2009年8月11日の駿河 湾の地震による静岡市内の家屋被

2009年8月11日の駿河湾の地震による
静岡市内の家屋被害分布とその要因
小山研究室 4年
長島 恵輔
駿河湾の地震の概要
伊豆市、焼津市、牧之原市、御前崎市で震度6弱
マグニチュード6.5【東京管区気象台2009】
死者1名、負傷者319名、半壊家屋5戸、
一部損壊家屋7913戸の被害(平成21年9月30日現在)
【東京管区気象台2009】
気象庁2009
駿河湾の地震の被害状況
近年日本で発生した『最大震度6弱を観測した地震』としては小さかったと
考えられる反面、家屋の屋根瓦の被害が広い範囲で見られた
では…
・震度6弱を観測した地域は一部であり、ほとんどの地域が震度4から5弱
を観測し、強い揺れを観測した地域は局所的
・地盤が悪い場所であまり揺れず、多少良い地盤と思われた場所が揺れた(林
ほか、2009)
研究目的
静岡市内の高所および上空から撮影された写
真の分析とGISによる可視化によって屋根瓦
被害の状況を把握し、その分布特性や地形・
地質との関連性をさぐることを目的とする
研究方法
梶原山(233)
賤機山東側(157)
ジャスコ(202)
山原TV中継塔(154)
つつじヶ丘団地(45)
ドリームプラザ(156)
撮影された写真の中で、どの家屋の屋根瓦が被
有度丘陵(175)
県防災ヘリ(682)
馬走団地(21)
害を受けているか、また受けていないかを調査
グランシップ(198)
折戸海岸(20)
する
八幡山(167)
県庁別館(213)
日本平山頂東側(84)
日本平動物園(38)
静岡大学(233)
洋光台・西平松(44)
SBS屋上(262)
久能山(83)
静岡市(Googleマップ)
写真を撮影した場所(枚数)
撮影:小山
研究方法
調査した結果
Ⅰ.被害のあった家屋は小・中・大の3段階に
分けて一つの地図へと記入する
Ⅱ.木造住宅で屋根瓦に被害のなかった家屋は
Ⅰとは別の地図へと記入する
これら2つのデータを分析に用いる
:屋根瓦の一部に
被害を受けている家屋
中:屋根瓦に被害を
受けている家屋
大:屋根瓦の半分以上に
被害を受けている家屋
被害有りデータ
被害 小
中
大
Googleマップ
被害無しデータ
被害 なし
Googleマップ
GISとは…
Geographic Information System
=
『地上の存在する事物、地上で発生する現象を地図化し解析するためのツール』
(ESRI社のホームページより)
GIS =
現実世界の現象のもつ情報をコンピュータ上で空
間的に管理・分析することで、より効率的に現象を
理解するためのツール
これまで良くわからなかった現象や関係
性を把握することができる
興津川付近
±
4つの層を
重ね合わせた図
横砂地区
凡例
清水市町界
人口密度_1
清水区横砂地区は人口密度の割り
に避難ビルが少ない。
0 - 443
444 - 1278
巴川付近
工場地帯
1279 - 2387
2388 - 3863
巴川・興津川付近は1854年安政東海
地震の際、津波浸水域になっていた
うえ、人口密度が高いにも関わらず
避難ビルがほとんど存在しない。
3864 - 5544
5545 - 6987
6988 - 8453
8454 - 10384
10385 - 13184
低
!
高
13185 - 20789
人口密度
避難ビル(静岡市全域)
行政界
安政東海地震津波浸水域
1㎞
工場地帯に避難ビルがほとんど存在
しない。
GISの利点
方法①で得た静岡市におけ
る家屋の屋根瓦の被害分布
静岡市内の地形・地
質や震度データ
ArcGISを
用いて
データの重ね合わせ、比較
データ=層
ArcGIS
ArcMap
データ表示・加工・編集・分析・レイアウト
ArcGIS
ArcCatalog
データ管理・データのコピーや削除
ArcToolbox
データフォーマットの変換から解析作業
調査結果の一例
①小黒・曲金で被害多
八幡山
写真約150枚分の
被害有りデータ
②登呂で被害有り
小
③大谷海道沿いで
被害有り
中
大
今後の予定
引き続き静岡市内の家屋の被害状況を調べ、
地図に記入していく
ArcGISを使用することによる被害の可視化
被害分布と地形・地質との比較