タンパク質の構造を予測する 私達の研究室ではコンピュータを用いたタンパク質の立体 構造予測行っている. 運動方程式に基づき,分子式(アミノ酸の配列情報)のみか ら,立体構造を予測しようというものである. 31 October 2002 , ISDL 自然に存在するタンパク質の形 • 自然界に存在するタンパク質は各々のタンパク質ごとに特 定の複雑な立体構造で存在する. 31 October 2002 , ISDL 立体構造と機能 Part.1 タンパク質はランダムな立体構造の状態では機能しない. 特定の形で折り畳まれているもののみが機能する. ひも状態(ランダム) 特定の立体構造 生体内で機能を発揮しない 生体内で機能を発揮する 31 October 2002 , ISDL 立体構造と機能 Part.2 生体内においては,正常でない構造をもつタンパク質は 本来の機能を発揮できないため,病気の原因になっている. 誤った折り畳みによる症例 アルツハイマー病,プリオン病(狂牛病) (左) 正常なプリオンタンパク (右) 感染症のあるプリオンタンパク タンパク質の立体構造と機能が密接に関わっている 31 October 2002 , ISDL 立体構造予測が何に役立つか? 実際に立体構造を予測することで何に利用されるのか? 実験的に生のタンパク質を用いて各々のタンパク質に対し 現在知られているタンパク質の構造類似性を発見する. て機能と,全ての空間構造を網羅的に探すことは,不可能 その機能も類似であると予測できる. である. 実験的にタンパク質の機能を解明することの アミノ酸配列が遺伝子の情報からわかるが,まだ発見されて サポートとして用いられることになる. いないタンパク質を立体構造予測する. 実験のサンプルとして立体構造を提示できる. 病理の解明, 新薬の開発 31 October 2002 , ISDL 立体構造を決定するもの タンパク質の自然な状態がそのタンパク質の最も安定した 状態,エネルギーの最も低い状態となっていることが知られ ている. High Energy Low 自然のタンパク質の立体構造=最も安定した(エネルギーの最も低い)状態 31 October 2002 , ISDL 空間構造を表現するパラメータ タンパク質は各々の分子が共有結合を行うことで形成される. 立体構造は各々の分子の位置により変化する. 結合長---分子間の距離 結合角---3分子間のなす角度 二面角---ねじれの角(回転軸) 結合している分子が決まれば 一意的に決定する 立体構造を決める設計変数 z 座標 y 座標 x 座標 31 October 2002 , ISDL タンパク質のエネルギー関数 エネルギーの高い状態では分子同士の力関係が不安定. 安定したエネルギーの低い状態に落ち着く. 最小エネルギーとなり,自然に存 横軸 : タンパク質の空間状態(立体構造) 在するタンパク質の立体構造 縦軸 : エネルギー値 最小化問題としてcomputerでの解析が可能 31 October 2002 , ISDL
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