行列の微分と導関数 行列の微小変化 行列 A の各要素 aij が微小変化して、a'ij になったとする。 A [aij ]M N a'ij aij aij (| aij | 1) 変化した要素を持つ行列を A ' とすると、 A' [a'ij ]M N [aij aij ]M N [aij ]M N [aij ]M N したがって、 ここで、 A' A A A [aij ]M N 行列の関数とその微分 行列 x の関数を f とし、 x が x を変化したとき、関数 f の変化量(増分)は次のように表現することができる。 f (x x) f (x) f (x) ここで、 f (x) f (x x) f (x) x が非常に小さいとき、つまり、| xij | 1 が成り立つ場合、もし、下記の近似式が成り立 つなら、 f (x) f ' (x)x つまり、 f (x x) f (x) 1 1 f ' (x)x が成立するなら、 行列の関数とその微分 f ' (x)x f ' ( x) は は f が x に関する1次微分と定義し、 f の1次導関数と定義する。 今日の宿題1: x1 x x2 x3 とする。 f f (x) 3xT x x の導関数を求めなさい。 行列と2次形式 2次式 次のように表すことができる f は x1 , x2 ,..., xn1 , xn に関する関数 x1 , x2 ,..., xn1 , xn の2次式と呼ぶ。 f ( x1 , x2 ,..., xn 1 , xn ) a x x 1i j n ij i 例えば、 f ( x, y) x 2 xy y 2 g ( x, y, z ) x 2 3 y 2 z 2 5xz j 2次形式 f ( x1 , x2 ,..., xn 1 , xn ) うに表すことができる。 a x x 1i j n ij i j を行列を用いて次のよ f ( x1 , x2 ,..., xn1 , xn ) xT Qx このような表現は x x1 T f の2次形式と呼び、ここで、 x2 ... xn Q [quv ]nn auv 2 quv auu avu qvu 2 Q は正方形の対称行列である。 uv uv uv 今日の宿題2: f ( x, y, z ) 2 x 3xy 4 y 6 yz 7 z 2 の2次形式で表しなさい。 2 2 2次形式の微分と極値 2次形式の導関数 f ( x1 ,..., xn ) f (x) x Qx T f (x x) (x x) Q(x x) T xT Qx xT Qx xT Qx xT Qx x Qx は一個の数値(1x1の行列)なので、 T T x Qx x Qx x Q x T T T T T T xT QT x 2次形式の微分と極値 Q は正方形の対称行列なので、 QQ T T x Qx x Qx x Q x x Qx T T T T T 従って、 f (x x) x Qx x Qx x Qx x Qx T T T T x Qx 2x Qx x Qx T T T f (x x) f (x) 2x Q x Q x 従って、 T f ' (x) 2xT Q T 2次形式の微分と極値 束縛のある極値 g ( x) 0 に従う関数 f (x) の極値 ラグランジュ(Lagrange)未定乗数法によると、下記 の式が得られる。 h(x, ) f (x) g (x) h x 0 h 0 2次形式の微分と極値 x12 x22 ,..., xn2 1 に従う2次式 f (x) xT Qx の極値 x12 x22 ,..., xn2 xT x したがって、 g (x) xT x 1 0 ラグランジュ(Lagrange)未定乗数法によると、下記の式が得られる。 h(x, ) f (x) g (x) xT Qx (xT x 1) 2次形式の微分と極値 h T T 2 x Q 2 x 0 x h T x x 1 0 Qx x | x | 1 2次形式の微分と極値 l は Qの固有値とし、 vは Qの正規化固有ベクト ルとすると、 Qv lv | v | 1 従って、 は Qの固有値であり、 x は Q の正規 化固有ベクトルである。このとき、 f (x) の値は f (x) x Qx x lx lx x l T T T 従って、 f (x) の最大値は、 Q の最大固有値で、 f を最大 にする xは、最大固有値と対応している固有ベクトルである。 行列の関数とその微分 行列 x の関数を f とし、 x が x を変化したとき、関数 f の変化量(増分)は次のように表現することができる。 f (x x) f (x) f (x) ここで、 f (x) f (x x) f (x) x が非常に小さいとき、つまり、 xij 1 が成り立つ場合、もし、下記の近似式が成り立 つなら、 f (x) f ' (x)x つまり、 f (x x) f (x) 1 1 f ' (x)x が成立するなら、 行列の関数とその微分 f ' (x)x f ' ( x) は は f が x に関する1次微分と定義し、 f の1次導関数と定義する。 今日の宿題1: x1 x x2 x3 とする。 f f (x) 3xT x x の導関数を求めなさい。
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