平成15年度 第2回 R&Dくらぶ 「新技術開発と地域における産官学連携」 2003年11月7日 (財)群馬県産業支援機構 科学技術振興支援機構RSP事業 科学技術コーディネータ 大山健一 〒371-0834 群馬県前橋市大渡町1-10-7 公社総合ビル 2階 TEL 027-255-6601 FAX 027-255-6161 E-mail [email protected] ( [email protected] ) 1 本日の話題 1. はじめに 2. 科学技術創造立国と群馬県RSP活動 3. 新技術開発とニュー・ビジネスシステム の構築 2 1.はじめに 3 R&Dくらぶ ニー ズ 事業 商品開発 事業 技術開発 事業 事業化 基盤研究 商品開発 技術開発 R&D号 シー ズ 基盤研究 基礎研究 4 R&Dくらぶ ニー ズ 事業 商品開発 ○×商品企画 事業 技術開発 基盤研究 事業 事業化 魅力ある商品企画 商品開発 次世代テクノロジー 技術開発 研究開発 基盤研究 R&D号 シー ズ 基礎研究 5 技術移転に係わるコーディネータによる「技術マネジメント(MOT)支援」 【大学等の知の活用】 大学・国研・独政研究機関の研究成果 技術コンサル・共同研究・委託研究 (基礎・応用 既往研究・アイディア) (応用研究) 革新技術の価値評価、権利化保護、知財管理、共同・委託契約業務、研究契約管理・技術移転契約 【コーディネータの主要な活動と付加価値の付与】 研究・知財情報・アイディアの整理と提供 技術コンサル・共同・委託研究斡旋 (研究情報・成果・知財・研究人材情報等) (新技術の適用性評価・専門家の紹介等) 研究室訪問 ネットワーク構築 革新技術の評価と特定用途・製品探求 商品化プランおける新技術の導入方策 (テクノロジープッシュ型) (マーケットプル型) 企業の製品開発・経営支 援・ベンチャー起業支援 (可能性・育成・技術開発) 企業訪問 ネットワーク構築 新規市場の発見・コンセプト構築 市場・企業ニーズ情報の整理と把握 (社会トレンド分析、潜在ニーズ予測等) (企業の製品化に対する技術課題等) 国の支援制度の活用法 【企業における知の連鎖モデルによる技術革新】 マーケッティング (潜在的市場認識) 製品の 研究開発 製品の 試作開発 製品 製造 製品の市場投入と 流通の適正化 フィードバック 6 平成15年度第1回R&Dくらぶ JAREC 中崎正好事業部長 講演 2.科学技術創造立国 と 群馬県RSP活動 7 科学技術創造立国をめざして 大学等の先端的研究成果を育成し、実用化につなげま す! 資源エネルギーの乏しいわが国が、地球環境の保全・回復 を図りながら再び活力ある社会・経済を取り戻すには、科学 技術による新しい産業・新しい価値の創造が求められていま す。 このため、政府では、平成7年度に科学技術基本法を制定 し、さまざまな科学技術振興施策をスタートさせました。 科学技術振興事業団では、これを受けて大学等の先端的な 研究成果を育成し、実用化につなげる体制整備を図るため、 平成11年度から地域研究開発促進拠点支援(RSP)事業 (Regional Science Promotion Program)〈研究成果育成型〉を 実施しています。 群馬県では、平成13年度から本事業に取り組んでいます。 「高知県RSP事業HP」を参考に作成 8 国家産業技術戦略 産業政策局産業技術課 公表 平成12年4月10日 http://www.meti.go.jp/kohosys/topics/00000077/ 第Ⅰ章 総 論 我が国の産業技術力の低下への懸念を、産・学・官各々が強く認識すべきである。 産業技術力は、我が国経済を支える原動力であり、その低下は単に企業収益力の 減退といった次元ではなく、 国民生活を支える経済社会の存立基盤を危うくすると いう危機意識を持たねばならない。 産業技術力強化へ向けての大きな方向性は、 「キャッチアップ型からフロンティア創造型への技術革新システム の改革」である。 達成すべき目標は以下の4点である。 1.技術革新を産み出す真の産学官連携の実現 2.国際競争力のある大学を目指した改革の推進 3.創造性豊かな研究・技術人材の育成 4.世界の技術革新動向に適応し得る柔軟な政府の制度の再構築 かかる4つの目標を達成するためには、今こそ関係者が強固な意志を持って、以 下の「3つの打破」に挑戦する ことが必要不可欠である。 1.政府における硬直性・縦割り行政の弊害の打破 2.産業界における“自前主義”の打破 3.大学のシステムの硬直性の打破 また、産業技術力強化のためには、システム改革と表裏一体を成すものとして、 産業技術に関する「政府の研 究開発投資の重点化」が不可欠であり、その基本的な考 え方を示していくことが重要である。 第Ⅱ章 フロンティア創造型への技術革新システムの改革 1.技術革新を生み出す真の産学官連携の実現 2.国際競争力のある大学を目指した改革の推進 3.創造性豊かな研究・技術人材の育成 4.世界の技術革新動向に適応できる柔軟な政府の制度の再構築 9 第Ⅲ章 産業技術力強化のための政府の研究開発投資の重点化 低成長時代において行政の効率化が求められる中、産業技術に関する政府の研究開発投資を、 独創的技術革新を促し、真に産業技術力強化に資する以下の3領域に重点 化することが適当で ある。 ①市場の創出につながる社会的ニーズをにらんだ研究開発投資 ②革新性・基盤性を有する萌芽的技術に対する研究開発投資 ③産業技術の発展のベースとなり公共財としての側面を有する知的基盤への投資 1.市場創出につながる社会的ニーズへの対応 (1)目標設定の整理 ①4つの大目標 21世紀において日本経済が持続的成長を維持するためには、市場創出につな がる社会的ニー ズへ対応した産業技術に対して、重点的に研究開発投資を行うこ とが重要である。 このような観点から、今後の社会環境等の動向を考慮して、産業技術の貢献に より達成すべき 大目標は、以下の4点に整理できる。 ・高齢社会における安心・安全で質の高い生活の実現 ・経済社会新生の基盤となる高度情報通信社会の実現 ・環境と調和した経済社会システムの構築 ・エネルギー・資源と食料の安定供給の確保 http://www.meti.go.jp/kohosys/topics/00000077/ 10 国家産業技術戦略(平成12年4月公表) 21世紀のマクロ(社会)ニーズ 大目標1「高齢社会における安心・安全で質の高い生活の実現」 中目標例「安心で安全な暮らし作り」 「健康の維持・増進」 「誰もが自立し社会参画できる環境作り」 大目標2「経済社会の新生の基盤となる高度情報通信社会の実現」 中目標例「個人の能力が最大限発揮される高度情報通信社会の実現」 「企業活動の高度化・高付加価値化及び新市場創造のための高度情報通信社会の実現」 「社会システムの高度化のための高度情報通信社会の実現」 大目標3「環境と調和した経済社会システムの構築」 中目標例「資源の有効利用と廃棄物の減量化をしつつ資源循環を図る経済社会の実現」 「化学物質のリスクを極小化・管理する経済社会の実現」 「地球温暖化を抑制する経済社会の実現」 大目標4「エネルギー・資源と食料の安定供給の確保」 中目標例「経済性を考慮した環境調和型エネルギー需要構造の構築」 「経済性と供給安定性を考慮した環境調和型エネルギー・資源供給構造の構築」 「食料供給力の向上と安心、安全、高機能な食品の供給」 11 国家産業技術戦略 重点16分野 1.バイオテクノロジー分野 9.住宅産業分野 2.情報通信分野 10.航空機分野 3.機械分野 11.宇宙分野 4.科学分野 12.自動車分野 5.エネルギー分野 13.繊維分野 6.医療・福祉分野 14.食料分野 7.材料分野 15.造船分野 8.環境分野 16.建設分野 http://www.fcrc.titech.ac.jp/publish/strategy/ 12 群 馬 県 10 400 新産業創出 9 350 群馬県 (兆円) 全 国 (兆円) 8 300 7 全 国 成熟期 250 6 5 200 4 150 3 100 2 成長期 50 1 0 0 1 9 4 5 年 1 9 5 0 年 1 9 5 5 年 1 9 6 0 年 1 9 6 5 年 1 9 7 0 年 1 9 7 5 年 1 9 8 0 年 1 9 8 5 年 1 9 9 0 年 1 9 9 5 年 2 0 0 0 年 群馬県の製造品出荷額 13 表1. 群馬県製造品出荷額等 平成14年 構成比 (億円) (%) 72,214 100.0 21,166 29.31 械 7,875 10.9 電 子 部 品 6,851 9.5 品 5,742 8.0 電 気 機 器 5,545 7.7 飲料 ・ 飼料 4,254 5.9 化 学 3,814 5.3 プラスチック 3,478 4.8 金 属 製 品 3,144 4.4 1,438 2.0 8,907 12.3 県 計 輸 送 機 器 機 食 鉄 料 鋼 そ の 他 14 群馬県RSP事業のスキーム 文 部 科 学 省 群馬県科学技術振興指針 重 点 技 術 領 域 (①情報・通信 ②新素材 ③医療・バイオ ④新製造技術 ⑤環境生活文化) 研究成果 開発ニーズ 研 究 機 関 科 学 技 術 振 興 事 業 団 産 業 界 大学・高専・原研高崎 群馬県試験研究機関 製造業・農林水産業 関連企業 連携拠点機関:(財)群馬県産業支援機構 科学技術コーディネータ 調査→評価→育成試験・特許化支援 成果育成活用促進会議 重要事項の審議 群 馬 県 領域別分科会 重点領域毎の コーディネートの推進 協 議 会 研究シーズの収集 活動の円滑化 国・県への 技術移転事業 新事業創出 上位プログラム 15 独創的新技術による新産業創出(RSP事業) 新技術 環境 輸送 機器 既存市場 生活 文化 電機 医療・ バイオ 新素材 情報・通信 新製造技術 飲料 新市場 機械 繊維 既存技術 図1. 21世紀の群馬県の新産業 16 ネットワーク型産業構造 (科学技術創造立国) 各種支援システム ・独創的技術、商品開発支援 ・特許化支援 ・ビジネスプラン/システム作成 ・人材(起業家・専門家)の育成 ・インキュベーションルーム 新産業 新素材、医療バイオ、 情報通信、新製造技 術、環境、生活文化領 域 ・経営資源の調達支援 既存産業 輸送機器、機械、電子 部品、食料品、電気機 器、飲料、化学、繊維 産学官連携 ・群馬県産学官ネットワーク会議 ・ぐんま星雲クラスター ・RSP事業(重点領域分科会) ・大学地域共同研究センター ・NPO北関東産官学研究会等 縦系列型産業構造 (加工貿易立国) 図 独創的技術による新産業創出を求めて 17 群馬地域RSP事業 領域分科会 1. 2. 3. 4. 5. 情報・通信領域分科会 新素材領域分科会 医療・バイオ領域分科会 新製造技術領域分科会 環境&生活文化領域分科会 18 地域研究開発促進拠点支援事業 (研究成果育成型) 整理番号 研究成果に関する調査票 [ 研究分野 ] [ 研究のタイトル ] [ 従来技術・競合技術の概要 ] [ 展開可能なシーズ ] [ 試作品・サンプルの提供可能性 ] 項 評 価 の 内 容 目 評 価 コ メ ン ト 研究成果の新規性 新技術の可能性 市場性 達成度 ①期間 ②規模 総合評価 (総合コメント) 19 * 総合評価はA.B.C.の3段階により記入。 科学技術振興事業団 群馬県地域研究開発促進拠点支援(RSP)事業 育成試験課題一覧表(平成14年度) 平成14年度 N o 分野 1 新製造技 術 群大工学部 助教授 松原 雅昭 MIMによる新素材の開発とその応用 2 福祉・情 報通信 群馬高専 講師 小川 侑一 インテリジェント電動車いすの開発 3 情報・通 信 群大工学部 助手 横田 正幸 高精度水分濃度光センサの開発 4 新素材 群大工学部 教授 西村 淳 官能基化ナノチューブ 5 新素材 群大工学部 教授 宝田 恭之 イオン交換作用を用いた微粒子合成法の開発 6 医療・新 素材 群大工学部 教授 片貝 良一 ポリデプシペプチドからなる生体内分解性を有する薬物 徐放性機能材料 7 生活文化 県工業試験場 主任研 究員 滝口 強 セラミック処理水を用いた機能性食品の開発 8 医療・バ イオ 群大生体調節研究所 教授 的崎 尚 細胞の増殖と接着の制御機構に関する新規シグナル 分子の網羅的探索と創薬への応用 9 医療 群馬大学医学部 教授 小山 洋 血清中セレン蛋白セレンプロテインPの疾病予防機構 の解明 1 0 環境・バ イオ 東洋大学生命科学部 教授 藤伊 正、下村 講一郎 学部 職位 氏名 テーマ ヒマラヤヤマボウシ培養不定根由来粗酵素の芳香族化 合物分解特性 20 「新素材・エネルギー」 イオン交換作用を用いた微粒子合成法の開発 機能性微粒子併産型触媒ガス化トータルシステム ガス生成物 クリーンエネル ギー - 水素ガス → メタンガス → 合成ガス → + 燃料電池 複合発電 GTL 副生成物(高付加価値物質) 機能性微粒子 機能性微粒子 粉末冶金 電池負極剤 など ニッケル鉱石 ニッケル担持褐炭 イオン交換 原料 褐炭 + 低品位鉱石 褐炭 群馬大学工学部 宝田恭之教授 21 「医療・バイオ」 細胞の増殖と接着の制御機構に関する新規シグナル分子の網 羅的探索と創薬への応用 癌細胞の転移防止機構の解明と創薬:特許出願 SHPS-1 SHP-2 P Y Y P CD47 SHP-2 シ グナ ル ON( Ras, Rho) 細胞運動促進 Y Y Y Y シ グナ ル OFF 細胞運動抑制 移動中の細胞 群馬大学生体調節研究所 的崎尚教授 22 「新製造技術」 円筒容器内面の清浄化技術の研究開発 高純度半導体用ガスボンベ (特許出願) 洗浄回数とパーティクルの相関関係 研磨品(2S ) 研磨品(1S ) 1000 900 1ft 3当たりパーティクル数 800 700 600 500 2S 容器 超音波洗浄 400 300 1S 容器 超音波洗浄 200 今後の展開 これから主流となる大型容器のウルトラクリー ン化に本技術を展開する。 100 0 1 2 3 4 5 従来の洗浄 6 7 8 9 10 11 超音波洗浄 12 13 14 15 洗浄回数 23 研究開発のポイント Research & Development 1.目標の明確化 (Vision) 先ず目標を明確に定めます。次に目標達 成に必要なことを書き出します。目標に登り つめる為に、付随して解決すべき多くの課 題が発生します。 2.手段と手順 (Management) いつまでに、何をどうするのか。研究開発 にもマネジメントが必要となります。 3.分散している知の統合 (Integrate) いいアイデアでも、解決には他分野の技術 も時には必要となります。得策はネットワー クを駆使することです。分散している“知(技 術)”を如何に効率よく収集するかです。文 献検索、特許調査、学会、インターネット、 そして人脈です。 カンサン株式会社 (群馬県渋川市) 鈴木実取締役工場長 24 フィンランドのテクノポリス The Multipolis Network ( Finland) The Multipolis Network helps to develop a centre of top level expertise that covers all of Northern Finland. 25 JST 欧州調査報告書(H14年)より 200数十社が企業活動しているテクノポリス 26 JST 欧州調査報告書(H14年)より 広島中央サイエンスパーク http://www.pref.hiroshima.jp/kigyoukyoku/danchi/parks/sp.htm 27 岐阜県大垣市 ソフトピアジャパンエリアには世界のIT業界をリードするグローバルレベルの企業から、ITに可能性を見出し、ここソフトピア で新たなビジネスモデルの成功を目指すベンチャー企業まで、ソフトウェアをキーワードに多くのIT関連企業が集積していま す。多様な企業の集積と企業間交流から生まれる新たなビジネスの発展に向け、より一層の集積を図るために最適なファシ リティーを用意し、IT企業をサポートしています。 http://www.softopia.or.jp/business/environment_facility.html 28 熊本テクノリサーチパー ク 29 http://www.xten.jp/~ritti/cot5-1.php 群馬産業技術センター 群馬産業技術センター(前橋市) 東毛産業技術センター(太田市) 30 http://www.tec-lab.pref.gunma.jp/index.html 新技術開発とニュービジネスモデルの構築 31 新商品・新規事業の開発 21世紀デジタル化社会におけるニュー・ビジネスモデルとシステムの研究&開発 事業戦略 成長分野へ転換・進出 ニュー・ビジネス 新顧客 価値創造 管理 新商品・新サービス 適正な投資とリターン 日本の社会や産業界は、いま、大転換期にあり、構造改革の最中であり、ニュービジネスのチャンスが高まっている。 ・グロ-バル化:共産圏の崩壊により、東欧や中国などが資本主義社会に組み込まれ、労働コストの格差や為替などの影響 を受け、既存の企業は産業構造の変革の最中である。 ・デジタル化社会:科学技術の発達、特に、コンピュータやインターネットの発達により、高度情報社会、リアルタイム社会に 対応したビジネスシステムへの変革が競争力強化に必要である。 ・超高齢社会:確実に少子高齢社会に移行中であり、今までに増して高齢者対応のニーズを取り入れた事業展開が求められ ている。 ・地球環境問題:快適性と地球環境問題(人口、貧富の差、公害)の調和による持続的発展 ニュー・ビジネスモデル(顧客主義):生産者中心主義でなく顧客にとって真に必要なコスト、時間、プロセスの追求 32 起業家としての資質 1.洞察力 他の人に見えないことを見る能力 2.勇気 疑いや迷いに負けず行動を起こす能力 3.創造力 枠を破って自由に考える能力 4.批判に耐える能力 成功した人はだれでも批判された経験をもっている 5.充足を先送りする能力 長い時間かけてより大きな見返りを得るために、今すぐ要求を満たしたい気 持ちを抑えること 「金持ち父さんの投資ガイド 上級編」 ロバート・キヨサキ シャロン・レクター より 33 事業家の基本要件 1.コミュニケーションの技術 2.リーダーシップの技術 3.チームを作る技術 4.税法 5.会社法 6.証券法 「金持ち父さんの投資ガイド 上級編」 ロバート・キヨサキ シャロン・レクター より 34 付加価値創造と技術管理 ビジネス コンセプト キーテクノロジー キーパーツ キーコンポーネント 開発テーマの 管理/登録制度 商品 範囲 投資 リスク リターン 期間 (短期/中期/長期) 特許化 新商品の開発 付加価値創造 表彰 褒賞制度 事業収益 (付加価値) 向上の技術 部門のあり方 動機づけ 技術部門の 生産性の向上 効率化・改善・改革 技術部門 管理データ 予算 KT(ケプナー・トリゴー)法 (個人データ) (経営データ) ・ 人員 ・ 予算 (機種数)/(部品点数) モデルチェンジ期間 統計データ(月次/データ) 開発設計 体制 コンカレントエンジニアリング 事業部制(技・製・販一体)・・・ 成長 ・・・投資 本部/工場制(技・製分離)・・・ 成熟期 ・・・リストラ対応 場所 国内 / 海外 35 適正な管理のためのIT活用 IT(超高度情報化)化・デジタル化社会 への対応 1. 2. 3. 4. デジタル化とは物事に番号付け(コード化)すること 番号づけにより、整理整頓と効率化が可能となる ネットワーク化による情報の共有化 インターネットの意味するもの (いつでも、どこでも時空間を超えて) コード設計、ファイル設計、プロセス設計、等 コードが付くものは価値がある。 コード付けによってビジネスのスピードアップが可能となる。 36 最終顧客は人間である 生命(人間)システム • 生命マクロシステム ・視覚 70% 人間活動 (人間の能力以下、人間並み、人間以上) 5感 満足 ・聴覚 20% ・味覚 ・臭覚 ・触覚 10% 収集活動 ・情報 排出 ・物質 ・エネルギー 欲望・マズローの法則 定性的・定量的 把握 37 生命システムの代替 人間機能の外部依存化 1.エネルギー革命 ・人力・筋肉→機械、ロボット 2.輸送革命 ・足→輸送機械(船・車・航空機) 3.情報革命 ・頭脳→コンピュータ 4.バイオテクノロジー革命 ・生体調節機能の外部依存化 38 日本の人口推移予測 人口減少社会(少子高齢化) 140,000 人口増加社会 人口減少社会 日本総人口(1000人) 0~14歳(年少人口) 15~64(生産年齢人口) 65歳以上 (老年人口) 120,000 100,000 15~64(生産年齢人口) 80,000 60,000 65歳以上 (老年人口) 40,000 0~14歳(年少人口) 20,000 0 1900 1920 1940 1960 1980 2000 2020 2040 2060 2080 2100 2120 少子高齢化 資料 総務省統計局統計調査部国勢統計課「国勢調査報告」「日本の推計人口 39 人口が減少する間に経済と文化が発展した例 官僚主義排せばルネサンス実現 世界の歴史を顧みると、人口が減少する間に経済と文化が発展した例は少なくない。典型的なのは十五世紀のイタ リアだ。イタリアには、一三四○年に九百三十万人の人口があったが、一五○○年には五百五十万人になっていたと いう。百六十年間に約四割も減少したのである。 だが、その間にこそあのルネサンスの文化が花開いたのだ。それも不思議ではない。人口が減少すると、人々は生 産性の低い土地を捨てて生産性の高い都市や沃地に集まった。当然、一人当たりの生産量は増え、食費の比重(エン ゲル係数)は低下した。これで生じた社会的余裕でヴェネチアやフィレンツェの工芸品に対する需要が増え、祭りも 盛んになり、教会への寄付も増えた。これがやがてラファエロやミケランジェロが絵筆を揮(ふる)う機会を与えた のである。 その一方で、生産性の低い土地の地主(封建諸侯)は、収入と支配下の領民を失って没落した。この時期のイタリ アの幸運は、封建諸侯に農民の流出を止めるだけの力がなかったことである。 人口の減少を経済と文化の繁栄に繋(つな)ぐためには、生産性の高い分野に労働力が移る自由を保ち、よりよい 生産方法を採り入れる競争を促すことだ。 つまり、労働と資本と土地の移動が、自由に迅速に安価安全に行える体制を築き、あらゆる分野への新規参入とあ らゆる業種での新手法の適用を認め、奨励する雰囲気を盛り上げることだ。 それにはまず、教育・医療介護・農業などの分野に、外国資本を含む会社組織の参入を認めること。第二には都市 部の土地利用制限を撤廃し、民間主導による「歩いて暮らせる街づくり」を実現すること。第三には公共料金が国際 競争に耐え得る程度に引き下げられる制度を確立すること。そして第四には高齢者が楽しみと誇りを持って働けきか つ暮らせる好老社会を実現することである。 変化の厳しい今日、何事も確定的に考えるべきではない。国際分業のあり方も、物価や為替の水準も、移民の数や 高齢者の定義も、これからの十年には大きく変わるだろう。大事なことは、変化を恐れず、新しさを生かす方法を考 える社会的習慣を広めることだ。 とかく官僚は前例を重んじ、現状を固定化する方を好む。そんな官僚が、十五世紀のイタリアの封建諸侯ほどに弱 くなってくれれば、日本は幸せである。 35年生まれ。東京大卒、エコノミスト、元経済企画庁長官 日本経済新聞(経済教室) 2003年1月6日 作家 堺屋太一 40 400.0 固定相場 300.0 円高の時代 200.0 250.0 2009年1月 2007年1月 2005年1月 2003年1月 2001年1月 1999年1月 1997年1月 1995年1月 1993年1月 1991年1月 1989年1月 1987年1月 1985年1月 1983年1月 1981年1月 1979年1月 1977年1月 1975年1月 1973年1月 1971年1月 1969年1月 1967年1月 1965年1月 為替推移 円/US$ (1965年~2003年) 0.0 多極通貨時代 50.0 流通の時代 100.0 150.0 モノづくりの時代 中国経済の台頭 ユーロ誕生 プラザ合意 350.0 ニクソンショック 41 名目国内総生産推移 (兆円) 600 成熟期 高度成長期 500 400 衰退期 300 次世代テクノロジー 200 情報・通信の時代(IT化・インターネット) モノづくり・生産技術の時代(機能的技術+基盤技術+生産技術+デザイン) 100 0 1980年度 1985年度 1990年度 1995年度 2000年度 42 研究開発のモデル (a)リニア・モデル (b)「この指とまれ」モデル 研究(研究所;学会に公開) 開発方針の提案;「この指とまれ」 潜在ユーザーに公開 潜在出資者にも公開 開発(事業所など;非公開) 開発=マーケティング=囲い込み =「事実上の標準」形成 生産(工場など;非公開) ユーザー側の開発も同時進行 発売:マーケティングは既に完了 ユーザーは逃げられない 発売(市場;ユーザーに公開) ユーザー側の発売も同期 情報産業論~ネットワーク時代の産業構造~西村吉雄教授より引用 43 研究開発ビジネスは 先進国で5500億$、325万人 日本で15兆円・60万人市場 「我が国の産業技術に関する研究開発活動の動向」経済産業省 http://www.meti.go.jp/policy/tech_research/indicator/japanese1411.pdf 44 21世紀の事業構造の改革 ※拡製造業 リニアモデルからネットワークモデルへ 中央研究所の崩壊→産学官 連携の時代 製造業特化 ⇔ 【事業探索】 【筋肉体質】 製造業 研究開発 ビジネス 花 流通業 製品生産 製品販売 ビジネス ビジネス 日影 接木 下草 若木 やぶ 成木 種 実 苗 竹の子 野菜 肥料 店頭 輸入ビジネス 輸出ビジネス 【収益化スピードの重要視】 輸入ビジネス <研究ビジネス>:国家委託研究/補助金、共同開発 ・啓豪教育ビジネス分野 ・マニア向ビジネス ・研究開発業界向ビジネス ・ソフトビジネス ・官庁/自治体向ビジネス ・単品製造(設計)ビジネス ロイヤリティビジネス ・ハードビジネス ・単品販売ビジネス ・システム販売ビジネス 45 21世紀の事業構造 (知識創造経営) GEモデル ソフト ものづくり サービス ファイナンス ・ITを活用した時空間を超えた経営 ・リエンジニアリングによる企業改革 ・ナレッジマネージメント 46 千三つ、 死の谷、ダーウィンの海 新技術 国家重点領域分野 バイオ、ナノテク、IT、環境等 新産業 新経営資源 新産業基盤 1/2 1/30 既存市場 科学技術創造立国 新市場 1/1 既存産業 1/4 成功の割合 既存経営資源 加工貿易立国 図 既存技術 新規事業進出の成功割合と新産業創出戦略 47 ハインリッヒの法則と技術開発における 成功の確率「千三つ」 • 1941年にアメリカの損害保険会社の安全技士H・W・ハイ ンリッヒが事故や災害について調査し労働災害の発生確 率に関する法則を確立 • 1件の重大災害の裏には29件のかすり傷程度の軽微な 災害があって、さらにその後ろには、ヒヤリとしたりハッと して冷や汗が流れるような事例が300件潜んでいる 技術開発においても一つの成功の裏には、 30件~300件程度の失敗があることが推測できる。 この失敗をどう防ぐを考慮することが大事 畑村洋太郎「失敗の法則」を参照して編集 48 技術マネジメント(MOT): 既存技術と新技術の有効的組み合わせ 研究開発ビジネスの確立 不要技術 既存 技術 新技術 産学連携による 新技術導入 既存 技術 既存技術の棚卸・ 評価・有効活用 失敗事例の分析 とデータベース化 による活用 既存商品 新商品 図 新商品開発と新技術開発マネージメント 49 コアコンピタンス: 自社の経営資源の棚卸と強み・弱みの評価 不要資源 新資源 既存 資源 既存 資源 既存市場 新市場 外部との提携 (アウトソーシング) •顧客の要求およ びリターンに対し ての適正な投資 •既存資源の有効 利用および学習 効果の活用 (人・モノ・金・情報・技術・時間) 図 新市場への参入に伴う新経営資源投入マネージメント 50 研究開発投資と成功の確率とリターン 開 発 投 資 成 功 の 確 率 リ タ ー ン 期 待 値 新経営資源 T 先行投資 保険(守り) 既存経営資源 既存 成功 A 失敗 新規 P=∑AxK-T 既存資源と新規 経営資源の投入 割合による成功 の確率の変化 創業者利益 利益 操業利益 損出 51 研究・開発の役割分担 大学・国研アウトソーシング ( 技 術 レ ベ ル ) ( R & D 難 易 度 ) 技 術 先 行 性 民間系 アウトソーシング 自社 研究・開発部門 事業部系 技術・開発 技術汎用性 (製品応用性の明確性) 太陽誘電 望月所長 講演資料より 52 付加価値の創造 生産性の向上 (1)なくてはならないもの なくてよいもの (1)顧客主義 なくてはならないもの やる気 知恵 お金? 知識? 設備? お客さんが何を当社に、みなさんに求めているか 自分(経営者、従業員)はお客さんに何をどのように提供すれば満足していただけ るか 顧客を理解することが重要です。 会社としてお客さんの声を収集し、対応してゆく仕組みづくりが大事です。 「生産者中心」から「お客さん中心」の会社への変革であることを期待いたします。 QCDV(品質、コスト、納期、数量) 顧客にとって必要でない、品質、サービス、コスト、時間、プロセスの廃止 (2)改善は目に見える形に ・20%や30%の改善は絶対にできるのだという、自信と信念を持ち、あわてず、 しかし、スピードをもって着実にやっていこう。 ・どうやったら、単純に効率よく改善できるか、他社の例をまね、参考にしよう。 ・自分たちの改善は会社の収支(添付資料の損益計算書や貸借対照表)の改善に 必ず反映されるように管理しよう。 月次単位で改善結果をグラフにして、会社の収益をあげて 給料も高くしよう。(改善結果の賞与への反映) (3)すぐに、効果の出るものから取組むこと ①色々なアイデイアをドンドン提案記録しておき すぐにほとんどお金なしでやれ、効果の出るものをやってみる。 ②お金がかかるが効果の大きなもの ・重要度、優先度、緊急度の仕分け 投資(人、設備、お金、情報、技術、時間)とリターン(効果)の関係を 明確にして改善に取組むこと *<番号を付けましょう> 改善NO 一覧表 Plan・Do・See・Check・Action (ISO9000S、14000Sなどの手法)をまわして、継続的に改善しよう。 53 ・研究者ひとりひとりがやりがいのある社会 ・組織体全体がうまくゆく ・社会全体が研究開発の恩恵を受けられる 豊かさの維持と享受 54
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