会計業務と情報システム

会計業務のシステム化
情報システム化の効果と
これまでの経緯
会計業務の情報システム化
基本的な仕組みは手書きの会計と同じ
取引 : 仕訳の形式で把握される
元帳 : 勘定科目毎に取引情報を管理する中核
新しい仕組みが考え出されたわけではない
手書きの会計の機能をそのままソフトウェアに持ち込
み、情報処理技術の進歩と情報ニーズの高度化にあわ
せて徐々に発展してきた
法規(会社法、税法)が手書きの仕組みを前提としていた
帳簿作成順序
情報システムを使用しない場合
仕訳帳
元帳
試算表
財務諸表
(貸借対照表
損益計算書等)
業績評価
会計報告
情報システムの利用による変化
帳簿、報告書の関係が並列的になる
仕訳帳
元帳
取引データ
会計情報システム
試算表
財務諸表
業績評価会計報告
正確性を検証する機能が入力に集中する
処理コストが固定費化する
情報システム化による効果
事務的な作業の合理化
連続的な事務作業 - 省力効果大
事務的なミスの排除
遠隔地の会計処理の統合化
決算作業の期間の短縮
迅速な仮決算
多様なメディアの利用
提供する情報の多様化・双方向化
会計情報システム発展の経緯
独立した会計専用システム
仕訳入力
会計
報告書
会計情報
システム
情報検索
マスタフ
ァイル
元帳
試算表
財務諸表
会計情報システム発展の経緯
自動仕訳と見せかけの業務統合システム
販売情報
システム
購買情報
システム
自動仕訳
受入確認
自動仕訳
確認
レポート
自動仕訳
仕訳入力
会計情報
システム
会計報告書
マスタ
ファイル
情報検索
自動仕訳による業務統合の問題
統一性のないアプリケーションシステムの
集合を前提とすると :
従来の会計の枠組みを越えたデータの取り込み
に対し、例外的にしか対応できない
自動仕訳データ生成機能の標準化が困難となる
アプリケーション間の関係が複雑化する
リアルタイム化の障害となる
新たな情報ニーズに対し、硬直的になりやすい
見せかけの業務統合システム
システム間関係の例
現預金管理
システム
手形管理
システム
売掛金管理
システム
経費管理
システム
一般会計
システム
買掛金未払金
管理システム
給与計算
システム
固定資産管理
システム
原価計算
システム
統合された会計情報システム
帳簿管理システム
財務会計システム
取引入力
取引入力
システム
検証用
ファイル
業績評価会計システム
キャッシュマネジメントシス
テム
取引
ファイル
取引(要約)ファ
イル
他アプリケーション
企業外部より
インターフェ
イス入力シス
テム
仮払立替経費管理
システム
検証用ファ
イル
売掛金管理システム
統合された会計情報システムのイメージ
機密保護機能
外部からのアクセスに対する防御
利用者、ターミナルごとにアクセス権限を
細かく管理
ネットワーク上の物理的な格納場所は問わない
アプリケーション・ソフトウェアの利用
取引入力システム
帳簿管理システム
財務会計システム
業績評価会計システム
仮払立替経費管理システム
など
統合された会計情報システム
特徴
取引データについて業務の壁が取り払われている
企業の業務全体の最適化を追求する
人為的に区切られた業務の最適化
この講義の対象
新しい会計情報システムの要件
常に最新の情報を把握できる
企業を越えたネットワーク化に対応できる
帳簿の電子化に対応できる
電子開示制度に対応できる
情報の付加価値を高める
環境の変化に柔軟に対応できる
業務と情報処理作業の一体化を促進する
エンドユーザー・コンピューティングの要請に応え
ることができる
業務改革と会計情報システム
厳しい経営環境
情報システムの構築が業務改革の一環
まず業務改革計画を先行させる
改革後の企業全体のプロセスと組織を前提として情
報ニーズを洗い出す必要
会計情報システムの対象領域と備えるべき機能を明
確にする
ERPと会計情報システム
ERP(Enterprise Resource Planning)シス
テム
企業全体の業務を統合したアプリケーションシ
ステム
市販の(パッケージ化された)ソフトウェアを指
すことが多い
会計情報システムも包含されている
導入方法を誤らなければ、業務改革の武器に
ユーザーからみたERP
(Enterprise Resource Planning)
企業全体の業務を統合したアプリケーション
システム
ERPに業務改革後のインフラストラクチャー
を期待している
内包された「ビジネスの手本」
業務の基本に忠実なソフトウェアの構造
柔軟に変更が可能な入出力
提供する側のコンサルティング能力が鍵