プレゼンの流れ

結論
労働市場として、ミスマッチの解消(=均衡失業
の低下)こそ市場の活性化となる。
ミスマッチの解消のために、
◎効率的な人的投資(求められる能力開発)
◎構造的失業の解消(欠員部門の把握)
⇒情報の完備
◎摩擦的失業の解消(転職をスムーズに)
(流動的な労働供給)
⇒規制緩和
+日本的慣行⇒外部市場の形成・整備が必要
プレゼンの流れ
高い均衡失業率(ミスマッチによる失業)
ミスマッチの要因
構造的要因
摩擦的要因
⇒情報の完備
能力・年齢など個人的要因
規制緩和
+日本的慣行
トライアル雇用制度、etc......
外部市場の形成
派遣労働規制緩和、情報提供機関の活用
解消 効率的な資源配分=市場の活性化
「市場の活性化」とは
• 労働市場の活性化
=「ミスマッチによる失業の解消」
↓
均衡失業率の低下
⇒失業は需要不足要因となる
90年代以降均衡失業率は上昇
年齢層別に観察
若年層と中高年層
19
68
19
70
19
72
19
74
19
76
19
78
19
80
19
82
19
84
19
86
19
88
19
90
19
92
19
94
19
96
19
98
20
00
20
02
20
04
若年層の失業率は常に高い
⇒ミスマッチの存在は?
年代別失業率
12.0
10.0
8.0
6.0
全体
15~29歳
45~60歳
4.0
2.0
0.0
労働力調査
中高年はより早期就職が必要
すぐ就職する必要が
ある
すぐというわけでは
ないが就職する必
要がある
じっくり探したい
全体
中高年層
無理に就職しなくて
いい
若年層
0%
20%
40%
60%
80%
100%
その他
厚生労働省2004年
中高年層の長期失業者は2割弱
⇔若年層は6割弱が短期
求職期間
1ヶ月以内
1~3ヶ月
3~6ヶ月
6ヶ月~1年
1年以上
中高年層
若年層
0%
20%
40%
60%
80%
100% 厚生労働省2004年
失業の問題点整理
• 若年層 ⇒高い失業率
• 中高年層⇒早期に再雇用が必要も、失業
長期化
それぞれにどのようなミスマッチ要因があるか?
ミスマッチの主要因(複数回答アンケート結果)
中高年層:職種、年齢、賃金
若年層:職種、能力・経験
ミスマッチの要因
若年層
中高年層
他
そ
の
件
条
労
働
能
力
・経
験
種
職
所
場
就
業
雇
用
形
態
齢
年
賃
金
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
0
厚生労働省2004年
ミスマッチの改善には
再雇用促進のための整備
労働力を活用するために雇用の機会を増やす
ことが求められるが、雇用を促進するようなシステ
ムが不十分である
人的投資(特に若年層に対して)
を効率的に行わせる必要
企業内部での教育が行えなくなりつつある。
需要にあった能力開発。
能力=資格とする
再雇用市場がなぜ
整備されていないか?
安定的成長を見せていた時期(失業率も1~2%)
→再雇用市場の必要性薄
↓
流動性のない日本の労働市場
⇒日本的雇用慣行(終身雇用、年功賃金制)
※中高年層に見られる年齢の壁
再雇用促進のために
◆派遣労働の規制緩和、及び環境整備
◆ハローワーク業務の強化
トライアル雇用制度
ジョブカフェ(若年者就職支援)
派遣業務規制緩和の功罪
□メリット
需要に対し柔軟な供給を行える。
雇用期間にも対応しうる。
□デメリット
需要に対し柔軟なため、雇用が不安定的。
個人レベルで考えると、派遣であること=柔軟な
供給とは限らない。
△派遣労働者に対応した雇用環境の整備が必要
ハローワーク業務
□トライアル雇用制度
試用期間を設けて雇用する制度。
支援金アリ。
民間によっても広がりつつある。
※情報の非対称性の緩和にひと役
□ジョブカフェ
府県主体の地域事情に応じた若年者支援。
20府県に設置。
情報提供、研修などを行う。
人的投資(教育訓練)促進のために
背景:
経済状況の変化
労働者の意識の変化(勤続→転職)
日本的雇用慣行のメリット=企業内教育が不可能に。
┗→外部教育の場が必要になる。
• 企業視点での分析
・・・これまでどのような教育訓練が行われてきたか
・・・今後はどのような教育訓練が必要とされるか
• 労働者視点での分析
・・・企業の訓練体制が変化しようとしているとき、労働者は
自らの能力開発をどう組み立てればいいのか
企業から見た人的投資
(厚生労働省(2002)『能力開発基本調査報告書』より)
• 人的投資を企業内で行うか、外部で行うか
社内主導型・・・47.2%
外部教育訓練機関活用型・・・52.8%
しかし、訓練投資への予算制約が厳しくなると、外部機関を活用しよう
とする傾向が強く現れた。
• 訓練の具体的な内容ごとの内わけ
訓練分野別 投資の内わけ
目的別・課題別
目的別・課題別研修
職能別研修
38.4
32.8
階層別
また、予算制約が
課されると、
階層別研修の割
合を更に減らす
階層別研修
26.8
(専門分野の能力・知識)
(語学など特定経営課
題)
職能別
(ポストに応じた研
修)
という回答傾向が
見られた。
=専門・実践重視
0%
20%
40%
60%
80%
(厚生労働省(2002)『能力開発基本調査報告書』より)
100%
労働者から見た人的投資
(日本労働研究機構(2001)『能力開発基礎調査』、
富士総合研究所(2000)『能力開発等の活動に取り組むための長期休暇制度の導入促進に向けた調査研究』より)
• 能力開発の主体は従業員であるという考え方が、
企業側にも従業員側にも強くなっている。
• キャリア開発について具体的に考えている従業
員は少数。(⇔能力開発の主体は従業員である
という考え方と矛盾 = 労働者が能力開発に関
する情報を入手しにくい現状)
• 研修場所として、従業員は外部の教育訓練機関
を好む傾向が強い。
人的投資・まとめ
<企業>
企業主体による訓練が行われにくくなると、企業は訓練対象者を選別し
外部機関を活用する傾向がある。
また訓練の内容も、より専門的・実践的な内容に絞る傾向がある。
<労働者>
・能力開発・訓練の主体は企業ではなく労働者である、という認識が強まって
いるにも関わらず、労働者が能力開発の具体的なビジョンを持つことがで
きていない。
・企業と同じく、労働者も外部の教育訓練機関を好んでいる。
⇒外部教育訓練機関の充実により、労働者が主体となって教育訓練を行うこ
とができるようになるのではないか。
⇒労働者による自発的な能力開発を支援できるような、現状に見合った体
制(法制度、政府の政策など)を整備する必要性
現実に行われている公的支援
• 職業能力開発局(厚生労働省直下の部門)
・・・職業能力の開発・向上、職業能力の評価・技能振興、国際協力などを
行っている。
人材育成プログラム 「応援します 人材育成(平成16年)」
・労働市場のインフラ整備
・・・労働力需給調整機能の強化(官民連携した雇用情報システムの構築)等
・キャリア形成の促進のための支援システムの整備
・・・企業内におけるキャリア形成支援を推進するための情報提供、相談、助成金の支給等
・職業能力を適正に評価するための基準、仕組みの整備
・・・民間委託を活用した技能検定制度の拡充、実践的な職業能力評価手法の確立等
・職業能力開発に関する情報収集・提供体制の充実強化
・・・人材ニーズ動向などの情報を収集・整理および企業や個人への提供システム構築等
・能力開発に必要な多様な教育訓練機会の確保
・・・ニーズ把握、政策評価を通じた公共職業訓練の効果的実施等
職業能力開発局による支援制度例
若年層への教育:「日本版デュアルシステム」
厚生労働省と文部科学省が連携し、国が主体となって職業と教育の一体化による
実践的な訓練を行う。
例)週3日は教育訓練、週2日は企業実習
教育訓練…専門学校、公共職業訓練施設などで行う
企業実習…実際の企業にて行う
⇒社会で通用する技術・知識の獲得
労働者が自発的に能力開発を行うための支援:「教育訓練給付制度」
労働者が自ら費用を負担して一定の教育訓練を受けた場合に、その教育訓練に要し
た費用の一部に相当する額を支給する。
(情報処理技術者資格、簿記検定、社会保険労務士など多種多様な資格に対して行わ
れている)
⇒労働者自身による積極的なスキルアップの促進
結論(再び)
労働市場として、ミスマッチの解消(=均衡失業
の低下)こそ市場の活性化となる。
ミスマッチの解消のために、
◎効率的な人的投資(求められる能力開発)
◎構造的失業の解消(欠員部門の把握)
⇒情報の完備
◎摩擦的失業の解消(転職をスムーズに)
(流動的な労働供給)
⇒規制緩和
+日本的慣行⇒外部市場の形成・整備が必要