急性心筋梗塞 10班 岡田 浩幸 金山 芳郎 釼持 奈緒美 佐藤 伊佐雄 西山 景子 三井 康平 臨床経過 症例 金淵 優樹 黒田 百恵 佐々木 梓 時任 崇聡 藤原 直樹 山崎 理紗 心筋マクロ所見 心筋 左室肥大、壊死 平成21年1月6日急性心筋梗塞を発症し 77歳 男性 、当院搬送。ショック状態のため IABPを挿入、冠動脈造影施行。ICU 職業:無職 入室後、VT・VFが止まらなくなりDC 主訴:胸痛、意識混濁 施行。VT・VF持続のため緊急に PCPS挿入、PCI施行。心機能は徐 発病:2009年1月6日 々に改善を認めた。 死亡:2009年1月15日 1月9日PCPS離脱、感染症に対し抗生剤投 死因:急性心筋梗塞、敗血症、 与開始。 心源性ショック 1月14日血圧徐々に低下。強心剤増量す るも反応は乏しく、血圧、心拍数と 酒類:記載なし もに低下。 たばこ;0本/1日 1月15日午前3時34分死亡確認。 心筋ミクロ所見 心中隔 壊死、核消失、出血、炎症 細胞浸潤、横紋筋構造消失 左室側壁 マッソン染色 線維化→陳旧性の所見 冠状動脈ミクロ所見 左冠状動脈 回旋枝 コレステリン裂隙、石灰化 肺 うっ血(肺尖部) 腎臓 細動脈硬化性変化→ 表面にあばた状の凸凹 右冠動脈 偽腔 左肺 炎症細胞浸潤、毛細血管肥厚、 肺胞内出血(毛細血管うっ血) 腸腰筋 出血 右肺 水腫、出血 まとめ 冠動脈狭小化 陳旧性心筋梗塞 急性心筋梗塞 血圧、心拍数低下 解剖所見 A. 主病変 <急性心筋梗塞>全経過約9日 (1)マクロ所見 ・心臓493g ・左心室肥大、筋層が厚くなっている。通常より重い。 ・通常より重い。 ・心尖から心室中隔まで広範囲で壊死がみられる ・弁に疣贅は見られない。 (2)ミクロ所見 ・心筋は核消失、出血、炎症細胞浸潤がみられ、やや好酸性に染まっている。 ・横紋筋の構造が破壊されていた。 ・マッソン染色では線維化が見られたが、これは今回の急性心筋梗塞によるものではなく、 以前から小さな冠動脈の狭小化を起こしていたことが考えられる。 ・左冠状動脈回旋枝、右冠状動脈は完全閉塞、左冠状動脈前下行枝ではステント挿入されている ので、狭小化は少し緩和されていたと考えられる。 ・冠動脈ではコレステリン裂隙、石灰化、偽腔がみられた。 ・・・・・・・・・・・・・・・ B. 副病変 (1)肺(左616g/右 639g)、胸水:左200ml/右300ml 肺尖部にうっ血が見られた。(通常は肺底部に起こる事が多い) うっ血部分は固く、赤茶色で、周りは柔らかく、青黒い。 ミクロでは肺胞壁の肥厚、毛細血管圧上昇に伴う肺胞空内の出血、水腫(右肺) また、炎症細胞浸潤が見られた。 (2)腎臓(左171g/右191g) 細動脈硬化性変化により、腎表面はあばた状の凹凸がある。(壊死により萎縮している) 正常より少し大きい。 (3)大動脈 動脈壁の所々に粥状硬化病変が見られた 。 (4)腸腰筋 広範囲におよぶ出血が見られた。敗血症による壊死が疑われる。 C. まとめと考察 • • 心臓に線維化が見られるので、急性心筋梗塞が起こる前から、冠動脈狭小化によるアタックがあった ものと考えられる(陳旧性心筋梗塞)。 急性心筋梗塞の所見として、肺のうっ血水腫や、全身の出血傾向が認められた。
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