PowerPoint プレゼンテーション

日常よくみる血管の
異常
光和さくらクリニック
人体における血管の総延長
0.02mm直径として約10万キロメートル
動脈系
血管系
静脈系
脈 管
リンパ系
動脈
系
血管系
静脈
系
脳血管障害
脳血管障害
・脳梗塞
・脳出血
・くも膜下出血
他に もやもや病や慢性硬膜下血腫
なども
・脳梗塞
動脈硬化が最大の危険因子(高血圧、高脂血症、糖尿病な
ど)
急性期の降圧は基本、禁忌
発症から5時間以内なら血栓溶解療法も検討するが、出血
性脳梗塞の併発も懸念(5%~)
・脳出血
高血圧が大きな要因
急性期は極端な高血圧を除き、降圧しない
慢性期は再発予防のため降圧する
緊急手術は出血部位や血腫量、意識障害などの状況による
くも膜下出
血
脳を覆う3層の髄膜のうち、2層目のくも膜と3層目の軟膜の間
の
“くも膜下腔”
に出血が生じ、脳脊髄液中に血液が混入した
状態
頭痛、悪心・嘔吐、首の硬直などで発症
全脳卒中の8%を占め、突然死の6.6%を占める
最初の出血で30%が死亡 4週間以内に50%が死亡
救命できても後遺症が残ることが多く、治癒する人は2割以下
と低い
多くは脳動脈瘤の破裂(80%)
くも膜下出血
頭痛、悪心・嘔吐、首の硬直などで発症
一般的に“これまでに経験したことのない頭痛”な
どと表現されるが、実際の激しい頭痛は25%程度
突然発症することが特徴であり、“いつから?”の
質問に
“朝から”などのあいまいな答えでなく、
“朝食を食べ始めて、牛乳を飲もうとした時”な
どと
具体的な回答が得られる
頭痛は通常改善することなく、数日間持続する
くも膜下出
血
Subarachnoid Hemorrhage (SAH)
sub 下
arachnoid くも膜
hemorrhage 出血
日本では SAHを “ザー”と呼ぶ
脳動脈瘤
脳動脈瘤は動脈の一部が膨らみ、その血管壁が脆
弱化したものである。
形状から嚢型(状)と紡錘型(状)がある
女性に多い(男:女:=1:2)
大きさが4mmを超えると破裂の危険性が大きく
なる(平均7mm)
脳動脈瘤が破裂して、くも膜下出血を来した場合、
生命に危険が及んだり、脳の後遺症を残す可能性
が高い
このため
未破裂脳動脈瘤を認めた場合処置をすることがあ
脳動脈瘤
脳動脈瘤が破裂した場合
発症直後24時間以内に再出血が多い
このため安静を保ち、侵襲的処置を避ける
抗けいれん薬を投与することもある
降圧、鎮静を施し、72時間以内に外科的治療
を行う
脳動脈瘤クリッピング術
開頭術(頭蓋骨を開ける)を行い動脈瘤の
根元に
特殊な専用のクリップをかけて、
瘤内への血流を遮断する
脳動脈瘤破裂時 48時間以内に手術を行う
ことが望ましいが、出血直後は止血さてい
ない可能性があり、6時間以上あけて開頭す
る
脳動脈瘤クリッピング術
・全身麻酔が必要で頭蓋骨を開ける手間がか
かる
・手術中に脳または周囲の血管に触れるため
障害がでることもある
・脳の深部の動脈瘤は視野が限られ、操作が
困難
・動脈瘤が嚢状でないと困難
コイル塞栓術(血管内治療)
大腿動脈からカテーテル
を
脳動脈瘤付近まで進め、
動脈瘤内にプラチナ製の
コイルを詰めて血流を遮
断する
コイル塞栓術(血管内治療)
・大腿部の局所麻酔のみで、開頭術が必要
ない
・脳に全く触れずに治療が可能
・脳の深部にも到達は容易
コイル塞栓術(血管内治療)
・治療中に出血をきたした場合対処が困難で、
生命に危険が及ぶことがある
・手術操作により血栓ができて、それによる
脳梗塞を起こすことがある
・コイルが正常血管までも閉塞してしまうこ
とがある
・治療が不十分な場合、瘤が大きくなること
がある
コイル塞栓術(血管内治療)
・治療中に出血をきたした場合対処が困難で、
生命に危険が及ぶことがある
・手術操作により血栓ができて、それによる脳
梗塞を起こすことがある
・コイルが正常血管までも閉塞してしまうこと
がある
・治療が不十分な場合、瘤が大きくなることが
ある
治療選択
・高齢者や脳の状態が不良で全身麻酔
が危険な場合
・脳の深部や頭蓋底に動脈瘤がある場
合
・患者が血管内治療を希望する場合
・年間13000人がくも膜下出血で死亡
・健常人5%で脳動脈瘤を認める
・未破裂動脈瘤の手術で1%が死亡し
5~10%が障害を残す合併症を発症
心臓血管障害
虚血性心疾患
心臓の筋肉(心筋)に血液を送る3本の動脈(冠動
脈)が
狭くなったり、ふさがったりして心筋が酸素不足に
陥る状態
冠動脈が細くなり一時的に酸素不足に陥るのが狭心
症
冠動脈が完全にふさがってしまう(閉塞)のが心筋
梗塞
治療中患者は14万人
虚血性心疾患
左冠動造影(狭心
症)
血液の通る
内腔が狭い
心臓冠動脈バイパス術(CABG)
狭くなったり、閉塞している冠動
脈の先に別の血管(グラフトと呼ば
れる)をつなげ、血流不足を改善す
るための手術
肋骨の裏にある内胸動脈や右胃大
網動脈の血流を利用する
また、切り離した大伏在静脈をつ
なぎ合わせる
心臓冠動脈バイパス術(CABG)
の手順
大きく分けて2つの方法がある
1つは人工心肺装置という器械を使用し、
心臓を止めて手術を行う方法
確立された方法であり、手技としての完
遂性が高いが、人工心肺という、人体に侵
襲ある操作が加わる
もう1つは、人工心肺装置を使用せず、心
臓が動いたまま行う方法
「off-pump CABG」(オフポンプ) Pump
(ポンプ)とは人工心肺装置のことで、
off=「使わずに行う」との意味
心臓が動いたままで行うため、全身への
侵襲は少なくて済むが、手術を完遂するに
はある程度の技術を必要とする
CABGの
手順
スタビライザー
心臓をうごかしたまま、
表面だけを固定する道
具
吸盤がついてい
る
CABGの
手順
正中開胸
肋間開胸(低侵襲
型)
心臓カテーテル手術(PCI)の手順
PCI: percutaneous
coronary intervention
バルーンカテーテル
カテーテルの先端に、直径2~4mm、
長さ15~20mmくらいのバルーンがつ
いている
カテーテルにはこのバルーンをふくら
ませる
ための管(ルーメン)が通っている
このバルーンは、圧を高くしていった
時に一定の径からはあまり変わらない
ようになっており、
PTCAの
手順
狭窄部を通過して挿入されたガイドワイヤーに沿わせ
て、
バルーンを膨らませていない状態のカテーテルを狭窄
部位に挿入する
バルーンを膨張させ、狭窄部を拡張させる
バルーンが膨張するのにしたがって内膜のプラークが
ひび割れ、中膜と外膜が引き伸ばされて血管の外径は
拡大する
バルーンを収縮させ、バルーンカテーテルを引き抜く
ガイドワイヤーは残したままにしておき、この状態で
冠動脈造影撮影を行い、血管の拡張がきちんと行われ
ているかどうかを
確認する
もし、拡張が不十分であれば、径の大きいバルーンに
交換して再び拡張を行う
この段階で、ステントを挿入することも行われる(P
CI:インターベンション治療)
ステント
PTCAは大変有効な治療法だが、施行後数ヶ月後にかなり高い割合で再狭窄
を起こす。また、PTCAによる血管拡張の直後に逆に急性冠閉塞を起こすこ
ともある。
これらを防ぐために現在広く行われているのがステント治療。
ステントはトンネル工事の際掘った穴の内部をコンクリートで固めて補強
するように、PTCAによって拡張した血管の内腔に金属製の網状のリングを
挿入する方法。
現在ステント治療は冠動脈だけではなく、胆管や気管支など
いろいろな分野で使用されている。
ステント治療の方法
ステントにはそれ自体がバネ構造になっていて自動的に拡がるものもある
が、現在使用されているのは、バルーンによって拡張させるタイプがほと
んど。
材質はステンレス製が主流だが、新しい材質のものも
開発されている。
カテーテル先端に畳まれた状態のステントと
その内側に拡張用バルーンがついている。
PTCAで拡張した部分にステントを置き、
バルーンを膨らませて拡張した後、
バルーンをしぼませてカテーテルを抜き、
ステントのみを留置する。
ステントの種類
・ベアメタルステント
出しのもの
・薬剤溶出型ステント
徐々に薬剤が
薬剤が塗布されていない、金属がむき
抗がん剤などの薬剤が塗布してあり、
溶け出し内皮細胞が増えないように
してあるもの
パクリタキセルなどの抗癌
剤
ベアメタルステントの
断面
薬剤溶出型ステントの断
面
・薬剤溶出型ステント
再狭窄率が低くなった
しかしステント周囲が内皮細胞で覆われ
くいため
通常抗血小板剤(バイアスピリン、パナルジン、プラ
ビックスなど)を2種類
長期に服用しなくてはならない
服用を中止し突然死することがある
出血を伴う検査や治療なども施行しにく
い
・ベアメタルステント
表面を覆ってしまう
留置後よりステント周囲に内皮細胞が増殖し
再狭窄
覆い方が強いと再狭窄を起こしてしまう
血小板に
よる血栓
大血管の異常
・大動脈瘤
・解離性大動脈瘤(大動脈解
離)
・大動脈瘤
胸部あるいは腹部大動脈の径が拡
大し、こぶ状になったもの
多くの大動脈瘤は徐々に径が拡大
するためほとんど症状がでない
特に胸部では健診などで指摘され
る
腹部では臍周囲に拍動を伴った瘤
を触れる
大動脈瘤では破裂することが怖い
胸部大動脈の径は2.5cmで、2倍の5cmを超えると破裂の危険性が出る
腹部大動脈の径は2cmで、4cmを超えると破裂の危険性が出る
原因は不明であるが、高血圧症に多い
遺伝的傾向もみられる
破裂すると60%はその場で死亡、40%は止血され一旦搬送されるが、
救命されるのはそのさらに半分となる。
この20年間いずれの国でもその成績
は変わらず
予定手術の死亡率は1.1%
胸部大動脈瘤
・解離性大動脈瘤
大動脈の壁の内膜に亀裂が生じ中膜内に血流が
流入し大動脈が真腔と偽腔に分離された状態
95%以上に強烈な痛みを認める
真腔
放置すれば48時間で50%が死亡
原因は先天性、結合織異常、自己免疫疾患
遺伝的傾向もみられる
偽腔
・解離性大動脈瘤
頭部へ
A型 心不全などになるため
緊急手術を要する
B型
脳の血流が保たれるため、
偽腔の拡大傾向などない時
は降圧療法など保存的に行う
Stanford A
60%
10%
Stanford B
30 %
胸部大動脈瘤
腹部大動脈瘤
人工血管置換術
人工血管置換術
ステントグラフ
静脈の異常
静脈瘤
静脈は全身から心臓に戻る血液が通る血
管 静脈の壁は動脈に比べると薄く、柔
らかい
足からの血液は重力に逆らって心臓に戻ること
が多い
静脈には竹の節のように所々に逆流を防止する
“弁”が付いている
この弁の機能が悪くなると血液が淀んでしまい
血管が太くなり静脈瘤となる
動脈瘤と違い破裂して致死的になることはない
浮腫んでしまったり、潰瘍化したり、美容的に
も気になる
薬剤で治すことはできず、手術が必要となる
しばらく専用ストッキングなどで進行を抑える
静脈瘤
深部静脈
大伏在静脈
伏在静脈
小伏在静脈
性別では女性、年齢的には高齢者に多く見られる
遺伝的要素もあり家族に静脈瘤のある人にも起こり
やすい
妊娠・分娩をきっかけに静脈瘤が目立つ場合が多く、
特に2回目以降に悪くなる傾向がある
職業や生活のパターンでは、肥満、立ち仕事や運転
手
など足を長時間下げる職業にも多く見られる
静脈瘤
治療
静脈抜去術(ストリッピング)
局所麻酔下に数ヵ所切開を置き、伏在静脈を抜き取る方法
逆流する血管を結紮(しばる)する
確実性が高く、再発率が低いが皮下血腫など起こる
レーザー治療
局所麻酔で行い、逆流している血管を
レーザーファイバー
で灼き血管を閉塞させる
長期の成績がまだ不明であり、再発率が
高いといわれている
その他
血管新生など