4.1 LAN とは

4.1 LAN とは
1.
2.
3.
4.
LANの特徴について
1980年代初め LAN開発
理由その1
理由その2
理由その3
1
LAN開発
1980年代初め
ニーズの背景
ダウンサイジング
大型コンピュータ
クライアントサーバシステム
ソフトウエア開発時での専門知識、他のアプリケーション
への影響の考慮の必要性の減少
2
理由その1
通信速度が高速
大型コンピュータ
最小限のデータのみ
・大型のコンピュータ
とその出入力装置
である複数の小型コ
ンピュータのやり取
りのみ
クライアントサーバ
システム
データ通信量が膨大
・クライアントから多量の
データをサーバに
・その処理の結果をサーバ
からクライアントに
3
理由その2
N対N通信が可能
大型コンピュータ
・ひとつの大規模
なコンピュータを
ホストとしていた
ダウンサイジング
・LANを使って個々のコン
ピュータ同士を通信
・ネットワーク自体に交換
機能を持たせる
4
理由その3
通信エリアが限定される
大型ホストコン
ピュータ
WAN
・制約条件が厳しい
・ネットワーク内での
情報共有が制限され
やすい
クライアントサーバ
システム
LAN
・数多くのサーバが存在す
るためサーバとクライアント
の物理的な距離が比較的
近くなる
5
高速回線におけるEthernet
・LANが提唱された1980年代はじめには、最近見
られるようなMbps程度の高速回線はめったにな
かった。
・ Mbps程度の高速回線には高価な光ファイバーを
使うのが一般的で、地域的に限定されるが、この
ような高速ネットワークを低価格で実現するため
に、革新的な技術が必要であった。
・Ethernetは最も早く高速回線ネットワークの媒体と
して標準化された。
6
Ethernetとは
・Ethernetとは、 Xerox(ゼロックス)社とDEC
社(現在はHewlett Packard社の一部門)が
考案したLAN規格。EthernetはIEEE(アイト
リプルイー ) 802.3委員会(電気・電子分
野における世界最大の学会)によって標準
化された。
http://e-words.jp
7
Ethernetによる高速伝送(1)
・高速伝送に適した同軸ケーブルを使用する。
・一本のケーブルの長さを500mに制限する。リピータ(ネッ
トワークにおいて、ケーブル上を流れる信号の再生およ
び中継を行なう機器)と呼ばれる装置を多段接続するこ
とによって、2.5kmまで延長可能。
・ベースバンド伝送(デジタル信号を変調せずに伝送用のデ
ジタル信号に変換して伝送する方式)を使用する。
コンピュータの1と0の信号をそのまま同軸ケーブルに送信する。信号
は、特殊な変調は行わない。
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Ethernetによる高速伝送(2)
・マンチェスタ符号(シリアル伝送時の符号化手法)を使用
する。コンピュータの1と0の信号をマンチェスタ符号に
よって倍速に符号変換してから送る。送信データが2倍
の20Mbpsの信号になるが、1と0の出現確率が同じに
なり、同軸ケーブル上で、常に信号が変化するようになり。
これにより、ケーブル上の信号の有無が容易に判断でき、
受信側で誤ったデータとして受信するのを防止できるの
で、送受信回線を簡易化できる。
・同軸ケーブルでの送信権の制御は、簡単なロジック(論
理)のCSMA(Carrier Sense Multiple Access:キャリアセ
ンスマルチプルアクセス)方式を使う。CSMA方式とは、信
号の衝突を回避するために他コンピュータが送信中の時
は送信を見合わせ、伝送路が空いているときに送信する
方式 である。
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CSMA/CD(Carrier Sense Multiple
Access/Collision Detection)
 送信衝突検出
•
•
複数のコンピュータが同時に送信を開始してしまうことがある
自分が送信中にもケーブル上の信号をモニタし、他者の送信を検出
する
 送信が衝突した場合
•
二つの送信波形が混ざり合い、受信不可能となる
•
衝突した両者とも、再度、送信を行う
10
電文
•宛先のアドレス記載
すべての局がモニタ
該当局だけ受信
他の局は破棄
個別アドレス
マルチキャストアドレス
ブロードキャストアドレス
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送信時の衝突
 端末Aから端末Cにデータが転送する場合
端末Aは、ケーブル上に誰も送信していないことを確認する
端末Aからは端末C宛の電文がケーブルに送出される
電文はケーブルの両方向へ送られる
各端末は電文のアドレスを見て、自分宛の電文であれば取り込む
他のB、Dの端末が送信すると衝突が発生する
衝突を感知すると通信を中断し、ランダムな時間が経過した後に、再送信に入る
(教科書より抜粋)
12
LANボードの構成

搭載されている物
I CSMA/CDのロジックを制御するLSI
II マンチェスタ符号を回線に送受信するためのIC
(20Mbps)
13
トランシーバケーブル
LANボードをトランシーバに接続している
同軸ケーブルへ信号を送受信する回路を内臓
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同軸ケーブル
心線の周りに絶縁体があり、その周囲にシー
ルドがある。
(絶縁体、シールドに偏りができると高速通信に悪影響を及ぼす)
15
トランシーバ
トランシーバでは、同軸ケーブルに針をさすことにより、トランシーバと同
軸ケーブルを接続する。同軸ケーブルを切断しない為、同軸ケーブルの
特性を維持できる。
(教科書より抜粋)
16
4.3 LANの種類とアクセス方式
1. IEEE802シリーズ
2. IEEE以外で標準化されたもの
17
IEEE802シリーズ 概要
名称
802.3(Ethernet)
802.4
802.5
802.9(IS-LAN)
802.11
802.12
(100VG-AnyLAN)
方式
CSMA/CD
トークンバス
トークンリング
TDM(時分割多重)
無線LAN
demand priority
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802.4 トークンバス
トークン・パッシングの採用
あらかじめトークンの巡回順序を決める
バス型LANを使って
順番にトークンを巡回させる。
トークン:送信権あるいは交信権を表す信号。
トークンを持つノードだけがホストコンピュータと交信ができる。
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トークン・パッシングとは?
トークン:送信権を表す。
1個のみ、ネットワークを循環。
送信したい!
送信側
受信しま
した!
受信側
トークン
いらないよ
データが付加されたトーク
ン(ビジートークン)
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トークンバスとは?
トークンパッシング方式をバス型LANに採用
最大転送速度10Mbps(5Mbps,1Mbps)
伝送媒体にCATV用の同軸ケーブルの使用
⇒ノイズに強い 。
21
802.5 トークンリング方式
トークンで送信権を制御
リング状に端末を接続し、
その順番でトークンを巡回させる。
22
トークンリングとは?
端末をリング状に配置
伝送路上をデータは流れ、一方向に巡回
して目的の端末に到着する。
データの流れ
端末
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802.9(IS-LAN)
TDM
音声用とLAN用のチャネルを統合。
1フレーム内に多数のチャネルが存在。
フレーム
Dチャネル
Bチャネル
Pチャネル
Cチャネル
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TDM(時分割多重)とは?
Time Division Multiplexer
一本の高速通信回線で転送時間を分割し、多数
のデータを転送。
一本の回線で複数の端末を扱える。
送信側
受信側
通信回線
端末
多重
変換装置
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各チャネルの説明
Dチャネル:Bチャンネルの通信制御を行な
う信号や、付加機能を提供するための
データ伝送路として使われる。
Bチャネル:実際に通信用のデータ伝送路
として使われる
Pチャネル:パケットデータの伝送路
Cチャネル:Bチャネルを増分させる
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802.11 無線LAN
無線(電波・赤外線)を利用したLAN
ケーブル不要で屋外でも扱える。
かつては低速⇒次世代無線LAN規格の登
場で高速化。
電波、赤外線
無線LANカードの挿入
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次世代無線LAN規格の概要
IEEE802.11a
IEEE802.11
1~2Mbps
IEEE802.11b
11Mbps
54Mbps
※5Ghz帯電波
IEEE802.11g
54Mbps
赤外線・2.4Ghz帯電波
2.4Ghz帯以上の電波
参考資料: http://www.intel.co.jp/jp/personal/do_more/howto/w-lan/index.htm
28
802.12(100VG-AnyLAN)
ツイストペアケーブル(100Mbps)
アクセス制御に
DPA (Demand Priority Access)の使用
特定のパケットを優先的に送信可
CSMA/CDの欠点であった衝突による
速度低下を防ぐことが可能に。
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IEEE以外で標準化されたもの
名称
FDDI
ATM-LAN
方式
トークンリング
ATM
30
FDDI
ANSIによって定められた規格
100Mbps
光ファイバを使用したトークンリング(=リング型)
ノード間の距離を比較的長く取れる
⇒企業内LANやビル内のバックボーン構築に用い
られる。
※ノード(node):ネットワークを構成するコンピュータを、
論理的に表現したもの。接続可能な端末数。
31
ATM-LAN
最大600Mbps
ATMの利用
帯域の確保ができ、優先制御などを保証。
⇒ストリーミングや大容量のマルチメディアデータ
を扱うネットワークの構築に適している。
32
ATM方式とは?
•
•
•
Asynchronous Transfer Mode(=非同期伝送モード)
データ、音声、静止画、動画を混在して扱う。
すべての電文を、小サイズ(=セル)にして送信。
セル
データ(48byte)
制御情報
(5byte)
33
ATM交換の原理(旧教科書より)
34
4.4 Ethernetとは
1. Ethernetの概要
2. ケーブルの違いで見る802.3
3. 性能について
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802.3(Ethernet)
現在、最もポピュラーなバス型LAN
CSMA/CD方式の採用
数多くのバリエーション
10BASE5
電文に相手先の
10BASE2
アドレスが書かれている。 10BASE-T
100BASE-T
Giga ether
Etc..
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CSMA/CDとは?(概要)
Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection
トランシーバ等が送信衝突の検出を行う
他の端末から出た電文と衝突してしまった場合は、一定時間
待った後に両端末とも再送する。
CASE:端末AからCにデータを送ったが、端末Bの送信したデータと衝
突した場合。
終端器
衝突!
トランシーバ
端末A
端末B
端末C
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Ethernetで使われる規格
10 BASE 2
速度(10Mbps)
ベースバンド伝送
セグメント長(185m:約200m)
同軸ケーブル以外の場合は、
英字によって種類をあらわす。
※拡張版
100BASE規格(Fast Ethernet) ex 100 BASE T
1000BASE規格(ギガビットEthernet) ex 1000 BASE FX
10GBASE規格(IEEE802.3ae)
※CSMA/CDの廃止、ケーブルの完全光ファイバー化、全二重通信
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ケーブルの違いで見る 802.3
同軸ケーブル
HUB
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同軸ケーブルを
用いる方式
端末
端末
一本のケーブル上に
複数のトランシーバが設置。
↓
端末
トランシーバ等でLAN上の
確認や衝突の検出を行う。
端末
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HUBを使う方式
HUB:LANの配線などで使われる集線装置。
10BASE-T 100BASE-Tなど。
ツリー状に接続。
衝突検出はHUBの役割である。
41
性能について
複数台のコンピュータで一本のケーブルを共有
トータルの通信量は定められた伝送速度以下に
なってしまう。
衝突の増加による本来不要な通信回数の増加
EX:10BASE5
(1)simple
(2)complex
一般的には3Mbps程度にまで低下
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トークンリングの特徴(1)
Ethernetとの共通点
1. ベースバンド伝送方式を採用
2. マンチェスタ符号を使用
3. 宛先のアドレスが電文に書かれている
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トークンリングの特徴(2)
Ethernetとの違い
1本のケーブルをリング状に敷設
トークンという特殊な電文を使用
上流の局から下流の局へと電文を転送
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トークンとは
ネットワーク上を常に流れている送信権
トークンを受信した局のみ発信ができる
トークンを受信しない限り、データを送信す
ることはできない
自局が送信した電文は、自局で廃棄する
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使用ケーブル
使用ケーブル
IEEE802.5
⇒シールド付ツイストペア線
トークンリング
FDDI⇒光ファイバー
Ethernet
同軸ケーブル
1本のケーブルの長さ
数km
最大100km
500m
(リピーターを介して
2.5kmまで延長可)
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トークンリングの長所
1. データの衝突が起きない
2. 衝突が起きないため、高負荷に耐える
3. 有効転送能力が高い
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トークンリングの短所
1. トークンの待ち時間が必要
2. トラブルが発生した際、原因を突き止め
にくい
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ブリッジとルータとは?
コンピュータシステムとそれをつなぐLANを
構築すると、それらのネットワーク間での通信
が必要になり、そのネットワーク間を接続する
ためには、ブリッジやルータが必要である。
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ブリッジとは
相手のLANに存在する局のMACアドレスを
認識し、その局宛だけの電文を通過させる
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ルータとは
IPアドレスを使って相手のLANまでのルートを
選択し、電文を送り届ける
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ルータ
ネットワーク(LANとLAN,LANとWAN)間の接続
を行う装置のひとつ。
OSI参照モデルでいうネットワーク層(第3層)やト
ランスポート層(第4層)の一部のプロトコルを解
析して転送を行う。ネットワーク層のIPアドレスを
見て、どの経路を通して転送すべきかを判断す
る経路選択機能を持つ。また、自分の対応して
いるプロトコル以外のデータはすべて破棄する。
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ルータの種類の例
建物内で各階ごとのLANをつなぐには2つの
Ethernet端子間でデータを転送するローカル
ルータを使う。
複数のパソコンをISDN回線経由でインターネット
につなぐには、 ISDN回線とEthernet端子間で
データを転送するダイヤルアップルータを使う。
複数のプロトコルに対応したルータをマルチプロ
トコルルータという。
ADSLやCATVの急速な普及に伴い、ブロードバ
ンド回線を複数のパソコンで共有する用途にブ
ロードバンドルータが広く使われている。
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