インターネット構成法 第10回

インターネット構成法
第10回
トータルデザイン
担当: 村井 純
第3回課題のReview
 現在の提出者数
46人
 履修者の半分くらい
 たくさんの人が調査してくれたもの
 フレッツ網とCNSとの接続

ADSLユーザの不満?
 比較的多方面の調査が得られた
 他の人の課題を見て、情報を共有しよう
Slide: 2
インターネット構成法 2002
今日の授業内容
 レポートで寄せられた意見を検討
 CNSの問題点?
 何をどう変えるべきか?

そこで考慮すべき事項は何か
 現在のCNSのデザインポリシを読み取ろう
 ユーザにどんな接続性を提供したいのか?
 自由なネットワーク利用
vs. 安全なネットワーク利用
 利用者の要求は満たされているか?
Slide: 3
インターネット構成法 2002
要求、ポリシ、デザイン、実装
ユーザの
要求
ユーザの
要求
ユーザの
要求
構築手法
設計項目
無線
外部からの
Firewall
ユーザの
要求
他キャンパス
との接続
セキュリティポリシ
帯域
サービス地域
サービスポリシ
基本的設計ポリシ
Slide: 4
経路制御
アドレス資源の
割り当て
運用ポリシ
ユーザの
要求
インターネット構成法 2002
フレッツ網との接続が細い?
レポートから:
 フレッツADSLを利用してCNSに接続すると、
どうも遅い気がする。
 どうしてADSLは8Mも普及しているのにNTT
との接続がそれより細いのか?
地域IP網とCNSの接続
 NTT保土ヶ谷局
 1.5Mbps(NTT
Digital Access 1500) x 2
 既に回線が飽和しつつある
 CNSとNTTの専用線が通信のボトルネック
Slide: 6
インターネット構成法 2002
接続の現状

帯域の使用率が非常に高い


特に1.sfc.keio.ac.jpは帯域が頭打ちの時間がある
帯域が頭打ちの時間にはパケットロスが発生

パケットロスが起こるとTCPはパケットの再送を行うため、回
線の利用効率が下がる
帯域の使用率
パケットロス率
Slide: 7
インターネット構成法 2002
対外線の増強
 どれだけ増強すればいいか?
 これまでのトラフィック傾向と今後の予測
 増強に当たっての現実的な選択
 増強のタイミング
Slide: 8
インターネット構成法 2002
トラフィック傾向の把握
 これまでの傾向
 MRTGなどグラフから分かる傾向
 実際のユーザの動向
 これからの傾向
 経験的に1年たったらトラフィックは倍になる
 今後ネットワークをどのように使うかが鍵
みんな在宅で授業を受け、ビデオ会議をするか
 本当にみんながフレッツをCNS経由で使うか

Slide: 9
インターネット構成法 2002
対外線の増強
 どれだけ増強すればいいか?
 これまでのトラフィック傾向と今後の予測
 増強に当たっての現実的な選択
 増強のタイミング
Slide: 10
インターネット構成法 2002
トラフィック傾向の把握
 これまでの傾向
 MRTGなどグラフから分かる傾向
 実際のユーザの動向
 これからの傾向
 経験的に1年たったらトラフィックは倍になる
 今後ネットワークをどのように使うかが鍵
みんな在宅で授業を受け、ビデオ会議をするか
 本当にみんながフレッツをCNS経由で使うか

Slide: 11
インターネット構成法 2002
バックボーン帯域の設計
 エンドユーザが受信する最大帯域幅は8Mbps
 エンドユーザの数は10人
 バックボーンの帯域は
8Mbps * 10 = 80Mbps
ではない
 実際にバックボーンに80Mbpsも用意する必要
はない
Slide: 12
インターネット構成法 2002
増強に当たっての判断(1/2)

利用状況

エンドユーザが帯域をフルに使い続ける可能性は低い



InternetではEnd-Endで通信帯域が決定され、およそ数百k どまり
バックボーン使用状況を見ながら増強の程度を判断
コスト

バックボーンにかかるコストはラスト・ワンマイルのコストより遥かに高い


DA1500の場合、最低でも月額15万円以上
エンドユーザは1.5Mbpsでも月額数千円
1Mbpsも出ていない
何も通信していない
エンドユーザ側の使用帯域の例(フレッツADSL 8M)
※これでもかなり帯域を利用しているケース!
インターネット構成法 2002
Slide: 13
増強に当たっての判断(2/2)

選択可能なサービス

コストに見合うサービスが受けられるか



地域や回線を引く距離で受けられるサービスが異なる
広域イーサネット、ATM など
タイミング

いつ、どのくらい困ったら増強するか


数10%のパケットロスは増強するべき時か?
いつを見越して増強するのか


半年後? 1年後? 5年後?
バックボーン以外の設備やネットワークの設計にも関連
Slide: 14
インターネット構成法 2002
メディアサーバへの高速な通信
レポートから:
動画像を編集するときに、メディアサーバ
とのファイルのやり取りを高速化したい
メディアサーバ

IntelliStation



DVのキャプチャリング、編集
DVD作成
2D, 3Dコンピュータグラフィックス
IntelliStation

メディアサーバ

ユーザが大容量のファイルを一時保存

e-Server xSeries 360
CPU :Xeon プロセッサMP 1.5GHz
Memory:2GB
HDD :3.5TB



e-Server xSeries 360
Slide: 16
インターネット構成法 2002
ネットワーク内部の通信の高速化

メディアサーバとのファイルのやり取りを高速化

7Gbyteのファイル(DV30分程度)



30Mbpsで転送すると30分
300Mbpsで転送すれば3分
ボトルネックはどこか



通信メディアの転送性能
ハードディスクへの読み出し・書き込み速度
中間にあるルータやスイッチのパケット処理能力


pps(Packet Per Sec)
300Mbpsのストリーム


1パケット1500byteとすると 25,000 pps
1パケット64byteなら 約600,000pps
Slide: 17
インターネット構成法 2002
ネットワークの高速化

高速化する必要がある範囲


PCとサーバが直接接続ならNICとスイッチだけ
離れているなら中間全てに十分な性能が必要
ルータ
スイッチ
スイッチ
中間
ネットワー
ク
ルータ
Slide: 18
インターネット構成法 2002
期待されるパフォーマンスがでるか?
 通信速度以外にボトルネックが生じる可能性
 複数のセッションを張ったときの帯域消費
 ディスクの書き込み速度の限界
 RAIDコントローラの性能、CPUの性能
 内部バス速度(32bit
PCI bus vs 64bit PCI bus)
Slide: 19
インターネット構成法 2002
SCSI HDDの書込み速度(15000回転クラ
ス)
 IBM
Ultrastar 36Z15
 647Mbps
 Seagate
Cheetah 15K.3
 891Mbps
 Seagate
Cheetah X15 36LP
 709Mbps
 Maxtor Atlas
15K
 860Mbps
Slide: 20
インターネット構成法 2002
CNSにdynamic routingは必
要?
レポートから:
キャンパスの拡張などを考えると、CNS
もdynamic routingを使ったほうがいいの
では?
CNSの経路制御

ITCを中心にしたスター型トポロジ

階層化



Staticで経路制御

新しいネットワークが加わったら?


末端のネットワーク(講義棟・ユーザセグメント)
バックボーン
 更にコアのルータが存在
経路の設定が必要なのは上流のルータだけ
階層化の欠点

急所ができやすい


Single Point of Failure
冗長化が必要

機器や回線の信頼性とも関連
Slide: 22
インターネット構成法 2002
CNSの経路制御
• Default経路を利用すれば目的地に辿り着く
• 上流から下流にだけ、staticの経路を設定
133.27.0.0/16
WIDE
Internet
他キャンパス
133.27.0.0/16
default
ITC
default
κ
新
default
default
default
ι
無線
133.27.80.0/27
メディア
Slide: 23
インターネット構成法 2002
山根さんの講義資料から
ここがコア
経路が必要なのはここだけ
Slide: 24
インターネット構成法 2002
CNSの経路制御
• Default経路を利用すれば目的地に辿り着く
• 上流から下流にだけ、staticの経路を設定
133.27.0.0/16
WIDE
Internet
他キャンパス
133.27.0.0/16
default
ITC
default
κ
新
default
default
default
ι
無線
133.27.80.0/27
メディア
Slide: 25
インターネット構成法 2002
山根さんの講義資料から
ここがコア
経路が必要なのはここだけ
Slide: 26
インターネット構成法 2002
どんな時Dynamic Routingが必要?
他のルーティングプロトコルから経路を得ている場合
(Redistribute)
 ネットワークの出口が多数ある場合




他組織と接続する場合



経路制御による冗長性の確保
綺麗に階層化できないことが多い
相手がDynamic Routingを要求する場合も
ベンダに依存しないプロトコルが利用できる
現在のCNS


このような要求が少ない
Static 経路制御なら管理が楽

シンプルなトポロジはトラブルも起こりずらい
Slide: 27
インターネット構成法 2002
Dynamic Routingが必要なトポロジ
 例:WIDEインターネット
Internet eXchange
AS 2516
KDDI
AS 9225
AS 3549
AS 2915
AS 7673 AS 2687
AS 7500
R
AS2500
R
村井
研
Keio
UUnet
R
R
WIDE Internet Backbone
R
R
R
阪大
Slide: 28
インターネット構成法 2002
まとめ
ネットワークのデザイン
 技術的な側面
と ポリシ的な側面
 根底には一貫した設計ポリシ
 そこから派生
サービスポリシ
 セキュリティポリシ
 運用ポリシ
etc…

 ポリシを実現するのが具体的な設計と実装
 ポリシが変わらなくても、設計や実装は変化
要求される性能の変化
 技術の変化

Slide: 30
インターネット構成法 2002
既存のネットワークを再構成する
 現状を把握
 ユーザの要求を満たしているか
 問題点の洗い出し
 ボトルネックは何か
 どのように改善すべきか
 機器、運用技術
 将来の予測
 改善に必要なコストと選択可能な手段は何か?
Slide: 31
インターネット構成法 2002
要求と実装のすり合わせ
 大事なのは利用者の満足
 ユーザから様々な要求
 応えられること/応えられないこと

ポリシ
海外でもCNSが使いたい
 相反する要求もある

安全に使いたい vs 便利に使いたい
 待ってるだけじゃだめ
利用用途の分析
 隠れた要求の発見

Slide: 32
インターネット構成法 2002
最終課題
CNSのデザイン
 本講義の内容を踏まえ、SFCに必要なキャンパ
スネットワークをデザインしなさい(下から選択)
 CNS全体を技術的に美しくデザインする

Layer1, Layer2, Layer3の構成を明確に
 CNSで新しく何かを実現する

メリット、技術的な問題、解決法
 根本的に考え直す
キャンパスネットワークってなんだろう?
 いろんな団体が勝手にネットワークを作ってもいいので
は?


どうやって資源を共有するか
Slide: 34
インターネット構成法 2002
ポイント
 ポリシ
 技術的構成要素
 セキュリティ、アドレッシング、経路制御
etc…
 資源(機材、回線、IP Address)
 初期コスト、運用コスト
 設計図
 Layer2,
Layer3がわかるトポロジ図
Slide: 35
インターネット構成法 2002
物理的な配線

パッチパネル
ITCと講義棟を光ファイバで接続

各棟に6芯の光ファイバを敷設


ほとんど使い切っている
距離による違い


ITCと講義棟との間はマルチモードファイバ
看護医療学部はシングルモードファイバ

ITCと他の建物を結ぶ
ケーブルの出口
Slide: 36
インターネット構成法 2002
日吉への接続

WDM終端機器


最新の技術
10Gbps
日吉

WDMを用いた
日吉への接続
日吉へのGW
WDM終端機器
Slide: 37
インターネット構成法 2002
ネットワークを構成する機器

CNSの基幹ルータ(gw2)


多くのFiber、UTPを収容
一極集中型のオペレーション

CNSの基幹ルータ
Slide: 38
インターネット構成法 2002
Q1
Slide: 39
インターネット構成法 2002
日吉への接続

WDM終端機器


最新の技術
10Gbps
日吉

WDMを用いた
日吉への接続
日吉へのGW
WDM終端機器
Slide: 40
インターネット構成法 2002
CNSのデザイン
 本講義の内容を踏まえ、SFCに必要なキャンパ
スネットワークをデザインしなさい(下から選択)
 CNS全体を技術的に美しくデザインする

Layer1, Layer2, Layer3の構成を明確に
 CNSで新しく何かを実現する

メリット、技術的な問題、解決法
 根本的に考え直す
キャンパスネットワークってなんだろう?
 いろんな団体が勝手にネットワークを作ってもいいので
は?


どうやって資源を共有するか
Slide: 41
インターネット構成法 2002