電子物性第1スライド7-1 電子物性第1 第7回 ー周期的ポテンシャルー 目次 2 3 4 5 はじめに 自由電子の方程式 周期的ポテンシャル 周期的な電子の分布 6 7 8 9 ブロッホの定理 クローニッヒ・ペニーの模型 定在波と境界条件 導関数と境界の効果 10 11 12 13 連立方程式の不定解 波数とエネルギー ブリュアンゾーン まとめ 電子物性第1 第7回 -周期的ポテンシャル- はじめに 自由電子の方程式 自由電子 (ポテンシャルが変化しない。) では、 ー h2 d2φ 波動方程式 2m dx2 = Eφ を解いて、 波動関数φが、 φ(x) = A eikx と指数関数になる。 √ 2mE 波数kは、 k = とエネルギーの関数になる。 h 電子物性第1スライド7-2 固体中の電子 (固体の電子素子を応用します。) では、 電子が定在波として存在。 ←電子がなくならない。 電子のエネルギーを考える。 ←電子の動きにも対応。 ー h2 d2φ を用いる。 波動方程式 2m dx2 + V(r)φ= Eφ ① 固体中の電子の解析にも波動方程式を用いる。 周期的ポテンシャル はじめに 固体中の電子 (固体の電子素子を応用します。) では、 電子が定在波として存在。 ←電子がなくならない。 結晶中では、 原子が 電子のエネルギーを考える。 ←電子の動きにも対応。 原子毎に同じ値を 繰り返す、周期的 なポテンシャル。 波動方程式 ー h2 2m d2φ dx2 + V(r)φ= Eφ を用いる。 自由電子の方程式 V(x) 規則的にならび、 0 a 原子核 2a 原子核 x x 電子物性第1スライド7-3 自由電子 (ポテンシャルが変化しない。) では、 ー h2 d2φ 波動方程式 において、 + V(r)φ= Eφ = Eφ を解いて、 2 2m dx 波動関数φが、 ポテンシャルをゼロにして、 φ(x) = A eikx と指数関数になる。 √ 2mE 波数kは、 k = とエネルギーの関数になる。 h ① 自由な電子はエネルギーとともに波数が増加。 周期的な電子の分布 自由電子の方程式 自由電子 (ポテンシャルが変化しない。) では、 ー h2 d2φ 波動方程式 2m dx2 = Eφ を解いて、 波動関数φが、 φ(x) = A eikx と指数関数になる。 √ 2mE 波数kは、 k = とエネルギーの関数になる。 h 電子の分布も 原子毎に (x) 繰り返す。 波動関数は、 φ(x) = φ(x+a) 0 ① 結晶中では周期的なポテンシャルがある。 2a x となる。 原子核 原子核 x 電子物性第1スライド7-4 周期的ポテンシャル 結晶中では、 原子が 規則的にならび、 原子毎に同じ値を 繰り返す、周期的 なポテンシャル。 a V(x) 0 a 原子核 2a 原子核 x x 周期的ポテンシャル 結晶中では、 原子が ブロッホの定理 x このとき 波動関数は、 φ(x) = u(x) ×eikx と周期関数u(x)と波数k の指数関数の積になる。 x u(x):ブロッホ関数 V(x) 規則的にならび、 原子毎に同じ値を 繰り返す、周期的 なポテンシャル。 0 a 原子核 2a 原子核 φ(x) = φ(x+a) 0 0 2a x a 2a x (x) 0 a 2a となる。 原子核 ① 電子の分布(波動関数の絶対値)も周期的。 a eikx 電子物性第1スライド7-5 周期的な電子の分布 電子の分布も 原子毎に 繰り返す。波動関数は、 u (x) 原子核 x x 周期的な電子の分布 電子の分布も 原子毎に クローニッヒ・ペニーの模型 簡単なポテンシャル、V(x) を導入し、波動方程式、 ー h2 d2φ 2m dx2 + V(r)φ= Eφ を解いてみよう。 (x) 繰り返す。 波動関数は、 φ(x) = φ(x+a) 0 a 2a x となる。 原子核 原子核 ブロッホの定理 このとき 波動関数は、 φ(x) = u(x) ×eikx と周期関数u(x)と波数k の指数関数の積になる。 u(x):ブロッホ関数 ① 波動関数は周期関数と指数の積になる。 x V(x) 原子の間 V(x)=∞ 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x 電子物性第1スライド7-6 (x) u (x) 00 aa 2a 2a xx a 2a x eikx 0 定在波と境界条件 ブロッホの定理 このとき 波動関数は、 φ(x) = u(x) ×eikx と周期関数u(x)と波数k の指数関数の積になる。 u (x) 0 eikx a 0 a u(x):ブロッホ関数 2a 2a x x 原子の境界以外では、 φ(x) = A cosαx+B sinαx 2mE α= だが、 h 境界条件φ(a) = φ(0) ×eikx ー h2 2m d2φ dx2 ① クローニッヒ・ペニーの模型を導入。 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x A cosa B sin a Ae 電子物性第1スライド7-7 V(x) 原子の間 V(x)=∞ 原子核付近 V(x)=0:安定 + V(r)φ= Eφ を解いてみよう。 原子の間 V(x)=∞ ika クローニッヒ・ペニーの模型 簡単なポテンシャル、V(x) を導入し、波動方程式、 V(x) 0 a 2a x 導関数と境界の効果 クローニッヒ・ペニーの模型 簡単なポテンシャル、V(x) を導入し、波動方程式、 ー h2 d2φ 2m dx2 + V(r)φ= Eφ を解いてみよう。 V(x) 一方、波動関数の導関数は、 dφ dφ ikx = dx x=a dx x=0 ×e + 境界の効果 V(x) 原子の間 V(x)=∞ 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x 2P A sin a B cosa A B eika a ① 定在波と境界条件で考える。 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x 電子物性第1スライド7-8 定在波と境界条件 原子の境界以外では、 φ(x) = A cosαx+B sinαx 2mE α= だが、 h 境界条件 φ(a) = φ(0) ×eikx A cosa B sin a Aeika 原子の間 V(x)=∞ V(x) 原子の間 V(x)=∞ 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x 連立方程式の不定解 定在波と境界条件 原子の境界以外では、 φ(x) = A cosαx+B sinαx 2mE α= だが、 h 境界条件φ(a) = φ(0) ×eikx 波動関数φは、連立方程式、 V(x) A cosa B sin a Aeika 原子の間 V(x)=∞ 2P A sin a B cosa A B eika a 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x A cosa B sin a Aeika の解であるが、一般にはφ=0で、 不定解を持つ条件は、 cos ka cos a P sin a a である。 電子物性第1スライド7-9 導関数と境界の効果 一方、波動関数の導関数は、 V(x) dφ dx = dφ dx x=a x=0 原子の間 V(x)=∞ ×eikx + 境界の効果 2P A sin a B cosa A B eika a ① 導関数を考え、パラメータPを導入。 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a 2a x 波数とエネルギー 導関数と境界の効果 cos ka cos a P V(x) 一方、波動関数の導関数は、 dφ dφ ikx = dx x=a dx x=0 ×e + 境界の効果 2P A sin a B cosa A B eika a 原子の間 V(x)=∞ 原子核付近 V(x)=0:安定 0 a x 2a sin a a P sin a + cos a a coska = 1 (ka =2) 1 coska = 1 (k=0) 左辺は絶対値1以下で、 0 エネルギー対応のα によってはkがない。 kなし 3 2 a (エネルギー ) –1 電子の取れないエネルギー 連立方程式の不定解 coska = –1 (ka =に対応) 電子物性第1スライド7-10 波動関数φは、連立方程式、 A cosa B sin a Aeika 2P A sin a B cosa A B eika a の解であるが、一般にはφ=0で、不定解を持つ条件は、 cos ka cos a P sin a a である。 ① 連立方程式が不定解を持つ条件から式をだす。 連立方程式の不定解 ブリュアンゾーン 波動関数φは、連立方程式、 電子の波数が増えると、 A cosa B sin a Aeika である。 許容帯 禁制帯 許容帯 波数k a 第2ブリ ュ ア ン ゾ ーン 電子物性第1スライド7-11 波数とエネルギーP sin a + cos a sin a cos ka cos a P a 電子の波 電子のエネルギーが 多く の原子に 増大。原子1個周期で ま たがる 。 エネルギーが飛ぶ。 それぞれの範囲をブリュ 0 アンゾーンと呼ぶ。 第1ブリ ュ ア ン ゾ ーン の解であるが、一般にはφ=0で、 不定解を持つ条件は、 sin a a 電子の波 ちょ う ど 1個の 原子が周期。 2P A sin a B cosa A B eika a cos ka cos a P 電子の エネルギー a coska = 1 (ka =2) 1 coska = 1 (k=0) 左辺は絶対値1以下で、 kなし 0 エネルギー対応のα によってはkがない。 3 a 2 (エネルギー ) –1 電子の取れないエネルギー ① エネルギーによっては対応する波数がない。 coska = –1 (ka =に対応) 波数とエネルギー sin a cos ka cos a P a P sin a + cos a a coska = 1 (ka =2) 1 coska = 1 (k=0) 左辺は絶対値1以下で、 0 エネルギー対応のα によってはkがない。 kなし 3 2 a (エネルギー ) –1 電子の取れないエネルギー coska = –1 (ka =に対応) ブリュアンゾーン まとめ 結晶では、ポテンシャルが周期的に変化する。そのとき、 電子の波動関数は、原子毎の周期関数に、 eikxをかけて 表される。(ブロッホの定理)一方、周期的なポテンシャル を単純化した、クローニッヒ・ペニーの模型を用いると、 電子のエネルギーが、原子1個周期となる波数の前後で 飛んでいる(取れないエネルギーがある)ことがわかる。 電子物性第1スライド7-12 電子の エネルギー 電子の波 許容帯 電子の波数が増えると、 電子の波 ちょ う ど 1個の 電子のエネルギーが 原子が周期。 の原子に 増大。原子1個周期で 多く ま たがる 。 禁制帯 エネルギーが飛ぶ。 許容帯 それぞれの範囲をブリ 波数k 0 ュアンゾーンと呼ぶ。 第1ブリ ュ ア ン ゾ ーン a 第2ブリ ュ ア ン ゾ ーン ① 波数が原子周期ごとにブリュアンゾーンを定義。 ブリュアンゾーン 電子の波数が増えると、 電子の エネルギー 電子の波 電子の波 許容帯 ちょ う ど 1個の 原子が周期。 電子のエネルギーが 多く の原子に 増大。原子1個周期で ま たがる 。 エネルギーが飛ぶ。 それぞれの範囲をブリュ 0 アンゾーンと呼ぶ。 第1ブリ ュ ア ン ゾ ーン スライドを終了します。 禁制帯 許容帯 波数k a 第2ブリ ュ ア ン ゾ ーン まとめ 電子物性第1スライド7-13 結晶では、ポテンシャルが周期的に変化する。そのとき、 電子の波動関数は、原子毎の周期関数に、 eikxをかけて 表される。(ブロッホの定理) 一方、周期的なポテンシャル を単純化した、クローニッヒ・ペニーの模型を用いると、 電子のエネルギーが、原子1個周期となる波数の前後で 飛んでいる(取れないエネルギーがある)ことがわかる。 ① 周期的ポテンシャル中の電子のエネルギーを考えた。
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