同志社大学 経済学部 平川 真優 論文テーマの説明 この論文では、完全失業率が何に影響されてい るのかを分析する。 なぜこのテーマを選んだのか 完全失業率は今、日本だけでなく世界の多くの 国でも問題となっている。完全失業率は社会情 勢と深く繋がっているので、完全失業率がどの ようなことに起因しているのか知ることは重要 であり、今回そのことについて調べてみたいと 思ったので。 被説明変数である完全失業率は、労働力人口に占め る完全失業者の割合(%)のこと。 完全失業率=完全失業者/労働力人口×100 ☆完全失業者:15歳以上で(1)現在仕事に就いていな い(2)仕事を探す活動をしている(3)仕事があればす ぐに就くことができる の3つを満たす者 ☆労働力人口:15歳以上の就業者と完全失業者の合 計 被説明変数に影響を与えると思われる変数を考え、 なぜ影響を与えると考えるのか、理由を次より 説明する。 説明変数は次の5つである。 1.非労働力の変化率 2.有効求人倍率(曲線の関係) 3.日経平均株価(曲線の関係) 4.民間最終消費支出 5.労働力人口 出典:「金融用語辞典」のHPより 非労働力とは、15歳以上の人口のうち、就業者と完 全失業者を除くもの。学生・家事従事者・高齢者・病 弱者などの働く意思を持たない者の合計をいう。 非労働力の変化率が完全失業率に与える影響に遅 れがあると思われるので、1期の遅れがあると考え (-1)とした。 非労働力の変化率が増えると完全失業率も増加する と考えられる。 その理由 完全失業率=完全失業者/労働力人口×100 有効求人倍率=有効求人数/有効求職者数 ☆有効求人数:求人を募集している企業からの 求人数 ☆有効求職者数:ハローワーク(公共職業安定 所)に登録している求職者数 有効求人倍率については、LOGをとっている。また、 有効求人倍率が完全失業率に与える影響に遅れが あると思われるので、1期の遅れと考え(-1)とした。 有効求人倍率が増加すれば完全失業率は減少す ると考えられる。 その理由 有効求人倍率が増加するということは社会で は人手が不足しているということになる。そ うすれば、仕事のない人は減るので、完全失 業率も減少するのではないかと考えられるた め。 市場における株式の時価のこと。株価は、市場での 需要と供給によって変動する。 日経平均株価については、LOGをとっている。また、 日経平均株価が完全失業率に与える影響に遅れが あると思われるので、1期の遅れがあると考え(-1) とした。 株価の変動によって、完全失業率に影響が与えられると 考えられる。 その理由 株価は市場での需要が増えれば上昇し、供給が 増えれば下がるとなっているが、需要は購買力 (お金があって実際に買うことができる)のこ となので、それだけ金銭的に余裕があるという ことは、働けなくてお金のない人は減り、完全失 業率は減少しているのではないかと考えられるた め。 家計による消費財への支払いのこと。消費ともいう。 民間最終消費支出が増加すれば、完全失業率は減 少すると考えられる。 その理由 消費が増えるということは働いて収入のある就 業者数も増加していると考えられるため、完全 失業率は減少すると思われるため。 労働力人口が増加すれば、完全失業率は減少すると 考えられる。 その理由 完全失業率は、 完全失業者/労働力人口×100 で求められるため、労働力人口が増加するとい うことは分母が大きくなるため、完全失業率は 減少すると考えられるため。 説明変数 C GR(-1) LKYUZINN(-1) LKABUKA(-1) SYOHI ZINKO RHO 推定係数 12.1394 0.952081 -0.55651 -0.35591 -4.54E-05 -6.95E-04 0.997793 p値 [.000] [.013] [.004] [.039] [.000] [.000] [.000] C:切片 GR(-1):非労働力の変化率 LKYUZINN(-1):有効求人倍率(曲線の関係) LKABUKA(-1):日経平均株価(曲線の関係) SYOHI:民間最終消費支出 ZINKO:労働力人口 RHO:ダービンワトソン値が1.6より小さくなった 原因である、抜けている説明変数の影響 推定結果によって、有意な説明変数であるか、有意でな い説明変数であるかを明らかにする。 この分析の結果によれば、完全失業率に影響を与えてい るのは ・非労働力の変化率 ・有効求人倍率(曲線の関係) ・日経平均株価(曲線の関係) ・民間最終消費支出 ・労働力人口 の5変数である。また、推定係数のプラス・マイナ スは予想通りの結果となった。 OPTIONS CRT; FREQ Q; SMPL 1980:1 2010:4; READ(FILE='失業2.csv') Y situgyo syohi gdp kabuka kawase kyuzinn hirodo zinko; GR=hirodo/hirodo(-1); Lkyuzinn=log(kyuzinn); Lkabuka=log(kabuka); AR1 situgyo C GR(-1) Lkyuzinn(-1) Lkabuka(-1) syohi zinko; END;
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