久保社会保険労務士法人 K. LEADERS 企業経営レポート 2013年度版 これからの労働契約はこれで大丈夫! 管理職として 採用したなら・・・ 新年度から、部長などの 管理職を採用し会社としても期待をして いるような場合もあると思います。 しかし、 ◆職務経歴書ほどの実力がない場合 ◆高い給料の設定をしたが、見合わないと思う ◆これでは、部下の信頼も統制もとれない ◆辞めてもらいたい といったご相談も多いです。 こんな状況なら、当然、 辞めさせられるよね!と言われても、 労働契約は?? 「管理職として何をすべきか」を 労働契約書に明示しておきましょう! もし、この記載が無い状況で降格や解雇を行うと不利益変更や 権利濫用と裁判等で判断されることもあります。 ◆減給、降格は無効として裁判へ訴えた ◆給与規定に減給の記載はあっても許容範囲を超える減給は無効 ◆管理職としての能力不足というが、降格の理由が、入社後の命令 であったり、労働契約等の書面による合意もない場合は無効 久保社会保険労務士法人 ポイントは給与規定にありますが、勤務評価、人事査定の結果、 降格、職種の変更または給与の減額改定を行うことがあるとしていても 社員が受ける不利益の程度が大きすぎるものはダメです。 また、労働契約書に記載されていなかった入社後に任命された プロジェクトなどの特命があったとしても、目標達成できない時の減給の 記載もない場合は、合意が認められないと判例にも示されています。 こうすれば安心、雇用契約!! 管理者として採用し、求められる職務職責を明記 「中途採用した管理職が能力不足だったら・・・」 〇新しい部署を作るために、外部から責任者を採用したい 〇営業部長が退職したので、営業経験者を管理職として採用したい ■前の会社で華やかな実績があっても、大会社の看板があったから 成果が出ていた場合もあります。 ■販売相手が個人だから実績がでたが法人対応は上手くいかない。 ■高給で厚遇したが、期待したほどの実績が上がらない。 ■降格して中高年の一般社員にして雇っても意味がない ★こういった場合、ポイントとなるのは ○雇用契約時の内容 ○就業規則の解雇規定です。 具体的には、 〇管理職としてどのような仕事に就くのか(雇用契約) 〇期待している業務内容や売上を明示しているか(雇用契約) 〇業務に対する能力不足を就業規則に明記しているか ただ、漠然と「管理職として採用する」と契約してしまうと、 能力不足かどうかの基準が難しく、解雇も難しいことになります。 平均賃金」を支払う方法(就業規則に定めること) 雇用契約書に 高給なのに 職務・職責の明記なし 職責を果たさない 目標達成できなくても 無責任だ 能力不足 管理職 『雇用契約書』『労働契約書』がポイント ○ 期待していた程の実力がなかった ○ 高い給料の設定をしたので、見合わない状況になってしまった しかし、「期待通りではなかったから辞めて欲しい」は通用しません。 「管理職として何をすべきか」を労働条件に明示して、労働契約書 に記載しないといけないのです。 もし、この記載が無い状況で 降格や解雇を行うと裁判等で負けてしまう可能性が高くなります。 管理職、部長としてのポジションに何を職責とするか? つまり、労働契約書の重要性です。 もし、労働契約書の中に ○ この管理職に求める具体的職責 ○ 実現できなかった場合の減給など が記載されていたら、 事前に説明を受け、合意の元、雇用契約をおこなっているため 降給、降格、場合によっては解雇も認められます。 いいかえると、雇用契約、労働契約において、管理職として採用し、 ★ 何を実現して欲しいか ★ どこまで達成して欲しいか ★ できなかった場合の処遇 などを明確にするべきなのです。 ○ 人事権の行使は違法とはならない ○ 社員の人格を否定する違法、不当な人事をしてはいけない ○ 労働契約書の記載内容が基本となる したがって、管理職等の中途採用をする場合、 ☆ 漠然とした労働条件での契約締結 ☆ 期待が先行し過ぎた給与設定 ☆ 目標の履行、不履行の時の条件の未設定 などはやっては いけないことです。 もちろん、マイナスを前提とした要素だけでなく、 目標達成できた場合のインセンティブ、特別賞与等の支給も記載す ることも有効です。
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