レプトンg-2のQED高次補正 M. Nio ( RIKEN) December 1-2, 2008 「計算科学による素粒子・原子核・宇宙の融合」 @U of Tsukuba w/ T. Kinoshita@Cornell University, T. Aoyama@KEK, M. Hayakawa and N. Watanabe@Nagoya arXiv:0810.5208, 0806.3390(PRD78,053005,’08), 0712.2607(PRD77,053012,’08),0709.1568(NPB796,184,’08), 0706.3496(PRL99,110406,’07), hep-ph/0512288(NPB740,138, 2006)...e.t.c. 1.レプトンg-2の物理の現状 電子g-2 : 実験 Harvard 2008年 理論 QEDの計算 ミューオンg-2: 実験 J-PARC? 理論 ハドロンの寄与 物理として目指すものを示し、問題点を提起 2. QED計算 自動化プロジェクト 摂動10次の計算の現状報告 3. 計算科学の視点からみたQED計算 レプトンの異常磁気能率 レプトン粒子のg因子の2からずれ 真空の量子的ゆらぎによる 外部磁場による前方散乱振幅 パウリ形状因子が異常磁気能生率の起因: 次元のない、ただの数 レプトンg-2の実験 原理としては電子もミューも同じ 外部磁場のなかでの サイクロトロン振動 スピン歳差運動 g=2 ならば 同じ振動数 g≠2 ならば (g-2)に比例する振動数の違い 違う点 電子は崩壊しない 単独電子を捕獲して測定 ppb =1/1000,000,000 レベルの精度 ミューは崩壊 大量の粒子で統計をとって測定 ppm = 1/1000,000 レベルの精度 電子g-2 実験: UW87 and HV06&08 Penning trap measurement: H. Dehmelt et al G. Gabrielse et al ミューオンg-2 実験: CERN (1960年代)→BNL Brookhaven National Laboratory 2004年 muon g-2 collaboration home pageより再掲 ビームを縦方向に絞り込むため電場をかける サイクロトロン振動数と歳差振動数の差 岩崎さん@理研、斎藤さん@KEKらの提案: 超低速ミューオンを使う 電場が不必要 → 系統誤差の改良 大量のミューオンが必要 J-PARCでの beyond standard model 実験となるか? レプトン g-2の理論 微細構造定数αの摂動展開 電子 0.5 Mev Mass indep. Mass dep. Hadron Weak ミューオン 106Mev 999999996 ppb 994623 ppm 2.3 5313 ~1.4 ~60 ~0.1 ~ 1 ミューオンのほうがNew Physics に敏感 Mass independent terms: 電子g-2はほとんどQEDだけで計算できる 入力情報: QED ラグランジアン、αの値、レプトンの質量比 電子g-2は微細構造定数αを 最も精度高く決められる物理現象 Cs:セシウム原子の物質波干渉実験からh/m(Cs)を決める S. Chu et al. 2002 & Gerginov et al. 2006 Rb: 光子格子に捕獲したルビジウム原子の実験から h/m(Rb)を決める P. Clade et al. 2006 Various determination of the fine structure constant. They must coincide if our understanding of physics is correct. ミューオンg-2の理論 QED 10次の主要な寄与までOK T. Kinoshita and M. Nio, (2006) Weak 2-loop の主要な寄与まで M. Davier and J. Marchiano(2004) Hadron = LO Vacuum Polarization 実験から決められる。 2006 年には確定と思われた。 + NLO Vacuum Polarization K. Hagiwara et al. (2003) + light-by-light scattering contribution 実験では決めらない。 モデル 格子QCD ハドロンの真空偏極 ハドロンの生成断面積実験データから決められる 1) e+e- →ハドロン CMD-2 @Novosibirsk 2006 6909 (44) X 10-11 Davier& Eidelman 2007 6894 (46) X 10-11 Hagiwara et al. 2007 e+e-γ →ハドロン KLOE@Frascati 2006 CMD2の結果と概ね支持 理論と実験 3.3 σの差 2) tau → ハドロン ALEPH+OPAL+CLEO 2003 Belle@KEK 2007 7110(58) X 10-11 Davier et al. 2003 理論と実験 1.7σの差 Isospin violationを正しくとりあつかうとe+e-に近づくという人もいる 3) e+e-γ →ππ Babar@SLAC 2008 CMD-2 の 結果+ 135 になる Davier 2008 理論と実験 1.7σの差 QEDの計算 電子g-2 すでに10次の寄与が必要とされている 実験の不確定性 ミューオンg-2 10次のLOの寄与はすべて求めた。 NLOの寄与は早急には必要なさそう 電子g-2計算の副産物として計算する。 10th-order term 12672 Feynman Diagram’s set I 208 diagrams set IV 2072 diagrams set II 600 diagrams set V 6354 diagrams set III 1140 diagrams set VI 2298 diagrams None of them dominates for the electron g-2. Need to evaluate ALL 12672 diagrams. The leading contribution to muon g-2 is reported by T. Kinoshita and MN hep-ph/0512330, PRD 73, 053007 (2006) 389 self-energy like diagrams QED g-2数値計算の自動化 gencodeN できた! (2006末) 光子だけの補正を受けるFD図 gencodeLBn これもできた! (2007初) On-shell くりこみ定数の有限部分の計算 gencodeVPn こっちもできた! (2007末) 単一フェルミオンループからなる真空偏極FD図 gencodeLBL 開発中 光光散乱(light-by-light scattering)を含むFD図 Perl abbcac M 6b FORM M 6c M 6d Maple Perl Perl M 6f M 6g FORM Perl M 6h I(a) I(b) I(c) I(d) I(e) I(f) I(g) I(h) I(i) I(j) II(a) II(b) II(c) II(d) II(e) II(f) III(a) III(b) III(c) IV V VI(f) VI(a) VI(b) VI(c) VI(d) VI(e) VI(g) VI(h) VI(i) VI(j) VI(k) Summary ExampleofUVandIRsubtractionterms T.Aoy ama AutomatedCalc ulationofLepton g 2 QED10次の計算: プログラム生成はほぼ完了しつつある。 大規模数値計算を実行するだけ。 数値計算としての特徴、問題点 13次元の積分計算 被積分関数 膨大、長大 UV&IR発散の処理に起因する桁落ち 13次元空間内にとったサンプル点での 被積分関数の値の評価は独立 10000を超える多重並列でも(たぶん)平気。 問題は桁落ちをどうするか? 4倍精度を使えというのは簡単。。。 4倍精度実数計算をどうやって加速するか? 4倍精度実数計算を可能とする計算機資源を どうやって手に入れるか? now trying several ideas • Write real16 library by ourselves w/ fine tuning for a specific computer • QED@HOME like SETI@HOME Numerical integration is embarrassingly parallel. • Improve integration algorithm pseudo random number v.s. low-discrepancy sequence • Accelerator board on a computer GPGPU or GRAPE-DR or other else 4th-order magnetic moment △M4a+△M4b 4-dim integration, analytically known log-log plot Monte Carlo integration Quasi Monte Carlo integration まとめと提言 ミューオンg-2: ハドロン光光散乱だけでなく、 ハドロン真空偏極に対するQCDからの値が知りたい。 電子g-2: 10次の値が求められれば、ハドロンの寄与を改良する 必要がでてくる。こちらもQCDからの値を知りたい。 ミューより電子のほうが、先にnew physを発見するかも? 計算科学: 解析的な計算をコンピュータ上でいろいろできるようになった。 大規模数値計算は、ハードの改良からアルゴリズムの見直 まで対応しなくてはいけない。各分野からの助言のありがたさ。
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