§5. 司法権と違憲立法審査 2007年6月19・26日 社会科学部 憲法 §4.司法権と違憲立法審査 1.立憲主義と違憲立法審査 2.違憲立法審査の型 3.司法権の観念 4.司法権の限界 5.司法消極主義と司法積極主義 §4.司法権と違憲立法審査 1.立憲主義と違憲立法審査 権力分立→国家機関相互のチェック&バランス …権力濫用を防止するために 違憲立法審査権 →立法府に対する憲法の直接的な効力を確保する手段 - 「憲法の第一次的解釈・執行権=立法府」を克服 - 民主主義に対する立憲主義的制約 …議会=多数(?)の専制に対する少数者の保護 →基本的人権を実質的に確保する方策 §4.司法権と違憲立法審査 2.違憲立法審査の型 憲法裁判の型 - 通常裁判所型…事件性の要件…アメリカ、etc. - 憲法裁判所型…抽象的規範統制を含む…独、仏 etc. 違憲審査制の性格 (日本で抽象的規範統制手続を作ったら違憲か?) - 付随的審査制説 - 独立審査権説…A: 法定手続を必要 …B: 法定手続がなくとも可能 §4.司法権と違憲立法審査 3.司法権の観念 司法権=具体的な争訟について、法を適用し、宣言する ことによって、 これを裁定する国家の作用 争訟手続→民事訴訟、刑事訴訟、行政訴訟、 家事審判、etc. 法律上の争訟=事件性の要件 …具体的事件性を欠く場合 例: 警察予備隊訴訟(最判S.27.10.8) …例外: 民衆訴訟 例: 公職選挙法 203条、地方自治法 242条の2 ⇒抽象的規範統制に近い性格の裁判 §4.司法権と違憲立法審査 3.司法権の観念 司法権の帰属→裁判所 (最高裁判所の系列に属さない 特別裁判所の禁止) 裁判官の独立→他の国家機関に対する独立 →裁判所内での独立 but: 平賀書簡問題/最高裁の人事権 限界:分限裁判(裁判官分限法) …高裁5人法廷、最高裁大法廷 …「政治的行為」による戒告(vgl. 寺西事件) §4.司法権と違憲立法審査 4.司法権の限界 事件性、原告適格、訴えの利益 …警察予備隊違憲訴訟(1952-10-8) …長沼ナイキ訴訟…①73-9, ②76-8, 上告審82-9 統治行為?(苫米地事件…60.6.8/砂川事件…59.12.16) …高度の政治性、∴法的な判断になじまない …自制説/内在的制約説 …but: 憲法上の任務の不履行、法治主義に対する違反 部分社会論(団体内部事項)? …地方議会/大学/政党/宗教団体 §4.司法権と違憲立法審査 5.司法消極主義と司法積極主義 憲法判断回避の原則? v. 憲法判断先行説 - 憲法判断回避の原則 →付随的審査制の帰結として、事件を解決する のに必要な場合にのみ、憲法判断 恵庭事件…1審(67-3) - 憲法判断先行説=法令の適用はその合憲性を 前提にしている 違憲審査の基準…合憲性の推定と二重の基準 「合憲判断積極主義」? §4.司法権と違憲立法審査 5.司法消極主義と司法積極主義 違憲審査と民主制(再び) 違憲審査制度の目的 →人権保障の確保 →憲法保障 合憲性の推定 / 違憲性の推定 合憲性の推定を覆す理由としての - 議会制民主主義における代表の「歪み」 - 議会制民主主義を歪める立法上の措置
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