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インターネット構成法
第9回 ラスト・ワンマイルの技術
担当:村井 純
ラスト・ワンマイル
 通信サービス事業者の局施設と家庭とを結ぶ
通信回線
 由来:局と家庭の間の距離が、多くの場合約1マイ
ル(1.6Km)以内だった
 通信網の末端
 ケーブル・テレビ網、無線、光ファイバ
 ラスト・ワンマイルの性能により、遅延や通信に
使える帯域が変化
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インターネット構成法 2002
電灯線インターネット
 PLC
(Power Line Communication)
 電源コンセント(電灯線)を用いた家庭内LAN
 送電線を用いたバックボーン接続
 電波法上の制限である10kHz~450kHzの周
波数帯域を使用
 既存の家庭内配線が利用できる
 電化製品のネットワーク接続
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インターネット構成法 2002
電灯線インターネット
インターネット
電灯線
分電盤
電灯線
モデム
電灯線
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インターネット構成法 2002
PLCの問題点
 ノイズによる通信品質の低下
 エラーレートの増大
 回線スループットの低下
 10KHz~450KHzの周波数帯のうち、
実際に使用できる周波数帯は限られている
 家電製品などによるノイズが多い
冷蔵庫
 洗濯機
 照明などのインバータ機器

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インターネット構成法 2002
HF PLC (High Frequency PLC)


高い周波数帯を用いた高速な通信
 短波帯 (2MHz~30MHz)を利用
 スループットは45Mbps程度(海外製品)
国内ではまだ不認可
 高周波を伝送するように設計されていない電力線や
架空配線された送電線からの外部放射
 短波帯を用いる他の通信へ悪影響を及ぼす恐れ
アマチュア無線
高周波を用いる機器への影響
 AV機器(アンプなど)、医療機器



規制緩和は検討中
 規制緩和推進3か年計画
 e-japan重点計
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インターネット構成法 2002
OFDM方式 (Orthogonal Frequency
Division Multiplexing)

直交周波数分割多重方式
各サブキャリアの信号レベルが0になる周波数で区切られる




各信号の関数が直交関係となる
一つの周波数帯を分割し、多数の搬送波(サブキャリア)を詰め込んでデー
タ伝送
干渉などの通信品質低下が少ない
802.11aや地上波デジタルテレビ放送でも採用
サブキャリア
信号レベル(dB)

・・・・
周波数
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周波数
インターネット構成法 2002
スペクトラム拡散方式



信号を広い周波数帯に拡散して送信
受信した信号を逆拡散(復調)して受信
ノイズに強い


搬送中に乗ったノイズを受信後に拡散できる
GPSや802.11bなどでも採用
拡散処理
送信される信号
元の信号
信号にノイズが乗る
フィルタ処理
復調された信号
受信した信号は復調、
ノイズは拡散される Slide: 8
インターネット構成法 2002
ADSL

xDSL(Digital Subscriber Line)




電話線など銅ケーブルを用いた高速インターネット通信
128Kbps~数52Mbps
音声通話より周波数帯より高い部分を利用
ADSL(Assymetric DSL)


非対称DSL
上りと下りで通信速度が異なる
出展:http://arena.nikkeibp.co.jp/qa/internet/gaz/int_65/
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インターネット構成法 2002
ADSLの仕組み
・スプリッタで、電話と通信を分割
(周波数の違いを利用)
電話
電話線
電
スプリッタ
PCなど
柱
ADSLモデム
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インターネット構成法 2002
ADSLの通信速度


電話交換局からの遠いと減衰
ISDNとの干渉で劣化
 ISDNが320kHzの高い周波数のため、ADSLの周波数帯がISDNの影響
(ノイズ)を受ける
 ISDNの回線とADSLの回線が近くても干渉を受ける
ISDN
[G.dmt]
ADSL
音声
4
上り
25
下り
周波数
1000kHz
320
ISDN
[G. lite]
ADSL
音声
4
上り
25
下り
320
周波数
550kHz
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インターネット構成法 2002
通信方式
フルレート(G.dmt)とハーフレート(G.lite)
 Annex (付帯規格)



Annex A(北米)、Annex B(ヨーロッパ)、Annex C(日本)
Annec C(日本固有の事情を考慮)



TCM-ISDNのクロストークに対する性能向上
ISDNのスペクトルに対応したビット割付
Annex H

上下対称通信のSDSLを行なうための仕様




短時間に上りと下りを切り替えて通信
上り・下りともに最高3.2Mbps
Annex Cと同様、ISDN回線からの干渉に強い
ACCAネットワークスがサービスを提供
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インターネット構成法 2002
各社の通信方式

フレッツADSL

上り512Kbps 下り1.5Mbps


上り1.5Mbps 下り8Mbps/12Mbps



G.992.2(G.lite) Annex C方式
G.992.1(G.dmt) Annex C方式(下り8Mbps)
G.992.1 Annex Cを拡張した方式(下り12Mpbs)
Yahoo!BB

上り1.5Mbps 下り8Mbps/12Mbps


G.992.1(G.dmt) Annex A方式(下り8Mbps)
下り12Mbpsサービスはユーザの環境にあわせて規格を切り替える


G.992.1 Annex Aを拡張したAnnex A.ex方式
Annex A方式、Annex C方式
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インターネット構成法 2002
PPPoE(PPP over Ethernet)
 Ethernet越しにPPP接続
 ユーザー名、パスワードのチェック
 バンド幅選択
 ISP選択
ブロードバンドアクセスサーバ
ADSL
スプリッタ
論理的には
同一Ethernet上に見える
PPP
Ethernet
ADSLモデム
Ethernet
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インターネット構成法 2002
まとめ

ブロードバンド技術


ラスト・ワンマイルの性能を飛躍的に向上
電灯線


家電製品などのノイズによる性能低下
HF PLC



電線からの電波漏れ
アマチュア無線、家電に悪影響の恐れ
ADSL


ISDNからの干渉問題
ADSL相互間の干渉問題
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インターネット構成法 2002