「疲れたら休養」はNG 軽い運動で血行促進

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「疲れたら
「疲れたら休養」
れたら休養」は
休養」はNG 軽い運動で
運動で血行促進
2012/5/5付 日本経済新聞 プラスワン
大型連休も終わり、そろそろ疲れが出て「休みの日は家でゴロゴロ」となりがちだが、
あえてジョギングやストレッチをするのも有効だ。軽い運動で血液循環などを良くし、効
果的に疲労を回復させるアクティブレスト(積極的休養)という手法が注目を集めてい
る。専門家に具体的な方法を聞いた。
■休養するより
休養するより運動
するより運動を
運動を
「疲れたときこそ、軽く体を動かした方が良い」と指摘するのは、国際武道大学でコンディ
ショニング科学を担当する山本利春教授。ジョギングなどの有酸素運動で血液循環が良く
なり、疲労の原因物質とされる血中の乳酸が筋肉や肝臓などでより効率的に処理されるよ
うになるという。運動の強度が低ければ新たな乳酸の発生も少なく、動かずに休養するより
疲労が取れやすいという理屈だ。
具体的な有酸素運動のメニューについて山本教授は「足腰の状態に応じてジョギング、
サイクリング、スイミングを使い分けるのが有効」と説く。
ジョギングは着地時に全体重が片足にかかるため足腰への負担が最も大きい。サイクリ
ングはサドルに体重を預けるためジョギングほどは足腰への負担は大きくない。体が浮力
に支えられるスイミングは最も負担が小さい。「足腰の調子が良いからジョギング」「膝が痛
いときはスイミング」といったように、これら3つのメニューを使い分けると良い。
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■強度はあくまで「八分目」
はあくまで「八分目」
次に運動の強度。あくまで「八分目」で頑張りすぎないのがコツだ。
ジョギングならば走りながら会話ができるスピードで、軽く汗ばむくらいが良い。心拍数は
毎分120~130程度で、時間は20~30分が最適。サイクリングでも軽く風を切る程度のスピ
ードで、ペダルを踏む脚に軽い張りを感じられるくらいが適切。乗るのは本格的なロードタイ
プの自転車でなく、いわゆる普段使いの「ママチャリ」で十分だ。スイミングでも平泳ぎやク
ロールでゆっくり泳ぐのが良い。水中を歩くだけでも十分効果はあるという。
有酸素運動で体が温まった後は、ストレッチで凝った筋肉を伸ばすとアクティブレストの効
果はさらに高まる。脚や肩、腰など連休で特に疲れた部位を集中的にストレッチすると良
い。ハイキングなどで歩きつかれた場合は、太ももやふくらはぎを中心に伸ばそう。痛みを
感じない強さで、筋肉が心地よく伸びていることを実感できる程度に実施するのが良い。
■テニスボール使
テニスボール使い室内で運動
このほか、家でもできる簡単なメ
ニューとして、フィットネスクラブ大
手ティップネス(東京都港区)の野
原正登トレーナーは、立った状態で
足の裏で硬式のテニスボールを踏
むことを推奨する。筋繊維などを覆
う「筋膜」をほぐし、体のバランスを
整える。土踏まずやかかとなど凝り
を感じる部分に、約10秒間体重を
かけてテニスボールを押しつけるこ
とを繰り返す。
テニスやゴルフなどによる肩周り
の疲れや、長時間の車の運転によ
る腰の疲れには「腕や腰を動かし
ながら筋肉を伸び縮みさせるダイ
ナミックストレッチが効果的」(野原
氏)。右図にあるような動きを繰り
返すことで、通常のストレッチ効果
に加え、筋肉や関節が温まり、肩こ
りや腰痛の予防につながる。
アクティブレストは、スポーツ選手が試合後の疲労を早く取り除き、次の試合や練習に備
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えるために編み出された。ここ数年で、スポーツ選手以外の疲労回復にも効果的という認
識が広がり、フィットネスクラブが取り入れるなど裾野が広がっている。
さらに、アクティブレストは精神面にもプラスの効果が期待できる。東京都渋谷区にある初
台関谷クリニックの関谷透院長(精神科)は、「適度に集中し軽く汗をかく運動は、ほどよく
交感神経を刺激しストレス解消につながる」と指摘する。
残りの休日。予定に少しの運動を加えることで、心身ともにリフレッシュした月曜日を迎え
るのも良いのでは。
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◇
■交代浴・アイシングも
交代浴・アイシングも
疲れが非常にたまっているときはアクティブレストのほかに、温浴と冷水浴を繰り返す「交
代浴」が有効的だ。筋肉を温めたり冷やしたりすることで、血管が拡張と収縮を繰り返すポ
ンプのような作用をし、血行が促進されて早期の疲労回復につながる。
まず湯船につかり十分に体を温めた後、湯船から出て15~20度(水道水程度)の水を、
太ももや肩など特に疲れている部分に15秒ほど浴びせる。その後、湯船に40秒ほどつか
り、また冷水を浴びることを2、3回繰り返し、最後は湯船につかって終わる。
氷で筋肉を冷やすアイシングを運動後にするのも効果的だ。ビニール袋に氷と少量の水
を加え空気を抜いて口をしばり、疲労した部位に10分程度あてる。筋肉の炎症を抑えるとと
もに、こわばった筋肉を緩め、疲労を軽減することができる。
(武田健太郎)
[日経プラスワン2012年5月5日付]
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