ブランドの評価と測定 - 大阪大学 経済学

ブランド価値の評価
測定対象としてのブランド

個別ブランド
ある製品カテゴリー内の、個々の製品についているブランド。
例:ソニーのVAIO

ブランド・ポートフォリオ
特定企業の複数のブランド。
例:Playstation,VAIO,Cybershot,Walkman

コーポレート・ブランド
ブランドの集合体としての企業全体を指すブランド。
例:ソニー
ブランド力測定のためのデータ

顧客購買データ
ブランドの購入者、購入したブランド、ブランドの価格やプロモーション等

財務データ
企業の財務諸表といった財務的データ。

サーベイデータ
アンケート形式で収集されるデータ。

参与観察
実際に製品を購入して使用している顧客を、生で観察することにより得
られるデータ。
測定対象とデータ
個別ブランド
ブランド・ポー
トフォリオ
コーポレート・
ブランド
財務データ
×
△
◎
顧客の購買
データ
◎
△
×
サーベイ・
データ
○
○
○
参与観察
○
△
×
ブランド価値の評価アプローチ

ブランドから得られるプレミアム価格

ブランド名と顧客選好

取替原価

株価の動向を基礎にしたブランドの価値
インカム・アプローチ
ブランド価値:現在から将来にわたるブランドがもたらすキャッ
シュフロー割引現在価値
期間 t におけるブランドの収益
割引率
ブランド固有の魅力度
ブランド選択モデル:多項ロジットモデル
ブランド j の効用:
ブランド j の選択確率:
ブランド j の固有の魅力度:
行動的ロイヤルティの測定

シェア基準
購入したブランドのなかに占める割合

連続購買基準
連続購買の深さ

価格差基準
価格交差弾力性
ブランド遷移行列
A
B
C
D
計
A
0.4
0.3
0.2
0.1
1.0
B
0.1
0.6
0.1
0.2
1.0
C
0.2
0.1
0.5
0.2
1.0
D
0.2
0.1
0.2
0.5
1.0
ブランドの測定方法

インターブランドのブランド価値評価モデル

ブランド・ジャパン(日経BPコンサルティング社)
インターブランドのブランド価値評価

Step 1 : 企業の無形資産からもたらされるプレミアム
利益の算出。

Step 2 : 上記のプレミアム利益のうちブランドよりもた
らされる部分の抽出。(産業により貢献度が異なる)

Step 3 : 割引現在価値の算出。(割引率はブランドの
強度;主導性、安定性、市場性、国際性、方向性、サ
ポート体制、法律的保護に依存する)
インターブランドのブランド価値評価モデル
ブランド体系の現状分析
ブランド収益算出
プロセスの設定
質問表の作成
マ
ー
ケ
テ
ィ
ン
グ
見
地
ブランド・プロファイルの
作成
ブランド損益計算書
の作成
市場におけるブランド力
の分析・評価
ブランド収益の算出
ブランド力の数値化
産業分野力の設定
ブランド収益の決定
利益倍数の設定
ブランド価値の決定
財
務
的
見
地
インターブランドによ
いる日本企業のブラン
ド力
インターブランドによ
いる日本企業のブラン
ド力
ブランド・ジャパン

実施機関:日経BPコンサルティング

評価方法:サーベイ調査

目的:日本の消費者やビジネス・パーソンの頭の中
に、どのブランドがどのような形で、どの程度の強さ
を持って蓄積されているかを明らかにする。

対象ブランド:コーポレートブランド(400)、個別ブラ
ンド(1000)。
ブランド・ジャパンの調査項目
フレンドリー
総
合
力
とてもすきである
親しみを感じる
なくなると寂しい
共感する
いま注目されている
時代を切り開いている
勢いがある
イノベーティブ
アウトスタンディング
コンビニエント
ステータスが高い
かっこういい
他にない魅力がある
際立った個性がある
知らない、興味がない
最近使っている
役に立つ
品質が優れている
ブランド評価プロジェクトの流れ
ブランド・ジャパンで調査対象とするブランド
のノミネートは、事前調査「ブランド想起調
査」の結果に基づいて行います。
これに、前回の上位ブランド(BtoC編)など
を含め、コンシューマ市場(BtoC)編1,000
ブランド、ビジネス市場(BtoB)編500ブラン
ドを決定し、本調査を行います。
調査方法:日経BPコンサルティング独自の
インターネット調査システムを使用。
ブランドジャパン2012