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第7回 商事関係法
前回の内容
• 六法の見方 旧法と新法
• 六法の調べ方 条文の確認方法
• 知的財産権と商号・商標
知的財産とは
商標や商号を利用したマーケティング
考えてみよう ネーミング
商標からブランド力
商法のための民法入門 債権の実現
自力救済の禁止
義務者
権利者
訴え
強制執行
裁判所
商法のための民法入門 債権の実現
債権担保の必要性
義務者
権利者
訴え
強制執行
裁判所
WHO ARE YOU?(126頁~)
知的創造物について の権利
知的財産
企業は開発さ れた技術やデザイ ン 等を
権利化し 、 その権利を 武器にし て商品
を 販売し 、 その収益を 研究資金と し て
次の技術やデザイ ン 等の開発を 行う
営業標識について の権利
商標権(商標法)
市場に流通する 商品やサービ ス がど の
企業によ っ て 提供さ れ、 ど のよ う な 品
質や機能を 備えたも のかを 識別
商号権(商法・会社法)
著名商標・原産地表示等(不正競争防止法)
商標や商号を利用したマーケティング戦略
Good Will を構築する例
商号
トヨタ自動車株式会社
ハウスマーク
TOYOTA
ファミリーネーム
中級車 ビスタ
ファミリーネーム
大衆車 カローラ
ファミリーネーム
高級車 クラウン
ペットネーム
スパシオ
ペットネーム
マジェスタ
ペットネーム
ランクス
ペットネーム
ロイヤル
ペットネーム
フィルダー
ペットネーム
アスリート
商号とは?
会社がその営業を為す上で、自己を表すために用
いる名称をいい、会社の営業の同一性を維持し、
取引の相手方などの信用の標的となる機能を有し
ています
会社の種類に従って
商号
株式会社・合名会社
合資会社・合同会社
会社法6条(商号)
①会社は、その名称を商号とする
②会社は、株式会社、合名会社、合資会社
又は合同会社の種類に従い、それぞれの商
号中に株式会社、合名会社、合資会社又は
合同会社という文字を用いらなければならな
い。
③会社は、その商号中に、他の種類の会社
であると誤認されるおそれのある文字を用い
てはならない。
会社法7条(会社と誤認させる名称等の使用
禁止)
会社でない者は、その名称又は商号中に、
会社であると誤認されるおそれのある文字
を用いてはならない。
会社設立のスピード化
商号
商標
保護法
会社法・新商法
商標法
機能
会社(商人)の識 商品、役務の識別
別標識※
標識
文字で構成※
文字、図形、記号等
で構成
類似商号禁止の 日本全国単一の権
規制撤廃
利
構成
権利の及ぶ
範囲
考えてみよう!
Aは「ほっかほっか弁当」という名の弁当屋を
開業したい。ところが、同じ町にはすでに「ほ
かほか弁当」という弁当屋さんがあった。
ほっかほっか弁当
ほかほか弁当
類似商号規制撤廃
現在は、ある商号が登録されている場合、同
市町村内で同一の営業内容では同一の商
号を登記できないという制度
問題点
・審査に時間と手間がかかる
・範囲は同市町村に限定されることは経済実
態と合わない
類似商号の事例
更科
更科信州家
取引上一般人をして混同・誤認させるおそれ
があるかどうかを基準として
結論
2つの商号を比較して、両者に共通の部分が
特徴的で、それが商号の主要部分である場
合には、類似商号に該当する
考えてみよう!
類似商号規制の撤廃
自社と同業・同名の会社が設立された場合
、どうすればいいのか?
従来は、商法・不正競争防止法
事後的な救済措置 不正競争防止法
商標権の登録の重要性
会社法8条
①何人も、不正の目的をもって、他の会社で
あると誤認されるおそれのある名称又は商
号を使用してはならない。
②前項の規定に違反する名称又は商号の
使用によって営業上の利益を侵害され、又
は侵害されるおそれがある会社は、その営
業上の利益を侵害する者又は侵害するおそ
れがある者に対し、その侵害の停止又は予
防を請求することができる。
考えてみよう
株式会社トヨタ&日産
類似商号を利用した貸金業者
トヨタクレジット(株)
トヨタダイレクト
トヨタコーディアル
判例
三菱地所株式会社
三菱地所ホーム株式会社
阪急電鉄株式会社
株式会社三菱ホーム
三菱商事株式会社
三菱地所株式会社
三菱建設株式会社
住友林業株式会社
有限会社三菱建材輸
入住宅販売インコーポ
レーション
三菱建材株式会社
住友殖産株式会社
株式会社サンリオ
SANRIO
株式会社サンリオ
SNUNRIIO
株式会社阪急
判例
株式会社日本経済新聞社
シャネル・S・R
日経ビジネスリサーチ
株式会社
株式会社三重リクルー
ト社
株式会社シャネル
カシオ計算機株式会社
カシオ電機株式会社
ゲラン・ソシエテ・アノニム
株式会社ゲラン
株式会社三愛(銀座)
株式会社三愛(千住)
株式会社リクルート
名板貸人
A商店
名板貸人
C
B商店
名板借人
取引行為
会社法9条(自己の商号の使用を他人に許
諾した会社の責任)
自己の商号を使用して事業又は営業を行う
ことを他人に許諾した会社は、当該会社が
当該事業を行うものと誤認して当該他人と取
引をした者に対し、当該他人と連帯して、当
該取引によって生じた債務を弁済する責任
を負う。
テナント契約の名板貸の事例
スーパーがペット販売店をテナント店として入
居させ・経営させていたところ、ペットショップ
からオウム病菌に感染したインコを購入した
消費者がオウム病に羅患し死亡した事例に
おいて、スーパーに対して責任追及できるか
が問題となった
テナント契約の名板貸の事例
スーパーマーケットY
ペットショップ
取引行為
テナント契約の名板貸の事例
スーパーマーケットY
ペットショップ
厳格な混同防止義務
出店及び店舗使用
に関する契約
店舗の外に忠実屋
の商標を表示
1営業主体の誤認が生ずるのもやむを得ない
ような外観の作出
2商号の使用許諾と同視できる程度の帰責事
由の存在