NIRA型ベンチマーク・モデル

1
NIRA型BMモデルの適用方法と課題
 NIRA型BMモデル研究の経緯
 NIRA型BMモデルとは…狙い・構成・性格
 NIRA型BM原案の検証:熟度と改善点
 NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 NIRA型BM改善案の適用方法と課題
2
NIRA型BMモデル研究の経緯
 都市自治体への行政評価導入は進んだが……
 各市独自評価のためベスト・プラクティスが求め難い。
 市民にとって親しみ難い評価体系になりがち。
 研究の経緯
 NIRA自主研究:01年5月~03年5月:4都市5分野15事業
「ベンチマーキング手法の地方自治体への導入」
(資料1:『NIRA政策研究』03年10月号:山本論文)
 助 成 研 究 : 03 年 5 月 ~ 04 年 9 月 :8 都 市 5 分 野 15 事 業
「NIRA型ベンチマーク・モデルを活用した政策評価システム
お よ び 行 政 改 善 へ の 提 案 に 関 す る 研 究 」
(資料2 :『NIRA政策研究』05年4月号:熊倉)
 委託研究:04年12月~05年6月:16都市4分野24事業2年
「都市行政評価フォーラム構築のためのデータ整備」
3
NIRA型BMモデルとは…狙い・構成・性格
 狙い
 都市自治体向け業績評価型BM
 コスト情報の重視
 参加・協働型BMの原型
 構成
 基本指標(説明指標、施策を取り巻く状況や体制を数値化)
 結果指標(都市自治体のサービス供給量などを単位化)
 成果指標(可能な限り市民側からのサービス需要量を把握)
 コスト指標(単位化して比較)
 基本性格
 都市の総合的な基本検診
 都市自治体経営をめぐる市民・行政の「共通言語」
4
NIRA型BM原案の検証:熟度と改善点
 「誰もが安心して健やかに暮らせる社会の構築」分野
事務・事業
熟度
評価・改善点など
介護保険制度の
適正な運用
高
要介護・要支援認定率とコストとの間には強い相関。
特別会計に対する一般会計繰出率の目安が得られた。
健康診査の推進
中
コスト要因見つけられず。
要精検者の判断は都市によりばらばら、
子供の健康診査の
推進
中
同上
高齢者の健康づくり・
社会参加の推進
低
健康づくりプログラム・社会参加プログラムの定義不明確。
事業主体が錯綜していることも指標化を難しくしている。
保育サービスの充実
中
公立保育園の児童受入率とコストの間には強い相関。
延長保育の利用率の関心は薄い。待機率を成果指標に。
(新規提案)
保育サービスを参考に「学童保育サービス」指標群を提案
5
NIRA型BM原案の検証:熟度と改善点
 「市民文化の充実」分野
事務・事業
熟度
評価・改善点など
図書館サービスの
充実
中
1館あたり平均サービス人口と入館者1人あたり事業費は
有意性の高い指標。図書館の実態に合わせ再設計。
身近なスポーツ活動
の振興
中
施設整備率と利用者率の間には強い相関。
コスト改善、利用者率向上の道筋も得られた。
芸術鑑賞機会の充実
低
市民は「鑑賞機会」以上に「参加・学習機会」を求めている
ことから、指標群を分解。1つを「文化会館」事業に。
(新規提案)
もう1つを「美術館等」事業に(芸術文化活動学習機会の
充実)。
(新規提案)
図書館、文化会館、美術館等に対応させて「公民館」事業
を新たな評価対象に。
(新規提案)
市民文化・生涯学習・生涯スポーツを支える基盤としての
「学校教育環境の充実」を評価対象に。
6
NIRA型BM原案の検証:熟度と改善点
 「快適な生活環境の確保」「安全で安心な暮らしの確保」分野
事務・事業
熟度
評価・改善点など
ごみの減量・
リサイクルの推進
高
環境省一般廃棄物処理実態調査に明確な数値。市民1
人あたりのごみ排出・処理・リサイクル量は高い有意性。
水環境への
環境負荷の低減
低
公共下水道に偏った指標群となっていたため再設計。
コスト把握も想定以上に難しかった。
消防体制の強化
低
施策の趣旨から施策名を「市民防災体制の強化」に。
有意性の高い目安や指標間関係見出せず。
救命救助体制の充実
高
市民1000人あたりの救急車出動回数、救急車平均到達
時間に目安。救急車1台あたり市域面積は重要な指標。
(新規提案)
都市の快適で安全な環境の基盤として交通と土地利用を
見る指標として「都市交通基盤整備」指標群を提案。
(新規提案)
環境創造に貢献する産業の育成・振興を見る指標として
「環境に配慮した産業振興の充実」指標群を提案。
7
NIRA型BM原案の検証:熟度と改善点
 「市民と行政のパートナーシップの確立」分野
事務・事業
熟度
評価・改善点など
情報公開の推進
中
情報公開の中から「開示」だけを焦点化。「情報開示の推
進」として整理。ただし、有意な目安やコスト要因は不明。
デジタル情報化の
推進
低
情報公開の中の「公表・提供」に焦点化を変更。
広報発行コストには目安が得られた。
対人サービスの向上
中
住民票発行から「税関系を除く諸証明」に対象を拡大。住
民票等諸証明交付コストは目安になる数値が得られた。
(新規提案)
市民と行政のパートナーシップの確立の趣旨から「男女共
同参画社会の形成」指標群を提案。
(新規提案)
「男女共同参画社会の形成」を参考に「国際化への対応」
指標群を提案。
(新規提案)
「男女共同参画社会の形成」を参考に「市民活動の育成・
支援」指標群を提案。
8
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 介護保険対象者1人当りコス
ト(特別会計ベース)が適正か
が課題となるが、分析ツール
となるのは1人当りコストと要
介護・要支援認定率の相関。
 理論直線から離れて高いコス
トが出ている場合は固有課題。
 理論直線に沿っている場合
は要介護・要支援認定率を下
げられないかが課題に(自立
後継者を増やす政策)。
 一般会計からの繰出率にも
目安が見られ、構造的な改革
着手の道筋が見える。
グラフ3-1-3 介護保険対象者1人あたりコスト
(特別会計ベース:円)
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
A市 B市 C市 D市 E市 F市 G市 H市 Ⅰ市 J市 K市
グラフ3-1-2 要介護・要支援認定率と
介護保険対象者1人あたりコスト(特別会計ベース)の相関
120000
介護保険対象者1人あたりコスト(特
別会計ベース)
 介護保険制度の適正な
運用BM活用例
100000
80000
60000
40000
20000
0
-20000
0
2
4
要介護・要支援認定率(%)
6
8
9
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 待 機 率ゼ ロ (保 育の 実施率
100%)を政策目標に。
 保育料控除後園児1人当りコ
ストと公立保育園児童受入率
との相関を用いてコスト課題
が一般解タイプかを判定。
 現状コストが高くても一般解タ
イプなら、民間保育園の育
成・支援が解決策として浮上。
 理論直線から離れてコストが
高い場合、運営そのものの無
駄がないか、過剰投資がない
か、保育料は適正かを、類似
団体等に学ぶことが必要。
グラフ3-5-1 公立保育園児童受入率(%)
120.0
100.0
80.0
60.0
40.0
20.0
0.0
A市 B市 C市 D市 E市 F市 G市 H市 I市 J市 K市 L市
グラフ3-5-3 公立保育園児童受入率と
受益者負担控除後園児1人あたりコストの相関(一般)
2000000
受益者負担控除後
園児1人あたりコスト(円)
 保育サービスの充実BM
活用例
1500000
1000000
500000
0
0
20
40
60
-500000
公立保育園児童受入率(%)
80
100
10
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
3-6-3 利用者1人あたり事業費
 図書館サービスの充実BM活用
1000000
900000
例
総事業費(千円)
800000
 利用者(入館者)1人当りコスト
は予想以上に平準化が進ん
700000
600000
500000
400000
300000
200000
100000
でおり、優位性の高いBM。
0
0
200000 400000 600000 800000 100000 120000
0
0
利用者(入館者)総数(人)
 サービスの質を検討する方法
としては、図書館1館当り平均
グラフ3-6-1 図書館1館あたりサービス人口
350,000
サービス人口、職員ないし司
300,000
250,000
利用者1人あたり年間図書貸
(人)
書1人当り平均サービス人口、
200,000
150,000
100,000
出数、市民1人当り蔵書・ソフ
ト数などが有効な指標となる。
50,000
0
A市
B市
C市
D市
E市
F市
G市
H市
I市
J市
K市
L市
11
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 利用者1人当りコストは平準
化が進んでおり、600円程度
グ ル ー プ と 1,400 円 程 度 グ
ループに分かれる。この違い
は設置・運営の単位の違い。
 目安から離れて高い場合、利
用者率が低い、市主催事業
割合が高いなどの要因が考
えられる。
 7%程度が目安となることが
判明した市主催事業割合は、
市民との協働の度合いを示
すBMでもある。
グラフ3-8-2 利用者1人あたりコスト
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
A市
B市
C市
D市
E市
G市
グラフ3-8-1 市主催事業割合
5000
4500
4000
市主催事業数
 公民館活動の充実BM
活用例
3500
3000
2500
2000
1500
1000
500
0
0
10000
20000 30000 40000 50000
全事業数
60000 70000
H市
12
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 市民1人当り救急コストはほ
ぼ平準化されており、救急車
の平均到達時間をベストプラ
クティスの対象とした方が市
民のニーズに合う。
グラフ3-14-2 救急車平均到達時間
120000
到着までの所要年間総時間(分)
 救命救助体制の充実BM
活用例
100000
80000
60000
40000
20000
0
0
 目安は5分台。
10000
救急車出動回数
15000
20000
グラフ3-14-3 到達時間と救急車1台あたり面積の相関
9
8
7
平均到達時間
 救急車1台当りがカバーする
平均面積は平均到達時間を
決定する主要因の一つであ
ることも分かったが、それを足
がかりに、救急車の増車、適
正配置という施策改善を理論
的に導くことが可能。
5000
6
5
4
3
2
1
0
0
20
40
60
1台あたり面積
80
100
13
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 ごみの減量・リサイクルの
推進BM活用例
グラフ3-11-6 市民1人あたりごみ処理総コスト
10000000
9000000
総事業費(千円)
8000000
 市民1人当りごみ処理総コス
トは平準化が進んでいるが、
ごみ総排出量とも処理量とも
リサイクル量とも収集民間委
託量とも有意な相関みられず。
 市民1人1日当りごみ排出量
と事業系ごみ割合、総排出・
焼却・再生利用・最終処分の
一覧、リサイクル構成などは、
ベストプラクティスを求める上
で有効性の高い指標と見ら
れる。
7000000
6000000
5000000
4000000
3000000
2000000
1000000
0
0
100000
200000 300000
総人口(人)
400000
500000
グラフ3-11-3 市民1人1日ごみ処理量
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
200
0
A市
B市
ごみ総排出量
C市
D市
直接焼却量
E市
F市
G市
H市
リサイクル量合計
I市
J市
K市
最終処分量
L市
14
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
 平準化が進んでいる交付1件
当り交付コストが理論直線か
ら外れて高い場合、1窓口当
り平均サービス人口や平均
交付待ち時間などを参照して、
コスト高要因を見出し改善し
ていくことがのぞまれる。
 今回は平均交付待ち時間は
一次データとして提供された
が、計測できれば、施策改善
のいっそうの方向付けができ
ると見られる。
窓口全業務コスト(住民票等諸証明発
行業務、千円)
 諸証明交付サービスの向
上BM活用例
グラフ3-17-5 住民票等諸証明1件あたり交付コスト
1400000
1200000
1000000
800000
600000
400000
200000
0
0
200000 400000 600000 800000 1000000
窓口全業務処理数(住民票等諸証明発行業務)
グラフ3-17-1 1窓口あたり平均人口
70,000
60,000
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
A市 B市 C市 D市 E市 F市 G市 H市 I市 J市 K市 L市
15
NIRA型BMを活用した行政改善提案方法
100000
市広報発行コスト(千円)
 広報1部当り発行コストは平
準化が進んでいるが、市民1
人当りコストとのクロスチェッ
クを行うことで、広報事業の
有効性とコスト・パフォーマン
スを評価し改善する方向を見
出すことができる。(世帯での
評価がより有効か)
 ホームページ・サービスは急
速に一般化しており、今後の
成熟が待たれる。とくに、市民
からのアクセスという明確な
成果指標が提示できるところ
に高い優位性が感じられる。
120000
80000
60000
40000
20000
0
0
500
1000
1500
2000
市広報総発行部数(千部)
2500
グラフ3-16-2 市民1人あたり広報発行コスト
180000
160000
市広報発行コスト(千円)
 情報公表・提供の推進
BM活用例
グラフ3-16-1 広報1部あたり発行コスト(E市を除いたケース)
140000
120000
100000
80000
60000
40000
20000
0
0
100000
200000
300000
総人口
400000
500000
16
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 健康増進 (1)成人健康診査サービス
定義
40歳以上を対象として実施している無料ないし低額の基本健康診査
基本指標
対象者率(40歳以上人口÷総人口)
対象者に占める国保加入者率(40歳以上の国保加入者数÷40歳以上人口)
結果指標
受診者率(受診者数÷対象者数)
成果指標
要精検者率(要精検者数÷受診者数)
コスト指標 受診者1人当り基本検診コスト(基本検診関係総事業費÷受診者数)
経年変化
少子高齢化の傾向を受けて対象者率・受診者率とも上昇傾向
1人あたりコストは上がったところも下がったところあり、開きも大きい
課題等
社保加入者の中には人間ドック等を受診することで基本検診をパスする者
も少なくない。そこで「40歳以上の国保加入者数」を基礎データとすることで
「受診者率」の有意性を高めたい。つまり「受診者率」が低くても「加入者率」も
低ければ、市民は社保によって健康診査を受けている可能性が高く、その市
における国保と社保等との役割分担の現状を見ることができる。
基本検診以外の検診も多く、付記いただくことが価値ある情報となる。
要精検者の定義は各市それぞれで、今後定義を絞り込む必要がある。
17
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 健康増進 (2) 乳幼児健康診査サービス
定義
1歳半・3歳児を対象として実施している無料ないし低額の乳幼児健康診査
基本指標
対象者率( 1歳半・3歳児の人口÷総人口)
結果指標
受診者率(受診者数÷対象者数)
成果指標
要精検者率(要精検者数÷受診者数)
コスト指標 受診者1人あたり乳幼児健診コスト
( 1歳半・3歳児対象の乳幼児健康診査総事業費÷受診者数)
経年変化
少子高齢化を受け対象者率は下がってきている。
受診者率90%未満の都市は減ってきている。
課題等
評価対象事業を「1歳半・3歳児対象の無料ないし低額の乳幼児健康診査」
に限定するとともに、各市とも多様な乳幼児健診を行っている現状を踏まえ、
それ以外の検診内容を付記いただくことが、情報の価値を高める。
要精検者の定義は各市それぞれで、今後定義を絞り込む必要がある。
受胎時からの健康管理が重要なことから、「妊婦健康診査」を「乳幼児等健
康診査事業」の一環としている都市も増えてきている。今後の課題として、
「妊婦健康診査」と「乳幼児基本検診」とを組み合わせた評価が求められる。
18
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 子育て支援(1)保育サービス
定義
保育園事業
基本指標
要保育児童率〔(要保育児童数=入所該当申請済児童数)÷総人口
結果指標
公立保育園児童受入率(公立保育園児童受入率÷総保育児童数)
保育の実施率(総保育児童数÷要保育児童数)
成果指標
待機率(待機児童数÷総保育児童数)
延長保育の利用率(延長保育利用月平均児童数÷総保育児童数)
コスト指標 園児1人あたり保育コスト(保育運営関係総事業費÷総保育児童数)
受益者負担控除後園児1人あたり保育コスト
〔 (保育運営関係総事業費-保育料)÷総保育児童数〕
経年変化
園児1人当りコストは全般的に下がり気味。待機率も低下している都市が多
いが、中には待機率が上がっている都市もみられる。
課題等
公立保育園児童受入率は市事業の結果なので結果指標がふさわしいと見
られる。延長保育の利用率は市民側の判断なので成果指標と位置づけたい。
待機率の母数は総保育児童数なので、保育の実施率の補数にはならない。
実施率と待機率の関係をどうみるかは課題だが、待機率ゼロを目標としたい。
19
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 子育て支援(2)学童保育サービス
定義
放課後児童健全育成事業と呼ばれる学童保育サービス
基本指標
施設の開設率(学童保育施設数÷小学校数)
指導員の年間研修回数
結果指標
1施設あたりの保育学童数(保育学童数÷学童保育施設数)
1施設あたりの指導員数(指導員数÷学童保育施設数)
成果指標
学童保育利用率(保育学童数÷学童保育対象年齢学童数)
指導員1人あたりの保育学童数(保育学童数÷指導者数)
コスト指標 1施設あたり行政コスト・保育学童1人あたり行政コスト
保育学童1人あたり保護者負担(保育料)
保護者負担率(保護者の年間総負担額÷学童保育運営関係総事業費)
経年変化
施設の開設率、利用者率とも上昇傾向にあり、保育学童1人あたり行政コス
トは減少気味である。1施設あたりの行政コストの変化は様々。
課題等
学童保育は市民側の動きに対して市助成が行われる形が一般なので、上
記の形としたが、学童保育対象年齢が各市様々な様子を反映させるには、基
本指標に「対象年齢」を書き込んでおく必要があるか。
20
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 高齢者支援(1)高齢者の健康づくり・社会参加促進
定義
健康づくりプログラム・社会参加プログラムを通した高齢者の自立支援
基本指標
高齢化率
結果指標
高齢者の健康づくりプログラム参加者率
高齢者の社会参加プログラム参加者率
高齢者の自立支援プログラム参加者率(両プログラム参加者の合算率)
成果指標
自立高齢者率{ (高齢者数-要介護・要支援認定高齢者)÷高齢者数 }
コスト指標 参加者1人あたり自立支援プログラムコスト
自立高齢者1人あたり自立支援プログラムコスト
経年変化
自立高齢者率の維持は介護保険コストの低減に繋がるため期待されるが、
高齢化率上昇→要介護・要支援認定率上昇→自立高齢者率低下の趨勢。
課題等
健康づくり・社会参加の両プログラムが各市で一定せず、また意識されてい
ない場合も多く、さらに複数部局にわたる場合もあり、対象事業をどのように
把握するかに各市が困惑しているのが現状。そこで、全体を包括した「自立
支援プログラム」という概念を作ったが、対象事業の定義づけを実態に合わ
せて都市自治体間の意見交換などで固めていく必要がある。
21
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 高齢者支援(2)高齢者介護サービス
定義
介護保険事業
基本指標
高齢化率
結果指標
要介護・要支援認定率(要介護・要支援認定者数÷介護保険被保険者数)
居宅介護率(在宅介護者数÷要介護・要支援認定者数)
施設介護者数(施設入所介護者数÷要介護・要支援認定者数)
成果指標
居宅介護サービス給付率(居宅介護サービス給付費÷総介護給付費)
施設介護サービス給付率(施設介護サービス給付率÷総会後給付費)
コスト指標 介護保険対象者1人あたりコスト
特別会計ベース・一般会計繰出金ベース
一般会計繰出率(一般会計繰出金÷特別会計決算額)
経年変化
全体傾向として、要介護・要支援認定率上昇→1人あたりコスト上昇。
居宅介護と施設介護の比率は都市様々で、変化も一様ではない。
課題等
形式的には熟度が高く適切なBMと見られるが、コストが上昇してきた場合、
要介護・要支援認定率を抑える以外のベスト・プラクティス手法をどう確立し
ていくかが大きな課題と言える。
22
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 教育・スポーツ基盤整備(1)市立学校の教育環境整備
定義
市立の学校に限定しての教育環境整備
基本指標
市民に占める学校種別生徒数割合(幼・小・中・高・大・他)
結果指標
学校種別生徒1人あたり用地面積・施設面積
成果指標
市予算で賄われている教職員1人あたり学校種別生徒数
コスト指標 学校種別教育環境整備コスト(市民1人あたり、生徒1人あたり)
経年変化
今回導入提案した指標群で、詳細な分析はできていない。
課題等
市の事業に焦点を当てる目的から、「市予算で賄われている」という形で
データ提供を依頼したが、困惑をもたらしたと思われる。「全教職員数」と「そ
のうち、市予算で賄われている教職員数」とし、事例(教員、公務員、事務職、
栄養士、給食技師、学校司書等)を説明しておくことがのぞましいと見られる。
内実の付記もベストプラクティスを求める上では価値ある情報となろう。
「教育環境整備費」は決算書レベルの総事業費とし人件費、維持・管理費
を含むとするのがよいと見られる。ただセンター方式の給食事業の事業費を
学校種別に分けられるかどうか、学校教育充当分の教育委員会事務費をど
う位置づけるか。大きな建設費どう位置づけるかなど。今後の検討課題は多
い
23
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 教育・スポーツ基盤整備(2)スポーツ施設管理運営事業
定義
市立のスポーツ施設の管理・運営状況と
基本指標
市民1人あたり公園緑地面積
市民10,000人あたり社会体育団体数
結果指標
市民1人あたりスポーツ施設整備面積
成果指標
スポーツ施設利用者率
コスト指標 利用者1人あたりスポーツ施設管理運営コスト
利用者1人あたり受益者負担総額(利用料総額)
利用者負担割合(利用料総額÷スポーツ施設管理運営事業費)
経年変化
一定の傾向は見られない。
課題等
社会体育団体数から市民10,000人あたりが適切な単位と見られる。
スポーツ施設の性格から、当初「スポーツ施設床面積あたり利用者数」を成
果指標としたが、それぞれの都市が持つスポーツ施設の内実により数値に大
きな開きがでるので、比較の有意性が低いと考えられ、「スポーツ施設利用
者率」を成果指標とした。観客も利用者としてカウントされ有意性も高まる。
24
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 生涯学習推進(1)図書館サービス
定義
図書館サービス
基本指標
図書館1館あたり平均サービス人口
結果指標
市民1人あたり蔵書・ソフト数、配置職員1人あたり平均サービス人口
配置職員に占める司書有資格者比率
成果指標
登録者率(年度末利用登録者数÷総人口)
利用者率(入館者総数÷総人口)、入館者1人あたり年間図書等貸出数
コスト指標 入館者1人あたりコスト
経年変化
入館者1人あたりコストは全般的に減少傾向
課題等
図書貸出に止めず多様化する図書館利用の総体を把握しようと「利用(入
館)者数」にこだわったが、この目論見はあたったと言える。その上で、結果を
市側の投入、成果を市民側の動きとして上記のように指標の位置づけ変更。
「配置司書数」を尋ねたが、把握が正確だったかは疑問。「配置職員数」、
「そのうち、司書有資格者」という把握の方が分かりやすいと見られる。
この形式は、スポーツ施設、公民館、文化会館、美術館・博物館に共通す
る形といえ、本基本政策分野内の構成・ウエイト比較も可能と見られる。
25
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 生涯学習推進(2)公民館活動
定義
条例で設置され職員が配置されている公民館(類似施設)の活動
基本指標
条例設置・職員配置の公民館(類似施設)1館あたり平均サービス人口
結果指標
配置職員1人あたり平均サービス人口
配置職員に占める社会教育主事有資格者比率
成果指標
市主催事業割合(全事業回数のうち市主催事業回数の割合)
利用者率
コスト指標 利用者1人あたりコスト
経年変化
公民館事業は平準化が進んでいるが、1館あたりの平均サービス人口、利用
者率、利用者1人あたりコストの3者間には有意な相関が認められる。
市主催事業割合も平準化が進んでおり、市民との協働の目安となる。
課題等
職員数の把握等、形式を図書館に合わせることとし、指標位置づけを変更。
「 事 業 数 」 の 把 握 は 定 義 が 明 確 で な か っ た た め 混 乱 を 招 い た の で 、
「事業数」を「総事業回数」として定義し直すこととしたい。例えば1講座10回
の場合は10事業と数える。これに応じて全参加者も毎回の参加者数を加算し
て集計。これらの集計は公民館の基礎集計として把握されているものである。
26
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 芸術文化活動支援(1)文化会館事業
定義
市の運営・設置のホールや会議室を有する文化会館(類似施設)事業
基本指標
文化会館(類似施設)1館あたり平均サービス人口
結果指標
配置職員1人あたり平均サービス人口
配置職員に占める技術専門職員の比率
成果指標
市主催事業割合、利用者率
座席回転率(利用者総数÷総座席数)
コスト指標 利用者1人あたりコスト
利用者1人あたり受益者負担(利用料)、受益者負担割合
経年変化
指標の変化は多様だが、総人口と1人あたりコストは負の相関を持つ。
課題等
文化会館については多様な利用方法が指摘されているが、当面、ホールや
会議室の座席数を基本に、把握できる入館者数を基本数値として、事業数も
公民館に準じた把握とし、この形式で進めたい。
事業団や指定管理者に管理・運営が任される形式が増えると見られるが、
その場合も、市委託経費を事業費とし、受託者側の職員を含みこむ形での把
握で進めたい。職員の把握は公民館・図書館に準じた形としたい。
27
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 芸術文化活動支援(2)美術館・博物館事業
定義
市設置ないし運営の美術館・博物館事業
基本指標
美術館・博物館1館あたり平均サービス人口
結果指標
配置職員1人あたり平均サービス人口
配置職員に占める学芸員有資格者の比率
市民10,000人あたり美術館・博物館整備面積(㎡)
成果指標
利用(入館)者率
コスト指標 利用者1人あたりコスト
利用者1人あたり受益者負担(入館料)、受益者負担割合
経年変化
指標の変化は多様だが、入館者総数と総人口は相関を持つ。
課題等
施設を持たない都市もあるが、形式を図書館等と合致させることとし、市民
10,000人あたりの整備面積を結果指標に位置づけた。職員把握は図書館
等に準じる形としたい。
美術館等の特質として床面積や壁面積が課題となるが、動物園等も博物
館法の博物館なので、面積比較は除外することとも考えられるか。
厳密な博物館(相当施設)でなくても市立のものは取り上げることとしたい。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 生活環境保全 (1)ごみ減量・リサイクルの推進
定義
ごみ(一般廃棄物)収集・処分サービスとリサイクル量の把握
基本指標
ごみの分別種類
ごみ収集民間委託率(年間民間収集委託量÷年間計画収集量)
事業系ごみ割合{事業系ごみ総排出量÷(事業系+生活系)ごみ総排出量}
結果指標
市民1人あたりごみ排出量(総排出量、事業系、生活系)
成果指標
市民1人あたりごみ処理量(排出、直接焼却、最終処分、リサイクル)
市民1人あたりリサイクル量(総量、直接資源化、中間処理再生、集団回収)
コスト指標
市民1人あたりごみ処理総コスト
経年変化
ごみ総排出量とごみ処理総コストは低減、リサイクル量は増加傾向にあり、
求めるべき政策の方向に向っていると見られる。
課題等
環境省一般廃棄物処理実態調査提出数値で完全に把握することができ、
排出・処理・リサイクルの内部構成を明らかにすることで比較しやすくなる。
基本指標は、その都市のごみ排出・処理の基本性格を説明する指標。
結果指標は、ベストプラクティスに学んでごみ減量を図るための指標。
成果指標は、ベストプラクティスに学んでリサイクル推進を図るための指標。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 生活環境保全 (2)汚水処理施設整備事業
定義
水環境への環境負荷低減のための多様な汚水処理施設整備事業の把握
基本指標
汚水処理施設計画人口比とその構成比
結果指標
汚水処理施設整備人口比とその構成比
成果指標
汚水処理施設使用人口比とその構成比
コスト指標 市民1人あたり整備コスト(汚水処理施設関連総事業費÷総人口)
汚水処理施設使用者1人あたりコスト(総事業費÷汚水処理施設使用人口 )
汚水処理施設使用者1人あたり負担コスト(受益者負担総額÷使用人口)
受益者負担率(受益者負担総額÷汚水処理施設関連総事業費)
経年変化
使用人口比は着実に伸びているが、構成(公共下水道、流域下水道、農漁業
集落排水、合併浄化槽、コミュニティプラント)は様々であることが読みとれる。
課題等
計画(合意)、整備(市事業)、使用(市民対応)の流れで捉え、基本、結果、
成果と位置づけ、また、汚水処理施設を公共下水道だけに限定せずに内部
構成を明らかにしたことで、ベストプラクティスに学ぶ形になれたと言える。
コスト指標において、市民1人あたりと使用者1人あたりをどう評価するか
は今後の課題である。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 防災・救急 (1)市民防災体制の強化
定義
自主防災組織の組織実態と防災訓練
基本指標
消防署あたり、消防団あたり、自主防災組織あたりの平均人口、平均面積
結果指標
自主防災組織加入者率(自主防災組織加入者数÷総人口)
1自主防災組織あたり平均加入者数(自主防災組織加入者数÷組織数)
防災訓練実施回数
成果指標
防災訓練参加率(市民あたり、自主防災組織加入者あたり)
1防災訓練あたり平均参加者数(防災訓練参加者数÷防災訓練実施回数)
コスト指標 市民1人あたり防災訓練コスト(防災訓練総事業費÷総人口)
参加者1人あたり防災訓練コスト(防災訓練総事業費÷ 参加者数)
経年変化
経年変化の趨勢も、各指標での目安も見つけられず、数値はばらばらだが、
各市からの疑義・指摘も少ない。
課題等
自主防災組織加入は個人単位か世帯単位か、各都市の状況を再把握する
とともに、今後、世帯数の把握を求める必要がある。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 防災・救急(2)救急搬送サービス
定義
救急搬送サービスに焦点を当てた救命救助事業
基本指標
1消防署あたり平均カバー面積(平方キロメートル)
救急車1台あたり平均カバー面積(平方キロメートル)
結果指標
市民1000人(あるいは10000人)あたり救急車出動回数
成果指標
救急車平均到達時間(分)
コスト指標 市民1人あたり救急活動コスト
出動1回あたり救急活動コスト
経年変化
出動回数は増加傾向が見られ、その結果単位コストは下がっている。
一方、到達時間の変化はばらばらで、8分台になってしまった都市もある
(01年度調査の平均的到達時間は5分台後半)。
課題等
救急車平均到達時間と救急車1台あたり平均カバー面積には強い相関が
あり、救急車の増車や適正配置を考える指標となっており、この形式でよいと
思われるが、救命救急士や高機能救急車の配置を評価できるものに高めて
いく必要があろう。当面付記として扱うことが適切か。
救急車出動回数:他指標と合わせて10,000人とするか。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 都市の持続的発展(1)都市交通基盤整備
定義
市道を中心とした道路の維持・管理と公共交通利用促進事業
基本指標
道路延長・道路面積と構成比(国道、都道府県道、市道)
結果指標
市民1人あたり道路延長(m)、市民1人あたり道路面積(㎡)
成果指標
1日あたり公共交通機関利用者率(年間公共交通利用者数÷総人口÷365)
市民1人あたり乗用自動車保有台数
コスト指標 市道面積あたり道路維持・管理コスト、市民1人あたり道路維持管理コスト
市民1人あたり公共交通利用促進コスト
経年変化
市道の占有率は、延長で9割、面積で8割前後といったところ。
市民1人あたりで見た場合、道路延長に比べ道路面積の伸びの方が大きい。
課題等
道路維持・管理の現状と市道の占める位置を市民・議会と共に議論する指
標としては有意な指標と見られるが、成果指標がこれでよいかは議論必要。
道路維持管理費に関し雪国では除雪が大きなウエイトとなる。「うち、除雪
費用」の書き込みが必要で、これを除外した単位比較が有意となる。
公共交通利用促進費の定義が各市まちまちで意見交換・議論が必要。ま
た、公共交通利用者数は把握できない場合もあり、全体的に要再設計か。
33
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 都市の持続的発展 (2)環境に配慮した産業振興の充実
定義
グリーン調達とISO14001ないしエコアクション21取得支援の推進
基本指標
環境基本計画策定の有無、ISO14001認証取得の有無
市民1人あたり農地面積
結果指標
グリーン調達割合
成果指標
市民10000人あたりISO14001ないしエコアクション21取得事業者数
コスト指標 市民1人あたりグリーン調達費
市民10000人あたり1SO14001・エコアクション21取得啓発・支援事業費
ISO14001等取得事業者1社あたり啓発・支援事業費
経年変化
市民1人あたり農地面積の減少、グリーン調達割合の上昇、 ISO14001な
いしエコアクション21取得事業者の増加は確認できた。
課題等
農地面積の減少は止むを得ないとして、耕作放棄地の有効利用による環
境保全効果の測定などを検討する必要がある。
グリーン調達に関しては、調達費用で把握していない都市もあり、費用で把
握していくよう啓発していくことがのぞまれる。
ISO14001等取得の啓発・支援についての測定方法についての議論必要。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 情報公開 (1)公文書開示サービス
定義
開示請求に基づく公文書開示サービス
基本指標
市民10000人あたり公文書開示請求件数(1000人を10,000人に変更)
開示手数料
結果指標
開示・非開示の判定に至る平均所要日数
成果指標
開示率(開示件数/開示請求件数)
コスト指標 市民1人あたり開示コスト
開示1件あたりコスト
経年変化
各市の数値はばらつきが大きく、傾向、目安は見出しにくい。
課題等
開示・非開示の判定に至る平均所要日数を第一次データで出している都市
が半数程度あるが、「請求より開示・非開示の判定に至る全所要日数」を出し
ていただき、請求件数で除して比較できる形としたい。
コストの大きな開きは、その都市の公文書開示に関する仕組み、姿勢を表
わしているものとみられる。
35
NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 情報公開 (2)広報・メディア・ホームページサービス
定義
広報、メディアでの情報提供、ホームページサービス
基本指標
月あたり広報発行回数
テレビ・ラジオでの年間定期情報提供時間(分)
結果指標
市民1人あたり年間広報発行部数(世帯あたりがのぞましいか)
成果指標
市民1人あたり年間ホームページ・アクセス件数
コスト指標 市民1人あたり広報発行コスト(世帯あたりがのぞましいか)
市民1人あたりホームページ制作コスト
経年変化
市民1人あたりホームページ・アクセス数は各都市ともほぼ倍増している。市
外の人も含めて市民からのアクセスであり成果指標として有意である。
課題等
広報は市から世帯に送られているケースがほとんどで世帯把握が必要か。
テレビ・ラジオでの定期情報提供はまちまちであり、基準が定められないと
ころから、基本指標(情報提供環境の説明指標)としたい。
ホームページの指標での位置づけは明確になったが、広報に関する成果
指標は何かを検討する必要がある。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 対人サービス (1)戸籍及び住民基本台帳関係諸証明交付サービス
定義
税関係証明を除外した戸籍及び住民基本台帳関係諸証明交付サービス
基本指標
諸証明交付窓口あたり平均サービス人口(総人口÷窓口数)
結果指標
市民1人あたり諸証明交付件数
成果指標
諸証明交付1件あたり平均待ち時間(分)
コスト指標 諸証明交付1件あたりコスト
コストに対する手数料収入額割合(%)
経年変化
平準化が進んでいると見られ、経年変化は少ないが、全体傾向として「交付1
件あたりコスト」は若干下がり気味である。
課題等
他の指標群との整合性から「諸証明交付窓口あたり平均サービス人口」を
基本指標に、「市民1人あたり諸証明交付件数」を結果指標に位置づけ直し。
「諸証明交付1件あたり平均待ち時間」は成果指標と位置づけたい指標だ
が、全ての都市で第一次データで提供されており、計測可能な形になれるか
どうかが課題となる。計測不可能となれば基本指標に位置づけ直さなければ
ならず、そうなると新たな成果指標が必要となる。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 対人サービス (2)国際理解・在住外国人生活支援事業
定義
国際理解事業及び相談等の在住外国人生活支援事業
基本指標
在住外国人比率(外国人登録者数÷総人口)
国際姉妹・友好都市の有無
結果指標
市民10000人あたり国際理解講座・事業等の実施回数
成果指標
市民10000人あたり国際理解講座・事業等の参加者数
在住外国人生活支援事業利用率
(在住外国人生活支援事業利用者÷外国人登録者数)
コスト指標 参加者1人あたり国際理解講座・事業等実施コスト
在住外国人生活支援事業利用者1人あたりコスト
市民1人あたり国際理解・在住外国人支援事業コスト
経年変化
成果指標とした「市民10000人あたり国際理解講座・事業等の参加者数」
「在住外国人生活支援事業利用率」は共に上昇、単位コストは下降傾向。
課題等
新たに提案・導入した指標群だが、疑義・指摘も少なかった。
「国際理解講座・事業等」の数え方は公民館事業に準じるものとする。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 協働基盤形成(1)男女共同参画社会形成啓発事業
定義
啓発と審議会等への女性登用率に焦点を絞った男女共同参画社会づくり
基本指標
男女共同参画社会形成条例等の有無
結果指標
市民10000人あたり男女共同参画社会啓発事業実施回数
成果指標
市民10000人あたり男女共同参画社会参加者数
審議会等への女性登用率
コスト指標 講座参加者1人あたり啓発コスト
市民1人あたり啓発コスト
経年変化
条例等では、推進計画、担当部課、相談窓口、審議会等の設置はかなりの
都市で進んできた。条例だけはまだという都市が半数程度か。
審議会等への女性登用率は確実に上がっているが、事業については回答の
ない都市も少なくない。
課題等
基本指標が全て「有」となった場合の基本指標をどうするかは今後の課題
審議会等への女性登用率は成果指標に位置づけ直した。
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NIRA型BM改善案の適用方法と課題
 協働基盤形成 (2)NPO等市民活動団体育成・支援
定義
NPO等の市民活動団体や住民自治組織の育成・支援
基本指標
自治基本条例や市民参加条例、市民活動団体育成・支援条例等の有無
結果指標
市民10000人あたりNPO等市民活動団体育成・支援講座・事業の実施回数
成果指標
市民10000人あたりのNPO等の数(NPO、市民団体、住民自治組織)
市民10000人あたりの育成・支援講座・事業等への参加者数
委託・助成を受けたNPO等市民活動団体の割合(結果指標から移動)
コスト指標 講座・事業等参加者1人あたりNPO等市民活動団体育成支援コスト
市民1人あたりNPO等市民活動団体育成支援コスト
NPO等1団体あたりの委託等の平均額(NPO、市民団体、住民自治組織)
市民1人あたりのNPO等への委託・助成額
経年変化
条例等も男女共同参画に比べて熟していない。まさに今後の評価課題。
課題等
市民活動団体のうち、住民自治組織(自治会、地域自治区など)への委託・
助成は別に考えた方がよいという指摘があり、「市民活動団体」を「NPO法人、
法人格を持たない市民活動団体、住民自治組織(自治会、地域自治区など)
に分けて把握していくことが有意性を高めると見られる。
40
結びにかえて
 今回の発表もまた研究途上のものである。
 減価償却の扱いなど、課題が残っている。基本的
には企業会計の減価償却をそのまま当てはめる
よりは、大型の臨時的な建設事業等が生じた時の
対応策とした方がよいのではないか。
 今回、投入資源として「人材」に着目した。幾つか
の指標で「配置職員数」と「うち、専門職」としたの
はそのためである。人件費を圧縮すればよいとい
う乱暴な議論ではなく、「人材」の活用を図りたい。
 多くの議論、多くの自治体、地方シンクタンクの参
加でネットワーク会議を成功させ、ベンチマークの
熟度を高め、施策改善に結び付けていきたい。