天体物理学 I : 授業の内容 天文学は天体からの光を研究する学問です。 そこでこの授業では、「光」をどう扱うかの基礎を学びます。 授業計画は、 A.水素原子 B.エネルギー準位 C.熱平衡 F.光のインテンシティ G.黒体輻射 H.等級 J.光の伝達式 I D.線吸収 E.連続吸収 I.色等級図 K.光の伝達式 II L.星のスペクトル という順で進めます。 最後まで行くと、星のスペクトルがどんな仕組みで決まっているかが判る、 というのが目標です。 AからEまでは光の吸収に関係する物理の話です。Fでは光の強さをきちん と定義します。GからIは光の強さを天文学でどう使うかを示します。JからLは 光がガス中を伝わる様子を式に表わし、その式を解いて星のスペクトルを導き ます。それでは、始めましょう。 K 輻射の方程式 (II) 今回の内容 (K.1) 線形大気 ソースファンクション S(τ)が S(τ) =aτ+b の時の大気を調べます。 (K.2) モーメント方程式 各点での輻射方程式に cosnθ をかけて全立体角で積分した式とは? (K.3) エディントン近似 (Eddington approximation) 無限に開いたモーメント方程式に K=J/3 という関係を仮定して強引に 閉じさせてしまう近似です。 (K.4) Rossland mean opacity κR ただ全波長で平均した吸収係数はあまり使えないのです。役に立つのは調 和平均です。それはなぜ。 (K.5) 恒星大気のエディントンモデル 線形大気の方程式にエディントン近似を組み合わせると、色々な星のスペク トルを作り出す事が出来ます。 (K.6) 温室効果 地球の大気を星の大気として扱うと、温暖化に何が効いているか判ります。 授業の内容は下のHPに掲載されます。 http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/kisohp/STAFF/nakada/intro-j.html 2 K.1.線形大気 半径Rの星を考えます。その星の厚みHの大気を考えます。左の図のように星が 球形なので、大気の構造も全体としては球殻状です。しかし、H/R<<1なので、 右の図のように大気構造の曲率は無視できます。 大気構造の曲率を無視できる時、大気は水平な層構造と考えて構いません。 H R そのように、平らな層が重なっている 大気を水平大気と呼ぶことにしましょ う。 下の図を見て下さい。Y,Z軸は星の大気の表面に乗っています。そして、X軸は星 の内側(下側)方向が正の方向としています。X=0が表面です。 水平大気では密度、温度などの物理量 A(X,Y,Z) が高さ ( というより深さ X ) のみの関数 A(X)であると仮定します。 (1) マイナスX軸方向(上向き)の輻射強度 I に対する方程式は、 dI/dx= k I-ε Iλ (μ=1,τλ=0) τλ=0 Y Z τλ X Iλ (μ=1,τλ) (2) 次に、X軸に角度 θ を成す直線 (μ=cosθ) に沿って、輻射方程式を考え ましょう。直線に沿っての長さを t とすると、(1)と同じく dI/dt= κI-ε となります。図を見ると分かるようにdt と X軸に沿っての深さdXとの関係 は、dt=dx/μ なので、書き直して μdI(μ,x)/dx=I(μ,x)κ(x)-ε(x) Iλ (μ,τλ=0) 垂直に進む (1) が 上の式の μ=1 の場 合に相当することは言 うまでもありません。 以降、Iλ 、 κλ等を I、κ と省略します。 τλ=0 X τλ t θ Iλ (μ,τλ) x 形式解 μdI (μ,X)/dX=I (μ,x) k(x)-ε(x) を書き直し、 μdI (μ,X )/[ k(X) dX]=I (μ,X) -[ε(X)/k(X) ] dτ= k dX とおきます。 S =ε(X)/ k(X) は源泉関数 (Source Function)、 τは大気表面から真下に向かって測った光学的深さです。ですから、 光線に沿っての光学的深さではないことに注意して下さい。すると、 μdI ( μ, τ)/ dτ=I ( μ, τ) -S (τ) I ( μ<0 , τ=0) = 0 τ=0 この方程式は、もしS (τ) が与えられ ていれば解くことができます。解は光 線が 上向きの場合( μ>0 ) と (表面) μ>0 下向きの場合( μ<0 )とで ちょっと違います。 τ それは、大気では表面、つまりτ=0 で下向きの輻射がゼロという境界条件 があるからです。 μ<0 μ>0 の時: A点での輻射強度は t=0 μ>0 I( τ, μ ) = ∫∞τ S(t) exp[-(t-τ)/μ] dt/μ = eτ/μ ∫∞τ S ( t ) e-t/μ dt/μ この式で光学的深さτ, t は表面に対し垂 直に測っています。右の図では点Aの光学的 深さはτ、点Bの光学的深さはtです。B からAへの経路は傾いているのでその間 の光学的深さは(t-τ)/μになります。 A τ τBA= (t-τ)/μ t B B点ではそこでの源泉関数 (Source Function) S(t) で光が生まれています。その光はA 点に達するまでに exp[-(t-τ)/μ ] に減光 されて I (τ,μ ) に寄与するというのが積分式 S(t) exp[-(t-τ)/μ] dt/μ の意味です。 S(t) μ<0 の時: A点での輻射強度は I(τ,μ)= = -∫τ 0S I(τ=0, μ<0) =0 ( t, λ) exp[ (τ-t)/μ ] dt/μ -eτ/μ ∫τ 0 S( t, λ) e-t/μ dt /μ t=0 S(t) t =∫τ0 S(t,λ) e-[ (τ-t) / (-μ) ] dt / (-μ) μ<0 の場合、 I (τ,μ ) に寄与するのは、 τより浅い点 t 、つまりτ>t です。ソース ファンクションS(t) で生まれた光が exp[-(t-τ )/( - μ )] = exp[ (t-τ)/μ ] に減光されて 寄与することはμ>0 の場合 と同じです。 t=0 の表面で外から星の表面に降り注ぐ 輻射はゼロと仮定しているので、積分区間 は t=0 から τ までの間です。 B (t-τ)/μ τ A 表面からの輻射強度 表面から角度θで出る輻射Iの解は下のように与えられます。 I(τ=0 、μ) = (1/μ)∫∞0 S(τ) exp(-τ/μ) dτ 上式を見ると、星の表面から放出される光は表面で生まれたものではなく、 星の内部、様々な深さで生まれた S(τ) の光が表面までの光学的深さτ/μ に応じて exp(-τ/μ) の減光を受けながら表面に辿りつき、宇宙空間に 放射されていくことが判ります。 S1 exp(-τ1 /μ) S exp(-τ /μ) 2 2 S3 exp(-τ3 /μ) τ1 S1 τ2 S2 τ3 S3 I(τ=0 、μ) = S1 exp(-τ1 /μ) dτ/ μ + S2 exp(-τ2 /μ) dτ/ μ + τ3 /μ S3 exp(-τ3 /μ) dτ/ μ + ... S(τλ)=一定のスラブ表面からの輻射強度 簡単な例として、S(τλ)=S=一定(0 <τ<τo) の板を考えます。 板を垂直に見た時の光学的深さが τo です。 板の表面での I (τ=0 , μ) を計算すると、 I (τ=0 , μ) = (1/μ)∫τo0 S exp ( -τ/μ) dτ = S [ 1-exp (-τo /μ) ] 右図から放射方向θによる変化を 見てとって下さい。 自己吸収のあるスラブの表面輝度 τo=0.1 τo=0.5 τo=1 τo=2 1 θ 0.8 0.6 Ⅰ/S I(τ=0 , μ) 0.4 0.2 τo S(τ) 0 0 30 θ(° ) 60 90 線形解のフラックス 星の大気では内部に向かって高温になっていきます。ですから、ソースファンク ション一定より、τの増加関数にする方が現実にマッチします。そこで、 S(τ)= a + bτ という形を仮定して、表面からの輻射強度を調べましょう。すると、 I ( τ=0 , μ>0 ) = (1/μ) ∫∞0 S (t) exp(‐t / μ) dt =(1/μ) ∫∞0 (a+bt ) exp (-t / μ ) dt = (1/μ) [ a ∫∞0 exp (‐t /μ) dt + b ∫∞0 t exp(‐t /μ) dt ] = a+ b μ = S ( τ = μ ) I ( τ=0 , μ<0 ) = 0 つまり、 I ( τ=0 , μ>0 ) は 光線が来る方向に τ= 1分伸ばした点 のS ( τ = μ )です。 τ=0 τ=μ τ=1 θ では、そのように方向により大きさが異なる輻射強度全体のフラックス F はどうなる でしょうか? フラックスFの計算式は 「F: 輻射強度」 でやったように、 F=∫ I(θ) cos θ dΩ=∫ I(θ) cosθ sinθdφdθ = 2π∫01 I(μ)μdμ です。 dΩ 星 表 面 θ K.2. モーメント方程式 ソースファンクションS(τ)が判れば星の表面での輻射強度もフラックスも計算 できることは、ここまでに示した通りです。ですから、問題はS(τ)を決めること です。これは、簡単には解けません。 そのため、様々な工夫が凝らされてきました。ここではモーメントを使う方法を 紹介します。 普通、輻射は軸対称で、 I (x,θ,φ)= I ( x,θ) です。 μ=cosθとし、N次モメント MN というものを以下のよ うに定義します。 n MN(x, λ)=(1/4π)∫(cosθ)N I (θ, x) dΩ θ =(1/4π) ∫∫ (cosθ)N I (θ, x) (sinθ) dφdθ =(1/2)∫μN I (μ, x)dμ 0次モーメント M0(x,λ)= (1/4π)∫I (μ, x, λ) dΩ = (1/2)∫I (μ, x, λ) dμ = J (x,λ)= 平均輻射強度 (mean intensity) φ Ω 1次モーメント M1(x,λ)= (1/4π)∫cosθI (θ,x,λ) dΩ = (1/2)∫μI (μ, x,λ) dμ = H(x,λ) エネルギーフラックス F(n, x ,λ) =∫ cosθ I (θ,x,λ) dΩ= 4πH ( x, λ) 2次モーメント M2(x,λ)=(1/4π)∫ (cosθ)2I(cosθ, x,λ) dΩ = (1/2)∫μ2 I(μ, x,λ)dμ =K (x,λ) I (μ,τ =0) 光圧力 P(ν) = (4π/c) K(ν) τλ=0 dI ( , ) I ( , ) S ( ) d λ (表面) 斜め方向の輻射方程式 X軸に沿って光学的深さτを定め ます。μ方向の光線に沿っては、 以前にやったように λ θ t X τ Iλ (μ,τλ) μdI/dτ=I-S ( i ) 両辺をdΩ/4πで積分する。(0次モーメント) ∫[μdI/dτ]dΩ/4π=∫IdΩ/4π- ∫SdΩ/4π = d[∫μIdΩ/4π]/dτ dHλ/dτλ= Jλ – Sλ (ii) 両辺にμをかけてdΩ/4πで積分(1次モーメント) d[∫μ2IdΩ/4π]/dτ =∫μIdΩ/4π-∫μSdΩ/4π ∫1-1μdμ=0 に注意すると、 dK λ/dτλ= Hλ K.3. エディントン近似 (Eddington approximation) μdI/dτ=I-S をΩで積分してモーメント方程式に変えます。 × ∫dΩ/4π : × ∫μdΩ/4π : dH J S d dK H d I(X,μ)に対する方程式では変数が2種類(波長まで入れると3種類)あ って大変でしたが、J(X),H(X),K(X)なら解けそうな気がしてきます。 しかし、上の式を見るとJ(X),H(X),K(X)で3つの変数を求めなけれ ばいけないのに、式の数は2つです。このように、 式の数<変数の数 のような場合、もう一つ式がないと解が求まらないのです。 この系列はμ2 μ3 と上げても閉じません。 モーメント方程式をどこかでむりやり閉じないと解けません。 エディントン近似 1 K J 3 エディントン近似が正確に成り立つ例 (i) 完全等方輻射 I(Ω)=Ioの場合 J=Io, K=(1/2)∫1-1 Io μ2 dμ= Io / 3 = J / 3 (ii) I(τ,λ,μ)=Io(λ)+I1(λ)μ Jλ=(1/2)∫1-1I dμ=(1/2)∫1-1(Io+I1μ)dμ=Io(λ) Hλ=(1/2)∫1-1Iμdμ=(1/2)∫1-1(Io+I1μ)μdμ=(1/3)I1(λ) Kλ=(1/2)∫1-1Iμ2dμ=(1/2)∫1-1(Io+I1μ)μ2dμ=(1/3)Io(λ) θ (iii) I(τ,λ,μ)= I+ (λ) μ>0 = I‐(λ) μ<0 I+ J=(I+ + I‐)/2 I‐ H=[I+ /2 – I‐/2]/2=(I+ – I‐)/4 K=[I+ /3+ I‐ /3]/2=J/3 4H エディントン近似モデル(iii) τ=0 Io 4Ho 4Ho 4Ho K.4.Rossland mean opacity κR 今やっていること モーメントやらエディントン近似やらいろいろ出てきて、何のためにこんな事を、 と思い始めてきた頃でしょう。今いる場所を整理しましょう。 出発点 元々、出発点の式は輻射の方程式です。 1 dI x, , I x, , S x, dx 光学的深さを、 dτλ=κλdX で定義すると、下式が解きたい式なのです。 dI x, , I x, , S x, d 角度θを消す しかし、これでは難し過ぎるので、まずモメントを取って角度θを消しました。 こうして J(X,λ)、 H(X,λ), K(X,λ) のモーメント方程式になりました。 1 dH J S dx 1 dK H dx この系は変数J,H,Kの数3が方程式の数2より多いので困ります。そこで、 1 エディントン近似 K x, J x, 3 という仮定を立てて、変数の数と方程式の数を3つずつにしました。 角度θを消す 次に減らしたいのが波長λです。前と同じ考え方だと、モーメント方程 式を波長で積分することになります。今いるのはこの地点です。 波長積分 I. 1 dH J S dx dH はκλを両辺にかけて J S J dx d dH ( x) H d J d E ( x) としてからλで積分を掛け、 dx dx モーメント方程式の一つ、 この式は、E(x) = 深さ x での光吸収 ∫κλ Jλdλと放出∫ελdλとの差、 がフラックスの増加になることを示しています。 波長積分 II. モーメント方程式の一つ、 1 dK x, H x, dx の中の K(X, λ) は、 エディントン近似により、 (1/3) J(X, λ) に置き換えら れます。局所熱平衡の近似を追加して、J(X, λ)= Bλ[T(X)] (プランク関数) とすると、 λで積分すると、 の辺は直接積分でき、 1 dB T x H x, 3 dx 1 dB T ( x) 3 dx d H x, d H x, dx H ( x) 左辺はもう少し変形が必要です。 となります。 dB T ( x) dB T dT に着目すると、 dx dT dx 1 dB T dT 1 dB T ( x) dx d dT d dx となりますから、 1 dB T d dT 1 dB T R dT d で定義される平均吸収係数、ロスランド平均吸収κR を導入します。 κRを使うと、 1 dB T dT 1 dB T ( x) 1 dB T dT 1 dB(T ) 3 dx d 3 dT d dx 3 R dT d dx 3 R dx ( ここに、B(T)=∫Bλ)(T)dλ ちょっと変ですが、方程式系の形を整えるため、B(T)から K(x) に戻し、 1 dK( x) H ( x) R dx 改めて整理すると、モーメント方程式の一つ 1 dK x, H x, を積分し、 dx 1 dB T ( x) 3 dx d H x, d この式にロスランド平均吸収 (Rossland mean opacity) を導入して、 1 dBT ( x) H x ( ここに、B(T)=∫Bλ(T)dλ ) 3 R dx ちょっと変ですが、方程式系の形を整えるため、B(T)から K(x) に戻し、 1 dK( x) H ( x) R dx というわけです。 以上で平らな大気に対するモーメント方程式は、エディントン近似と局所熱平 衡の仮定の下で、平均輻射強度 J(x), 総フラックスH(x), 2次モーメント、 K(x)に関する次の3つの方程式にまとめられました。 dH ( x) 1 dK ( x) 1 E ( x)、 H ( x)、 K ( x) J ( x) dx R dx 3 κRの意味 F Fi 1 dBi x dT 1 dBi x 4 dB dT 4 4 i dx dx i dT R dT dx κRに効くのは、κiが小さい所とΔBiが大きい所でκiが大きい所は効かない。 F∝∑ΔBi /κi=ΔB /κR Bi Fi ∝ΔBi(T) /κi Bi+ΔBi K.5. 恒星大気のエディントンモデル エディントン大気の解 K.4.で出した平らな層状構造に対する輻射の式を恒星大気の場合につい て解いてみましょう。 恒星大気では核反応は起きていないので E=0 です。従って dH ( x) 1 dK ( x) 1 E ( x)、 H ( x)、 K ( x) J ( x) dx R dx 3 の左式から、 H (x) = Ho ( = 一定) となります。 次に、 ロスランド平均光学的深さ τR を dτR = κR dx で定義すると、 dK ( x) 第2式は、 H0 d R となるので、K(τR ) = Ho・ τR +C と簡単に解けます。Cは積分定数です。 すると、第3式から、J (τR ) = 3Ho・ τR +3C です。 さらに、局所熱平衡の仮定、J(x)=S(x)=B[T(x)]から、 S( τR ) = 3Ho・ τR +3C、 B[T(x)] = 3Ho・ τR +3C です。 積分定数 C の決定 ここで、「K.1.線形モデル」最後の問題を思い出して下さい。S(τ)=aτ+ b の時、表面からの放射フラックス F は、F=πS(τ=2/3) でしたから、 F=π[3Ho・ (2/3) +3C] = π(2Ho+3C) 一方、フラックスFは一次モーメントHとの関係は、 F=4πHo です。この二つから C=(2/3)Ho と決まります。 温度分布 「G.3.黒体輻射のその他の性質」で全輻射強度 B(T)=(σ/π)T4 と学 びました。前ページの B(T) の式と合わせると、温度 T と光学的深さ τR の関係が判ります。 (σ/π)T4 == 3Ho・ τR +3C です。 温度分布 「G.3.黒体輻射のその他の性質」で全輻射強度 B(T)=(σ/π)T4 と学 びました。前ページの B(T) の式と合わせると、温度 T と光学的深さ τR の関係が判ります。 (σ/π)T4 == 3Ho・ τR +3C 積分定数 C の決定 ここで、「K.1.線形モデル」最後の問題を思い出して下さい。S(τ)=aτ+ b の時、表面からの放射フラックス F は、F=πS(τ=2/3)= でした。 一方、モーメントの定義のところでやったように、フラックスFは一次モーメントHと F=4πH という関係があります。 K(τR ) = Ho・ τR +C と簡単に解けます。Cは積分定数です。 すると、第3式から、J (τR ) = 3Ho・ τR +3C です。 さらに、局所熱平衡の仮定、J(x)=S(x)=B[T(x)]から、 S( τR ) = 3Ho・ τR +3C、 B[T(x)] = 3Ho・ τR +3C です。 ここまでの結果は、エディントン近似モデルの (iii) I(τ)= I+ (τ) μ>0 = I‐ (τ) でも考えられるます。 μ<0 H(τ)=Ho=一定=(I+ – I‐)/4 K(τ)=τHo+ C=(I+ + I‐)/6 を解いて、 I+ (τ) =2H(τ)+3K(τ)=2 Ho +3(τHo+ C) I‐(τ)=3(τHo+ C)- 2 Ho 仮定 : 表面τ=0で、I=Io (μ>0) =0 (μ<0) とすると、C=(2/3)Ho , Io=4Ho H(τ)=Ho=一定 K(τ) = τHo+ (2/3)Ho =Ho (τ+ 2/3) で、前ページと同じになります。 有効温度 Te エディントンモデルに入るパラメターはHoだけです。 パラメターHoを温度で表現する為、F= 4πHo =σTe 4 で 有効温度 Te を導入します。すると、 Ho=σTe 4/4π J(τ)=S(τ)=B(τ)=(3σTe 4/4π) (τ+2/3)=(σ/π)T4 (τ) 3 2 T ( ) 4 Te4 4 3 表面(τ=0)温度 To はTeよりやや低く、 To4 = (1/2)Te4、 (To=0.84Te) また、 T(τ=2/3)=Te ここにも、τ=2/3 が現れています。 J,H,Kのτによる変化 温度Tのτによる変化 4H 1.5 J 3H K Te To 2H H H 0 2/3 1 2 3 0 τ 2/3 1 2 3 τ 表面 K.6.地球大気の温室効果 地球表面の温度は基本的には、 太陽輻射による熱流入(主に可視域)=地表からの熱放射(主に赤外域) で決まります。 F(λ) 太陽 可視 F 地球 λ 赤外 σTg4 地表 この時の熱平衡の式は、地表温度=Tgとおくと、F(太陽)=σTg4 です。 F(太陽)=Fo 地球の表面が太陽から浴びる平均のフラックスはいくつになるでしょう? To=太陽有効温度=5780K、 Ro=太陽半径、 D=1AU=215Ro とします。すると、 F=σTo4(Ro/D)2 : 地球軌道での太陽フラックス 地球の吸収断面積はΣ=π・Re2 なので、地球の吸収輻射 P =Σ・F これを地球の全表面積 S=4・π・Re2 で平均すると、 地表での平均太陽フラックス Fo=P/S=(1/4)F= (1/4)σTo4(Ro/D)2 F 断面積=Σ 表面積= S To 地表の反射率を可視光Bとします。すると地表への熱流入は(1-B)・Fo です。 前ページに与えられた数値を入れると、 σTg4 =(1-B)Fo=(1-B) (1/4)σTo4(Ro/D)2 Tg =(1-B) 1/4 (Ro/2D)1/2 To となります。これが、真空中にむき出しにさらされた場合の地球表面温度です。 上の第1式左辺に(1-B)が掛かっていないことに注意して下さい。これは地表 からの放射は赤外域で起きていて、そこでの反射率をゼロと仮定していることを 意味します。 実際に数値を入れて計算すると下の表のようになります。 B 0 0.3 0.5 0.7 0.9 Tg 279 255 234 206 156 氷河期 この表を見ると、反射率Bが上がると地表温度Tgが低下することがはっきりと 判ります。これは、氷河期のメカニズムの基本です。 氷が増えると、反射率が増加し、すると温度が下がってさらに氷が増えという サイクルが回り出すと地球が氷河に覆われるようになることが上の表には含 まれているのです。 温室効果 (1)単層モデル ここまで地球大気の効果を無視してきました。大気にはどんな効果があるので しょう?そこで、次のような仮定をおきます。 1)大気は一様な温度Ta を持つ。 2)太陽光は可視、地上からは赤外のみ放射 3)大気は可視で透明、赤外は不透明で黒体 4)可視太陽光の地表反射率=B 定常状態で、雲と太陽の間、雲と地球の間の輻射のやり取りを考えると、下の 図のようになります。図中のσ=ステファン・ボルツマン定数です。 太陽 Fo BFo Fo=σTa4 +BFo σTa4 大気 Ta σTa4 大地 Tg σTg4 Fo+ σTa4 = σTg4 +BFo 1)前ページの図を参考にして、太陽と雲の間を流れる輻射のつり合い、雲と 地表の間を流れる輻射のつり合いの二つの式を立てて下さい。 2) 太陽のフラックスFoと地表反射率Aとが与えられたとして、 Ta と Tg をFoとAを使って求めて下さい。 下に示す二つは「大気なし」と「あり」とでの輻射の勘定です。 大気なし 赤外 可視 地球外 Fo B・Fo (1- B)・Fo 地表 Tg 大気あり 赤外 可視 地球外 Fo B・Fo (1- B)・Fo 大気 Ta 地表 Tg 2(1- B)・Fo (1- B)・Fo これまでの結果をまとめると、 大気なし Tg= (1-B) 1/4 (Ro/2D)1/2 To 大気あり Ta= (1-B) 1/4 (Ro/2D)1/2 To Tg=21/4 (1-B) 1/4 (Ro/2D)1/2 To 大気なし B 0 0.3 0.5 0.7 0.9 Tg 279 255 234 206 156 B 0 0.3 0.5 0.7 0.9 Ta 279 255 234 206 156 Tg 332 303 278 245 186 大気あり 大気なしでは反射ゼロでやっと0°Cを上まわる温度だったのが、大気ありにな ると反射率50%以下なら0°Cを上まわることが判ります。 温室効果 (2)エディントン大気モデル 大気は赤外では不透明で、温度勾配を持ちます。そこで、平面大気中を地 表から大気表面へ向け F = (1-A)Fo の赤外フラックスが流れると考えます。 大気表面 Fo=太陽の可視フラックス τ=0 BFo=反射。 (1-B)Fo=地表で吸収。 - エディントン近似では、大気温度は大気 表面から地表にかけて上昇し、ロスラン ド平均光学深さτR=2/3 での温度T2/3 が単層モデルの大気温度Taと等しい。 T2/3 = Ta =To(Ro/D)1/2 (1-B) 1/4 τ=2/3 地表面 τ=τG 可視 赤外 地球大気の特異性は、後に示すように大気の上端から地表までのロスランド平 均光学的深さτRGが2/3より小さいことです。このため大気温度がTeまで達する ことは起きないのです。 そこで、通常のエディントン大気モデルを次のように変更します。 1: 地表までの大気温度分布はエディントン大気モデルを採用 大気上端温度=To 3 T T0 1 R 2 4 4 地表温度=TG TG 4 とすると、 3 G T0 1 R 2 4 2: 地表までの光学的深さτλGは波長による。 τλG>2/3 ならば Fλはτλ=2/3、すなわちτR=(2/3)(τRG/τλG) の深さを見る。その深さでの温度 T は、 G G 3 2 3 2 4 4 4 4 R R T T0 1 R T0 1 G T0 1 G 3 2 2 3 τλG<2/3 だと 地表(T=TG)が直接見えてしまう。 大気上端 地表 2 3 G 2 3 2 3 G 2 3 To G TG G の時 2 になる筈の場所 3 1 G 4 2 R F B T B T 1 0 3 G TG G の時 F B T R R G B 2 大気から地表までの光学的厚みτλG 波長(μ) l og τ λ G 1 - 1 .2 7 1 .5 - 0 .1 8 2 - 0 .7 2 2 .5 0 .9 1 5 3 0 .3 6 9 3 .5 -1 4 - 1 .5 4 4 .5 1 .0 7 8 5 0 .2 0 5 5 .5 1 .7 3 4 6 3 .0 9 9 6 .5 2 .8 4 2 7 2 .4 2 1 7 .5 1 .2 4 2 8 0 .3 5 8 8 .5 - 0 .4 4 9 - 0 .7 4 波長(μ) l og τ λ G 9 .5 2 .5 4 7 1 0 0 .1 0 5 1 0 .5 - 1 .2 8 1 1 - 1 .3 3 1 1 .5 - 1 .1 6 1 2 - 1 .0 3 1 2 .5 - 0 .7 4 13 - 0 .4 1 3 .5 0 .3 5 8 1 4 1 .2 4 2 1 4 .5 2 .7 1 6 1 5 3 .6 8 4 1 5 .5 2 .6 3 2 1 6 1 .2 8 4 1 6 .5 1 .0 3 2 1 7 0 .8 2 1 1 7 .5 0 .7 3 7 波長(μ) 18 1 8 .5 19 1 9 .5 20 2 0 .5 21 2 1 .5 22 2 2 .5 23 2 3 .5 24 2 4 .5 25 l og τ λ G 0 .6 9 5 0 .6 9 5 0 .7 3 7 0 .8 6 3 0 .9 4 7 1 .0 7 4 1 .1 5 8 1 .2 8 4 1 .4 5 3 1 .5 7 9 1 .6 6 3 1 .8 3 2 1 .9 5 8 2 .0 8 4 2 .2 1 1 大気吸収の近似式 大気吸収を取り扱い易くするために前々ページのグラフから、 吸収=水蒸気連続吸収+水蒸気バンド吸収+炭酸ガスバンド吸収 と考え、以下のように近似します。 水蒸気連続吸収 1 ( )=1040.24 ( m ) 1[ ( m ) 2.5 ]2 水蒸気近赤外吸収 2 ( ) 10 3 0.9[ ( m ) 6 ]2 水蒸気6 mバンド吸収 3 ( ) 10 CO210 mバンド吸収 4 ( ) 102.7 3.2[ ( m )9.5] CO215 mバンド吸収 3.8 2.5[ ( m ) 15 ]2 CO216 mバンド吸収 大気全吸収 2 5 ( ) 10 2 0.35[ ( m ) 15.5 ]2 6 ( ) 10 1 ( ) 2 ( ) 3 ( ) 4 ( ) 5 ( ) 6 ( ) G 次ページの上図は前と同じ大気の光学的深さの測定値で、下図は上の近似式 をグラフにしたものです。バンドの形等細かいところでの違いはありますが、今後 はこの近似式で話を進めます。 大気上端から地上までの光学的深さτ( λ) H2O 4 3 log τ(λ) 2 CO2 CO2 H2O 1 0 -1 -2 0 5 10 λ(μm) 15 20 大気光学的深さτ(λ) モデル1:CO2標準 モデル2:CO2倍 25 CO2標準 CO2*1.5 4 3 l og τ 2 1 0 -1 -2 0 5 10 15 λ 20 25 ロスランド平均光学的深さ τR ロスランド平均の定義は、 1 dB T d 1 dT dB T R d dT 大気のκλは温度T の関数ですが、温度依存を無視すると、大気表面から地表まで の平均光学深さ τR=∫ κR ρdx は上と同じ形、 1 dB T d dT 1 dB T R dT d ch2 1 B 5 ch exp 1 kT dB ch2 X exp X 5 dT exp X 12 T なので で計算できます。 ch 14388 X kT ( m)T ( K ) となります。 とおき、 簡単に前頁の積分を、下式のような和で置き換え、T=280Kて計算すると、 X i exp X i 2 5 exp X 1 T 1 i i i X i exp X i R i 5 exp X 12 T i 1 R 0.359 大気上端の温度として(ちょっと高いが)To=260Kを採用します。 すると、 1 3 4 TG 1 0.359 260 289.6 K 2 8 F B T 3.74210 m5 G G 1 14388.3 exp 1 mT (K) W / m 2 の時 3 R T T0 1 G 2 の時 3 T TG G 2 / m 1 4 大気輻射スペクトル CO 正常 黒体(TG) 黒体(To) 15 20 30 F λ (W/m 2 /μm」 25 20 15 10 5 0 0 5 10 25 λ(μm) 吸収の強い波長帯では T=To (大気上端)の黒体輻射 吸収の弱い波長帯では T=TG(地表)の黒体輻射が卓越します。 炭酸ガス増加の影響 大気中CO2が地表温度を上げる効果を持つとよく言われます。そのメカニズム をエディントンモデルを使って調べてみましょう。 CO2を2倍にしたときの大気光学的深さを下に示します。 炭酸ガス増加により、10、15μm付近の吸収バンドが強くなります。他は水 蒸気が卓越するので変化ありません。 大気光学的深さτ(λ) モデル1:CO2標準 モデル2:CO2倍 CO2標準 CO2*2 4 3 log τ 2 1 0 -1 -2 0 5 10 λ 15 20 25 新しいτでロスランド平均光学的深さを計算すると、 X i exp X i 2 5 1 i i i exp X 1 T X i exp X i R i 5 exp X 12 T i 1 To=260K、τR=0.393なので、 R 0.393 1 3 4 TG 1 0.393 260 292.0 K 2 CO2が現在値ではTG=289.6Kだったから、2.4Kの温度上昇に相当します。 注意しておくと、炭酸ガスバンドのピーク波長付近ではもともとτが深いのでτRの増 加に寄与しません。寄与が大きいのは炭酸ガス増加前はτが小さかったバンドの縁 のあたりなのです。 つまり、炭酸ガスの増加により以前は透明だった吸収バンドの縁(ウイングと呼ばれ ます)が不透明になり、大気の平均光学的深さが大きくなることが炭酸ガスによる温 暖効果の強化メカニズムです。 グラフを見ると分かるように、ロスランド平均光学的深さには水蒸気吸収も大きな役 割を果たしています。したがって、現在はそれ程問題にされていませんが、地球の乾 燥化も地球温暖化に影響があるはずです。 大気輻射スペクトル CO 正常 黒体(TG) 黒体(To) CO 2倍 30 F λ (W/m 2 /μm」 25 20 15 10 5 0 0 5 10 15 λ(μm) 20 25 赤線スペクトルが炭酸ガスを倍に増やした時のものです。それを元と比べると、 F(λ)が A:変わらない、B:増加、C:減少の3パターンあります。 その簡単な解釈を下にしめします。 A: CO増加前に既にτ(λ)>1だった波長はどちらにせよToを見るのでF(λ)不変 B: CO増加前に既にτ(λ)<<1だったCOバンドがかぶらない波長は上昇したTGを 見るのでF(λ)増加 C: COバンドのウイング部分で弱い吸収を受け、2/3<τ(λ)<1、大気の下部を見て いた波長ではCO吸収が強くなると、大気の上部を見るようになり、温度が低下 してF(λ)が減少する。 リム・ダークニング ( limb darkening )と表面輻射強度 I(θ) θ α0 α 1 天体表面で輻射強度が鉛直方向からの角度θにより、 I(cosθ)で表されるとする。I(cosθ)は星の表面輝度分 布F(α)に反映される。 上の図で sin 0 逆に、F(α)が求まったら、 2 なので、 2 F ( ) I (cos ) I 1 0 I (cos ) F ( ) F 0 1 cos 2 ところで、表面輝度分布I(cosθ)は源泉関数S(τ)と関係している。 仮に、S(τ)=a+b・τ+c・τ2+...と展開されたとすると、 1 I (cos ) S ( )e cos d cos 0 1 2 ( a b c ...)e cos d cos 0 a e dx b cos xe dx c (cos ) 0 x x θ 2 0 0 x 2 e x dx ... a b cos 2 c (cos ) 2 (1 2 3) d (cos )3 ... ここでも逆に I(cosθ) からS(τ)を以下のように求め られるます。 I(cosθ)=A+B・cosθ+C・cos2θ+... τ S(τ) なら、 S(τ)=A+B・τ+(C/2)・τ2+(D/6)・τ3+... 3 恒星大気内でLTEが成立していると、源泉関数S(τ )=B(T, ν) ν から、τνの深さでの温度が決まります。 結局、星の表面の輝度分布がある波長(周波数)で決まると、大気内の温度変 化がその波長での光学的深さの関数T(τν)として求まることが判ります。 4 前頁の変換をグラフで示すと下図の T(τν)を逆に表現すると、ある周 波数(波長)での光学的深さτνが 温度Tの関数τν(T)として ようになります。 I(α) I(θ) 表されます。 このプロセスを二つの波長λ1と λ2で繰り返して、τ1(T)と τ2(T)を得ます。 5 0 これは、同じ温度Tの地点までの 1 0 1 光学的深さが波長によって異な cosθ るためです。したがって、各波 長での吸収係数をk1、k2とする と、 1 sinθ k1 1 T k2 2 T では、そのように方向により大きさが異なる輻射強度全体のフラックス F はどうなる でしょうか?Fの計算式は、 F=∫ I(θ) cos θ dΩ=∫ I(θ) cosθ sinθdφdθ = 2π∫01 I(μ)μdμ Fλ=∫μIλ(μ,τ=0)dΩ= 2π∫10μ( aλ+ bλμ)dμ=2π(aλ/2 +bλ/3) Source Function Sλ (τ)=aλ+bλτ だったから、 Fλ=π[aλ+(2/3)bλ]=πSλ(τ=2/3) です。 温度Tの黒体表面からのフラックスがπBλ(T),ここにBλ(T)は輻射強度、 だったことを考えると、線形大気では、τλ=2/3の深さの所を見て いると言えます。 I(τ=0) τλ=0 a τλ=μ=cosθ S(τ=2/3) τλ=1 S 0 1/3 2/3 1 a+b a+bμ では、そのように方向により大きさが異なる輻射強度全体のフラックス F はどうなる でしょうか? フラックスFの計算式は 「F: 輻射強度」 でやったように、 F=∫ I(θ) cos θ dΩ=∫ I(θ) cosθ sinθdφdθ = 2π∫01 I(μ)μdμ です。 前ページで求めた、 I(μ)= a+ b μ を上式に代入します。 すると、 dΩ F= 2π∫01 I(μ)μdμ θ 1 = 2π ∫0 (a + bμ)μdμ 星 =2 π[(1/2)aμ2+(1/3)bμ3] 01 表 =2 π[(1/2)aμ2+(1/3)b] 面 = π[a+b(2/3)] すなわち、 F=πS[τ=(2/3)] 源泉関数 S が線形、S=a + b τ の場合には、表面からのフラックスは表面が 輻射強度 I=S[τ=(2/3)]で等方的に放射している時と同じです。 言い方を変えると、星からのフラックスは星の表面からの光ではなく、 τ=(2/3) の所からの光を見ているとも考えられます。 1)前ページの図を参考にして、太陽と雲の間を流れる輻射のつり合い、雲と 地表の間を流れる輻射のつり合いの二つの式を立てて下さい。 2) 太陽のフラックスFoと地表反射率Bとが与えられたとして、 Ta と Tg をFoとBを使って求めて下さい。 1) Fo=σTa4 +B・Fo Fo+ σTa4 = σTg4 +BFo 2) 2式を辺々足して、 2式を辺々引いて、 したがって、 2Fo+ σTa4 = σTa4 +2・B・Fo+ σTg4 σTa4 = ーσTa4 +σTg4 σTg4 = 2・(1-B)Fo σTa4 =(1/2)σTg4 = (1-B)Fo
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