2015/2/23 日本経済新聞 印刷画面 政府・中銀、景気把握に腐心 小売店データや労働参加率… 2015/2/23付 日本経済新聞 朝刊 経済構造の変化を受け、各国の政府や中央銀行も景気動向を早く把握しようと工夫してい る。内閣府は昨年春、消費増税後の景気動向を見るため、GfKジャパンなど民間調査会社が 提供する週次の小売店データを独自に購入した。政府統計より迅速に動向がわかるとの判断 だ。 中国については、各国政府・中央銀行は英銀HSBCなど民間企業が作る指標PMI(購買担 当者景気指数)を注目している。中国の政府統計は信頼性に欠けるとの見方が強いためだ。 米国はパート労働者や職探しをあきらめた人が増え、雇用の実態は失業率ほど改善してい ないとの指摘もある。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は失業率だけでなく、フルタイ ム希望なのに不本意ながらパートタイムで働いている人の割合を含めた「広義の失業率」や 労働参加率などを重視するようになった。これら9つの指標は市場参加者の間で、「イエレン・ ダッシュボード(計器板)」と呼ばれている。 「巨大なデータの分析は景気統計の新しい潮流だ」と小峰隆夫・法政大教授は指摘する。日 銀は約500もの経済統計を使って公表前の国内総生産(GDP)を予測するモデルを内部で作 っている。東大の渡辺努教授はスーパーのPOS(販売時点情報管理)データを使って毎日物 価指数を作っている。 Copyright © 2015 Nikkei Inc. All rights reserved. 本サービスに関する知的財産権その他一切の権利は、日本経済新聞社またはその情報提供者に帰属します。また、本サービスに 掲載の記事・写真等の無断複製・転載を禁じます。 http://www.nikkei.com/news/printarticle/?R_FLG=0&bf=0&ng=DGKKASFS20H20_Q5A220C1NN1000 1/1
© Copyright 2024 ExpyDoc