Trash きれい☆きれい tactics ~つくば市のごみ減量作戦~ 担当教官:谷口 綾子 TA:浅見 知秀 都市計画実習 社会的ジレンマ班 班長:矢動丸 雄輝 副班長:高田 智基 渉外:大里 浩司 印刷:小野 友嗣 DB:石岡 美里、今井 唯 書記:石村 悟、平尾 英輝 社会的ジレンマとは・・・ 短期的・利己的に メリットのある行動(非協力行動)を行う と 長期的・社会的に デメリットが大きくなる と定義される社会的状況 解決策 • 構造的方略 →周囲の環境を変化させることによって、 行動変容を促す方法 • 心理的方略 →道徳心など人々の心理的要因に 働きかけることで行動変容を促す方法 身近な社会的ジレンマ問題を考える… 背景 ごみ問題 ・分別問題 ・ごみ出しの曜日を守っているか ごみ問題を解決しよう!! ・不法投棄 ・集積所をきれいに使っているか 現状調査 つくば市における 可燃ごみに入っている資源ごみ、燃やせないごみの割合 平均 0.6% 市周辺の戸建住宅 1.0% 学園都市北・南地区 戸建住宅 0.4% 学園都市西地区 燃やせないごみ 学生街 ペットボトル 1.0% 学園都市東・西地区 缶類 1.1% びん類 家族向け集合住宅 学園都市東地区 0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% 3.0% 現状調査 つくば市における 不燃ごみに入っている資源ごみ、古紙・古布類の割合 平均 市周辺の戸建住宅 学園都市北・南地区 戸建住宅 学園都市西地区 8.4% 27.5% 7.9% 38.1% 3.3% 10.5% びん類 缶類 学生街 13.5% 学園都市東・西地区 古紙類・古布類 39.2% ペットボトル 家族向け集合住宅 学園都市東地区 9.1% 0.0% 22.2% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% アパートの現状 不法投棄の山! ごみが集積所 からあふれてる! 集積所の中も 散乱ごみだらけ! つくば市の中でも特に学生街では ごみの分別ができておらず、 曜日も守られていない そこで・・・ 筑波大生が多く住んでいる 春日4丁目でのごみ問題を 取り上げ調査した なぜ学生街はこんなに汚いのか? つくば市のごみ処理体系を考えてみる つ く ば 市 収 集 業 者 自 治 会 ア パ ー ト 不 不大 大 動 動家 家 産 産・ ・ 住 民 大家・不動産会社の現状 • 共益費をごみ集積所の工事・清掃に 使うこともある • ごみ集積所を掃除する大家さんも いるが、基本的には特に何もしていない つ く ば 市 ご み 収 集 業 者 自 治 会 ア 不 パ 動大 家 ー 産 ・ ト 住 民 ごみ収集業者の現状 • 分別されていないごみも全部収集する →回収しないと大家からクレームが来るため →市役所から回収するよう言われているため • たまに、ごみ集積所を清掃する →ごみ集積所が汚いため つ く ば 市 ご み 収 集 業 者 自 治 会 ア 不 パ 動大 家 ー 産 ・ ト 住 民 つくば市の取り組み つくば市 ・出張説明会 ・看板の無料配布 ・カレンダー配布 ・案内冊子の設置 しかし・・・ つくば市は 積極的な取り組み をしていない!! つくばみらい市の取り組み つくばみらい市 ・生ごみ処理機購入者 に補助金交付 ・ごみ袋に記名欄有り ・ごみステーション パトロール ・HPや広報によるPR 心理的方略 + 構造的方略 つくば市とつくばみらい市の意識 つくば市 ・素早く回収しすぐに焼却 つくばみらい市 ・ゴミを発生段階で抑制 ・資源循環型社会の形成 つくば市とつくばみらい市の比較 総人口(人) ごみ年間 排出量(t) つくば市 つくばみらい市 1人1日 リサイクル率 あたりの (%) ごみ排出量(g) 200,528 80,111 737 8.84% 40,174 10,796 611 24.86% つ く ば 市 ご み 収 集 業 者 自 治 会 ア 不 パ 動大 家 ー 産 ・ ト 住 民 自治会の取り組み • 春日4丁目の自治会 ・自治会員による地域の一斉清掃 ・折りたたみ式のプラスチックの箱でごみを 出し、回収されたら自分で持ち帰る →この方式では分別・曜日を守らないと 回収してもらえないため、分別・曜日を 守ることに対する意識が高くなる 自治会ではごみの分別・曜日を きちんと守っている ・積極的な取り組みをし ていない ・ごみ問題に対する意 識が低い つ く ば 市 自 治 会 ご み たまに掃除をする大家もいる 収 が基本的に何もしない 集 業 ごみ問題の発生!! 者 分別されていないごみ も全て回収している ア 不大 パ 動家 ー 産・ ト 住 民 構造的方略の例 構造的方略だけを 春日4丁目のKOYOSOでは ごみ集積所を作り直した 実施しても効果は しかし・・・ あまり これは外面的な解決に過ぎず 期待できない! その後もごみの出す曜日、 分別などは守られていない 構造的方略のみでは意識が 変化せず意味がなかった だから・・・ 心理的方略を行い 意識を変化させる!! 今回実施した心理的方略とは… ・チラシを配布する ・住人に現状写真を見せる ・ごみの出し方カレンダーを配布する ・ごみ集積所にポスターを貼る 心理的方略の コミュニケーション調査の流れ 事 前 調 査 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ① 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 制御群 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ② 現 状 調 査 分 析 ・ 考 察 調査対象物件情報、物件配置、ごみ 集積所状況に基づいてなるべく条件 が均等になるよう分類 棟数(棟) 実験群Ⅰ 5 実験群Ⅱ 6 実験群Ⅲ 5 制御群 5 コミュニケーションの方法 アンケート+チラシ+ポスター+ごみカレンダー アンケート+ごみカレンダー アンケート なし 事前調査 80 70 燃えないゴミ ゴ 60 ミ 50 燃えるゴミ 数 22 20 10 0 32 25 の 40 個 30 29 39 23 40 29 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート (アパート数 5棟) (アパート数 6棟) (アパート数 5棟) 制御群 (アパート数 5棟) 事 前 調 査 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ① 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 制御群 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ② 現 状 調 査 分 析 ・ 考 察 コミュニケーション① 方法:戸別訪問によるアンケート 日時:5月16日~19日 ●実験群Ⅰ:アンケート+チラシ +ポスター+ごみカレンダー ●実験群Ⅱ:アンケート+ごみカレンダー ●実験群Ⅲ:アンケートのみ アンケート • 自分のアパート・マンションの ごみ置き場はきれいだと思いますか (全然思わない/とてもそう思う(5段階)) → 現状認識 • 他の人は土日にごみを出していない と思いますか (全然思わない/とてもそう思う(5段階)) → 他者の協力行動認知 アンケート • あなたは、土日にごみを 出してはいけないと思いますか (全然思わない/とてもそう思う(5段階)) → 道徳意識 • あなたは、土日にごみを出さないための 努力をしていますか (全くしていない/よくしている(5段階)) → 実行意図 アンケート • あなたは、土日にごみを 出さないようにしようと思いますか (全然思わない/とてもそう思う(5段階)) → 行動意図 • 土日にごみを出さないことは 大変だと思いますか (全然思わない/とてもそう思う(5段階)) → 知覚行動制御 • あなたは土日にごみを出していますか (全くしていない/よくしている(5段階)) → 行動 チラシ・ポスターの目的 実験群の人の意識を変化させる →ごみ置き場が汚れることの弊害を再認識し、 ごみ出しの方法を守ることが容易であることを 認識してもらう →ごみを出す際に目に触れる場所にポスターを 張ることで、行動を見つめ直させる チラシ ごみクリーン作戦 in 春4 Present By 筑波大学 社会工学類 都市計画実習 社会的ジレンマ班 春日4丁目のアパートの ゴミ置き場です わー 汚ーい 臭い ワン! ではこんな状態になると いったいどうなるのか、 ゴミ置き場くん達に 置き換えて考えてみましょう! ゴミ置き場2 号 ゴミ置き場 1号 ゴミ置き場4 号 ゴミ置き場3 号 臭う わー! 臭い! 汚くなる 近づきたくな ~い うわ~ 汚い! ネズミや害虫 がよってくる ごみ収集の おじさんが困る 春日4丁目の ゴミの状況は… ゴミ分別,ゴミを出す曜日 守ってますか? 8% 両方守る 分別のみ守る 18% 74% 分別・曜日を 守っていない 土曜日(ゴミを出してはいけない日)の ゴミ捨て場のゴミの個数 17.6% 少ない(0 -3 ) 52.9% 29.4% やや多い(4 -9 ) 2007年5月5日社会的ジレンマ班調べ 多い(1 0 以上) でも! ちゃんと分別して 曜日を守ると・・ ゴミ置き場が こんなにきれい! わー! みちがえたワン~ 曜日を守るだけで こんなにきれいに なるんじゃな きれいになる! =モテモテ! あのアパート 住みたい~ わー かっこいいー 分別をして曜日を 守るだけなら簡単 じゃん! 僕たちすごくきれいに なったね! あれ?? でも、燃えるゴミの日 知らないや・・・ そんなあなたでも 大丈夫! 詳しくは一緒に渡した カレンダー を見ちゃおう! ポスター コミュニケーション①での回収率 総数(枚) 実験群Ⅰ 62 実験群Ⅱ 62 実験群Ⅲ 87 回収で きた アン ケート数(枚) 回収率(%) 34 54.8% 32 51.6% 32 36.8% 実験群Ⅰ 事 前 調 査 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ① 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 制御群 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ② 現 状 調 査 分 析 ・ 考 察 コミュニケーション② 方法:戸別訪問によるアンケート 日時:6月2日~5日 ●実験群Ⅰ:アンケートのみ ●実験群Ⅱ:アンケートのみ ●実験群Ⅲ:アンケートのみ アンケートの質問項目を追加 「燃やせるごみ以外の指定ゴミ袋 は必要だと思いますか」 実験群Ⅰ、実験群Ⅱ、実験群Ⅲ それぞれで心理的方略の違いにより 意識の差が出ると仮定し、 ごみ袋という構造的方略の 受容意識の差をみるため =心理的方略→構造的方略 の順序で方策を行う効果の計測 コミュニケーション②での回収率 回収できたアン 2回目の総数(枚) ケート数(枚) 実験群Ⅰ 34 19 実験群Ⅱ 32 24 実験群Ⅲ 32 24 回収率 55.9% 75.0% 75.0% 実験群Ⅰ 事 前 調 査 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ① 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 制御群 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ② 現 状 調 査 分 析 ・ 考 察 2週間後… ごみの量変化 120.0% 1回目 100.0% 2回目 80.0% 60.0% 100.0% 100.0% 82.7% 40.0% 52.8% 50.0% 実験群Ⅰ 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 実験群Ⅲ 制御群 (アパート数 5棟) (アパート数 6棟) (アパート数 5棟) (アパート数 5棟) 20.0% 0.0% 111.7% 100.0% 100.0% アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート 1回目の調査を基準にしたときの、2回目のごみ袋の数の割合 実験群Ⅰ 事 前 調 査 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ① 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 制御群 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ② 現 状 調 査 分 析 ・ 考 察 分析 アンケート① アンケート② 実験群Ⅰ 実験群Ⅰ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー チラシ 実験群Ⅱ アンケート カレンダー チラシ 段 階 間 比 較 実験群Ⅱ アンケート カレンダー チラシ 実験群Ⅲ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー チラシ 群 間 比 較 道徳意識の変化量 (2回目の評価値ー1回目の評価値) Q. あなたは、土日にごみを出してはいけないと思いますか? 1.40 そう思う 1.32 1.20 1.00 0.80 0.60 0.40 0.21 0.20 0.00 そう思わない -0.20 -0.04 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート (N=19) (N=24) (N=24) 知覚行動制御の変化量 (2回目の評価値ー1回目の評価値) Q. 土日にごみを出さないことは大変だと思いますか? 0.20 そう思う 0.00 0.00 0.08 -0.20 -0.40 -0.60 -0.80 -1.00 そう思わない -1.20 -1.11 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート (N=19) (N=24) (N=24) 行動意図の変化量 (2回目の評価値ー1回目の評価値) Q. あなたは、土日にごみを出さないようにしようと思いますか? 1.40 そう思う 1.20 1.16 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 0.04 0.00 そう思わない -0.20 -0.40 -0.29 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート (N=19) (N=24) (N=24) 実行意図の変化量 (2回目の評価値ー1回目の評価値) Q. あなたは、土日にごみを出さないための努力をしていますか? 1.60 そう思う 1.40 1.32 1.20 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 0.00 0.00 -0.20 -0.40 -0.38 そう思わない -0.60 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート (N=19) (N=24) (N=24) 行動の変化量 (2回目の評価値ー1回目の評価値) Q. あなたは、土日にごみを出していますか? 0.40 している 0.21 0.20 0.00 -0.20 -0.25 -0.40 -0.60 -0.80 -1.00 していない -1.05 -1.20 実験群Ⅰ 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ アンケート カレンダー チラシ アンケート カレンダー アンケート (N=19) (N=24) (N=24) 考察 • 段階間比較、群間比較ともに 道徳意識 知覚行動制御 行動意図 実行意図 行動 の5項目で有意な差が見られた つくば市が現在行っている ごみ出しカレンダーの配布だけでは効果がない! チラシやポスターなどの心理的方略 の効果は 大 !! 分析 ③心理的方略と構造的方略の関係: 2回目のアンケートで追加した指定ごみ 袋の必要性に関する質問項目 に対する評価を群間比較する 方法:5段階評価の平均値を 群ごとに比較する 指定ごみ袋に対する意識 Q. あなたは、指定ごみ袋を増やすべきだと思いますか? 増やすべき 5 4 3.68 3 2.38 2.25 2 1 増やすべき でない 0 実験群Ⅰ 実験群1(N=19) アンケート カレンダー チラシ (N=19) 実験群Ⅱ 実験群Ⅲ 実験群2(N=24) 実験群3(N=24) (N=24) (N=24) アンケート カレンダー アンケート 考察 実験群Ⅰと実験群Ⅱ・実験群Ⅲの間では、 大きな差が見られる 心理的方略→構造的方略 心理的方略によって意識を向上させた 後に、構造的方略を実施すると構造的 の順番で方策を 方略のみの実施よりも効果が上がる 実施すると効果的 行動変容プロセス:分析 チラシダミー 道徳意識 他者認知 知覚行動制御 行動意図 実行意図 行動 行動変容プロセス チラシダミー 道徳意識 他者認知 知覚行動制御 行動意図 実行意図 行動 今後の展望 心理的方略を行い、住民の意識を改善 その上で構造的方略を行うと効果的!! 心理的方略+構造的方略 の対策を行う たとえば・・・・ 心理的方略として ポスターやチラシ、カレンダーなど を積極的に配布 説教くさくない (ユーモア・親近感のある) ほうが効果的!! 構造的方略として ●燃やせるごみ以外の ごみ指定袋を作る ●カン・ビン・ペットボトル それぞれの専用集積所の設置 を義務付ける 大家と行政の連携 ・リサイクルを推進する取り組みを行 う ・コミュニケーションを積極的に行う つ く ば 市 ご み 収 集 業 者 自 治 会 行政と大家・不動産の連携 →ごみ集積所の統一 自治会とアパートの連携 ア 不 →地域の一斉清掃 パ 動大 住 将来的に分別されていないご みを回収しないようにする ごみ集積所の掃除当番制な どを導入する 家 ー 産 ・ ト 民 Trash きれい☆きれい tactics を遂行するには・・・・・・ つくば市の 自分ひとりくらいは大丈夫という意識を変えるこ ごみ減量作戦成功!!! とが必要!! そして またそれぞれが問題点を改善し、連携しつつご み問題に取り組んでいくことで・・・ きれいなつくば市へ・・・・
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