物理化学 3章 3.2 FUT 原 道寛 名列__ 氏名_______ 3章 気体の性質一自由な粒子- 3.1気体の諸法則 3.2 気体分子の運動論 • マックスエルのボルツマン分布 • 拡散と流失 3.3 実在気体 3.2 気体分子の運動論 前節で述べてきた気体の諸法則 A C B D • 気体の体積,圧力,温度そして物質量を観測 • →導きだされてきたもの E 気体は多数の構成粒子の集団 F • その構成粒子の力学的性質=気体の諸性質 G • 気体分子運動論(kinetic theory of gases) 気体分子運動論 理想気体に対する仮定に基づく A B 1)気体は絶えず,無秩序に運動する質量mの粒子の集団。 C 2)その粒子は体積をもたず, D 質点(質量を持った幾何学的な点)とみなせる。 E 3)粒子は衝突以外には互いに相互作用せず, F 無秩序な運動を続ける。 G H 4)粒子同士,および粒子と壁の衝突はすべて弾性的。 J つまり,衝突後の全並進運動エネルギーは衝突前と等しい。 I 気体分子運動論 B A • 粒子である分子と容器の壁との衝突に よって説明。 C • 分子の衝突はきわめて頻繁に起こる 気体の圧力 • 一定の圧力。 D E • 分子が壁と衝突するときに及ぼす力 F • →その力が壁の単位面積当りでどの程 圧力を計算 度かを見積もればよい。 気体分子運動論 圧力を計算 分子が壁と衝突するときに及ぼす力 A ニュートンの第二法則によれば, B “粒子の運動量の単位時間当りの変化量=分子に働く力” C D =壁に働く力ということ E ただし,単位時間として分子と壁との衝突が起こる F 平均時間 間隔 よりは十分に長い時間。 実際に,計算を!! • 半径rの球状の容器の中に分子がN個あると して解いていってみよう(図3・4)。 A B 計算 • ある1個の分子iが速度ci A – 並進運動(translational motion) B – 壁に衝突するときの入射角θ=反射角∂ – 二つの道すじを含む面は球の中心を通る。 – そしてこの衝突での,球面に直角な方向の運動 量の変化Δp C 計算 A • 次の衝突までに分子が動く距離=2rcosθ B • 二つの衝突の時間は C • 分子iが壁に及ぼす力は, D 計算 • 気体が壁に及ぼす圧力p 2で A – すべての分子についての力を壁の面積4πr 割ったものになるから B • ここで,Ⅴ=4πr3/3球の体積。 計算 ここで A 平均二乗速度= 次の式になる B • 分子数Nは,物質量mとアボガドロ定数Lを用 いてN=nLで表すことができる C 計算 分子1個の質量mにアボガドロ定数をかけたものは, A その分子のモル質量M mだから, 理想気体の圧力と体積の関係はこの式により正確に再現 右辺のMmC2 は分子の持つ運動エネルギーの2倍となる B C →弾性的な衝突では運動エネルギーが保存 D pv=一定となり,ボイルの法則に等しい。 計算 A • pv=nRTと比較すれば, B • C2の平方根を根平均二乗速度(root mean square velocity)とよび,Crmsと表せば C 計算 この結果から, A 分子の根平均二乗速度は温度の平方根に比例 する B モル質量の平方根に反比例する たとえば, C • 分子量が2の水素と32の酸素では,水素の方が4倍速く動きま わっている「予測」 右:代表的な分子の 根平均二乗速度 を示した A 重い分子は軽い分 子よりも平均とし て遅く運動 B B C A 分子運動:L アボガドロ定数、 m 質量,c 速度, Mmモル質量,R 気体定数 D E 1分子当りの並進運動エネルギーの平均をε 1 molの全平均運動エネルギーをE * すなわち F である。ここで,k=R/Lはボルツマン定数(Boltzmannconstant)とよばれる。 F 分子の平均の並進運動エネルギー G H 絶 対温度に比例⇒温度が高くなればなるほど,分子が激しく運動 I =速さが大きくなる マックスウェル-ボルツマン分布 分子の速度の平均 A ⇒気体中の分子の速さにはある分布がある。 その分布は温度によって変化する B =1860年Maxwellによって示された。 系内にN個の分子が存在するとき, C D 速さcとc+dcとの間の速さを持つ分子数の全分子数に対する割合 dN/N E マックスウェルの速度分布則(Maxwell’s law of velocity F distribution) or マックスウェルーボルツマンの速度分布則 マックスウェル-ボルツマン分布 酸素分子:表される分布 温度が上昇すれば B A →根平均二乗速度が大きくなる+速さの分布も広がる(図3・6(a))。 C また,分布曲線の最大に相当する速さ=最大確率速度(most probable velocity)cm D (3-18)式⇒cm =(2RT/Mm)1/2:必ず根平均二乗速度よりも小さくなる。 同様に,平均速度もc=(8RT/πM)1/2 拡散と流失 A 拡散 (diffusion) • 2種の気体を同じ容器にいれると,拡がっ B て自発的に混ざる現象。(図3・7(a)) • 気体中だけでなく液体中でも起こる。 C D 流出 (effusion) E • 非常に小さな穴を通って気体が逃げ出す。 (図3・7(b)) 拡散と流失 A Graham • 気体の流出する速さを実験的に観測し,法則を たてた。 グラハムの法則 (Graham‘s law) • 気体の流出および拡散の速さは,同一の温度, 圧力のもとでモル質量の平方根に反比例する。 B したがって, • 2種類の気体(AとB)の流出および拡散の速さ C • 一方の速さを他方の速さで割って比較できる。 すなわち、 D • MA,MBはそれぞれ気体AとBのモル質量である。 拡散と流失 頻度 A • 分子の運動する速さ B • 根平均二乗速度に比例 • 分子のモル質量の平方根に反比例 C したがって, D • 流出の速さは,分子のモル質量の平方根に反比例 • =グラハムの法則と同じものとなる。 E 拡散の速さ F • 根平均二乗速度に比例する G • ⇒分子のモル質量の平方根に反比例 第3章_2 小テスト3-2 名列番号__氏名______ 採点者___番 気体分子運動論について述べよ。 (1文字 0.1pt:10pt)
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