スライド 1

本日の話題
1~2年のうちに解決しなければ
ならない課題
1. IPv4アドレス枯渇
元来は大学院の講義の
ために準備した内容で
あるが、諸君が大学院
に進学するまでに落着
しないといけない事柄
2. 歴史的PIアドレス
3. New IDN ccTLD 「ドット日本」
1
1
IPv4 アドレス在庫枯渇問題
• そもそも、どのような問題なのか?
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/
• 地域インターネットレジストリ(RIR)における
未分配の IPアドレス の在庫がなくなる
RIR
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何年頃に枯渇が予想されるか
Projected IANA Unallocated Address Pool Exhaustion: 10-Jun-2011
Projected RIR Unallocated Address Pool Exhaustion: 28-Jan-2012
Geoff Huston
http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html
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枯渇すると誰が困るのか
• 現在のインターネットが直ちに停止する訳で
はない
• 新しく IP アドレスの割り当てを受けることが
できなくなる
IANA  APNIC  JPNIC  ISP  利用者
• 新しい利用者は、どのような対策をとるか
• その利用者と通信をするために既存の設備
を変更する必要があるのか、ないのか
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どのような対策があるのか(1)
• 割り当てを受けているのに未利用のアドレス
を返却してもらう
• 未利用のアドレスを流通させるために IP アド
レスの 取引市場 を設けるという提案がある
http://www.potaroo.net/tools/ipv4/index.html
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問題点(1)
• 回収によって再利用が可能となると想定され
るアドレス規模は、多くても世界的なアドレス
需要の 数ヶ月分 に過ぎないと思われる。
参考文献 [1]
JPNIC「IPv4アドレス在庫枯渇問題に関する
検討報告書(第一次)」 p.39, 2007年12月.
http://www.nic.ad.jp/ja/pressrelease/2007/20071207-01.html
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どのような対策があるのか(2)
• NAT を用いてグローバルな IP アドレスの
必要個数を減らす
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/ipv4exh-report-071207.pdf
NAT
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問題点(2)
• プライベートアドレス+NATでは、グローバル
アドレスと同じサービスが出来ない場合がある
(IP電話、テレビ会議、P2P応用など)
次のスライド
• 従来のNATが対応してきた実績は数万利用者
の規模である
• 既にNATを用いている利用者を、さらにNATを
用いて収容する場合には、多段のNATとなる。
プライベートアドレスの 衝突 の可能性がある。
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NATによる変換
• Network Address Translator,
Network Address Port Translator (NAPT).
グローバルアドレス
NAT
プライベートアドレス
10.0.0.0~10.255.255.255 10/8
172.16.0.0~172.31.255.255 172.16/12
192.168.0.0~192.168.255.255 192.168/16
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NAT越え (NAT traversal)
• 魏, 後藤, 山田, 吉田「Symmetric NAT に対応するTCP/UDP NAT 越え
の新技法」情報処理学会70回全国大会, 3ZL-3, 2008年3月.
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どのような対策があるのか(3)
• IPv6 を用いれば膨大な数の IP アドレスを
利用することができる
• そもそも IPv6 は、IPv4 アドレスが不足する
ことを見越して設計されている
IPv4 32ビット = 232 約40億
IPv6 128ビット = 2128
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問題点(3)
• 新規に IPv6 で利用を開始するクライアントは
そのままでは IPv4 のネットワークに接続でき
ない(トランスレータなどが必要)
• 新規の IPv6 のサーバはクライアントが IPv6
対応にならなければサービスを提供できない
• 利用者のアクセス回線が事業者に依存する
場合がある
次のスライド
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アクセス網提供事業者
• フレッツはトンネルを使う
IP
IP
IP
IP
トンネルとは、パケットを他のパケットのデータ
として包み込んで(カプセル化)送ること
「NTT西のフレッツはNTT東とどう違う?」
IPpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20071017/284759/
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IPv4 と IPv6 のデュアルスタック
• 現在のインターネットで IPv6 が利用できる機
器は、大抵 IPv4 も使用することができる
デュアルスタック
Mac OS Xの例
• そのままの方法で IPv6 を拡大するのでは
IPv4 のアドレスが相変わらず必要になる
過渡期にはtranslatorがIPv4, IPv6の橋渡し
をする
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2010年度のレポート解答例
• Pingに失敗する例がある
• そのPCはIPv6のアドレスを取得(IPv4も取得)
• IPv6を先に試す
アプリケーションによってはIPv6で失敗すると
IPv4に自動的に切り替える
ただし失敗と判定するまでに時間が経過する
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By 宍倉 弘祐
NTTコミュニケーションズ
CPE: Customer Premises Equipment
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JPNIC 報告書 [1] の結論
• アドレス回収、NATによるグローバルアドレス
の削減、いずれも限定的な効果に留まる
• 本格的な解決は IPv6 の導入
ただし、IPv4 と IPv6 の相互接続を可能とする
ように、トランスレータ、デュアルスタックなど
の準備を進めなければならない
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2
歴史的 PI アドレス
provider independent
http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20101028/fee-pi-as.pdf
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誰が費用を負担するべきか
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議論の余地
1. アドレスを集約しても良いか
2. まとめて支払うことが可能か
一例として提案された年間負担額=
65000×1.3(log2(アドレス総数)-9) +消費税
/24 :¥52,500, /22 :¥88,725, /20 :¥149,945, /16 :¥428,259
3. 課金されるならば返却したい
4. アドレスを移管したい
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3
New IDN ccTLD ドット日本
• 総務省 情報通信審議会 答申
2009年7月10日
「21世紀におけるインターネット政策の在り方(平成13年度 情報通信
審議会 諮問第3号)」
~ 新たなトップレベルドメイン名の導入に向けて ~
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/p
olicyreports/joho_tsusin/sokai/16403.html
資料 22-1-1, 22-1-2, 22-1-3.
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従来の(.jp)ドメイン名の復習
• 1組織1ドメイン名の原則
日本におけるルール
属性ドメイン名に適用される
• ドメイン名を表記するのに使える文字と記号
アルファベット(大文字と小文字を区別しない)
数字
ハイフン
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ある年度のレポート課題1:
課題1:これまで独立に存在していた2つの会社
が合併することになった。2つの会社は、これま
でに各々ドメイン名を登録していた。
abcd-company.co.jp と xyz-inc.co.jp である。
この2つの会社が合併した場合に、ドメイン名の
登録をどのように考えるのが適切か。
出題者は次のURLを参照することを想定してい
るが、諸君が参考にするべきURL,文献は下に限
定されない
http://jprs.jp/info/jp-dom/
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問題1に対する見解
• Aの見解:2つの会社は独立にドメイン名を登録
していた。合併した後の会社は2つのドメイン名
を登録したまま継続することができる。
• Bの見解:ドメイン名 co.jp には「1組織は1ドメイ
ン名のみ登録できる」というルールがある。合併
した後の会社が2つのドメイン名を登録し続ける
ことはできない。
• Cの見解:もしも属性ドメイン名 co.jp ではなくて、
汎用ドメイン名として abcd-company.jp と xyzinc.jpを登録していたのであれば、合併後に2つ
のドメインを登録したままで良い。
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ある年度のレポート課題2:
• 課題2:汎用ドメイン名(.jp)において日本語ド
メイン名の登録が認められている。実際に
早稲田.jp というドメイン名は早稲田大学が
登録済みである。ところで、ドメイン名の登録
に使用できる文字は英字(a~z, A~Z),数字
(0~9)とハイフン(-)に限られているという。
• 出題者は次のURLを参照することを想定
http://www.nic.ad.jp/ja/dom/idn.html
• 根源まで遡って調べたい諸君の参考資料
http://www.rfc-editor.org/rfc/rfc3492.txt
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問題2に対する見解
• Dの見解:その規約RFC1035は1987年の古い文
書である。その後にIETFにおける議論があり、規
約が改定された。現在ではUTF-8(8ビットの
Unicode)で直接にドメイン名を記述できる。
• Eの見解:早稲田.jp のような国際化ドメイン名
(IDN)はPunycodeによって表現される。その表現
は英字、数字とハイフンから成る。IDNも従来か
らのドメイン名の規約にしたがっている。
• Fの見解:国際化ドメイン名は、RFCで規定された
国際標準のオプション(option)として、ICANNが
例外的に8ビット文字の使用を認めている。
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審議会資料 22-1-1 スライド 6
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早稲田大学.jp
JPRS
競争?
早稲田大学.日本
選定
1.完全分離
2.優先登録付き完全分離
3.完全一致
類似商標の問題:
外観、呼称、観念
.jpとドット日本は同一観念
1.完全分離
2.優先登録付き完全分離
3.完全一致
参考: ドメイン名と商標
• 商標権: 商品やサービスに付けられるマーク
特許庁に商標登録出願、登録査定、設定登録
を受ける(年間の出願数は約13万件)
• サービスマーク: 1991年改正、商標として
認められる
• ドメイン名: 先願主義
「登録者が知りうる限りにおいて、当該ドメイン
名の登録が、第三者の権利または利益を侵害
するものでないこと」
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1.完全分離
2.優先登録付き完全分離
3.完全一致
優先登録あるいは完全一致
を実行するには既登録のド
メイン名の情報を参照する
必要がある
早稲田大学.jp
JPRS
早稲田大学.日本
JPRS
協議会の発表
http://jidnc.jp/
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JPRSの発表
http://jprs.co.jp/topics/2010/101012.html
※ この選定結果の受領は、JPRSが「.日本」の管理運営事業者となると
決まったことを意味しません。現在の段階は、「.日本」の管理運営事
業者が最終的に決定されるまでの一連のプロセスの途上にあります。
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JPNICから移管
早稲田大学.jp
JPRS
早稲田大学.日本
JPRS
協議会、選定委員会により選定