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<一枚目>
間質性肺炎,腺癌
6班
症例
荒井冴衣子 魚住知美 渓智司 70歳 女性
神部智彦 斎藤大樹 清水順也 職業:無職
平良沙月 田村佳美 土屋真穂
主訴:呼吸困難
名取磨依 松田泰紀 森田修
発病:1996年頃
死亡:2008年7月8日
死因:呼吸不全 肺腺癌
酒類 なし
たばこ 30本/日 年数不明
外表面
亀甲状病変
心臓 ミクロ所見
腸間膜 マクロ所見
肺ミクロ所見 肺腺癌
間質性肺炎
腸間膜 ミクロ所見
心臓 マクロ所見
大量のステロイド
間質性肺炎
蜂窩肺
間質の線維化
癌性胸膜炎
肺ミクロ所見
蜂窩肺 外側の全体
CREST症候群
肺腺癌
臨床経過
発病 1996年より間質性肺炎
およびCREST症候群に
て外来で経過観察
経過 2008年 右胸水貯留を
認め同日入院。胸水細胞
診にて肺腺癌を発見。胸
水貯留に対して胸膜癒着
術施行。
死亡 2008年 呼吸不全の進
行により
骨粗鬆症
呼吸困難
さまざまな転移(心臓、大動脈、腸間膜、胸椎
胸水貯留
胸痛
解剖所見
A. 主病変
<間質性肺炎、肺腺癌>全経過約12年
(1)マクロ所見
・左肺777g/右肺不明
・気管支壁は肥厚しておらず、柔らかい。しかし腫瘍部は肥厚し、硬化していてクリーム色をしていた。
・腫瘍は、右肺上葉の原発巣から始まり、外側に沿うような形で下方に浸潤していく様子が見られた。
・左肺の胸膜は亀甲状になり、小結節状の凹凸が見られた。右肺の胸膜は癒合術のために肥厚が見
られた。
・右肺の気管支周囲のリンパ節、肺門リンパ節に白い小粒状の色調が混ざっていて、癌のリンパ節転
移が見られた。
・割面では外側の全体に蜂窩肺が見られた。どちらかというと上葉部に多かった。
(2)ミクロ所見
・[間質性肺炎] 肺胞は大小不同で、肺胞壁は肥厚していた。また、一部に構造が崩れたものも見られ
た。間質では線維芽細胞の増生が起こり、また肺胞壁も線維化、またリンパ球、マクロファージなど
の炎症細胞浸潤により肥厚が見られた。肺胞内腔面には膜状に好酸性のフィブリンの滲出、沈着が
一部見られたところもあった。
・[腺癌] 核の腫大を示す異型細胞が肺胞を置換するように増生し、さらに乾漆に線維化を伴いながら
浸潤している。また、胸膜面に達して癒着を伴いながら増殖している。上記のリンパ節に転移を示し
ていた。
B. 副病変
1.
心臓 304g: 右心室肥大し、左心室も少し肥大していたため、平均的な心臓の重さよりも若干重くな
っていた。
2.
3.
4.
腸間膜:表面には細かい結節状の病変が多数見られた。これは肺からリンパ行性に腫瘍が転移し
たものと考えられる。
骨髄:ステロイド投与による副作用が見られた。
大動脈壁、動脈弓の内側、子宮体部:結節状の腫瘍の転移が見られた。
C. まとめと考察
•
間質、肺胞壁の線維性肥厚・蜂窩肺の所見が見られたこと、また右肺腫瘍部の高度な腺構造の形成
、心臓や大動脈や腸間膜などへの転移から、主な病変は間質性肺炎と進行型の肺腺癌と考える。
•
肺腺癌は高分化であったが、進行型の病変だったためにさまざまな臓器への転移が起こったと考え
られる。
また肉眼所見では骨粗鬆症しか見られなかったが、この患者はCREST症候群を患っており、関節痛や
手指の腫脹が生じていた。
間質性肺炎は特発性のものとそうでないものがあるが、この患者の既住歴がCREST症候群だったこと
を考えると、CREST症候群による間質性肺炎だと考えられる。
・
•
•
肺胞内腔にはフィブリン沈着が見られることもあったが、あまり構造の良いものはみられなかった。こ
の病変は間質性肺炎の初期症状であるDAD(瀰漫性肺胞障害)であるが、この患者は間質性肺炎が
進行していたためだと考えられる。
•
副病変として、肺実質の病変から肺動脈および毛細血管の狭窄閉塞により肺高血圧症が起こり、そ
れに伴う右心不全による右心室の拡張性肥大を示していた。
直接死因は肺病変による呼吸不全と考えた。
•