察の範囲と注目点 • 静態人口データのうち年齢別データ 前回の検索との比較・市町村属性との関連 • 月次動態人口データの提供状況 • 注目点: 周期、年齢区分、過去分、外国人の扱い 市町村の財政状態による相違 3 はじめに • 地域別登録人口データ: ・地域人口分析 ・対住民サービスの需要量把握など • 個別都道府県・市区町村サイトの検索 2009年 2011年 2015年 ・国・都道府県のデータ提供があるのに・・・ 4 1 改正住基台帳法と登録人口データ ・住基台帳のデータ 市区町村:管理⇒都道府県⇒自治行政局:集計 • 全国の市区町村をカバー ・利用上の制約:年周期・半年後公表・項目の限定 ①住基台帳登録:外国人住民も 2013年分から ②基準日・期間の年初・暦年へ 2014年分から 5 2 年齢別静態人口データ • 提供市区町の5年前から増加: サイト提供市区町数は約590⇒約650 • 周期の短縮化:月次は約280⇒約380 • 公表時期:大半が基準日から1か月以内 • 年齢区分の細分化:各歳別は約390⇒約500 6 提供データの項目 ・総務省自治行政局 ・1月1日現在のみ⇒ 14年:6月25日公表 ・5歳階級、80歳以上一括 合算・日本人・外国人に区分して集計 (動態データ 12年度分~: 国外移動を区分) ・市区町村:上記以外の時点 年齢細分 域内区分 7 市区町村 静態データの周期 2009 年 月次 月次 2015 年 年 年3/4回 半年 年 その他 月次 0 100 200 年 300 400 500 600 700 8 市区町村静態データの年齢区分 各歳 2009年 各歳 5歳階級 5歳階級 10歳/3区分 各歳 2015年 0 100 200 その他 5歳階級 300 400 500 600 700 9 提供年齢別静態データ始期:2005年以前分減少 2001~05年 2009年 ~2000年 2001年~05年 2006年~09年 最新分のみ 2010年~13年 2001~05年 2015年 0 100 200 300 400 500 600 700 10 • 過去分の提供減少 2005年以前分は約310⇒約250へ • 外国人を区分した集計: 37市・区⇒106市・区(全体の1割余) • 大都市ほど、財政の余裕度が大きいほ ど、提供率が高く、集計項目も豊富に ⇒2009年の検索結果とほぼ同様 11 市区町村:国籍別集計 ・日本人・外国人を区分しない合算集計:約450 • 国籍:日本人限定:約10 3区分(合算・日本・外国):約70 2区分(日本・外国)(合算・日本):約20 外国人の国籍別年齢別集計の公表はなし 12 年齢別静態人口データの国籍別集計 日本人のみ 2009年 日本人のみ 合算 合算 日本人・合算 3種類 3種類 日本人・外国人 不明 日本人のみ 合算 2015年 0 100 200 300 単位:市区数 3種類 400 500 600 13 市区町村静態データ:年齢区分 • 年齢区分:各歳・5/10歳階級・3区分以外 6歳まで各歳別+5歳階級:那珂 同+10歳階級:光・周南 60歳・65歳~:南あわじ • 「年齢不詳」2015年3月末現在 10人:名古屋 9人:宇都宮 5人:北九州 2人:市原・座間 1人:寝屋川・旭川・青梅・町田・知立 14 地域別年齢別静態人口データ ・自治行政局公表: 5歳階級 12月「末」 最終開庁26~28日 31日が月火水 転入>転出 • 地方自治体:3月末以外も集計する目的 年齢層別サービスなどの対象者数 例 保育・就学・医療費助成 :5歳階級でなく各歳別が必要 • 利用上の要請: 次年度の準備・予算など⇒早期利用 15 町村~3万人 2009年 3万人~ 2015年 市 ~3万人 3~5万人 5~10万人 10~20万人 20~30万人 30~40万人 40万人~ 0 20 40 60 80 100 年齢別静態人口データサイト提供率(%) 16 3 動態人口データ • 総務省自治行政局 2013暦年分を翌年6月に • 総務省統計局: 月次:21大都市だけ 年次:市区町村 翌年4月20日 • 都府県の月次提供:44県 始期は政令市所在県が遅い 大半が1か月後には公表 人口推計の基礎データ ・市区町村による年次以外の提供(218):すべて月次 大半が1か月後 出生・死亡・転入・転出+α ほかに統計年鑑などで一括提供(146) 17 県による年齢別人口推計 • 動態データ:前回国調人口の加除に利用 前回国調±転出入の届出・出生・死亡⇒推計人口 日本人+外国人⇒住基台帳人口 • マイナス発生: 前回国調時の「非カウント」人口が転出を届出 • 各歳別に発生:青森・岩手・秋田・茨城・新潟・長野・ 滋賀(外国人)・鳥取・島根・香川・長崎・大分・宮崎 18 10 9 単位:都道府 8 県 7 6 5 4 3 2 1 0 都府県 月次動態データ開始時期 政令市所在 その他 19 月次動態データの月次提供の有無 市区 +1.0%~ +0.5%~+1.0% +0.0%~+0.5% -0.5%~-0.0% -1.0%~-0.5% あり ~-1.0% なし 町村 +0.0%~ ~-0.0% 0 100 200 300 400 500 600 700 社会増加率は2006年度~2010年度の平均 800 20 月次データ提供率(%) 40 35 年齢別静態 動態一括 動態毎月 30 25 20 15 10 5 0 市区町村 2006年度~2010年度平均社会増加率 21 市区町村が提供する月次動態データ • 男女別集計は約半数 • 外国人を区分した集計、転入・転出世帯数、移 動元・移動先地域の県内外分割、市区町内転居 者数などは多くない。 • 年齢別集計も少数:名古屋・豊田 • 過去の集計結果:10年以内が大部分 • 市区町村の属性別の傾向: 年齢別静態人口データとほぼ同様 22 25 単位: 20 都府県 15 県提供月次転出入等データ 10 5 0 ○:自治行政局も提供 23 外国人合算などに伴う問題 • 外国人:移動率が高い⇒月次集計の必要性 2014年:社会増加率 日本人 青森県-1.07%~東京都+0.54% 外国人 静岡県-6.84%~長崎県+7.75% ・総務省統計局 「住基台帳人口移動報告」 日本人限定・外国人を含む(2013年7月~) 月次 5歳階級、90歳以上一括 24 財政力指数とは… =「基準財政収入額」÷「基準財政需要額」 *「基準財政収入額」:「普通税」「税交付金」 「地方贈与税」などから構成 法定外税目など除外 *「基準財政需要額」:市区町村の「道路」「公園」の面 積、「総人口」「高齢者人口」「児童数」「農家数」などに 「単位費用」「補正係数」を乗じて算出 *上記の割算の結果を3年度分平均 ⇒地方交付税の算定:1以上は不交付 25 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 市区町村財政力指数:地域差固定 26 50 月次データサイト提供率(%) 40 動態 静態 30 20 10 0 市区~0.4 0.4~0.6 0.6~0.8 0.8~1.0 1.0~ 2006年度~2010年度平均財政力指数 27 120 単位:市区町村 月次動態データの集計項目 ○:自治行政局も 100 80 60 40 20 0 集計項目 クロス項目 28 60 50 2005年以前分 月次動態データ提供率 % 40 30 20 10 0 2006~2010年度 平均財政力指数 29 むすび ・年齢別静態データ:月次提供の拡大・年齢細分は継続 ・過去分のサイト提供は縮小 外国人別掲は少ない ・動態データ:サイト提供は年齢別静態データより少ない 利用上の制約 外国人別掲は少ない 転入出世帯数 過去分 クロス項目が少ない ・サイト提供全般:費用負担力が作用 (以上) サイト掲載の人口動態データ:公表フォームは不統一 詳しい場合:奥州市 埼玉県吉川市・同松伏町 30
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