事故調査 - 環境安全衛生|ISO14001,OHSAS18001

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事故調査
Accident investigation
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事故調査
安全衛生マネジメントの成功のひとつの鍵は、
公平、迅速、正確な事故調査である。これらの
調査の基本的な目的は、類似の事故の再発
を防止するために講じる基準を決定すること
である。
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責任
 経営層
 監督者に事故防止と調査の訓練を行う。
 全ての事故とけがが適切に調査されることを確実
にする。
 再発防止のために即時の、長期の是正措置が取
られることを確実にする。
 事故報告書をファイルに保存し維持する。
 負傷した労働者に全ての必要な医療を提供する。
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責任
 監督者
 即時の初期事故調査を行う。
 発生後、可能な限り速やかに全ての事故を経営
層に報告する。
 調査に役立つ全ての証拠を収集し、保存する。
 礼儀正しい専門的な方法で目撃者にインタビュー
をする。
 事故の罪を見つけるまたは特定しようとしない。
 人々と財産を事故の二次災害から守るよう対応す
る。
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責任
 従業員
 全ての事故とけがを直ちに監督者に報告する。
 要請があれば事故調査を手伝う。
 監督者に全ての危険状況とニアミス(ヒヤリ・ハット)
を報告する。
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事故後の対応
 監督者の関与
現場監督者は事故状況を管理下に置き、直ちに危
険を取り除くまたは抑制しなければならない。
 初期段階




負傷した人物に応急手当をする。
危険を取り除くまたは抑制する。
原因を特定するために事故現場の情報を記録する。
直ちに目撃者にインタビューする。
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事故調査の原則
 事故の原因
事故は通常複雑である。一つの事故に原因と
なる複数の“出来事”があるかもしれない。
事故の詳細な分析は、通常3つのレベルの原
因を明らかにする。
 根本原因
 間接原因
 直接原因
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事故調査の原則
事故は人または物が安全に吸収できない量
のエネルギーまたは危険物質を受けるときに
発生する。このエネルギーまたは危険物質が
この事故の直接原因である。直接の原因は通
常1つまたは複数の危険な行動または状況、
または両方の結果である。危険な行動と状況
は間接原因または兆候である。同様に、間接
原因は通常、不十分な経営層の方針と決意、
または個人または環境の要因に起因する。こ
れらは根本原因である。
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事故調査の原則
多くの事故は1つまたは複数の原因を取り除くことで
防ぐことができる。事故調査は何が起きたかのみでな
く、どのように、なぜ起きたかを決定する。これらの調
査から得られた情報は、同様のまたはより重大な事
故の再発を防止することができる。事故調査員は、事
故に至った出来事の結果はもちろん、各出来事にも
興味を持つことが必要である。事故のタイプもまた調
査員にとって重要である。特定のタイプの事故の再
発または共通の原因は、特別な事故防止対策が必
要なことを示す。
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初期調査手順
多くの場合、現場監督者が事故調査の最初の
段階を行う。この最初の行動は、主に事故に
関わる原因、影響を受けた従業員と目撃者の
リストの記録である。
現場監督者は従業員の作業環境と割当てら
れた職務を十分に理解している。
初期調査には3つの目的がある:
 可能性のあるさらなるけがと物的損害の防止
 事故についての事実の収集
 証拠の収集と保存
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初期調査手順
ステップ
1. エリアを安全にする。危険が存在しない限り現場を乱さない。
2. 必要な図面と写真を用意する。それぞれに注意深くラベルを貼り、
正確な記録を保つ。
3. 各被害者と目撃者にインタビューする。また事故前にいた人物と
事故後すぐに現場に到着した人物にもインタビューする。各イン
タビューの正確な記録を保つ。望まれ、認められた場合、テープ
レコーダーを使用する。
4. 次を決定する
 事故前の異常は何か
 異常の起きた場所はどこか
 最初に気付いたのはいつか
 どのように起きたか
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追跡事故調査
追跡調査はデータを分析し、再発防止のために
必要な原因と是正措置を決定するために使われ
る。
ステップ
1. 初期調査で得たデータを分析する。
2. 必要であれば前のステップを繰り返す。
3. 次を決定する。
 何故事故がおきたか
 出来事の順番と候補となる原因(直接、間接、根本)
4. 最も可能性のある原因の決定
5. 調査後のブリーフィングを実施する。
6. 再発防止のために推奨する対策を含む要約した報告書を準備する。
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追跡事故調査
調査は、データが分析され、最終報告が完了
するまで完了しない。実際には、調査作業、
データ分析、報告書の準備は調査に費やす多
くの時間の間、同時に進められる。
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インタビューの実施
経験を有する人がインタビューを行うべきであ
る。全てのインタビューは、静かな人目につか
ない場所で行われるべきである。可能な限り早
期に、全ての目撃者から非公式の陳述を得る
ことが不可欠である。調査員は目撃者に事実を
提供するべきでない。誘導的でない質問のみを
する。
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インタビューの実施
 調査の目的を説明し、目撃者を安心させる。
 聞く、各目撃者に自由に話をさせる。専門家として、
礼儀正しく、思いやりの態度で接する。
 目撃者の気を散らさずにメモをとる。目撃者の同意が
あるときのみテープレコーダーを使用する。
 目撃者を助けるために図面や図を使う。
 目撃者の証言に従って図面にマークする。
 目撃者と論議しない。
 目撃者が観察事項の描写のために使う言葉を正確
に記録する。
 各目撃者を確認する。(名前、住所、職業、経験など)
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事故分析
事故は調査を通して解決されなければならな
い問題を示す。正式な手順は、問題を特定し
解決するために役立つ。次に2つの最も一般
的な手順について説明する。:チェンジ・アナリ
シスとジョブ・セーフティー・アナリシスである。
変更分析と仕事安全分析である。
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事故分析
 チェンジ・アナリシス(Change Analysis)
名前が示すとおり、この方法は“変化”に焦点
を当てる。問題を解決するために、調査者は
“標準”からの逸脱を探さなければならない。
予期しない変化から生じる全ての問題を考慮
に入れる。原因を特定するために変化を分析
する。この方法では、次のステップを使う。
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事故分析
1. 問題を明確にする。(何が起きたか?)
2. “標準”を明確にする。(何が起きるべきだったか?)
3. 場所を特定し、変化を描写する。(何、どこ、いつ、ど
の程度)
4. 何が影響を受け、何が受けなかったかを明確にする。
5. 変化の際立つ特色を特定する。
6. 可能性のある原因をリストアップする。
7. 最も可能性の大きい原因を選択する。
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事故分析
 ジョブ・セーフティー・アナリシス(Job Safety Analysis)
ジョブ・セーフティー・アナリシス(JSA)は既存の多く
の事故防止プログラムの一つである。一般にJSAは
仕事を基本的なステップに分け、各ステップに関連す
る危険を特定する。またJSAは各危険のコントロール
も処方する。ひとつのタイプのJSAはこれらのステッ
プ、危険、コントロールがリストアップされた図表であ
る。JSAが事故に関連する仕事に対して行われてい
た場合、調査の間にJSAをレビューする。もし、それ
が利用できない場合はJSAを行う。事故に至った出
来事と状況を決定するために、事故調査の一部とし
てJSAを行う。
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調査報告書
事故調査は、報告書が準備され、経営層に提
出されるまで完了しない。効果的な手段とする
ために、事故報告は明確で簡潔であるべきで
ある。調査の目的は、将来の事故を防ぐことで
ある。次のアウトラインは、事故調査報告書に
含まれるべきである情報の作成に特に役立つ。
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調査報告書
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背景情報
どこでいつ事故が起きたか
誰と何が関係するか
作業していた人員と他の目撃者
事故の記述(何が起きたか?)
出来事の順序
損害の程度
事故のタイプ
作用または源(エネルギーまたは危険物質の)
討議(事故分析-どのように;なぜ)
直接原因(エネルギー源;危険物質)
間接原因(危険な行動と状態)
基本的な原因(経営方針;個人または環境の要因)
改善のための暫定の、恒久の活動のための(再発防止のための)提案
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考えられる原因 Possible Causes
明らかな事故原因は、おそらく“根本的原因 ”の兆候
である。事故を引き起こす可能性のある危険な行動
と状況の例は、
 不安全行為Unsafe Acts







設備の無許可の操作
場内の走行
悪ふざけ
安全手順の不履行
安全装置のバイパス
保護具の不使用
ドラッグまたはアルコールの影響
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考えられる原因 Possible Causes
 不安全状態Unsafe Conditions


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


人間工学上の危険
環境上の危険
不十分なハウスキーピング(5S)
通路の妨害
不適切なまたは損傷のあるPPE
不十分なマシンガード
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勧告
調査の結果として次の改善の勧告が必要である。
 従業員の再トレーニング
 作業場所の再設計
 方針または手順の見直し
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記録
 全ての事故報告書は、永久にファイルに保存
する。それらは適切な是正措置がとられてい
ることを確実にするために上層部によって時
宜を得てレビューされなければならない。
 行政に対しても規定に従い報告しなければな
らない。