第二章 放射能の影響をめぐる10の誤解 1. 「100ミリシーベルト以下の影響は小さい • 「よく分かっていない」は正しい言い方か? 「よく分かっていない」というのは「何も分かっていないとい う意味ではない」 ↓ 「100ミリシーベルト以下の低線量では、喫煙や野菜不足 などの生活習慣によって起きるがんのリスクと比べて、そ の影響は小さい。それなら、100ミリシーベルト以下な ら、健康への影響は極めて小さいと結論づけられる」 ↓ 「よく分かっていない」という言い方は誤解であり、相手に 恐怖感を与えたいときに効果的 食品安全委員会の言い方は正しかったか? • 食品安全委員会が2011年11月にまとめた 放射線物質の健康影響評価書の中で 「100ミリシーベルト以下は、安全とも危険と も言えない」 ↓ 不安を商売にして組織を拡大させるグループ や評論家に悪用される可能性 2.100ミリシーベルトは受動喫煙と同程度のリスク • 国立がん研究センターによると 「100~200ミリシーベルトの被ばくでがんが 発生するリスクは、受動喫煙や野菜不足、運 動不足と同じくらい」 • 原発から漏れた放射線は怖いがたばこは怖 くない理由 ↓ 客観的なリスクの大きさを自覚していないから 3.1ミリシーベルトは安全と危険の境ではない • 公衆人被ばく限度への誤解 放射能ニュースではよく「一般人の被ばく限度は、年間 1ミリシーベルトと法律で決められている。それを超え たら危ない」とされている ↓ 放射線を扱う専門職の人たちに対する規定であり、1ミ リシーベルトを超えても健康に影響はない • 東日本から西日本に逃げるのは正解か? 西日本は東日本に比べて自然の放射線量が多い (p.71参照) 4.人は遺伝子を自己修復する能力あり • 放射能の恐怖を煽るニュースで 「放射線が細胞の遺伝子に当たると、DNAの 連鎖が切れてしまう」 ※日常生活でたばこ、紫外線、ダイオキシン など有害な化学物質でも遺伝子は傷つく ↓ 人は放射線で傷ついた遺伝子を修復する機 能を持っている 5.基準値超えと健康被害は無関係 • 暫定基準値は子どもを考慮して設定 基準値・・・基準を超えたときに生産者や消費者に 注意を促せば、そこで対策がとられ、仮に市場に流 通した商品を消費者が一時的に食べても、健康に 影響が出ないようにできている 政府が2011年3月に設定した放射性物質の暫定 基準値は、乳幼児など子どもの健康も考慮に入れ て設定されている
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