インターネット構成法 第二回 リンクレイヤ技術 2002/10/7 担当:村井 純 End-Endとリンク インターネットはEnd- Endでの通信 あるコンピュータ同士が通信する時、途中経路 には様々なデータリンクが存在する End ノード End ノード Ethernet ルータ ルータ ルータ 光ファイバ 無線 ADSL Slide: 2 インターネット構成法 2002 IPで抽象化したネットワークと データリンクで抽象化したネットワーク Slide: 3 インターネット構成法 2002 リンクレイヤ リンク インターネットの途中経路一つ一つ Ethernet, ADSL, WDM、無線、衛星など リンクとは、論理的に一つの伝送媒体 基本は一つの伝送媒体で一つのリンク 複数の伝送媒体を組み合せて、一つのリンクを形 成する場合もある 各リンクはそれぞれ性質が異なる 規格、伝送媒体、信頼性、遅延 Slide: 4 インターネット構成法 2002 P2Pリンク と Sharedリンク Point-to-Point リンク(P2Pリンク) リンクの両側に端末が接続 わたしとあなた(通信相手を特定する必要がな い) Ex. PPP接続 Point-to-Point Link Slide: 5 インターネット構成法 2002 Shared Link 一つのリンクに複数の端末が接続 通信相手を特定するため、データリンクアドレス が必要 Ex. イーサネット Slide: 6 インターネット構成法 2002 CSMA/CD 送波感知多重アクセス/衝突検出方式 (Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection) Carrier Sense Ethernetが採用 1本のケーブルを複数のノードが共有し、Multiple Accessを実現 データを送信したいノード(機器)はケーブルの通信状況を監視し、ケーブ ルが空くと送信を開始 Collision Detection もし複数のノードが同時に送信を開始するとケーブル内でデータが衝突 して壊れる 送信を中止しランダムな時間待って送信を再開 Slide: 7 インターネット構成法 2002 MACアドレス(1/2) ネットワークに接続された機器ごとに付与され たアドレス(物理アドレス) NICに埋め込まれている MACアドレスは世界中でユニーク MAC Addr 00:2d:1a:41:01:42 MAC Addr 19:c7:12:31:0a:11 MAC Addr e1:dd:91:a1:63:12 Slide: 8 インターネット構成法 2002 MACアドレス(2/2) [EUI-48] 第1オクテット 10111101 ベンダーによる割り当て OUI 第2オクテット 第3オクテット 第4オクテット 第5オクテット 01110101 11001111 01011111 01000101 第6オクテット 01111010 G/I(グループ/個体)bit G/L(グローバル/ローカル)bit OUI (organizationally unique identifier) : ベンダーコード G/I ベンダーに割り当てられる固定値 1つのベンダーは複数のOUIを取得できる グループアドレスかどうか ブロードキャストアドレス すべての bit が 1 G/L 0 : IEEEによって割り当てられたアドレス 1 : 自由に使用できるアドレス Slide: 9 インターネット構成法 2002 EUI-48 と EUI-64 EUI-64 将来のアプリケーション、48bit MACアドレス(EUI48)の不足などに対するEUI-48の拡張 64 bit OUIは3byteのまま OUIは3byteで足りるか? ベンダ割り当て部分が不足したらベンダは別のOUIを取 得すればいい Slide: 10 インターネット構成法 2002 NIC Network Interface Card ネットワークへの接続性を提供する機器 各NICは、固有のMACアドレスを持つ →各伝送媒体上での識別子 NICにはIPアドレスもついている 何故、MACアドレスとIPアドレス両方が必要か? 複数の3層プロトコルを、同一リンク上で利用するため Slide: 11 インターネット構成法 2002 データリンクアドレス解決 データリンクアドレスの機能と、 ネットワークアドレスの機能が分離 複数の第3層のプロトコルを同じリンクで 利用可能 Network Data link IPv4 IPv6 IPX 203.178.142.131 3ffe:501:100c:d120:a00:20ff:fe80:41bf NetBEUI Ethernet 08:00:20:80:41:bf Slide: 12 インターネット構成法 2002 アドレス解決の方法(1/4) ARP Address Resolution Protocol IPアドレスから物理アドレスを求めるための プロトコル IEEE802.3(Ethernet), 802.5(token ring), 802.11(Wireless) 32-bit IPアドレス ARPキャッシュ ARP RARP 48-bit MACアドレス Slide: 13 インターネット構成法 2002 アドレス解決の方法(2/4) IPアドレスA ARP Operation FTP TCP IP (1) ARP Ethernet driver Ethernet driver (6) ARPリクエスト (Ethernet Broadcast) IPアドレスAに 接続したい TCP (2) ARP IP (4) (3) (5) Ethernet driver ARP Slide: 14 インターネット構成法 2002 アドレス解決の方法(3/4) ARP Operation(cont.) FTP TCP IP TCP ARP Ethernet driver Ethernet driver ARP IP (7) (8) Ethernet driver ARP Slide: 15 インターネット構成法 2002 アドレス解決の方法(4/4) 計算する IPマルチキャストアドレスからMACマルチキャストアドレスへ の変換 例: IPv4マルチキャストアドレス - 224.0.0.5 マルチキャストMACアドレス - 01-00-5E-00-00-05 最初の01-00-5EはIEEEがマルチキャスト用に予約 IPv6のときは? 下位64BitがMACアドレス 例: IPv6アドレス - 3ffe:501:100c:d120:a00:20ff:fe80:41bf MACアドレス - 08:00:20:80:41:bf Slide: 16 インターネット構成法 2002 リピータ・ハブ 全てのトラフィックが伝搬する 電気的に信号を増幅し伝播 Ethernetフレームがブロードキャストされる 衝突する可能性が高まる HUB Slide: 17 インターネット構成法 2002 OSI参照モデルとリピータ・ハブ アプリケーション層 アプリケーション層 プレゼンテーション層 プレゼンテーション層 セッション層 セッション層 トランスポート層 トランスポート層 ネットワーク層 ネットワーク層 データリンク層 データリンク層 物理層 物理層 物理層 電気的に増幅 Slide: 18 インターネット構成法 2002 スイッチ(1/2) •Ethernetフレームを 必要なポートにだけ伝播 Switch 00:D0:59:83:AB:CD 1 2 Port MACアドレス 1 00:D0:59:83:AB:CD 3 00:D0:59:98:76:54 3 4 5 00:D0:59:92:11:02 00:D0:59:98:76:54 00:D0:59:00:12:34 00:D0:59:01:02:03 Slide: 19 インターネット構成法 2002 スイッチ(2/2) MACアドレステーブルを保持 ポート毎にMACアドレスを登録 宛先のMACアドレスが登録されてない場合 全てのポートに転送 該当するノードが返答 テーブルを更新 必要のない転送は行わない Slide: 20 インターネット構成法 2002 OSI参照モデルとスイッチ アプリケーション層 アプリケーション層 プレゼンテーション層 プレゼンテーション層 セッション層 セッション層 トランスポート層 トランスポート層 ネットワーク層 ネットワーク層 データリンク層 データリンク層 データリンク層 物理層 物理層 物理層 MACアドレスで判断 Slide: 21 インターネット構成法 2002 トポロジ トポロジって何? 位相幾何学・地形学 ネットワークのレイアウト Topology: 代表的なトポロジ Common Bus Topology Star Topology Ring Topology Mesh Topology Tree Topology Slide: 22 インターネット構成法 2002 バス型トポロジ Common Bus Topology backbone cable ノードが線上に接続されているトポロジ 両端に終端抵抗(Terminator)が必要 終端抵抗:信号を吸収 衝突検出のアルゴリズムが必要 Slide: 23 インターネット構成法 2002 バス型のメリットとデメリット メリット 必要なケーブル長が短い 一つのノードが落ちても通信は維持できる デメリット バックボーンケーブルに障害が発生した場合、 ネットワーク全体がダウン 障害箇所の特定が困難 大きなネットワークを構成するのが困難 Slide: 24 インターネット構成法 2002 スター型トポロジ Star Topology 各ノードは中央の機器から放射状に接続される Point-to-Pointで接続 Slide: 25 インターネット構成法 2002 スター型のメリットとデメリット メリット 設計と導入が容易 ノードの追加・削除が容易 障害箇所の特定が容易 ネットワーク拡張が容易 デメリット ケーブルがたくさん必要 中央の機器が壊れたら全く通信が出来ない Slide: 26 インターネット構成法 2002 リング型トポロジ Ring Topology MAN(Metropolitan Area Network)のコアで利用 以前はFDDI, Token Ring等で利用された Slide: 27 インターネット構成法 2002 メッシュ型トポロジ Mesh Topology 多くのリンクが必要 トポロジ的に信頼性が高い 信頼性が低いメディアで利用 Slide: 28 インターネット構成法 2002 ツリー型トポロジ Tree Topology 広範囲なネットワークを形成 あるリンクが切れると、木が分割されてしまう →冗長化が必要 Slide: 29 インターネット構成法 2002 物理トポロジと論理トポロジ 物理トポロジ ケーブリングなどの物理的な配線を表したもの 論理トポロジ スイッチの機能などにより、論理的に構成されたも の 例:100Base-TX 物理トポロジ: (拡張)スター型トポロジ 論理トポロジ: バス型トポロジ Slide: 30 インターネット構成法 2002 多様なメディアの性質 ネットワークを物理的に構成するメディアの性質 を知り、上位層の要求に応じてメディアを選択 メディアの持つ性質の切り分け 伝送遅延 信頼性(エラーレート、冗長性、稼働率) 帯域幅 コスト(インストールコスト、ランニングコスト) メディアを収容する機器による影響 Slide: 31 インターネット構成法 2002 メディアの伝送遅延 伝送距離、物理媒体によって異なる 衛星回線の遅延はおよそ250ms 電波の速度は300000km/s ≒ 光速 基地局から送信された電波は、 赤道上約36,000km上空の衛星を経由して地上に戻る 光ファイバの遅延 地球を1周(およそ40,000km)する長いファイバがあれば、 両端の伝送遅延(D)は D = 40000(km) / 300000(km/s) D = 133ms Slide: 32 インターネット構成法 2002 メディアの信頼性 エラーレート BER・・・ビットあたりのエラーの割合 電話回線・・・BER:10^-5 電灯線(ECHONET)・・・BER:10^-3 1000Base-X(IEEE 802.3z)・・・BER:10^-12 冗長性 障害が発生したときに、バックアップの通信路に切 り替え、Down Timeをどれだけ短くできるか 形成するトポロジと密接に関係 Slide: 33 インターネット構成法 2002 メディアの稼働率(Availability) 一定期間において、そのうちシステムがどの程 度の割合で正常稼働しているかを示す数値 MTTF・・・システムの平均故障期間 Mean Time To Failure MTTR・・・停止状態になったシステムを稼働状 態に復旧するまでにかかる時間 Mean 稼働率 Time To Recovery = MTTF / (MTTF + MTTR) Slide: 34 インターネット構成法 2002 メディアの帯域幅 伝送媒体、多重化の仕方などにより異なる 携帯電話・・・9600bps 無線LAN (IEEE 802.11b)・・・11Mbps より高い周波数帯を使えば広帯域化できるが、 電波資源は有限 光ファイバ + WDM・・・数10Gbps~ Slide: 35 インターネット構成法 2002 多重方式の例 TDMA・・・時分割多重アクセス FDMA・・・周波数分割多重アクセス 共用回線を使用する時間を等分し、複数の回線に順番に割 り当てる 共用回線の周波数帯域を等分して複数の回線に割り当て、 合成波として送受信する WDM・・・波長分割多重 波長の異なる信号は互いに干渉しない 波長の違う複数の信号を同時に利用することで、 ファイバを多重利用する Slide: 36 インターネット構成法 2002 メディアのコスト 衛星回線 インストールコストもランニングコストも高い SFCにあるC-band地球局には どれだけのコストがかかっているか 無線LAN インストールコストもランニングコストも低い 光ファイバ 導入形態によって異なる 専用線、ATM、Frame Relay、etc... Slide: 37 インターネット構成法 2002 メディアを収容する機器内での影響 遅延や減衰、データの破損 メディアを交換・中継するスイッチによる影響 エンコード、デコード、その他の処理による影響 電気機器が持つノイズなどによる影響 Slide: 38 インターネット構成法 2002 遅延 RTT(Round Trip Time) パケットが帰ってくるまでの往復時間 ネットワーク機器と遅延 ハードウェア処理:遅延小 ソフトウェア処理:遅延大 ソフトウェア処理 ハードウェア処理 ソフトウェア処理 ハードウェア処理 ハードウェア処理 ハードウェア処理 Slide: 39 インターネット構成法 2002 様々な遅延を発生させる要因 アプリケーション層 アプリケーションの仕様 プレゼンテーション層 セッション層 トランスポート層 ネットワーク層 中間ネットワークの状態 データリンク層 物理層 WMTのトラフィックは、フラグメントされた パケットがたくさん流れる アプリケーションで余計な処理をする設 計になっていないか ルータのパケット処理性能は十分か データリンクそのものの遅延は十分か NICの処理性能は十分か 帯域は十分に広いか Slide: 40 インターネット構成法 2002 ルータのアーキテクチャ例 Routing Engine (Software) Switching Interface Routing Processor (Hardware) Routing Processor (Hardware) Network Interface Network Interface Slide: 41 インターネット構成法 2002 遅延の低減 Packet Forwarding処理のハードウェア化 ASIC(Application Specific Integrated Circuit) =特定用途向けIC Packet Forwardingや暗号化処理に特化 大量のパケットの高速処理が可能 L3スイッチ / 最近のルータの一部に搭載 λスイッチング 光の波長のままスイッチング IPを電子に変換するオーバーヘッドを回避 Slide: 42 インターネット構成法 2002 (1) 超高速フォトニックネットワーク技術 -その1 全体像- 現在の光通信 フォトニックネットワーク 通信網の中継点や分岐点等において、電 気信号に変換して処理。 通信網の端から端まで全てにおいて、情報 を電気を介さず光のままで伝送。 光信号 電気信号 光信号 超高速化 光信号 光ファイバ 光→電気変換 電気→光変換 電気的処理…半導体など電子デバイス内での電子の移動速度に 限界があるため、40Gbps程度が限界。 光処理…光速で伝送・処理を行うため、数Tbps以上も可能。 フォトニックネットワークの構成に必要な主要技術 (1)超高密度WDM(波長分割多重)技術 (2)超高速TDM(光時分割多重)技術 研究開発目標: 10Tbps級の 2005年までに 超高速インターネットを実現 (3)光ルータ技術 フォトニックネットワーク(Photonic network):端末から端末までの間の中継、増幅、交換、処理など全てのプロセスを光信号のままで行うネットワークで、全光化ネット ワークともいう。現在の光ファイバー通信が「光通信」と呼ばれてきたため、これとの混同を避けるため「フォトニックネットワーク」と呼ばれる。 WDM:Wavelength Division Multiplexing インターネット構成法 2002 Slide: 43 TDM:Time Division Multiplexing 7 (1) 超高速フォトニックネットワーク技術 -その2 超高速バックボーン技術- 現在の光通信 デジタル信号 10Gbps 1波長のみ 10Gbps/光ファイバ 011010 011010 光ファイバ (0、1のデジタル信号を光の点滅に変換) A.超高速TDM(時分割多重)通信 いくつものチャンネルの信号を、信号のパルス幅を極めて短くして1つの 波長に多重して送る。 B.超高密度WDM(波長分割多重)通信 いくつものチャンネルの信号を別々の波長に乗せて1本のファイバを通す。 10Gbps 光の波の重ね合わせ(合波) 10Gbps ch. 1 ch. 1 ch. 2 ch. 2 波長1 波長2 波長3 ch. 3 ch. 3 波長m 光ファイバ 16ch.を時分割多重すると、 160Gbpsを実現 ch. n n=16 10Gbps × n(=16)ch. = 160Gbps/波 さらに、64波を波長分割多重すると、 10Tbpsを実現 160Gbps/波 × 64波 = 10Tbps/光ファイバ 技術課題: 極短パルス発生技術、超高密度光キャリア発生技術 等 光の波の分解(分波) ch. m 1000波を波長分割多重すると 10Tbpsを実現 m=1000 10Gbps × 1000波 = 10Tbps/光ファイバ 技術課題: 超広帯域光増幅技術、可変波長変換アレー技術 等 Slide: 44 インターネット構成法 20028 (1) 超高速フォトニックネットワーク技術 -その3 超高速光ルータ技術- 現在のルータ (処理速度:数Gbps程度) 光→電気変換 電気→光変換 光ファイバ 経路1 データ 経路2 ヘッダー :IPパケット 電気スイッチ…電気信号で経路選択(低速) 光ルータ 光スイッチ 光ファイバ (例)極小ミラー式: 経路1 極小の鏡の位置を変化させ、光信号の 反射の向きを変えることにより制御を行う。 経路2 入力 出 力 光スイッチ…光信号のまま経路選択(高速) ① ② ③ ①’ ④ 極小ミラー この位置で反射 ②’ コイル ③’ 電圧OFF 2005年に10Tbpsを実現 電圧ON (鏡の位置が上昇 (鏡の位置が下降 して光を反射。) して光を透過。) ④’ (上から見た図) 極小ミラーの動作原理 (横から見た図) 技術課題: 極小ミラー制御技術、低損失化技術 等 Slide: 45 インターネット構成法 20029 伝送速度 参考資料2 伝送速度とは: 通信回線において、1秒当たりに送ることができるデジタル信号(0 又は1)の量。単位はビット/秒(bps)で、1秒間に0又は1の信号1個 を送る速度を1ビット/秒(bps)という。 伝送速度とダウンロード時間 アクセス系 バックボーン ギガビット級 テラビット級 ペタビット級 ネットワーク ネットワーク ネットワーク 回線 ISDN (電話回線) ADSL FTTH 伝送速度 64kbps 数10kbps~数Mbps (600kbpsで計算) 30Mbps (予想) 1Gbps 1Tbps 1Pbps 音楽(1曲) MP3(約5分) 約4.8Mbyte 約10分 約64秒 約1.28秒 - - - 音楽(アルバム) CD(約74分) 約680Mbyte 約23時間 約2時間半 約3分 約5.4秒 - - 映画(DVD) MPEG2(2時間) 約3.6Gbyte 約125時間 約13時間 約15分 約28.8秒 約0.03秒 - ハイビジョン 映像(1時間) 13Gbyte 約20日 約2日 約1時間 約105秒 約0.1秒 0.00001秒 (注) k(キロ)は1000倍(103)、M(メガ)は100万倍(106)、G(ギガ)は10億倍(109)、 T(テラ)は1兆倍(1012)、P(ペタ)は1000兆倍(1015) Slide: 46 インターネット構成法 200221 構成の悪いネットワークの例(1) 帯域が6Mbpsの衛星回線上でGbE Interfaceを 搭載した高性能なルータを導入したが、帯域幅が ボトルネックになった 無用に高価な衛星ルータを導入した分、コストパフォー マンスが低下した Slide: 47 インターネット構成法 2002 構成の悪いネットワークの例(2) データリンクの速度にルータのパケット処理性 能が追いつかない パケットを処理し切れず、パケロスや遅延が発生 マルチキャストのストリーミングサービスを行い たいが、スイッチがマルチキャストをハンドルで きず、ボトルネックになった 本当に行いたいサービスができない Slide: 48 インターネット構成法 2002 多様なメディアとインターネット (1/2) 中間ネットワークに多様なメディアが存在して も、インターネットは機能する 理由1:End-Endでエラー検出、パケット転送、 帯域制御を行っている(TCP) 0 1 2 3 4 6 7 8 9 2が足りない 2を再送 Slide: 50 インターネット構成法 2002 多様なメディアとインターネット(2/2) 理由2:アプリケーション自体が、回線品質が低 くてもある程度は動くように作られている ストリーミングサービス中にパケットロスが生じても、 映像が乱れたり音声が途切れる程度で済む 0 1 2 3 4 6 7 8 9 Slide: 51 インターネット構成法 2002 最近のインターネット 利用用途、アプリケーションが高い通信品質を求 めるようになってきた VoIP、ゲーム、動画会議 ⇔ Webやmailだけの世界 狭帯域、高遅延な通信路では、コミュニケーションが成 り立たない これからのインターネット 利用用途(アプリケーション)を前提に、通信品質を考慮 したネットワークをデザインしていく必要がある 伝送媒体の選択 通信機器の選択 トラフィックの予測 Slide: 52 インターネット構成法 2002 ネットワークの品質とアプリケーション (1/2) VoIP/テレビ会議 プロトコル: SIP, H.323, NOTASIP etc.. 利用帯域: 64kbpps~2Mbps 応答時間要求: 150ms以下 パケットロス: 低 遅延揺らぎ: 低 Slide: 53 インターネット構成法 2002 ネットワークの品質とアプリケーション (2/2) Webブラウジング プロトコル: http 利用帯域: 数百Kbps程度 応答時間要求: 500msでも大丈夫 パケットロス: 中 遅延揺らぎ: 中~高 Slide: 54 インターネット構成法 2002 バランスの問題 ネットワークを構築する際の要求事項 データリンクの性質 中間機器 使用するアプリケーションの仕様や、トラフィッ クの傾向 Slide: 55 インターネット構成法 2002
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