オゾン層破壊 - 環境安全衛生|ISO14001,OHSAS18001

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オゾン層破壊問題の基礎知識
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オゾン層とは?
 オゾンは酸素原子3個からなる化学作用の強
い気体です。オゾンは成層圏(10~50km)に
多く存在しており、このオゾンの多い層を一般
的にオゾン層といいます。成層圏オゾンは、太
陽からの有害な紫外線の多くを吸収し、地上
の生態系を保護しています。また成層圏オゾ
ンは、成層圏の大気を暖める役割があり、地
球の気候の形成に大きく関わっています。
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オゾンの生成・消滅
 高度30kmより上空では紫外線により酸素分
子からオゾンが生成されています。一方オゾ
ンは酸素原子と反応することにより消滅してい
ます。上空のオゾンはこれらの生成・消滅の
バランスを保ちながら存在しています。
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オゾン層の破壊
 現在、人造物質であるクロロフルオロカーボン
(CFCs;フロンとも呼ばれています)等に起因
する塩素、臭素によるオゾン層破壊が熱帯地
域を除くほぼ地球全体で進行しています。そ
のオゾン層破壊は、特に南極域の春季に発生
するオゾンホールに顕著に表れています。
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オゾンホール
 南極域上空では、冬から春にかけて南極上空を取り
巻く極夜渦(きょくやうず)と呼ばれる強い渦状の気流
が安定的に生じるため、冬期には極めて低温になり、
極域成層圏雲と呼ばれる雲が生じます。CFC等が分
解してできた塩素や臭素は、この雲の粒子表面での
反応で活性度の高い状態に変換されます。そして、
春(9~11月)になって日が当たるようになると、これ
らが分解して塩素原子や臭素原子を生成し、オゾン
の破壊反応が進行しやすくなり、オゾンの量が大きく
減少してしまいます。この減少の生じた領域がオゾン
ホールと呼ばれています。
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月平均オゾン全量の南半球分布
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オゾンホール
 1985年に英国のファーマンらによって南極上空のオ
ゾンホールについて報告されて以来、毎年9~11月
頃に南極上空でオゾンホールが観測されており、
2000年には、オゾンホールの面積、オゾン破壊量が
過去最大となりました。
オゾンホールの面積の経年変化 (気象庁 オゾン層観測報告2001 )
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日本上空のオゾン層の状況
日本上空のオゾン全量の経年変化
(注)上図には、季節変化、太陽活動等の影響が含まれている。札幌
においてオゾンの減少が大きくなる傾向がみられる。
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オゾン層破壊の環境影響
 オゾン層におけるオゾンの量が1%減少すると、地上
に降り注ぐ有害紫外線(UV-B)の量は1.5%増える
とされています。
このUV-Bの増加により、皮膚がんや白内障の増加、
免疫抑制等の人の健康への影響のほか、動植物の
生育阻害等の生態系への影響が懸念されています。
例えば、オゾンの量が1%減少すると、皮膚がんの発
症は2%増加し、白内障の発症は0.6~0.8%増加
すると報告されています。
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有害紫外線の状況
 国内のこれまでの観測結果では、1991年の
観測開始以来、UV-Bの観測値には明らか
な増加の傾向はみられていません。なお、UV
-Bの地上への到達量は、オゾン量のほか、
季節、天候(雲量)、大気混濁度などの影響を
受けます 。
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CFC等の大気中の状況
 CFC等の下層大気中濃度は北半球中緯度で
は、1990年頃まで増加傾向にありましたが、
最近はほぼ横ばい、CFC-11の濃度は減少し
てきているほか、大気中寿命の短い1,1,1-ト
リクロロエタン(CH3CCI3)については、急速
に減少しています。
一方、HCFCやハロンについては、増加の傾
向が続いています。
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北半球中緯度(北海道:N)及び南半球(南極昭和基地:S)に
おけるCFC等の下層大気中平均濃度の経年変化
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オゾン層の今後の予測
 国連環境計画(UNEP)の1998年の科学・環境影
響・技術経済アセスメントパネルの統合報告書では、
すべての締約国が1997年の改正モントリオール議
定書を遵守すれば、
(1)成層圏中の塩素・臭素の総量は2000年より前に
ピークに達する。
(2)オゾン層破壊のピークは、2020年までに訪れる。
(3)成層圏中のオゾン層破壊物質濃度は、2050年
までに1980年以前のレベルに戻る。
(4)その他の気体(一酸化二窒素、メタン、水蒸気等)
の将来の増加または減少及び気候変動がオゾン層
の回復に影響を及ぼす。と予測されています。
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オゾンを破壊する成層圏の塩素と臭素の濃度予測
(1998年UNEP報告書)
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オゾン層破壊物質の使用と放出
 オゾン層破壊物質は、分
子内に塩素又は臭素を
含む化学的に安定な物
質で、右の表に示すよう
にいくつかの種類があり
ます。
また、CFC、HCFCなど
は、HFC、PFC、SF6と
ともに、強力な温室効果
ガスでもあります。
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オゾン層破壊物質などの用途(主なもの)
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オゾン層保護のために
 オゾン層保護対策は、条約等に基づき国際的
に協力して進められており、我が国でも、「特
定物質の規制等によるオゾン層の保護に関す
る法律(オゾン層保護法)」に基づきCFC等の
生産規制等を行うとともに「フロン回収破壊
法」に基づき、CFC等の回収・破壊を実施して
います。
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国際的な取組み
 国際的に協調してオゾン層保護対策を推進するため、
「オゾン層の保護のためのウィーン条約」(1985年)
及びこの条約に基づく「オゾン層を破壊する物質に関
するモントリオール議定書」(1987年)が採択され、
一定の種類のCFC及びハロンの生産量等の段階的
な削減を行うことが合意されました。
その後、従来の予測を超えてオゾン層の破壊が進ん
だため、1990、1992、1995、1997年及び1999年
にモントリオール議定書の改正等によって、CFC等
の生産全廃までの規制スケジュールを早めたり、新
たに規制物質を追加する等、規制が強化されてきま
した。
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「オゾン層保護法」に基づく生産規制等
 我が国では、1988年5月に世界に先駆けてオゾン層
保護法を制定しました。同法に基づき、モントリオー
ル議定書で生産量等の規制の対象となっている物質
を「特定物質」と定め、
(1)議定書に定められたスケジュールに沿った特定
物質の製造数量等の規制
(2)特定物質の使用事業者による排出抑制・使用合
理化の努力
(3)オゾン層及び大気中の特定物質濃度の状況の観
測及び監視などが実施されています。
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CFC等の回収・破壊の促進
 我が国においては、オゾン層保護法に基づき、オゾン
層破壊物質の生産量及び消費量が削減されており、
現在、CFCをはじめ、主要なオゾン層破壊物質は、
生産が全廃されています。現在は、業務用冷凍空調
機器、カーエアコン等に冷媒として使用されているフ
ロンが機器の廃棄に伴って大気中に放出されないよ
うにすることが大きな課題となっています。
 モントリオール議定書締約国会合においても、先進
国はCFCの回収の方針などを定めるCFC管理戦略
を国連環境計画のオゾン事務局に提出することが決
定され、我が国においても「国家CFC管理戦略」を条
定し、2001年7月末に提出しました。
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フロン回収破壊法
 オゾン層の破壊や地球温暖化を招くフロンを大気中にみ
だりに放出することを禁止するとともに、機器の廃棄時に
おける適正な回収及び破壊処理の実施等を義務づけた
「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保
等に関する法律(フロン回収破壊法)が平成13年6月15
日に成立し、同月22日に公布されました。
 本法律の対象は、自動車の
カーエアコンと業務用冷凍空
調機器に冷媒として使用され
ているCFC、HCFC、HFCの
3種類のフロンです。
カーエアコンからのフロン回収
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フロン回収破壊法で対象となる特定製品の定義
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フロンの回収及び破壊のシステム
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出典
 環境省
 気象庁