平成19年 電気学会 基礎・材料・共通部門 平成19年8月28日(木) 大阪大学 コンベンションセンター XIV. 放電3 パルス放電による水中の難分解性化学物質分解 Pulsed-discharge purification of water containing non-degradable hazardous substances 宮崎 泰至* 佐藤 孝紀 伊藤 秀範 (室蘭工業大学) Yasushi Miyazaki*, Kohki Satoh and Hidenori Itoh (Muroran I.T.) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 背景-促進酸化法 難分解性化学物質による水質汚染 (ダイオキシン類,VOC…) 促進酸化法による汚染水 の浄化 促進酸化法[1] 様々な方法で発生させた酸化剤(OH, O3等)によって,水溶液中の有害有機化合物を分解する 方法 • 湿式酸化 • O3酸化 • パルス放電 • 光触媒酸化 高電圧パルス放電[2] 蓄積したエネルギーを時間的に圧縮し放出することで,高エネ ルギー密度(本実験では22kV,70A,500ns)で出力できる パルス立ち上がり時間が短いため,高エネルギー電子が得ら れやすく,O3,O,H2O2,OH等の酸化剤が効率よく生成される 高エネルギー電子による難分解性化学物質の直接分解反応 効果的な有害物質の分解処理が期待できる [1] W F L M Hoben et al, Plasma Sources Sci. Technol., 9, pp.361 (2000) [2] 秋山, ohmsha(2003) : “高電圧パルスパワー工学”, MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 本研究の目的 目的 水上で発生させたパルス放電による水溶液中の難分解性化学物質の分解処理 フェノール 難分解性化学物質 ダイオキシン,様々なVOC 構造にベンゼン環を含む 本報告 • ベンゼン環を有する • 低濃度において人体 への影響が少ない →安全性の配慮 モデル汚染水としてフェノール水溶液の分解特性を調査 電極構成 印加電圧値やその極性 バックグラウンドガスの種類と組成 放電形態(電子エネルギー,生成される励起種の違い) パルス放電とDCコロナ放電を比較 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY パルス放電によるフェノール等の分解 最近の報告では…… フェノール水溶液中でのパルス放電 • Sunら[1] ・・・ 水溶液中にO2またはArをバブリングすることで,フェノール分解における ラジカルの影響を調査 • Liら[2] ・・・ 水溶液の導電率,pHがフェノール分解に与える影響を調査 フェノール水溶液上でのパルス放電 • Hoebenら[3] ・・・ 水上のパルス放電により生成されるO3が水に溶け込みOHを生成 • Kurokiら[4] ・・・ フェノール分解において,水溶液中にガス(Air,Ar,H2O2)をバブリングし, それぞれのガスが放電中で引き起こす反応を調査 水上でのパルス放電 • Lukesら[5] ・・・ 水上でパルス放電を発生させると,酸化剤(OH,O,O3)が生成されるととも に,準安定励起状態の窒素分子(N2(A))が水と反応してOHを生成 水上でパルス放電を発生させ,バックグラウンドガスの湿度および組成を変化させる ことで,放電中で生成される酸化剤やその他の生成物が分解に及ぼす影響を調査 [1] B.Sun et al,J.Phys.D,Vol.32pp.1908-1915(1999) [2] Jie Li et al, Thin Solid Films Vol.515,pp.4283-4288 (2007) [3] WFLM Hoeben et al, J.Phys.D:Appl.Phys.,Vol.32,pp.L133-L137(1999) [4] T.Kuroki et al, JJAP, Vol.45, No.5A, pp.4296-4300 (2006) [5] P. Lukes et al, J. Phys.D: Appl. Phys., Vol.38, pp.409-416 (2005) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 本研究の目的 目的 水上で発生させたパルス放電による水溶液中の難分解性化学物質の分解処理 フェノール 難分解性化学物質 ダイオキシン,様々なVOC 構造にベンゼン環を含む 本報告 • ベンゼン環を有する • 低濃度において人体 への影響が少ない →安全性の配慮 モデル汚染水としてフェノール水溶液の分解特性を調査 電極構成 印加電圧値やその極性 バックグラウンドガスの種類と組成 放電形態(電子エネルギー,生成される励起種の違い) パルス放電とDCコロナ放電を比較 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 実験装置 5D2V(フジクラ(株)製) 17Wセメント抵抗, Meggitt CGS社製 100pF/m 50m 5nF 10kΩ×100 マクセレック(株)製 LS40-10R1 Vmax=±40kV Imax=±10mA ギャップ長 1mm 回転数 20pps Ar :純度99. 99% N2 :純度99. 99% O2 :純度99. 5% 横河電機(株)製 DL1620 1GS/s 1msec/div 針対平板電極 ギャップ長 4mm MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY パルス電圧・電流・電力波形 positive power 100 20 N2:O2=80:20 4needles 1.5 positive negative 50 0 -10 -50 Vg Ig -20 VCHG = -14.14kV positive pulse -100 0 1 2 3 4 5 time [ms] negative 20 0 -10 -50 VCHG = +14.14kV negative pulse -20 -100 2 3 time [ms] 4 5 current [A] voltage [kV] 50 0 1 0.7 J/pulse 0.5 0.0 0 N2:O2=80:20 4needles Vg Ig 0 1.0 -0.5 100 10 electric power [MW] 0 current [A] voltage [kV] 10 1 2 3 time [ms] 4 5 1pulse当たりに含まれる電力は,正極性, 負極性どちらの場合もおよそ同じ 瞬間的な電力は最大で約 1.5 [MW] 1pulse当たりの注入エネルギーは0.7 [J/pulse] (14J/s) バックグラウンドガスの種類や電極構成によ らず一定 実験条件 フェノール水溶液量 : 70g フェノール初期濃度 : 300ppm パルス繰り返し周波数 : 20pps 充電電圧 : +10kV, ±14.14kV 針電極数 : 4, 16, 36, 88 本 放電照射時間 : 60min ギャップ長d : 4mm MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 直流コロナ放電によるフェノール分解 30 2.0 Vg 25 N2:O2=80:20 15 1.0 10 0.5 5 0 0.0 0 10 20 30 40 time [min] 50 60 power [W] 20 N2:O2=80:20 20 1.5 current [mA] voltage [kV] 25 Ig 放電電圧 : +23kV 注入電力 : 12W ギャップ長 : 30mm フェノール水溶液量 : 70g フェノール初期濃度 : 300ppm 放電照射時間 : 60min 15 10 5 0 0 10 20 30 40 time [min] 50 60 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 充電電圧値および針電極数の変化がフェノール分解に与える影響 80 decomposition rate [%] 4needles 10kV 14.14kV 60 36needles 10kV 14.14kV 40 N2:O2=80:20 16needles 10kV 14.14kV フェノール分解率は作用エネル ギー密度の増加とともに上昇 充電電圧値,針電極数を変化さ せても分解率は同様のプロファ イルとなる 88needles 10kV 14.14kV DC コ ロ ナ 放 電 を 用 い た 場 合 も フェノール分解率のプロファイル は同様 20 DC corona 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ 0 0.0 operation energy density [J/( g ppm)] The operation energy density [J/(g・ppm)] input energy (J) = mass of phenol test liquid (g) concentration (ppm) × • フェノール分解特性は,充 電電圧値,針電極数,放電 形態に依存しない • フェノール分解特性は,作 用エネルギー密度によって 決定される MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響 バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響を調査するため,チェ ンバ内の湿度を変化させた 高湿度 低湿度 HV.(+ or -) HV.(+ or -) 放電チェンバ (4 : 1) 放電チェンバ内湿度 20% 放電チェンバ (4 : 1) 放電チェンバ内湿度 80% MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響 放電チェンバ内を高湿度 にすることで分解率が約 5%上昇した high hum idity, negative low hum idity, negative H2O + e → OH + H 60 40% 35% 40 20 4needles N2:O2=80:20 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ decomposition rate [%] 80 operation energy density [J/( g ppm)] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響 放電チェンバ内を高湿度 にすることで分解率が約 5%上昇した high hum idity, pos itive high hum idity, negative low hum idity, positive low hum idity, negative 60 H2O + e → OH + H 43% 37% 40 40% 35% 20 正極性についても同様の 実験を行なったが,高湿 度のとき,分解率が上昇 • チェンバ内を高湿度としても, フェノール分解率の上昇はおよ そ5%程度 ① チェンバ内を高湿度とした場 合のOHの増加はわずか 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.5 2.0 ② 気相中のOHは増加するが, 短寿命であるためフェノール 水溶液に作用できない ・ decomposition rate [%] 80 operation energy density [J/( g ppm)] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響 放電チェンバ内を高湿度 にすることで分解率が約 5%上昇した high hum idity, pos itive high hum idity, negative low hum idity, positive low hum idity, negative 60 H2O + e → OH + H 40% 35% 40 20 DC corona high hum idity low hum idity 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ decomposition rate [%] 80 operation energy density [J/( g ppm)] BGガスの湿度がフェノール分解に与える 影響は,パルス放電と直流コロナ放電に おいて違いはない 正極性についても同様の 実験を行なったが,高湿 度のとき,分解率が上昇 • チェンバ内を高湿度としても, フェノール分解率の上昇はおよ そ5%程度 ① チェンバ内を高湿度とした場 合のOHの増加はわずか ② 気相中のOHは増加するが, 短寿命であるためフェノール 水溶液に作用できない DCコロナを用いた場合も チェンバ内を高湿度とする ことで分解率が約5%上昇 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響 分解率は3通りの傾向を示し た (正極性の場合も同様) N2:O2 = 0:100 N2:O2 = 20:80 N2:O2 = 50:50 N2:O2 = 80:20 N2:O2 = 100:0 60 in pure O2 → 56% in pure N2 → 42% 40 in N2-O2 mix → 38% 20 in pure O2 O3,Oが生成されやすい 4needles (low humidity , negativ e) 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.5 2.0 ・ decomposition rate [%] 80 operation energy density [J/( g ppm)] in pure N2 N2(A)からのOH in N2-O2 分解率は最も低い MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響 分解率は3通りの傾向を示し た (正極性の場合も同様) N2:O2 = 0:100 N2:O2 = 20:80 N2:O2 = 50:50 N2:O2 = 80:20 N2:O2 = 100:0 60 in pure O2 → 56% in pure N2 → 42% in N2-O2 mix → 38% 40 放電中では(N2-O2混合) 20 4needles (low humidity , negativ e) O2 + e → 2O + e O + O2 + M → O3 + M NO2 + O → NO + O2 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.5 2.0 ・ decomposition rate [%] 80 operation energy density [J/( g ppm)] NO + O → NO2 O3 + NO → NO2 + O2 O3 ,NOx ,フェノール分 解率の関係に注目した バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 60 20 40 NOx O3 60 80 100 140 120 NO NO2 100 80 40 60 40 20 20 0 100 NO x&O3 concentration [ppm] decomposition rate [%] 0 O2[%] 0 80 60 40 20 0 N2[%] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 in pure O2 60 20 O2[%] 40 NOx O3 60 80 120 NO NO2 100 80 40 60 40 20 20 0 100 0 80 60 40 N2[%] 20 O3,Oが効率よく生成されたと考え られる 100 140 0 NO x&O3 concentration [ppm] decomposition rate [%] 0 H2Oの解離により生成されたOH BGガスの組成をO2単体とした場合, O3 濃度とフェノール分解率が最も 高く,O3のフェノール分解への寄与 が確認できる フェノール分解にはOH,O3 ,Oが関 係する H2O + e → OH + H O2 + e → 2O + e O + O2 + M → O3 + M NO2 + O → NO + O2 NO + O → NO2 O3 + NO → NO2 + O2 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 in pure N2 20 40 NOx O3 60 60 80 100 140 120 NO NO2 100 80 40 60 40 20 20 0 100 0 80 60 40 N2[%] N 2 ( A3 u ) N 2 (A) 20 0 N2(A) + H2O → OH + N2 + H NO x&O3 concentration [ppm] decomposition rate [%] 0 O2[%] O3は生成されず,OHのみが酸化 剤となりえるが,分解率はN2-O2混 合中よりも高い OH,N2(A)がフェノール分解に直接ま たは間接的に関係する H2O + e → OH + H O2 + e → 2O + e O + O2 + M → O3 + M NO2 + O → NO + O2 NO + O → NO2 O3 + NO → NO2 + O2 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 in N2-O2 60 20 40 NOx O3 60 80 120 NO NO2 100 80 40 60 40 20 20 0 100 0 80 60 40 N2[%] 20 NOxが多く生成された 100 140 0 NO x&O3 concentration [ppm] decomposition rate [%] 0 O2[%] フェノール分解率は,O2,N2単体の 場合よりも低下した O3は分解される NOx生成反応でOが消費される O,O3の生成が抑制されフェノール 分解率は低下 H2O + e → OH + H O2 + e → 2O + e O + O2 + M → O3 + M NO2 + O → NO + O2 NO + O → NO2 O3 + NO → NO2 + O2 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 O2[%] 20 40 60 80 100 140 60 O3 concentration [ppm] decomposition rate [%] 120 Ar-O2混合ガス中では,N2-O2混合 ガス中よりも高い分解率が得られ た(およそ2倍) Ar混合割合を上昇させると,O3濃 度は低下するが,フェノール分解 率は上昇する 100 80 40 60 40 20 20 0 80 0 60 40 Ar [%] 20 [1] Dennis L McCorkle et al, J.Phys. D:Appl. Phys. Vol.32, pp.46-54 (1999) 0 Ar励起原子がフェノール分解に寄 与? 準安定励起状態のAr(Ar*)がベ ンゼン環を分解[1] H2OとAr*が反応することで生成 されたOHにより分解 H2O + Ar* → OH + H + Ar MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY scavenging scavenging[1][2] OHラジカルは酸化力が強く反応に選択性が ないため,OHラジカルを分解対象以外の物質 と反応させ消費させる方法 scavenger k [L /(mol ・sec)] 2+ 3+ 2+ 8 9 Cu ,Cr ,Mn … 10 ~10 CO324.2×108 NO2109 n-butanol 108 HCOOH 2.8×109 バックグラウンドガスをN2:O2=80:20,Ar:O2=80:20とし,n-butanol,HCOOHをそれぞ れフェノール水溶液に添加して,フェノール分解におけるOHラジカルの影響を調査した [1] Ke Gai, Canadian Journal of Analytical Sciences and Spectroscopy,Vol.51, No.4(2006) [2] 稲森 他, エヌ・ティー・エス(1999) : “最新高度水処理技術 排水処理から有害物質の除去技術まで”, MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY scavenging decomposition rate [%] 40 N2:O2=80:20 4needles 30 33% 26% 23% 20 10 without scavenger with n-butanol (120ppm ) with HCOOH (120ppm ) 分解効率は低下しており,OHラジカルは scavengerに消費されたと考えられる 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ 0.0 作用エネルギー密度は1g,1ppmあたりに注入 されるエネルギーを表すため,scavenger(ブタ ノール,ギ酸)を添加してもフェノール分解特性 は同様のプロファイルを示す operation energy density [J/( g ppm)] 70 60 50 40 Ar-O2 混合ガス中の方がOHラジカル生成 量が多いと考えられる 30 20 without scavenger with n-butanol (120ppm ) with HCOOH (120ppm ) 10 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ decomposition rate [%] 66% 55% 46% Ar:O2=80:20 4needles N2-O2 混 合 と Ar-O2 混 合 の 場 合 の scavenging効果を比較すると,Ar-O2混 合においてscavengingの効果が大きい operation energy density [J/( g ppm)] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 放電照射後のフェノール水溶液の導電率とpHの変化 パルス放電の照射によって導電 率は上昇し,pHは減少した conductivity [mS/cm] 1000 N 2:O 2 = 0:100 N 2:O 2 = 20:80 N 2:O 2 = 50:50 N 2:O 2 = 80:20 N 2:O 2 = 100:0 800 600 Ar:O 2 = 20:80 Ar:O 2 = 50:50 Ar:O 2 = 70:30 Ar:O 2 = 80:20 • N2-O2混合 without discharge 400mS/cm 400 導電率:400mS/cm pH:3 • O2,N2,Ar-O2混合 200 100mS/cm 0 0 10 20 30 40 50 60 導電率:100mS/cm pH:4 time [min] N2-O2 混合ガス中での導電率の上昇と pHの3付近までの低下は,NOx の影響 と考えられる 7 pH 6 5 4 4 3 3 0 10 20 30 40 time [min] 50 60 放電照射後のフェノール水溶液の導電率とpHの変化 パルス放電の照射によって導電 率は上昇し,pHは減少した N 2:O 2 =50:50 N 2:O 2 =80:20 N 2:O 2 =100:0 60% 40% 40 20 4needles (low humidity, negative) 0 0.0 0.5 導電率:400mS/cm pH:3 • O2,N2,Ar-O2混合 1.0 1.5 2.5 2.0 ・ decomposition rate [%] N 2:O 2 =20:80 60 • N2-O2混合 Ar :O 2 =20:80 Ar :O 2 =50:50 Ar :O 2 =70:30 Ar :O 2 =80:20 N 2:O 2 =0:100 80 operation energy density [J/( g ppm)] 導電率:100mS/cm pH:4 N2-O2 混合ガス中での導電率の上昇と pHの3付近までの低下は,NOx の影響 と考えられる N2 単体とAr-O2 混合の導電率, pHのプロファイルは同様となっ たが,フェノール分解率に20% の差 導電率,pHの値はフェノール分解 に関係しない まとめ フェノール水溶液上にパルス放電を発生させ,バックグラウンドガスの 湿度と種類,組成,電極構成,印加電圧値とその極性を変化させフェ ノール分解を行ない,分解特性を調査した結果を示す フェノール分解率はバックグラウンドガスの湿度に依存するが,湿度の増加に対する フェノール分解率の増加は顕著ではない バックグラウンドガスをO2単体とした場合,O3,Oの増加によりフェノール分解率は上昇 した バックグラウンドガスをN2単体とした場合,N2(A)から生成されるOHによってフェノール 分解率は上昇した バックグラウンドガスをN2-O2 混合とすると,O3 はNOxで分解されるため,バックグラウ ンドガスをO2あるいはN2単体とした場合よりもフェノール分解率が低下した バックグラウンドガスをAr-O2混合とした場合, N2-O2混合とした場合よりも高い分解率 が得られ,また,Ar混合割合が高いほどフェノール分解率は上昇した フェノール水溶液の導電率とpHの値は,フェノール分解率に関係しない MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 分解率は3通りの傾向を示した (負極性の場合も同様) 70 N 2:O 2 =0:100 N2:O 2 =20:80 N 2:O 2 =50:50 N 2:O 2 =80:20 N2:O 2 =100:0 decomposition rate [%] 60 50 40 30 in pure O2 → 56% in pure N2 → 42% in N2-O2 → 35% in pure O2 O3,Oが生成されやすい 20 in pure N2 10 N2(A)からのOH low humidity, positive 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 operation energy density [J/ g/ ppm] in N2-O2 分解率は最も低い MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 20 40 O2[%] 60 80 70 50 NO NO2 100 80 40 60 30 40 20 20 10 0 100 0 80 60 40 N2[%] 20 0 40 60 80 100 120 60 100 50 80 40 60 30 40 20 20 10 0 80 O3 concentration [ppm] NOx O3 20 70 NO x&O3 concentration [ppm] decomposition rate [%] 60 100 120 decomposition rate [%] 0 O2[%] 0 60 40 Ar [%] 20 0 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 針電極数の変化による放電形態の変化 100 140 VCHG=+14.14kV N2:O2=80:20 40 120 100 80 30 60 20 40 10 20 0 0 0 20 40 60 number of needles 80 Ar:O2=80:20 decomposition rate [%] 50 NO x NO VCHG=+14.14kV 80 120 100 60 80 40 60 40 20 20 0 0 0 20 40 60 number of needles 80 O3 concentration O3 NO 2 O3 & NO x concentration decomposition rate [%] 60 140 scavenging decomposition rate [%] 40 N2:O2=80:20 4needles 30 33% 26% 23% 20 10 分解効率は低下しており,OHラジカルは scavengerに消費されたと考えられる without scavenger with n-butanol (120ppm ) with HCOOH (120ppm ) N2-O2 混 合 と Ar-O2 混 合 の 場 合 の scavenging効果を比較すると,Ar-O2混 合においてscavengingの効果が大きい 0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ 0.0 operation energy density [J/( g ppm)] 70 60 50 Ar-O2 混合ガス中の方がOHラジカル生成 量が多いと考えられる 40 30 20 without scavenger with n-butanol (120ppm ) with HCOOH (120ppm ) 10 0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 ・ decomposition rate [%] 66% 55% 46% Ar:O2=80:20 4needles 作用エネルギー密度は1g,1ppmあたりに注入 されるエネルギーを表すため,scavenger(ブタ ノール,ギ酸)を添加してもフェノール分解特性 は同様のプロファイルを示す operation energy density [J/( g ppm)] compound phenol k [L /(mol ・sec)] n-butanol 108 HCOOH 2.8×10 1.4×1010 9 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 10 -14 qm 2 cross section [cm ] 10 -15 10 10 10 10 qi -16 qv N2(A) qex -17 -18 -19 10 -1 10 0 10 1 electron energy [eV] 10 2 10 3 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 10 -14 qm -15 2 cross section [cm ] 10 10 qi -16 qex 10 10 10 -17 -18 -19 0.1 1 10 100 1000 electron energy [eV] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 10 -15 2 cross section [cm ] 10 -14 10 10 10 10 -16 N2 Ar -17 -18 -19 2 1 3 4 5 6 7 8 9 2 10 3 4 5 6 7 8 9 100 electron energy [eV] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY パルス放電照射後の溶液の導電率とpHの変化 positive negative 1000 O2 = 100 N 2:O2 = 20:80 N 2:O2 = 50:50 N 2:O2 = 80:20 N 2-O2(90:10) N 2 = 100 800 600 low humidity (positive) 400 600 low humidity (negative) 400 200 200 0 0 0 10 20 30 time [minutes] 40 50 0 60 10 20 30 time [minutes] 40 50 60 8 8 O2 = 100 N 2:O2 = 20:80 N 2:O2 = 50:50 N 2:O2 = 80:20 N 2-O2(90:10) N 2 = 100 6 5 O2 =100 N 2:O2 = 20:80 N 2:O2 = 50:50 N 2:O2 = 80:20 N 2= 100 7 6 pH 7 pH O2 = 100 N2:O2 = 20:80 N2:O2 = 50:50 N2:O2 = 80:20 N2 = 100 800 conductivity [mS/cm] conductivity [mS/cm] 1000 5 4 4 3 3 low humidity (positive) 0 10 20 30 time [minutes] 40 50 60 low humidity (negative) 0 10 20 30 time [minutes] 40 50 60 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY 2.0 2.0 N2-O2 (80:20) positive polarity negative polarity 1.5 electric power [MW] electric power [MW] N2-O2 (50:50) 1.0 0.5 0.0 -0.5 positive polarity negative polarity 1.5 1.0 0.5 0.0 -0.5 0 1 2 3 4 5 time [m sec] 0 1 2 3 4 5 time [m sec] 2.0 electric power [MW] N2-O2 (100:0) 1.5 positive polarity negative polarity N2 ( A3 u ) 6.17eV 1.0 1.3~2.6 sec 0.5 0.0 -0.5 0 1 2 3 time [m sec] 4 5 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響 in pure O2 O,O3が生成されやすい ため分解率は上昇 background gas species O2 N2 N2-O2 OH ○ ○ ○ in pure N2 OH [N2(A)] × ◎ ○ O,O3は生成されない が,N2(A)の影響で分 解率は上昇した O3 ◎ × ×~△ O ◎ × in N2-O2 NOx × △ △ ○ ◎ produced much ○ produced △ produced little ×not produced O3はNOで分解される NOx生成反応がO,O3生 成を抑制している OH > O3 > N2(A) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響 0 20 40 O2[%] 60 80 100 decomposition rate [%] 70 60 N2(A) O3 50 40 H2O + e → OH + H 30 O + O2 + M → O3 + M 20 N2(A) + H2O → OH + N2 + H OH 10 0 100 80 60 40 20 0 N2[%] MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY
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