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資料5
◎ 広域自治体のあり方
(道州制と大都市制度)
○関西州への道筋
○関西の結びつき
・府県域を超える人の流れ
・相互に波及する経済効果
○関西広域連合の概要
○関西広域連合と関西州に関する関係府県のスタンス
○関西州のイメージ
・関西全体の視点で広域交通ネットワークを形成
・流域一体となった河川管理
・関西をひとつのクラスターに
○道州制と大都市制度 答申・報告など
○関西州への道筋(大阪における大まかなイメージ)
■国の役割の重点化
■広域自治体と基礎自治体の役割分担を明確化する過程
【関西でできることから】
国
国の出先機関
関西広域連合
国の出先機関の受け皿
関 西 州
※出先の執行権に加え、
本庁の企画立案権も移管
広
域
【大阪でできることから】
広
域
基
礎
大 阪 府
新たな広域自治体
大 阪 市
新たな基礎自治体
※実現には、
全国的な議論・法改正
成長戦略
基礎自治体
暮らしの充実
※役割分担が不明確
※役
割
分
担
の
明
確
化
•※事務の性格に応じ、民営化を検討
◆経済・生活面での関西の強い結びつき ⇒府県を超えた広域的取組みの必要性
まずは、「関西広域連合」を本年度設立(広域防災、等7分野)
◆国の出先機関改革「地域主権戦略大綱」⇒広域連合など広域的実施体制の整備に応じて、移譲が可能となるような仕組みを検討
「関西広域連合」を国の出先機関の受け皿へ(府県で対応できない事務への対応)
基
礎
○関西の結びつき
①府県域を越える人の流れ
■関西2府8県の就業・通学者のうち約116万人(全体の9%)が、大阪をはじめとして府県
域を越えて通勤・通学している。
(他府県で従業・通学する者)
居住地
就業・通学者
(15歳以上)
A
(単位:人)
他府県(2府8県)で
従業・通学する者
B (B/A)
Bのうち主な従業・通学地
と従業・通学者数
C (C/A)
福井県
466,930
2,220
三重県
1,017,544
21,124
滋賀県
764,207
89,476
京都府
1,423,480
160,399
(11.27%) 大阪府 106,188 (7.46%)、京都府 23,822 (1.67%)、奈良県 17,960 (1.26%)
大阪府
4,425,710
240,151
(5.43%) 兵庫県 106,758 (2.41%)、京都府 79,318 (1.79%)、奈良県 29,251 (0.66%)
兵庫県
2,863,262
389,644
(13.61%) 大阪府 364,379 (12.73%)、京都府 18,036 (0.63%)、滋賀県 2,414 (0.08%)
奈良県
726,835
216,205
(29.75%) 大阪府 184,532 (25.39%)、京都府 18,710 (2.57%)、兵庫県 5,390 (0.74%)
和歌山県
530,900
40,124
鳥取県
336,272
733
徳島県
417,803
1,224
合計
12,972,943 1,161,300
総務省「平成17年国勢調査」より
(0.48%) 京都府 1,380 (0.30%)、滋賀県 515 (0.11%)、大阪府 246 (0.05%)
(2.08%) 大阪府 10,438 (1.03%)、奈良県 4,462 (0.44%)、和歌山県 2,760 (0.27%)
(11.71%) 京都府 60,613 (7.93%)、大阪府 24,326 (3.18%)、兵庫県 1,780 (0.23%)
(7.56%) 大阪府 34,068 (6.42%)、奈良県 2,929 (0.55%)、三重県 1,379 (0.26%)
(0.22%) 兵庫県 508 (0.15%)
(0.29%) 兵庫県 674 (0.16%)、大阪府 369 (0.09%)
(8.95%)
○関西の結びつき
②相互に波及する経済効果
■関西2府8県内に本社を有する企業の中には、自府県にとどまらず、関西の他府県にも工場
を立地している企業があり、関西域内でのつながりを見せている。
■特に大阪に本社を有する企業が、他府県に工場立地していることがうかがえる。
(関西域内における工場立地状況)
本社所在地
合計
福 井
三 重
滋 賀
京 都
大 阪
兵 庫
奈 良
和歌山
鳥 取
徳 島
その他
立地府県
合 計
311
11
6
25
21
92
86
12
7
5
4
42
福井県
15
11
-
-
-
3
-
-
-
-
-
1
三重県
23
-
6
-
-
5
-
-
1
-
-
11
滋賀県
47
-
-
25
4
11
-
-
-
-
-
7
京都府
24
-
-
-
15
5
1
-
-
-
-
3
大阪府
46
-
-
-
-
40
2
-
-
-
-
4
兵庫県
102
-
-
-
1
10
81
-
-
-
-
10
奈良県
26
-
-
-
1
13
-
11
-
-
1
-
和歌山県
14
-
-
-
-
4
1
1
6
-
-
2
鳥取県
9
-
-
-
-
-
1
-
-
5
-
3
徳島県
5
-
-
-
-
1
-
-
-
-
3
1
出典:経済産業省「平成20年工場立地動向調査(本社所在地別工場立地地域立地件数)」
○関西の結びつき
②相互に波及する経済効果
■2009~2012年にかけて行われる大阪湾周辺地域における民間の大型生産設備投資(投資額合計
1.55兆円)について、初期投資により関西2府5県で約1.39兆円の経済効果。そのうち工場立地府県
以外への経済波及効果は、約4480億円(全体の32.3%)と試算されている。
⇒ こうした投資による波及効果が広く関西全体に及んでいる。
( 大阪湾周辺地域における民間の大型生産設備投資による経済効果 )
(単位:百万円)
シャープ堺
構成比
IP S アルファテク
ノロジー姫路
松下電器尼崎
構成比
(第3 ・4 ・5
工場)
構成比
住友金属
和歌山
構成比
計
構成比
福井県
3,787
1.0
2,781
1.1
5,513
1.1
2,203
0.8
14,284
1.0
滋賀県
6,261
1.7
4,087
1.6
8,284
1.7
3,245
1.2
21,877
1.6
京都府
15,467
4.2
6,880
2.7
13,796
2.8
6,910
2.6
43,054
3.1
大阪府
306,792
82.4
70,926
27.3
147,805
30.0
70,998
26.7
596,521
42.9
兵庫県
26,659
7.2
170,611
65.7
308,928
62.6
24,633
9.3
530,831
38.2
奈良県
9,308
2.5
2,343
0.9
4,995
1.0
2,041
0.8
18,688
1.3
和歌山県
4,080
1.1
1,902
0.7
3,809
0.8
155,736
58.6
165,527
11.9
計
372,354
100.0
259,531
100.0
493,131
100.0
265,767
100.0
1,390,783
100.0
自府県以外
65,562
17.6
88,920
34.3
184,203
37.4
110,031
41.4
448,716
32.3
出典:(財)関西社会経済研究所「大阪湾岸大型設備投資の経済波及効果」(初期投資による経済波及効果)
○関西広域連合の概要
1 設立のねらい
地方分権改革の突破口、広域行政の展開、国の地方支分部局の事務の受け皿
※今年中に発足予定。当初参加予定は、滋賀、京都、大阪、兵庫、和歌山、鳥取、徳島
2 基本方針
◎ まず一歩を踏み出し、成長する広域連合
実現可能な事務から取り組みを開始し、実施する事務を順次拡大、国の事務移譲を狙う。
◎ 生活者重視の運営(東南海・南海地震等に備えた広域防災、ドクターヘリ等)
◎ 広域施策の核として既存事業を移管
関西広域機構(KU)の事務について、広域連合で実施した方が効率的なものは移管する。
3 実施する事務
<設立当初> 7分野
広域防災、広域観光・文化振興、広域産業振興、広域医療連携、広域環境保全、
資格試験・免許等、広域職員研修
<順次拡充する事務>
7分野の拡充と府県事務の切り出し等、新たな分野(交通・物流基盤整備、行政委員会事務)
<国の地方支分部局からの移譲事務>
現在、全国知事会などで取り組んでいる国の出先機関の事業仕分けの結果を踏まえ、関西広域連合での事務移譲に必要な法整備を求めていく。
4 組織
広 域 連 合 委 員 会
広域連合長
広 域 連 合 議 会
委員長 (広域連合長)
副委員長(副広域連合長)
各委員 (各分野担当)
選 挙 管 理 委 員 会
監
公
査
平
委
委
員
広域連合協議会
広
構
関
市
経
学
会計管理者
員
域
連
合
成
団
体
の
係 地 方 公 共 団 体 の
長 会 ・ 町 村 長 会 関 係
済
団
体
等
代
表
識
経
験
者
長
長
長
者
者
等
会
事
本部事務局
務
局
各事業分野事務局(担当委員府県に配置)
5 予算
構成府県が負担する「分賦金」による。負担割合は、総務費は均等負担、各事業費は人口など事業毎の受益に応じた客観的な指標で算定。
○関西広域連合と関西州に関する関係府県のスタンス
連合
参加
設
立
当
初
か
ら
参
加
検
討
当
初
不
参
加
※議会や記者会見等における各府県知事の発言趣旨を
大阪府が抜粋・編集
府県名
関西広域連合について
道州制について
広域連合と道州制の関係
滋賀県
・中央集権体制の打破や分権型社会
の実現に大事な政策
・広域防災をはじめとして大きなメリット
がある
・区割り論先行の道州制導入には慎重
であるべき。地方への権限・財源移譲が
伴わなければ、単なる都道府県合併・廃
止による中央集権化につながる恐れ
・広域連合の設置がそのまま道州制
につながるものではないと認識
都道府県制を前提としながら、時代
に合わせた形で補完する組織が必要
京都府
・現行の都道府県制度を活かしながら、 ・なぜ道州性を進めるのか、地域の自立
府県を越える課題に責任をもって対応
のために地方自治の能力をどのように
できる手段をつくることが重要
高めるか本質の問題の議論が必要
・広域連合は道州制につながるもの
でない
兵庫県
・関西を代表する組織として、国に対し
て政治パワーを発揮できる
・国出先機関の受け皿を用意し、国に
事務・権限の移譲を迫ることに意義
・道州制は、府県を廃止してブロック単
位で広域団体を創設する一種の府県合
併であり、かえって中央集権化が進む
恐れがある
・道州制は広域連合と全く質が異なる。
道州制へのステップとならない
府県を越える広域行政課題は広域
連合制度により、その多くが解決可能
和歌山県
・個性ある地域を連携し、スケールを広
げることは元気な関西づくりにつながる
と評価。本県発展には必要不可欠
・道州制は地方分権を推進するものでな
ければならず、資源配分が住民にとって
現状より有益な制度である必要
・広域連合が直接、道州制に結びつく
ものでない。
鳥取県
・関西の中で組織的に一定の地位を持
ち、役割を果たしていくことに意義
・費用がリーズナブルな範囲に収まる
のであれば、加入に値する
・道州制については、まずは国全体で議
論が必要。国の権限を地方に移していく
ことを前提として議論すべき。
・広域連合という仕組み自体は、連携
の範囲内の話。道州制とは切り離し
て考えるべき
徳島県
・本県のみで解決しがたい課題を関西
共通の課題として解決できる。
・府県制の下、地域主権社会を確立す
るための地方発の実証モデル
・道州制については、自治立法権の拡
充、自治行政権、自治財政権を備えた
地方政府確立を目指す第二期地方分権
改革の到達点と考える
・広域連合は府県の枠組みを残した
まま取り組むことができる自治法上の
制度。道州制と直接的に関係ない
福井県
・現時点では、参加のメリットが明らか
でない
・道州制の中身が明瞭でなく、反地方分
権の道州制につながる可能性あり
-
三重県
・広域連合に参加する十分な必要性、
メリットは現時点では見出せない
・道州制の議論以前に、この国の目指
すべき姿の議論が必要。時期尚早
-
奈良県
・新たな地方自治体を設置することに
なるので、屋上屋を架すことになる
・道州制の効用に多くの疑念あり。制度
の目的、設計、効果について、いずれも
具体的な内容の検討不足
-
大阪発“地方分権改革”ビジョン(21.3)より
関西州のイメージ(関西の夢)~ 関西がひとつになることで ~
① 関西全体の視点で広域交通ネットワークを形成
現状は…、
・整備主体が多岐に分かれ、関西全体の視点で
整備の優先順位が決定されていないことから、
環状道路に未開通区間があるなど、総合的な
インフラ整備に支障が生じている。
・空港、港湾ごとに設置管理者が異なり、統一的・
戦略的な施設運営がなされていない。
関西州の下で…、
・関西全体の視点から優先すべき整備箇所を決定。
資本を重点的に投下。
・空港、港湾の戦略的な運用。
・アジアとの近接性を活かし、湾岸部を物流拠点に。
大阪発“地方分権改革”ビジョン(21.3)より
関西州のイメージ(関西の夢)~ 関西がひとつになることで ~
② 流域一体となった河川管理
現状は…、
・水系一貫主義が原則であり、複数の府県を
またがる水系が多いことから国が主に管理。
・しかし、治水、利水、環境、利用など河川管理
に係る課題に複数の省庁・府県が関与し、
総合的、一体的な管理を難しくしている。
・また、流域住民の声が施策に反映されている
か疑問。上流域と下流域の間の受益と負担の
関係も分かりにくい。
関西州の下で…、
・道州が流域全体の視点に立って、河川管理
に係る各課題に総合的に対応。
・また必要な施策は、流域住民の意思を反映
しながら適切に選択。
・さらに、例えば道州が道州税を財源に、上流
域で水源林の整備を進めることで、上流域
と下流域の受益と負担の関係も明確化。
大阪発“地方分権改革”ビジョン(21.3)より
関西州のイメージ(関西の夢)~関西がひとつになることで~
③ 関西をひとつのクラスターに
現状は…、
京都バイオシティ
 ナノバイオの振興
 iPS細胞研究拠点
彩 都
 先端医薬品、革新的医療機
器の創出
播磨科学公園都市
 光科学技術を核とし
た最先端医療
つくば
名古屋
東京
(研究開発用超高速
ネットワーク)
神戸医療産業都市
 再生医療関連産業
関西文化学術研究都市
 ICTを活用した健康産業創出
 光医療産業バレー拠点創出
道修町
● 江戸期以来の日本の
製薬産業群
写真:理化学研究所提供
・各拠点が得意分野と特徴ある集積を有
し、競争と連携により発展しているが、
国際的なバイオクラスター間競争のなか
で、 より一層大きな存在感を示すことが
必要。
関西州の下で…、
・関西をひとつのバイオクラスターと見なし、
戦略的に振興・情報発信。
・各拠点に共通する事務の削減、資金の
効率的配分により、資金、人材の有効
活用が可能。
・創薬、ナノバイオ、再生医療など、地域の
強みをさらに磨き、国際競争力を一層高
める。
○道州制と大都市制度 答申・報告など
■第28次地方制度調査会 道州制のあり方に関する答申(H18.2.28)
・大都市圏域においては、人口や社会経済機能が集積し、特有の行政需要も存することから、道州制の
導入に際しては、道州との関係において大都市圏域にふさわしい仕組み、事務配分の特例及びこれに
見合った税財政制度等を設けることが適当である。
・大都市としての特性が顕著で首都機能が存する東京(現在特別区の存する区域あるいはその一部)に
ついては、さらに、その特性に応じた特例を検討することも考えられる。
■自民党 道州制に関する第三次中間報告(H20.7.29)
・現在、地方自治制度における大都市等に関する特例としては、東京に都区制度、その他の大都市等に
政令指定都市制度、中核市制度、特例市制度が適用されている。現在はもっぱら事務配分の特例を中
心としているが、道州制導入にあたって現在の都道府県の事務を原則として基礎自治体に移譲すると
した場合には、事務配分における特例の必要性は弱まると考えられる。基礎自治体は基本的に権限・
権能において差をつけず一律にすべきと考える。
・現行制度をさらに進めて、大都市については道州から独立した大都市州としての位置づけを認めると
いう考え方もあるが、大都市を除いた地域のみで構成される道州の規模・能力などが大幅に低下する
ことから望ましくないものと考えられる。
・しかしながら、東京(現在特別区の存する区域あるいは都心3区)については、他の大都市地域を相
当上回る規模の人口の高度な集積に着目し、道州との調整、事務配分、税財政、道州の区域に関する
特例を設けることが適当と考える。
■東京圏の道州制設計に関する西尾私案(東京市政調査会理事長 西尾 勝 都政研究2009.12月号)
・東京圏の道州の区画は、1都3県の区域
・広域連合機構の首長は都知事が兼任
・都心5区で東京市を設置(政令指定都市)
⇒18区は市に、東京都は東京府に
・1都3県は存置し、広域連合機構とする
・警察機能を国家と道州又は都県に分離