高齢者特性を考慮した陳列に関する検討

高齢者特性を考慮した
陳列に関する検討
流通情報工学課程
2000754 渡辺一真
指導教官
鶴田三郎 教授
黒川久幸 助教授
研究背景
高齢者の不自由な点を考慮した改善策増加
「表示が見にくい」
「高い場所の商品が取れない」
高齢者における陳列の考慮が必要
研究目的
第1の目的
陳列において高齢者特性を
考慮すべき項目の検討
第2の目的
考慮すべき項目における高齢者
特性を考慮した基準設定値の検討
高齢者特性
特性部分
形態
項目
身体寸法
体型
動態
姿勢
可動域
身体機能 生理
運動 筋力
体力
神経
感覚
五感(視覚,聴覚,味覚,嗅
覚,触覚)
行動・認知 行動
認知
高齢者特性
身長・体重変化
骨の萎縮,硬直,
関節屈曲能力低下
上肢の可動幅縮小
腎機能消化機能,低下
握力,脚力の低下
持久力の低下
平衡性の低下
各五感の能力の低下
情緒の不安定
痴呆障害の出現
陳列
店舗に商品を並べることに関する提案・展示
陳列は幅広い範囲の内容を含む
陳列項目グループ 概要
店舗レイアウト
棚割
陳列方法
店舗内における通路,照明,商品展示
の基本に関する陳列項目
陳列棚における商品,棚,表示に関す
る陳列項目
棚や商品に関わらず具体的な陳列
の方法に関する陳列項目
設定項目
陳列項目 設定項目
通路幅 棚通路の幅の広さ
照度 照度(の明るさ)
棚の高さ 触れにくい高さ
手の届く高さ
最も見やすい高さ
ゴールデンライン
手に取りやすい高さ
陳列有効範囲
触れにくい低さ
表示 表示の大きさ
表示の背景と文字の色
出所:「販売士検定講座3級コース 」より作成
一般基準設定値
180㎝以上
500lx
170~210㎝
180~190㎝
125~170㎝
85~125㎝
60~125㎝
60~170㎝
0~60㎝
2.460㎜(7ポイント)
白背景×黒文字
高齢者特性と陳列の関係
設定項目の検討
高齢者特性と陳列(設定項目)の関係
高齢者特性
設定項目
身長・体重変化
棚通路の幅の広さ
骨の萎縮,硬直,
照度(の明るさ)
関節屈曲能力低下
触れにくい高さ
上肢の可動幅縮小
手の届く高さ
腎機能消化機能,低下
最も見やすい高さ
握力,脚力の低下
ゴールデンライン
持久力の低下
手に取りやすい高さ
平衡性の低下
陳列有効範囲
各五感の能力の低下
触れにくい低さ
情緒の不安定
表示の大きさ
痴呆障害の出現
表示の背景と文字の色
設計例1
通路幅における「棚通路の幅の広さ」
肩峰点間
指極
肩峰高~指先端高
指極+肩峰点間×2+肩峰高~指先端高(右)×2
設計例2
照度における「照度(の明るさ)」
3.00
2.75
照度比
2.50
2.25
2.00
1.75
1.50
1.25
1.00
20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 70
年齢
一般値との比較
高齢者用基準設定項目
一般値
設計例1棚通路の幅の広さ(cm) 180以上
設計例2照度(の明るさ)(lx)
500
触れにくい高さ(cm)
170~210
手の届く高さ(cm)
180~190
最も見やすい高さ(cm)
125~170
ゴールデンライン(cm)
85~125
手に取りやすい(cm)
60~125
陳列有効範囲(cm)
60~170
触れにくい低さ(cm)
0~60
表示の大きさ(ポイント)
7以上
表示の背景と文字の色
白×黒
(背景色×文字色)
高齢者用
設定値
346以上
1125以上
165~190
190まで
130~165
75~120
55~120
55~165
0~55
12以上
白×赤白×黒
計測風景1
<高齢者層>
240㎝ 330㎝
<若年層>
60㎝
設定値346㎝
棚通路の幅の広さの計測風景
計測風景2
<高齢者層>
1080lx
<若年層>
520lx
設定値1125lx
照度(の明るさ)の計測風景
計測結果と比較検討
高齢者
層店舗1
計測風景1棚通路の幅の広さ(cm) 240~330
計測風景2照度(の明るさ)(lx)
触れにくい高さ(cm)
表示の大きさ(ポイント)
表示の背景と文字の色
(背景色×文字色)
高齢者
層店舗2
120
1080
若年層 一般 高齢者用
店舗 設定値 設定値
60 180 346
520 500 1125
190~ 170~
160以上
165~190
210 210
14
16 7以上 12以上
緑×黄
白×黒
白×赤 白×黒
白×黒
青×黄
白×赤
結論高齢者特性を考慮した陳列に関して検討
研究成果
①陳列において高齢者特性を考慮すべき陳列項目4項
目を明確にした。「通路幅、照度、棚の高さ、表示」で
ある。
またその陳列項目の中で、高齢者用基準設定値が
必要である設定項目は「棚通路の幅の広さ、照度(の
明るさ)、触れにくい高さ、表示の大きさ、表示の背景
と文字の色」の5項目であり、それらの高齢者用基準
設定値を示した。
②その5項目の設定値について高齢者層集中店舗な
どにおいて検証を行った結果、妥当性を確認した。