電気回路第1 第12回 - 橋本・ミョー研究室【Top】

電子物性第1スライド7-1
電子物性第1 第7回
ー周期的ポテンシャルー
目次
2
3
4
5
はじめに
自由電子の方程式
周期的ポテンシャル
周期的な電子の分布
6
7
8
9
ブロッホの定理
クローニッヒ・ペニーの模型
定在波と境界条件
導関数と境界の効果
10
11
12
13
連立方程式の不定解
波数とエネルギー
ブリュアンゾーン
まとめ
電子物性第1 第7回
-周期的ポテンシャル-
はじめに
自由電子の方程式
自由電子 (ポテンシャルが変化しない。) では、
ー h2
d2φ
波動方程式
2m
dx2 = Eφ を解いて、
波動関数φが、 φ(x) = A eikx と指数関数になる。
√ 2mE
波数kは、 k =
とエネルギーの関数になる。
h
電子物性第1スライド7-2
固体中の電子 (固体の電子素子を応用します。) では、
電子が定在波として存在。 ←電子がなくならない。
電子のエネルギーを考える。 ←電子の動きにも対応。
ー h2 d2φ
を用いる。
波動方程式 2m
dx2 + V(r)φ= Eφ
① 固体中の電子の解析にも波動方程式を用いる。
周期的ポテンシャル
はじめに
固体中の電子 (固体の電子素子を応用します。) では、
電子が定在波として存在。 ←電子がなくならない。
結晶中では、 原子が
電子のエネルギーを考える。 ←電子の動きにも対応。
原子毎に同じ値を
繰り返す、周期的
なポテンシャル。
波動方程式
ー h2
2m
d2φ
dx2 + V(r)φ= Eφ
を用いる。
自由電子の方程式
V(x)
規則的にならび、
0
a
原子核
2a
原子核
x
x
電子物性第1スライド7-3
自由電子 (ポテンシャルが変化しない。) では、
ー
h2 d2φ
波動方程式
において、
+
V(r)φ=
Eφ
=
Eφ
を解いて、
2
2m
dx
波動関数φが、
ポテンシャルをゼロにして、
φ(x) = A eikx と指数関数になる。
√ 2mE
波数kは、 k =
とエネルギーの関数になる。
h
① 自由な電子はエネルギーとともに波数が増加。
周期的な電子の分布
自由電子の方程式
自由電子 (ポテンシャルが変化しない。) では、
ー h2
d2φ
波動方程式
2m
dx2 = Eφ を解いて、
波動関数φが、 φ(x) = A eikx と指数関数になる。
√ 2mE
波数kは、 k =
とエネルギーの関数になる。
h
電子の分布も 原子毎に
(x)
繰り返す。 波動関数は、
φ(x) = φ(x+a)
0
① 結晶中では周期的なポテンシャルがある。
2a
x
となる。
原子核
原子核
x
電子物性第1スライド7-4
周期的ポテンシャル
結晶中では、 原子が
規則的にならび、
原子毎に同じ値を
繰り返す、周期的
なポテンシャル。
a
V(x)
0
a
原子核
2a
原子核
x
x
周期的ポテンシャル
結晶中では、 原子が
ブロッホの定理
x
このとき 波動関数は、
φ(x) = u(x) ×eikx
と周期関数u(x)と波数k
の指数関数の積になる。
x
u(x):ブロッホ関数
V(x)
規則的にならび、
原子毎に同じ値を
繰り返す、周期的
なポテンシャル。
0
a
原子核
2a
原子核
φ(x) = φ(x+a)
0
0
2a
x
a
2a
x
(x)
0
a
2a
となる。
原子核
① 電子の分布(波動関数の絶対値)も周期的。
a
eikx
電子物性第1スライド7-5
周期的な電子の分布
電子の分布も 原子毎に
繰り返す。波動関数は、
u
(x)
原子核
x
x
周期的な電子の分布
電子の分布も 原子毎に
クローニッヒ・ペニーの模型
簡単なポテンシャル、V(x)
を導入し、波動方程式、
ー h2
d2φ
2m
dx2 + V(r)φ= Eφ
を解いてみよう。
(x)
繰り返す。 波動関数は、
φ(x) = φ(x+a)
0
a
2a
x
となる。
原子核
原子核
ブロッホの定理
このとき 波動関数は、
φ(x) = u(x) ×eikx
と周期関数u(x)と波数k
の指数関数の積になる。
u(x):ブロッホ関数
① 波動関数は周期関数と指数の積になる。
x
V(x)
原子の間
V(x)=∞
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
電子物性第1スライド7-6
(x)
u
(x)
00
aa
2a
2a
xx
a
2a
x
eikx
0
定在波と境界条件
ブロッホの定理
このとき 波動関数は、
φ(x) = u(x) ×eikx
と周期関数u(x)と波数k
の指数関数の積になる。
u
(x)
0
eikx
a
0
a
u(x):ブロッホ関数
2a
2a
x
x
原子の境界以外では、
φ(x) = A cosαx+B sinαx
2mE
α=
だが、
h
境界条件φ(a) = φ(0)
×eikx
ー h2
2m
d2φ
dx2
① クローニッヒ・ペニーの模型を導入。
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
A cosa  B sin a  Ae
電子物性第1スライド7-7
V(x)
原子の間
V(x)=∞
原子核付近
V(x)=0:安定
+ V(r)φ= Eφ
を解いてみよう。
原子の間
V(x)=∞
ika
クローニッヒ・ペニーの模型
簡単なポテンシャル、V(x)
を導入し、波動方程式、
V(x)
0
a
2a
x
導関数と境界の効果
クローニッヒ・ペニーの模型
簡単なポテンシャル、V(x)
を導入し、波動方程式、
ー h2
d2φ
2m
dx2 + V(r)φ= Eφ
を解いてみよう。
V(x)
一方、波動関数の導関数は、
dφ
dφ
ikx
=
dx x=a
dx x=0 ×e + 境界の効果
V(x)
原子の間
V(x)=∞
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
 2P

 A sin a  B cosa   
A  B eika
 a

① 定在波と境界条件で考える。
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
電子物性第1スライド7-8
定在波と境界条件
原子の境界以外では、
φ(x) = A cosαx+B sinαx
2mE
α=
だが、
h
境界条件 φ(a) = φ(0) ×eikx
A cosa  B sin a  Aeika
原子の間
V(x)=∞
V(x)
原子の間
V(x)=∞
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
連立方程式の不定解
定在波と境界条件
原子の境界以外では、
φ(x) = A cosαx+B sinαx
2mE
α=
だが、
h
境界条件φ(a) = φ(0)
×eikx
波動関数φは、連立方程式、
V(x)
A cosa  B sin a  Aeika
原子の間
V(x)=∞
 2P

 A sin a  B cosa   
A  B eika
 a

原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
A cosa  B sin a  Aeika
の解であるが、一般にはφ=0で、 不定解を持つ条件は、
cos ka  cos a  P
sin a
a
である。
電子物性第1スライド7-9
導関数と境界の効果
一方、波動関数の導関数は、
V(x)
dφ
dx
= dφ
dx
x=a
x=0
原子の間
V(x)=∞
×eikx + 境界の効果
 2P

 A sin a  B cosa   
A  B eika
 a

① 導関数を考え、パラメータPを導入。
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
2a
x
波数とエネルギー
導関数と境界の効果
cos ka  cos a  P
V(x)
一方、波動関数の導関数は、
dφ
dφ
ikx
=
dx x=a
dx x=0 ×e + 境界の効果
 2P

 A sin a  B cosa   
A  B eika
 a

原子の間
V(x)=∞
原子核付近
V(x)=0:安定
0
a
x
2a
sin a
a
P
sin a
+ cos a
a
coska = 1 (ka =2)
1
coska = 1 (k=0)
左辺は絶対値1以下で、
0
エネルギー対応のα
によってはkがない。
kなし

3
2
a
(エネルギー )
–1
電子の取れないエネルギー
連立方程式の不定解
coska = –1 (ka =に対応)
電子物性第1スライド7-10
波動関数φは、連立方程式、
A cosa  B sin a  Aeika
 2P

 A sin a  B cosa   
A  B eika
 a

の解であるが、一般にはφ=0で、不定解を持つ条件は、
cos ka  cos a  P
sin a
a
である。
① 連立方程式が不定解を持つ条件から式をだす。
連立方程式の不定解
ブリュアンゾーン
波動関数φは、連立方程式、
電子の波数が増えると、
A cosa  B sin a  Aeika
である。
許容帯
禁制帯
許容帯
波数k

a 第2ブリ ュ ア ン ゾ ーン
電子物性第1スライド7-11
波数とエネルギーP sin a + cos a
sin a
cos ka  cos a  P
a
電子の波
電子のエネルギーが
多く の原子に
増大。原子1個周期で
ま たがる 。
エネルギーが飛ぶ。
それぞれの範囲をブリュ
0
アンゾーンと呼ぶ。 第1ブリ ュ ア ン ゾ ーン
の解であるが、一般にはφ=0で、 不定解を持つ条件は、
sin a
a
電子の波
ちょ う ど 1個の
原子が周期。
 2P

 A sin a  B cosa   
A  B eika
 a

cos ka  cos a  P
電子の
エネルギー
a
coska = 1 (ka =2)
1
coska = 1 (k=0)
左辺は絶対値1以下で、 kなし
0
エネルギー対応のα
によってはkがない。

3
a
2
(エネルギー )
–1
電子の取れないエネルギー
① エネルギーによっては対応する波数がない。
coska = –1 (ka =に対応)
波数とエネルギー
sin a
cos ka  cos a  P
a
P
sin a
+ cos a
a
coska = 1 (ka =2)
1
coska = 1 (k=0)
左辺は絶対値1以下で、
0
エネルギー対応のα
によってはkがない。
kなし

3
2
a
(エネルギー )
–1
電子の取れないエネルギー
coska = –1 (ka =に対応)
ブリュアンゾーン
まとめ
結晶では、ポテンシャルが周期的に変化する。そのとき、
電子の波動関数は、原子毎の周期関数に、 eikxをかけて
表される。(ブロッホの定理)一方、周期的なポテンシャル
を単純化した、クローニッヒ・ペニーの模型を用いると、
電子のエネルギーが、原子1個周期となる波数の前後で
飛んでいる(取れないエネルギーがある)ことがわかる。
電子物性第1スライド7-12
電子の
エネルギー
電子の波
許容帯
電子の波数が増えると、 電子の波
ちょ う ど 1個の
電子のエネルギーが
原子が周期。
の原子に
増大。原子1個周期で 多く
ま たがる 。
禁制帯
エネルギーが飛ぶ。
許容帯
それぞれの範囲をブリ
波数k

0
ュアンゾーンと呼ぶ。 第1ブリ ュ ア ン ゾ ーン a 第2ブリ ュ ア ン ゾ ーン
① 波数が原子周期ごとにブリュアンゾーンを定義。
ブリュアンゾーン
電子の波数が増えると、
電子の
エネルギー
電子の波
電子の波
許容帯
ちょ う ど 1個の
原子が周期。
電子のエネルギーが
多く の原子に
増大。原子1個周期で
ま たがる 。
エネルギーが飛ぶ。
それぞれの範囲をブリュ
0
アンゾーンと呼ぶ。 第1ブリ ュ ア ン ゾ ーン
スライドを終了します。
禁制帯
許容帯
波数k

a 第2ブリ ュ ア ン ゾ ーン
まとめ
電子物性第1スライド7-13
結晶では、ポテンシャルが周期的に変化する。そのとき、
電子の波動関数は、原子毎の周期関数に、 eikxをかけて
表される。(ブロッホの定理) 一方、周期的なポテンシャル
を単純化した、クローニッヒ・ペニーの模型を用いると、
電子のエネルギーが、原子1個周期となる波数の前後で
飛んでいる(取れないエネルギーがある)ことがわかる。
① 周期的ポテンシャル中の電子のエネルギーを考えた。