3.2.B シミュレーション

3.2.B シミュレーション
4402063
馬場 晋司
シミュレーションとは、

システム分析での数値解析の方法
大規模複雑なモデルの分析
数学解析 × → シミュレーション ○
 以前 実物を用いた分析実験
時間的、コスト的に不利が大きい
 今日 基礎法則に基づいたシミュレーション
視覚的シミュレーション
コンピュータグラフィックス


3次元物体モデル
モデルの操作による視覚映像のシミュレーション
(1)離散変数法
例ー動的モデル 微分方程式モデル
微分方程式に対する数値解析法
→離散変数法
1階微分方程式について考える

dX
 f (t , X )
dt
1回微分方程式
時間軸上に2つの離散 点t 0 , t1をとる。
時刻t0での Xの値 x0がわかっている。
 f (t0 , x0 )が計算できる。
tを考慮し、時刻 t1での Xの値 x1は、
x1  x0  f (t0 , x0 )t
と近似することができ
る。
この操作を t0 , t1 ・・・・について繰り
,
図3.31のような折れ線近似を 得る。
返すと、
オイラー法

微分方程式に対する上述の数値解析法
→ オイラー法

最も簡単な離散変数法

単純な代わりに誤差も大きい
ルンゲ-クッタ法

より高い精度を得るためには・・
式(3.45)のようなt についての一時近似
t あるいはそれ以上の高次項まで考慮
2
ルンゲ-クッタ法
(2)モンテカルロ法

確率モデルのシミュレーション
偶然性 → 乱数の発生

種々の問題に対して乱数を発生させて解決する方
法
モンテカルロ法
乱数について


物理乱数・・・電気ノイズなどの物理現象を利用す
る
擬似乱数・・・コンピュータを用いて発生させる
発生方法
①一様乱数
②非一様乱数
③カオス
①一様乱数

区間[a,b]上の値がほぼ均等な頻度で発生する乱
数

一様乱数を発生させる方法 → レーマー法
②非一様乱数

確率密度関数・・・確率統計学で連続的な確率変
数の頻度分布について、その面積が1となるよう
にしたもの

分布関数・・・確率密度関数を積分したもの
③カオス

3.1節A項の(3)の式(3.4)の力学系→連続力学系

式(3.48)の形式→離散力学系

パラメータ値に対して鋭敏で非周期的な挙動が決
定論的な力学系から発生する方法
カオス
(3)シミュレーションと人工生命

次の例題から考える
例3.3 「単純なセルラーオートマトン」
例3.3 単純なセルラーオートマトン
セルラーオートマトンとは、細胞(セル)にな
ぞられたオートマトンを、ある規則性に基づ
いて組織化したものである。ここで次のよう
な単純な例を考える。各セルは、以下の動
作を同期的に繰り返すものとする。
各セルの動作





セルの状態は、0から15までの整数値をとりうる。
セルは自己の状態を隣接する上下左右の4つの
セルに出力する。
隣接するセルがなければ、その辺を通しての入出
力はない。
時刻t+1でのセル状態は、時刻tでのセル状態と、
上下左右からの入力の最大値の1/4(少数切捨
て)との和をとる。
状態値が15を超えた時点で、そのセルの状態を0
に設定し直す。
図3.35 セルラーオートマトン
例に対して

このような問題に対して、シミュレーションは最も簡
便な解析法になる。

セルラーオートマトンが、生命体であるかのような
挙動を呈してくれる。
人工生命

シミュレーションは、対象を現実に操作する代わり
として用いられることが多い。そのために、対象に
関する理論や統計データとの比較によって、シミュ
レーション効果の妥当性を比較する必要がある。

人工生命・・モデリングおよびシミュレーションを通
して、対象に関する理解を深め、理論構築の基礎
にしようというアプローチ
人工生命の特徴
①全体は、多数の単純な要素の集合体である。
②環境や他の要素との関係に応じて、各要素がど
う挙動するかを明示する。
③全体の挙動を直接明示したり、直接制御したりし
ない。
自律生成的挙動

特徴3点の中で③が最も重要である。

対象全体の挙動は下層要素間および環境との相
互作用から浮き出てくる。
→ たとえ単純な要素であっても、それらが大規模
に集合して相互作用を始めると、全体の挙動は複
雑なものとなる。