7. g-2 実験 量子電磁力学の精密テスト と 標準理論のかなた 1. 電子の異常磁気モーメント 歴史 1928 Dirac は相対論的波動方程式を解き、電子のg-因子 が丁度2になることを証明。 1947 Schwinger はquantum electro dynamics (QED)を 使ってg-因子が2からずれることを証明した。 1948 Kuschはg=2からのずれが、0.1%であることを 発見した。 それ以来, 多くの(g-2)実験が電子だけでなく陽電 子、ミュー粒子、等で行われ、QEDや標準模型 (Standard Model)の有効性の試金石とされてき ました。 2. Quantum Electro Dynamic (QED) 自由電子が光子を放出したり、吸収したりする。 これは不確定性原理から可能。 仮想光子は更に電子と陽電子対を生み出す。 電子・陽電子対は裸の電子の周りに集まってくる。 これを真空分極(Vacuum Polarization)という。 真空分極は裸の電子の電荷を減らす。 仮想光子の発生は発散するが、この過程は朝永、Schwinger、 Feynmanたちによって繰り込まれた。このとき、裸の電子は無限大 の電荷を持っているとした。 SchwingerはQEDを用い てg-2を算出した。(1947) g 2 0.0016 2 2 e2 1 where 4 0 c 137 現在でもg-2 の計算は進んでおり、木下 (Cornel)等はαの4次までの計算を進めている。 更に計算は、真空分極や弱い相互作用の効果ま で考慮している。問題はα(微細構造定数)の精度 の問題になっている。 電子に対する結論 g 2 12 1159652140 .7 10 2 3. 実験の進歩 3.a. 電子の測定 Kusch 1948 磁場中の電子の運動; LarmorとCyclotron周波数はほ ぼ同じ g B B eB L g 2m eB c 2 2m 1976 e ( B ) 2m Crane (Michigan) はうなりを観測、スピンの 向を見るためにMott散乱を利用した。. beat eB L c ( g 2) 2m ~1976 Dehmelt (Washington) ペニングトラップを用いて より正確な測定を行った。4Kに冷やしたペニング トラップに1個の電子を閉じ込めることに成功した。 電子状態はあたかも電子が原子に束縛されてい るかのごとく振るまう。彼はそれをgeoniumと名づ けた。 トラップされた電子によって Larmor 歳差運動は 図のダイ ヤグラムに示される。 この結果は電子スピンフリップ する状態は接近している。共 鳴のマイクロ波を加えることに よってスピンフリップが起こる。 そして、調和振動しているト ラップ軌道が変化し検出される。 beat eB L c ( g 2) 2mc 3.b. 他のレプトンの測定 ミューオンの測定 Farley, Picasso at CERN, 及びHughes (Yale) at BNL t 粒子: 短距離相関により敏感である。 Theory for muon Theory for t g–2 g–2 –9 –7 = 1 165 923 (8.5) = 11 773 (3) 2 2 3.c. ミューオン蓄積リング(BNL)を用いた最近の研究。 ミューオン蓄積リング (直径 14 m) 3.094 GeV/c ミューオ ンビームを直接注入可能。 円周上に沿って、超一様性磁場 ( ~1ppm) が実現され た。 この装置のメリット: ミューオンの寿命は特殊相対論によって長くなる。 このミューオン運動量では静電場に依存しない。 非常に手の込んだ入射磁石を導入することによって、 直接ミューオンを蓄積リングに導入することができたの で、高計数率が得られた。 プラスチックファイバーを用いて精密なビーム軌道のモ ニターができた。 on storage ring at BNL 2001年までのまとめ
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