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(2)堆肥の価格が安価 である
1)一般耕種農家が利用し易い堆肥価格は1トン当
たり4,000~5,000円位である。
2)高齢化に伴い堆肥の散布料金のトン当たり500
~1,000を加え10アール2トンを散布すると9,
000~12,000円になり、利用者側から見ると
結構高い堆肥になる。
3)畜糞を主体とした堆肥センターで畜産農家から
の糞尿処理料が徴収できない場合は、コストの高
い堆肥となりかなり高い価格を設定しても赤字経
営になっている。
4)堆肥の価格が安いのか生産経費が多くかかるの
か、また価格が高くなって販売が容易になるのか
が難しい問題である。
(3)施設の老朽化(修繕費の増大)
1)畜糞等もともと腐蝕性の原料を扱うので堆肥化
施設や機械・車輌等の腐蝕や摩耗は激しい。冬
期は結露も加わって施設の老朽化は早く年数の
経過と共に修繕費も増大してくる。
2)老朽化を早めている原因の1つは、施設全体を
密閉したり、腐蝕防止材質を使用していない施
設が多い。
3)原因の2つには日常の点検整備や作業後の清
掃が行われていないことである。
(4)堆肥の品質保持が困難
1)前処理が不十分な施設。
2)通気配管が不備、通気量不足の施設。
3)冬期結露の発生により発酵の遅れる施設。
堆肥化は微生物の力を借りて好気性発酵を
行ない、作物の生育に害を及ぼす易分解性成分
を発酵分解するものである。従って好気性発酵
をさせるためには、水分の多い家畜糞尿にオガ
クズや戻し堆肥等を混合して通気性のよい発酵
し易い条件に整えてやることが必要である。この
ようなことから堆肥化の中では原料調整作業が
最も重要になる。
(5)副資材の確保が困難
1)堆肥化で使用する副資材はオガクズ、バーク、
モミガラ、きのこ廃オガコ、戻し堆肥がよく利用
されている。
2)オガクズは副資材の中で最も多く利用されてい
るが、1m3当たり1,500~2,000円と高い価
格になっている。
3)きのこ廃オガコは水分が高いためあまり利用が
進んでいない。きのこ廃オガコを利用するには、
夏期に天日乾燥を行って冬期に使用する量を確
保することが必要である。
4)稲作地帯ではライスセンターから排出するモミガ
ラを確保し冬期に積極的利用する。
(3)堆肥の生産コスト
(単位:施設・%)
生産コスト
施設数
構成比
(%)
~5,000円/t
11
35.5
5,000~
10,000円/t
14
45.2
6
19.3
10,000円/t~
合
計
31 100.0
(4)堆肥の販売価格
(単位:施設・%)
販
売
金
額
~4,000/t
4,000~5,000/t
5,000~6,000/t
6,000~7,000/t
7,000~8,000/t
8,000/t~
合
計
施設数 構成比
5
16
6
19
9
29
6
19
3
10
2
7
31 100
(5)堆肥センターの運営収支
(単位:千円・施設・%)
収
支
20,000~25,000
赤
15,000~20,000
10,000~15,000
5,000~10,000
3,000~5,000
1,000~3,000
字
500~1,000
500以下
施設数
構成比
1
3.2
1
3.2
4 12.8
2
6.5
0
0.0
4 12.8
2
6.5
1
3.2
(5)堆肥センターの運営収支
(単位:千円・施設・%)
収
支
施設数
0
3 9.7
0~500
3 9.7
500~1,000
2 6.5
1,000~3,000
2 6.5
3,000~5,000
3 9.7
5,000~10,000
3 9.7
黒
字
施設数
合
計
31
100
1)赤字運営堆肥センターの特徴
①市町村が建設した大型施設が多い。
②販売ルートが確立されていないため堆肥
販売が伸び悩んでいる。
③施設・機械の維持管理費が多くかかって
いる。
7)黒字運営堆肥センターの特徴
①販売ルートの確立されている施設
②維持管理が容易で修理費のかからない施
設
③小~中規模施設
ロータリー攪拌装置・原料積み込