第18回 商事関係法 2005/12/07 2015/10/1 1 前回の内容 機関設計のルール(復習) 株主総会 権限・形骸化 招集 決議の効力を争う方法 株主提案権 2015/10/1 2 取締役だけにまかせない(32頁~) 甲社の株主Aさんは、このところ甲社の業績 不振は、取締役Bによる経営判断の誤りが 原因だと考えている。Aさんは、取締役の責 任を追及し、解任したいと考え、会社に株主 総会を開くよう働きかけたが、現経営陣は 彼をかばって、それを拒み続けている。Aさ んはいったいどのような手段をとることがで きるだろうか。 2015/10/1 3 取締役の違法行為を是正する方法 株主 取締役の権限の逸脱・濫用 2015/10/1 会社の利益が損なわれる危険 4 取締役の違法行為を是正する方法 取締役の権限の逸脱・濫用 事前の手段 違法行為の差止請求権 事後の手段 取締役の解任 2015/10/1 5 事前の手段 違法行為差止請求権 取締役の権限の逸脱・濫用 事前の手段 違法行為差止請求権 360条 裁判所 2015/10/1 取締役の行為差し止めの仮処分 6 事後の手段 取締役の解任 取締役の権限の逸脱・濫用 事後の手段 取締役の解任 株主総会 普通決議 裁判所 解任請求の訴え 2015/10/1 7 株主の最大の武器(34頁~) 甲社の取締役Aは、取引相手乙社に多額の 融資を行ったが、乙社が倒産したため結局 それが返済されることがなかった。乙社へ の貸金を回収できなかった結果として、甲 社は損害を被ったことになる。そこで、甲社 の株主であるBさんは、取締役Aにその損失 分について会社に賠償させたいと考えてい る。どうすればよいか。 2015/10/1 8 企業の不祥事 バブル崩壊 損失の顕在化 企業不祥事 企業自体の信用の失墜 従業員のモラルの低下 2015/10/1 企業の存亡 9 大和銀行事件 アメリカでの不祥事により損害 役員11名 損害829億円の賠償 大阪地方 裁判所 2015/10/1 10 株主代表訴訟 株主が会社に代わって取締役等の責任を 追及する訴訟のこと 株主 勝訴・敗訴の 効果とも会社 に及ぶ 2015/10/1 取締役 違法行為 裁判所 仲間 11 取締役の責任は重い(36頁~) 甲社の取締役Aは、バブル期に会社の資産 とするために不動産を次々と購入する路線 を打ち出した。しかし、その後、バブルが崩 壊、不動産の値は大きく下がり、逆に会社 に損害をもたらす羽目に。そこで、甲社の株 主Bは、Aが会社に損害をもたらしたとして、 株主代表訴訟で責任追求することを検討し ている。 2015/10/1 12 取締役の会社に対する責任 従来、無過失責任 不注意がなくても負う責任 過失責任 利益相反取引 競業取引 2015/10/1 13 経営判断の法則 企業経営の判断は専門的・政策的 取締役の裁量は広い 会社に損害 2015/10/1 14 取締役と会社の関係 会社(委任者) 委任関係 善管注意義務 忠実義務 監視義務 取締役(受任者) 2015/10/1 内部統制システ ム構築義務 15 社外の人間でもOK(38頁~) Aさんは、甲社に対して金銭を貸し付けてい たが、甲社が倒産したため、貸金を回収す ることができなくなった。Aさんは、その後、 甲社が倒産した原因が、その取締役だった Bによる不正な株式投資に基づくことを知っ た。貸金を回収できずに受けた損害を、Aさ んは、Bに対して賠償するよう求めることが できないだろうか。 2015/10/1 16 取締役の第三者に対する責任 間接損害 会社 任務違反 取締役 2015/10/1 直接損害 第三者 17
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