最新技術によるタクシー配車システム を活用した乗合タクシー事業 プラン提案者:阿部 等 2000年1月13日 1.事業の概要 駅⇔住居・職場を10分以上歩いている人向け に、快適で速くて安価な交通サービスを提供 乗合化と能率的配車により低価格サービス 車両と運転手は自社所有せず 個人タクシーまたはタクシー会社と提携 GPS・データ通信技術・Webを活用したタク シー配車システムを開発し、高サービスと低価 格を両立 1 2.具体的事業内容 東急目蒲線の矢口渡・武蔵新田・下丸子の各 駅から1km前後の多摩川べりに、多数立地して いる高層マンションと事業所をターゲットに 乗降場は、各駅前及び拠点となるマンションま たは事業所の玄関 月会費を払った会員は、カードで精算 各タクシーは、このエリアと他のエリアのどちら で営業するか、どの時間帯も自由に判断 2 3.立地条件 至渋谷 至目黒 至五反田 至東京 至品川 田園調布 多摩川 多摩川園 武蔵小杉 雪が谷大塚 大森 各駅から1km前後の多摩川べりのエリアに 多数の団地と工場が立地し、路線バスはない 平和島 至立川 下丸子 池上 武蔵新田 蒲田 至横浜 至川崎 矢口渡 至横浜 京急蒲田 1km 至羽田空港 33 4.提案するタクシー配車システム 各タクシーにGPS付き端末を搭載し、位置情報 を携帯電話回線によりセンターに送信し、全タク シーの位置を掌握 各タクシーに全タクシーの位置情報を送信し、 その情報により、このエリアと他のエリアとどち らで営業した方が得か各タクシーが判断 利用者とタクシーの両方が待たない状態を実現 会員は、カードをタクシー搭載の端末に差込み、 利用実績をセンターで管理し、1回毎の料金収 受をせず乗降時間を節約 4 5.車載端末への表示例 5 6.類似のサービスとの比較 徒歩と自転車より、はるかに便利 通常のタクシーより、はるかに低価格 路線バスより、はるかに便利 事業所等の送迎バスは、計画エリアにはなし 既存のタクシー配車システムでは、センターに 人手を要する カーナビゲーションは、自車位置情報のみ これらのノウハウや地図データの流用は可能 6 7.市場の特徴 徒歩15分の距離でタクシーを利用するのは奇 異だが、便利となれば利用する人は多いはず 200~300円なら、荷物が多い、疲れている、雨、 暑い、寒いといった状況では利用 利用し始めると、会員になった方が割安なので 月会費を払って会員に 会員になると、使えば使うほど得なので、結局 は毎回利用 似た状況の所は多く、成長市場となる可能性 7 8.販売価格と仕入れ費用 料金は、月会費2,000円プラス1回利用180円 (1人乗車時及びビジターは250円) タクシーへは1運行当り150円プラス1人当り80 円を支払い、その差額が収益 乗車人数 収 入 タクシーへ 収 益 1 250 230 20 2 360 310 50 3 540 390 150 4 720 470 250 タクシーの水揚は、1時間当り300~400円×6 ~8運行=1,800~3,200円 >>現行の水揚 8 9.収益性試算の前提条件 当該エリアと駅との行き来は平日1日約1.5万 第1・2・3期の平日1日当り利用者数は1,000・ 2,000・3,000人、会員数はその半分 1人当りの利用料は平均200円、タクシーへの 支払いは平均150円、年間売上は平日1日の 300倍 第1・2・3期の契約タクシーは20・40・60台、車 載端末は40万円/台で、タクシーと折半 通信費は4万円/年・台で、タクシーと折半 9 10.収益性試算 平日1日当り利用者数[人] 売上 利用料分 月会費分 経費合計 タクシーへの支払い 人件費(2名) 減 システム開発(40,000千円を5年均等) 価 2期システム改良(10,000千円を5年均等) 償 3期システム改良(10,000千円を5年均等) 却 1期車載端末購入(4,000千円を5年均等) 費 2期車載端末購入(4,000千円を5年均等) 3期車載端末購入(4,000千円を5年均等) 通信費 広告宣伝費その他 税引き前利益 ※金額の単位は千円。 第1期 1,000 72,000 60,000 12,000 84,200 45,000 20,000 8,000 第2期 2,000 144,000 120,000 24,000 133,400 90,000 21,000 8,000 2,000 800 800 800 400 10,000 -12,200 800 10,000 10,600 第3期 3,000 216,000 180,000 36,000 182,600 135,000 22,000 8,000 2,000 2,000 800 800 800 1,200 10,000 33,400 10 11.運輸省の許認可問題 乗合タクシーは、運輸省の許可を要す 平成6年12月、自動車交通局長から「乗合タク シーの積極的推進」と、運輸省も前向き 平成11年7月、関東運輸局の「今後におけるタ クシー事業の活性化方策研究会」最終報告書 団地型、過疎地型その他、全国で200例以上 ex. 亀有駅~大谷田1丁目団地、1.4km、220円 津田沼駅~高津団地、7.9km、1,560円 「営業主体と運送事業者が別、会員制」という例 はないが、政策の趣旨からして実現可能性大11 12.タクシー業界の実情 売上げは減る一方だが、打開策なし 利用者には非常な割高感 平成13年からの需給調整規制廃止の議論中だ が、業界保護を求める声ばかり大 中小零細事業者が多く、情報化の推進に対応 し切れず 自由競争・高度情報化の新しい時代に相応し い“次の一手”が待ち望まれている 12 13.事業全体の優位性 駅と住居または職場との行き来で不便な思いを している人は多い 乗合化という画期的生産性向上方策をシステ マティックに実現すれば、先行者利得を得られ る 旧来のタクシーが供給過剰で、生産体制を自 社構築せず安価にサービスの仕入れが可能 ITが急速に進歩し、高度のタクシー配車シス テムを開発する上でのちょうど良いタイミング (平成11年度から運輸省の補助金制度) 13 14.提案者の経歴 昭和60年、東京大学 工学部 都市工学科 卒業 昭和62年、同 修士課程修了 昭和63年、同 博士課程中退 専門分野は、都市交通計画 交通の仕事を志し、昭和63年、JR東日本入社 本社人事課、東京人事課、秋田施設課、東北工事所土木1 中野保線区、東京保線課、東京輸送指令、安全研車両運動G 鉄道総研軌道研、長野施設課、長野保線区、安全研保守作業G 様々な実務経験を積み、社内外に豊富な人脈 を構築 14 15.システム開発の経験 現部署で、モバイルコンピューティングとWebの 技術を活用した「運行状況把握システム」を開発 端末に列車の位置と遅れをリアルタイムに表示 データ 09:39:55 次: 65M 2小淵ー富士 携帯情報端末 データ 送受信機 戻 る 1545 M0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━> 青柳 茅野 作業区間 <━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2538M1 54780 次: 448M 0普門-上諏 15 16.提案者の有する人脈 個人タクシーの営業歴20年の伯父 携帯電話キャリアNO.1のNTTドコモの運輸業 界担当者 無線通信技術NO.1の松下通信工業のタク シー配車システム担当者 タクシー配車システム開発のシェアNO.1のソフ トハウス社長 目蒲線の営業主体である東急電鉄 地元自治体の大田区役所の交通計画担当者 交通計画部門の大学関係者及び行政 16
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