PowerPoint プレゼンテーション

海洋流体力学2013
• 海洋流体力学とは、海洋に関する流体力学。本講義では、海洋
のみならず、大気も含めた地球流体力学について学ぶ。
Fluid Dynamics(流体力学)
Geophysical Fluid Dynamics(地球流体力学)
• 目標
海洋・大気大循環のイメージを描けるようにする。
海洋・大気に現れる波について理解する。
• 重視すること
方程式とは、左辺と右辺のバランスである。
左辺、右辺を構成する項は、全て同じ大きさではない。
注目する現象により、各項の相対的な大きさは変わる。
重要な項だけ、考えるのが地球流体力学の真髄
細かいことは気にせず、大掴みで現象を見る心が大事
一枚の何気ない衛星画像に面白いことが沢山ある
宗谷暖流
沿岸流
渦は小さい
親潮
大規模な
海洋循環
対馬海流
沿岸流
流れの蛇行
と渦
渦は大きい
黒潮
大規模な海洋循環
何故、波打つのだろう?
沿岸流の蛇行の様子に似ている⇒同じ物理で表現できる
何故、等圧線に沿った風が吹くのだろう?
どうして冬は北風が吹き、夏は南風が吹くのだろう?
海流も、等圧線に沿って流れる
大気も海洋も同じ法則に支配されている⇒地球流体力学
L
H
海面の高さの分布
黒潮が接岸すると、
岸に沿って強い流れが
できる⇒急潮
流れの速さは
黒潮と同じ程度
これは、対馬暖流や
宗谷暖流、
北極海に流入する
太平洋水の流れと同じ
北半球では、このよう
な沿岸流は岸を右手
に見て必ず流れている。
それは、何故だろう?
話は飛躍するようだが、
エルニーニョについて
メカニズムの基本は
沿岸流(急潮)と同じ
貿易風が弱まると、
ケルビン波の伝播が
勝り、暖水域は東
に移動し始める
右上の図は、半旬平均した500hPa面
の高度を示している。地球規模のスケールで
偏西風が蛇行していることが分かる。
(半旬平均すると、いわゆる総観規模の高低気圧が
除去される。総観規模の高低気圧とは、日本に襲来する
高低気圧のことを言う。半旬平均して地球規模の変動場
だけを抽出しているのである。)
蛇行パターンが停滞するための条件を求めてみよう。
東西方向に波が存在し(k : は値がある)、
南北方向には波は存在しない(l  0)ものとする。
U



k
U
, k 
2
: 臨界波数 , 冬半球:
約40m/s
2
U
UR
 2
 2
:臨界波長
k

2 cos 
U : 40m / s,   45とすると、  9887km
45度で経度方向に地球を一周すると、
L  28284kmなので、
L
L 28284km
  *  k*  
 2.86 ~ 3
 9887km
k
波が3つぐらいのとき停滞する。
夏半球:
約23m/s
北極振動は日本の気候とどうして関係しているのか
黒
灰
白
灰
黒
北極振動のパターン
物理学
• 物事をできるだけ単純に考え、共通点(一
般性)を見出し、エッセンスを理解する。
• 研究を行うには、「問題設定が大事」
• 問題設定能力は、基礎をきちんと理解して
いるかに掛かっている。
• 問題解決能力は、やりたい対象があれば、
そのとき、なんとかなる。
海洋物理系に進むことを希望している学生は、2年次に早期履修して欲しい。
学習目標及び
授業の方法
達成目標
授業の計画
海洋や大気など地球流体運動を支配する基本的な法則を学び、「海洋における波動現象」、「海洋・大気循環」、「気候変動」
の理解に必要な”基礎概念”を習得することを目標とする。
1.方程式を構成する各項の意味
2.方程式のバランス(支配力学)
を掴むことを重視し、海洋や大気の運動や波動をイメージできるようになることを目指す。講義は黒板に板書しながら説明し、
必要に応じてプリントを配布する。尚、興味と理解を深めるために実際の現象との対応をパワーポイントにて説明する。
1)回転系の流体方程式を構成する各項の意味を理解していること
2)コリオリ力を理解していること
3)地衡流を理解していること
4)渦位の保存を理解していること
5)重力を復元力とする波(重力波、慣性重力波、ケルビン波)の伝播の仕組みが理解できていること
6)渦位傾度を復元力とする波(ロスビー波)の伝播の仕組みが理解できていること
7)海洋風成大循環の概念を理解していること
1.流体力学とは
2.オイラーの見方とラグランジュの見方の関係
3.回転系に現れる見掛けの力、コリオリ力
4.回転系における流体の運動方程式と連続方程式
(非回転系の流体運動方程式にコリオリ力の項を加えただけである)
5.圧力と静水圧および静水圧近似
6.大規模な海洋や大気の流れ、「地衡流」
7.表面重力波、慣性振動、慣性重力波とケルビン波
8.渦位の保存
9.準地衡流渦位方程式
10.惑星ロスビー波、地形性ロスビー波
11.エクマン層の力学
12.海洋風成大循環論
※上記の計画にある専門用語は、受講前には分からないと思うが、恐れないこと、気にしないこと。